銀行とは顧客から預かったお金を別の顧客に貸し、その金利差で儲けるのがもともとの発想であります。言い換えれば借りる人が銀行にとっての最大の顧客のはずですが、銀行から顧客扱いされているのか、と考えてみると「そうだ!」と同感される方はどれぐらいいらっしゃるでしょうか?

私も日本の銀行から借りていますが、なぜ、もっと借りたいと思わないのか考えてみます。

銀行は預金してくれる人、投資信託などの金融商品を買ってくれる人には手厚くします。銀行員がかばんを下げ、挨拶にやってきます。いらぬ商品をいろいろ勧めてニコニコ話をして帰ります。ですが、お金を借りている私のところには挨拶は来ません。電話もなければ年賀状も来ません。こちらからメールで時候の挨拶をしても返事はありません。ですが、忘れたころに「お会いできませんか?」と連絡が来ます。

先方から会いたいと思うならこちらに来るのが普通の会社の礼儀ですが、「銀行にいらしてください」。行くと何があるわけでもない、お久しぶりと時候の挨拶をしてどうですか、とりとめのない話をして終わりです。想像するに社内の規定で顧客に定期的にあって動向を確認するようになっているのでしょう。つまり、仕事が銀行の社内規定にそって機械的に行われているだけで銀行マンが本来持たねばならないビジネスの本質をすっかり見失っているような気がします。

私は借り入れ銀行以外にも様々な形で銀行の方とはお会いするケースがあるのですが、目線は往々にして「上から」であります。体質的にはどこも大して変わらないのだろうと思います。

では私の事業資金はどうするのか、ですが、今は自己資金のうちでしかやらないようにしています。正直言えば自己資金と言っても会社がいくつかあるわけでその関連会社間での資金融通ですから一定の金利が計上されます。そして私のところの社内金利は銀行より心持ち高く設定してありますから事業会社としては銀行から借りた方が一見得なように見えます。

それでも借りたくない理由はまず、銀行とのやり取り、書類提出、契約、担保設定などなど様々なペーパーワークにそれなりのコスト(担保設定など)がかかります。これは正直面倒です。社内での融通ならばひな形のローンドキュメントにさっさと金額を入れて送金すれば終わりです。30分もかかりませんし追加コストもゼロです。

多くの中小企業はこの銀行の「融資をしてやろう目線」で嫌な思いをしてしまいます。そこで私は逆にそういう会社に資金を出しています。それをすることでその会社を育てるという気持ちが生まれるからです。銀行は本来であれば企業を育てなくてはいけないのに資金管理だけにとらわれてしまっています。銀行の内部統制と金融庁などとの整合性なのでしょう。残念なことです。

そうなればなるほど非金融機関からの資金調達ルートは増えるはずです。ネットで資金調達をするクラウドファンディングもそうですが、これは時間がかかるのと不特定多数から資金を調達することで強みと弱みがあります。

私は民間が優良な中小企業やベンチャーに資金を融通する仕組みを作るべきだろうと思います。ベンチャー資金は通常、出資という形態を思い浮かべますが、個人的には融資プラス利益が出た際の配当優先株発行、及び、融資残がある限りにおいて経営に一定レベルで関与できる仕組みがあればうまくワークする気がします。

日本のベンチャーは第三者の出資を恐れていることが多く、ここに日本の起業家が育たないキーがあるように感じます。また日本の銀行制度が変わらない限りやはり、日本で起業家は増えません。(起業家にはもともと銀行が金を貸さないですが。)

私はバンクーバーの不動産開発事業者向けの土地取得から建築着工前の販売までという銀行が資金を貸さない案件のみを取り扱う投資団に入っています。大体木造住宅の開発で2年、ハイライズなら3年越えの期間になり、プロジェクトが失敗すれば土地ごと全部取り上げて自分たちで開発するというスキームです。

これは貸した相手が倒れたら競売するのではなく、「喜んでその仕事、お引き受けします」というスタンスなのです。銀行は逆立ちしてもこんな事業方針は持ちません。ここが圧倒的違いです。(今のところ、そのような事例は存在しませんが。)

資金の貸し手は多様化してきました。その中で銀行が既存の優良顧客だけを「よいしょ」し続けるだけならどこかほかの銀行と合併対象になってもおかしくないでしょう。

銀行はビジネスの本質をもう一度見直すべきではないでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。