トランプ大統領がイスラム系の特定の国に入国制限を課そうと戦っています。英国は移民排斥のボイスがEU離脱につながるのですが、その背景には英国でもしばしば起きたテロそして反イスラムの色が見え隠れします。

オランダで3月15日に行なわれる下院選挙では政権交代が起きる可能性が出てきました。現在の与党は中道右派と中道左派の連立ですが、双方とも議席減が見込まれ、第一党には極右の自由党が躍り出ると予想されています。

この極右の自由党の政策は反イスラム、ユーロ廃止、EU離脱、コーラン禁止でウィルダース党首は「移民の為ではなく普通のオランダ人のためにお金を使う」(日経)と主張しているそうです。私はこの党首の言葉が今の世の中の姿勢を端的に表していると思います。

フランスでもルペン候補が大統領選の第一回目の選挙では一位になると見込まれていますが、彼女はがちがちの極右政党であります。公約はオランダの自由党党首と似たようなものですがユーロを廃止して通貨バスケット制導入を訴えているところは興味深い主張です。それ以外にも右派の声が大きくなっているのがイタリア、オーストリア、ハンガリー、ポーランドなどで欧州全般に保守的な体制が目立ってきました。

この背景は欧州に大挙した難民の扱いが直接的きっかけでありましたが、私はその根には宗教的意識の相違が強いのではないかと改めて感じつつあります。メディアでは「ポピュリズム」という表現をしますが、実際には現代版宗教戦争としても過言ではないと思います。

かつて、宗教戦争といえばキリスト教内の戦争が有名であります。フランスのユグノー戦争(16世紀)やオランダの80年戦争(16世紀)、神聖ローマ帝国での30年戦争などはカトリックとプロテスタントの戦いと言ってよいでしょう。

一方、宗教間の戦いとしては中東戦争やパレスチナア紛争、更にはイラク戦争もそのカテゴリーに入るのでしょう。

ではなぜ、欧米で宗教が揉めるのか、といえば一神教であるユダヤ、キリスト、イスラム教の信仰に根差したが故の根本事情で何百年たっても同じ問題が繰り返されるのであります。レバタラですが、仮に同じ一神教でも完全に違う神であればここまで争わなかった気もするのですが、どれも同根の宗教ゆえの複雑さだとも言えます。

宗教戦争という括りにしてしまえばトランプ大統領が入国制限で無理を言うのも欧州での反イスラムの声も同じベクトル上に乗ります。少なくとも4-5年前までは反イスラムという言葉はあまり見かけず、反テロリズムであったはずです。それが反イスラム原理主義に変わり、今や、広くイスラムがその対象に移り変わっていったのはよりアグレッシブになったということでしょうか?

興味深いのはトランプ大統領がイスラエルのネタニヤフ首相との共同会見で「2国家でも1国家でも(イスラエルとパレスチナの)双方が望む方でいい。どちらでも受け入れ可能だ」(日経)と発言した点で、私はその意味を考えています。トランプ大統領は娘婿のクシュナー氏がユダヤ教で娘のイバンカ氏もユダヤに改宗しているだけにトランプ氏はユダヤを敵に回せませんからここはネタニヤフ首相にある程度フレキシビリティを持たせたのだろうと思います。

このままでいけば私は近未来に本格的な宗教戦争が起きないとも限らないと感じ始めています。そして現代の戦いとはかつてのドンパチではなくテロのような一部の人間が無法状態で一般人を巻き添えにする極めて悪質な戦いであります。その悲惨さを考えればかつての戦争とはまた別の意味での恐怖感があります。

日本でも起きると言われているテロが起きないのは日本が三大宗教圏ではない点において日本人が対象になりにくいのではないかと考えています。日本が心しなくてはいけないのはこの宗教戦争に絶対に巻きこまれてはいけないということです。つまり三大宗教を敵対視するような発言や不用意に刺激することはどうにかして抑えるべきでしょう。言論の自由を振りかざすのとはちょっと意味が違うのではないかと思います。

我々も心しなくてはいけないでしょう。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。