世の中、〇〇ファーストが流行言葉のようになっています。しかし、何気で聞き流している〇〇ファーストもよく考えると実に危険な香りがします。

トランプ氏初舞台のG7では自分の主義主張で議長国イタリアが用意していた難民に関する共同声明が出来なくなりました。更に貿易に関しても強硬な姿勢で最後にようやくやや軟化して「保護主義と闘う」で決着しました。そういえばその前に参加していたNATOの会議の記念撮影では他国の国家元首を押しのけて前に出たと話題になっていましたがミーイズムそのものという印象はぬぐえません。

同じファーストでもお馴染みのレディファーストになると意味がすっかり変わります。女性を尊重し、優先させることを意味する言葉として現代社会では理解されています。海外では生活習慣にしみついています。ドアを開けて女性を先に通す、エレベーターの乗り降りも女性が先だったりするし、車の乗り降りも女性を先に助手席に座らせてあげるケースもあるでしょう。

レディファーストの語源については様々な説があります。決して現代社会が理解している意味のようなものではありません。先に行かせてリスクを取らせる的な起源もあるようですが、現代の変質化した意味合いの中では女性=男性に比べて弱者に心地よい思いをさせ、譲る者の器の大きさを示しているとも言えます。

ならば米国ファーストとはアメリカの気持ちの器が小さくなったことに直結するといってもよいかもしれません。世界の警官を止めるというのは他国の面倒はもう見ていられないという意味合いですし、これ以上の貿易赤字は放置できないというのも「アメリカは今まで人が好過ぎたんだ。我々は青年から壮年を経て高齢になったし電車に乗れば優先席に座れる権利も持つぐらいなんだからもう双子の赤字から脱却させてくれよ」ぐらいに聞こえます。

ならばアメリカは自国がもつ様々な権益もギブアップすべきでしょう。基軸通貨ドルや世界銀行の主導権などはほんの一例です。しかし、そんなことをするとは誰も信じていないし、「高齢?冗談じゃない。アメリカはまだ若さで元気はつらつさ。」と答えるでしょう。高齢なのはトランプ大統領その人のことであり、氏自身のミーイズムをアメリカ国民の利益に結びつけたとして過言ではないでしょう。

ではもう一つのファーストである東京都はどうなのでしょうか?「都民の為」という小池氏の主張に大いに違和感があるのは東京は昼間人口と夜間人口が全然違う点を無視している点が挙げられます。近隣県から東京都に通う多くの人々は「都民」ではありません。ではその人たちのことはどっちでもよいのでしょうか?東京都に登記される多くの大企業は何処でビジネスをしているのでしょうか?日本全国のみならず世界中で稼ぎ、活躍しているではありませんか?

築地は都民の台所でしょうか?日本の台所どころか世界中のすし屋にネタが送られる大事な中継地点です。オリンピックの費用負担問題で強烈な反旗を翻したのはのは周辺の県知事らでした。

こう考えると東京都は行政上は一定の仕切りがあるものの東京都が単体独立してミーイズムになれる分野は限定されます。東京都の財政は7割が都税であり、その3分の1が世界で稼ぐ法人からの税収入であります。とすれば東京都はむしろ他府県にもっと気を配らなねばならない立場にないでしょうか?

そういう観点からは都民ファーストというコンセプト自体、危険だと考えるボイスが出てきてもおかしくないでしょう。そのような主張を次回の選挙の時、自民党あたりがしたら世の中に新風を吹き込むかもしれません。

ビジネスの世界において一番大事にするのは顧客と従業員です。正にクライアント ファースト、エンプロイー ファーストです。しかし、アメリカや東京都の主張するファーストイズムは「株主ファースト」と同義になります。これは経営の中ではあまり支持されない発想でしょう。

我々は〇〇ファーストという言葉を何気に聞き流していますが、よくよく考えるとおかしいな、と思わずにはいられないのです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。