ペンス副大統領がアジア訪問をしている割にはこの数日、北朝鮮との緊張がややひと段落した感があるような気がするのはなぜでしょうか?

確かにこのひと月ほど徐々に注目されてきたアメリカ軍による北朝鮮への締め付けは習近平国家主席との会談が終わった後、何か吹っ切れたようにトランプ大統領の北朝鮮に対する刺激的発言で一気に盛り上がりを見せます。

その後、シリアでの化学兵器使用に対して電撃的な攻撃をしてみたり、アフガンで通常兵器でもっとも強力な爆弾を落としたことで北朝鮮をも威嚇します。その北朝鮮は金日成生誕105年記念式典直後にアメリカの脅しに反応するように一発ロケットを打ち上げますが失敗に終わります。

この辺りからややトーンが下がり始めます。ペンス副大統領が38度線まで視察に来るのはそこまで事態が切迫していないとも取れますし、副大統領が日韓で安倍首相をはじめ、要人と会談した際にも高い緊張感を強調している割にはややピントがずれてきた気がします。

もちろん、4月25日の北朝鮮軍創建日を控え、今後の展開は予断を許さないのですが、私がおかしいな、と思った直感を裏付けた一つの理由は空母カールビンソンの動きであります。4月8日の発表ではアジア南海にいた同空母打撃群を朝鮮半島近海に差し向けるとあり、報道では遅くとも13-14日には到着するとされていました。15日に北朝鮮の記念式典が予定されていたからであり、なるほどと思ったのであります。

ところが最新の報道によるとその時、カールビンソンは全く違う方向に舵を切り、オーストラリア海軍との演習でインド洋に向っていたとのことであります。(ブルームバーグより)つまり、外向けの報道と実態が全然違ったわけで、今も朝鮮半島そばにはいないのではないでしょうか?仮に軍事演習を切り上げて北に針路を取ったとしてもあの打撃群は動きに時間がかかるからです。

トランプ政権は我慢の限界を超えたと言います。確かにノーベル平和賞をさっさと貰ってしまって手足を縛られたオバマ元大統領よりは動きやすいでしょう。しかし、疑問は残ります。トランプ大統領は本気で朝鮮半島に興味があるのでしょうか?

朝鮮半島で戦争が起きたのは1950年。このときは共産主義との戦いが世界各地で起きており、朝鮮半島、ひいては日本が赤化するのを食い止める必要がありました。それから60年以上が経った今でも在韓米軍と在日米軍の直接的標的は北朝鮮なのですが、ソ連が崩壊し、中国の共産主義も変質化した中、共産主義としての北朝鮮の脅威は地域的問題であって地球ベースの事情にならないと考える可能性は大いにあるかもしれません。

とすれば脅威のレベルとは核開発とロケットを次々に飛ばす無謀な行為に対する戒めであり、政治的、宗教的、思想的伝播と拡散を食い止めるべく防御戦とは一線を画すことになります。ここで思い出すのはトランプ大統領が大統領選の時に韓国と日本に駐留する軍に対する見返りの問題であります。原点に立ち返ればトランプ大統領は自国のことにもっと注力したいはずなのです。

もう一点、北朝鮮とアメリカが戦えばアメリカが勝利することは確実です。ところが、勝利に至るまでに人質であるわずか40キロの先のソウルという街がどうなるか、ここが担保できてない点でシリアやアフガンのように簡単にGOサインを出せないところがあります。軍事境界線には長距離砲がソウルに向かってずらりと並びます。

北朝鮮は120万ともいわれる人民軍を持ちますが、その大半(102万人ともされる)は陸軍であり、海軍と空軍はあるにはありますが、戦力としてはかなり劣るものと察します。(購入ないし開発資金がないでしょう。)それ故に核であり、化学兵器といった一発大逆転が狙える特殊兵器で対峙しようとするわけでそのソウルに銃を突き付けているようなものでしょう。

アメリカが仮にGOサインをかけた場合、人質のソウルが火の海になることを否定できる人はいないでしょう。つまり、果てしなく醜い結果を生む可能性を残しているのではないでしょうか?

私は今回の作戦を実行するなら韓国の大統領選までに行うのではないか、と以前書きました。今でも仮にやるならそうであるべきだろうと思いますが、空母やらペンス副大統領の口撃やらをしている間に〜蠎蠅大人になるよう中国が介入する 特殊部隊による正恩暫首作戦を水面下で行う この緊張感が緩まるよう説得を続ける が同時並行で進んでいるような気がいたします。

実際問題としてアメリカが直接的手出しをするのは非常に難しい判断で一部には「アメリカがなぜそこまでするのか?」というボイスが出て来てもおかしくないかもしれません。

こういう時ですので私のような素人が勝手な推測をしてはいけないのですが、何となくちぐはぐ感があるのがこのところの北朝鮮情勢という気がするのは私だけでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。