トランプ相場で株価が上がり、円安が進行していた昨年、「この相場つきは大統領就任後まで」と申し上げていました。相場を張る人にはお分かりいただけると思いますが、「噂で買って事実で売る」という格言が私の予言の前提でありました。

トランプ大統領はあれもやる、これもよくなる、と国民が喜びそうな甘いものをたくさん並べてきました。「私が大統領になればこのガラスのショーケースに入ったおいしいものは皆さんのものになる」と言い続けていたのです。おまけにツィッターで放言し客寄せまでしたわけです。

ですが、ガラスのショーケースからいざ、おいしいものを出そうとしてもショーケースのドアが開かない、あるいは出しても見たものと違う、とすればどうでしょうか?失望感が漂います。今、まさに起きているのがガラスケースが開けられない事態であります。

具体的にはオバマケアの代替え案が議会で可決ラインを確保できないかもしれないという第一歩目(一丁目一番地とも表現しているようです。)での躓きであります。この代替案が通らないとトランプ大統領がいう税制改革は思惑通りになりません。2月9日に「数週間以内には驚くほどの税制案を発表する」といったのに5週も6週も経っても何も聞こえてこないのはここからきているのです。

私がショーケースでみたものと実際が違うかもしれないと考えているのは税制改革のことであります。出てみないとわかりませんが、見せかけ倒れだとしたら経済しか取り柄がないトランプ大統領には致命的となります。

市場はこのような展開に非常に敏感に反応します。今起きているのはトランプ大統領のレームダック化なのかもしれません。これは期待した分だけはげ落ちるどころか、8年近く景気回復路線を辿ってきた原動力のポンプが作動しなくなるリスクを抱えるかもしれません。

では株は暴落するのか、といえば私はさせないとみています。それはアメリカ国民が金融資産の4割を株で持っているという事実に鑑み、株価の下落はアメリカの貧困化にダイレクトに響くからであります。(特にリタイア層や準リタイア層には大きな影響が出ます。)ではどうするのか、といえば為替でドル安にすることなのでしょう。これで海外から見ればアメリカの株価が実態として安くなります。これが私の思う対策です。

ではどうやったらそんなうまい操作が出来るのか、といえば唯一、トランプ大統領からダイレクトで影響を受けないFRBが対策をとるしかありません。金利の引き上げ方針を再びハト派寄り(弱気)に転換し、利上げ期待を下げることでしょう。これでドルへの需要が下がる一方、株価にはPKOになります。

確かに各種経済指標は絶好調に近い状態です。但し、指標が1-2カ月遅れであること、また、消費者なり経営者なりがその判断に至る過程は更に最低1-2か月遡るはずです。つまり、今の好調な経済指標の根源たる判断材料はトランプ政権が出来るという期待と不安が入り混じった時代の産物であるといえます。

ならば怖いのはこれから2か月ほどした時の指標でしょう。ISM製造業景気指数など景況感を表す比較的先行的な統計には注意でしょう。

私が注目している指標はアメリカの10年物国債の利回り水準。これが下がるということはトランプ相場を主導した金融株にはボディブローになります。その国債利回り水準は現在が2.39%レベルであり、イエレン議長が先週、利上げを決めた直前の2.6%からまっすぐ下落し続けています。現在のトレンドから見て取れるのは市場は先行きの景気の持続に疑問符を付け始めたということでしょうか。

まずは目先、オバマケアの代替法案が通るか、これが最注目です。それがうまくいけば経済のトランプ大統領の面目は保てます。あるいはどこまで譲歩したものになるか次第で減税案への期待度も斟酌できることになりそうです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。