いつものFOMC(連邦公開市場委員会)より今日の結果がとても気になっていたのは経済統計からは芳しくないニュースが時折聞こえ、必ずしも順風下ではない中でどのような方向性を示すのかが見えにくかったからかもしれません。

その為、市場では発表前は「弱気の利上げ」を想定していたように感じます。朝方の円高ドル安にしても金(ゴールド)が高くなっていたのもその流れを受けたものでした。FOMCの発表は利上げそのものは想定通りでありましたが、先行きの見通しに変更なく、18年も19年も3回ずつ利上げを見込むとしたことでむしろ強気の姿勢を貫いたことで金(ゴールド)は急反落、ダウは上昇、ドル円は円安に巻き返す動きとなりました。

このブログで時折つぶやいたように各種経済指標からは個人的には6月の利上げそのものにやや懐疑的で年内はせいぜいあと1回という想定をしてました。一方で6月の利上げは政治的に行わざるを得ないところまで追い込まれていた感もあり、予想をニュートラルにしていました。

この「政治的」という意味は来年早々に任期が切れるイエレン議長が再任される可能性がやや下がってきており、その上3人分が空席となっているFOMCにトランプ政権の意向を取り込むべく政策委員が送り込まれる可能性が高いからです。そのため、FRBとして早めに金融政策の正常化、つまり膨らんだ資産の縮小化も含めた対策の道筋を作っておきたかったというのが読みであります。

これは事実、予想通りでFRBの資産圧縮プログラムを年内に開始すると発表しました。言い換えればFOMCの現メンバーは来るべき新しいFOMCへのロードマップの刷り込みを行っているとも言え、方針を変更しなかったのは目先の経済よりも中期的なFRBのポジションに注力したようにも見えます。

さて、水曜日の朝、話題にはなっていませんが、アメリカの景気先行きに黄色信号がともるような統計がまた出ました。それがアメリカのCPI(消費者物価指数)で5月度は0.1%マイナス、また、コアインフレ率が0.1%プラスと2年ぶりの低い水準で着地してしまいました。主な理由は原油価格の下落でガソリン代が下がったことがあります。また同日に発表された小売業指数も0.3%マイナスで事前予想の0.0%(フラット)を下回ってしまいました。

インフレ率低下の最大の原因となっているガソリン価格の低下ですが、これは直接的にはアメリカのガソリン在庫が増え続けていることが原因。ではその大元である原油の方はといえば、アメリカのシェールオイルの動向を探る掘削リグの数が6月9日現在927本でこれは1年前に比べ実に513本も増えているのです。つまり、原油安でシェールオイル業者がばたばただったのにいつの間にかゾンビの如く復活し、世界の原油安に拍車をかけていると言ってもよいでしょう。

これはとりもなおさず、イエレン議長の悩むインフレ率が思ったように上がらない重要な原因をアメリカが生み出しているわけです。これでは一人芝居と言っても過言ではないでしょう。

ところで株式市場はどうかといえばFOMCが政策上、大きな変更を示唆していないので今日も高値に進み、目先はまだ大丈夫かと思います。但し、ヒンデンブルグオーメンという株価の先行きに黄色信号を予想するインディケーターが点灯していますので(黄色信号の有効期限は40日)今回、これを乗り越えたとしても次回またすぐ点灯する可能性には留意すべきでしょう。確か、2008年の株価ラリーの際にもこのインディケーターは数回点灯し、最後にドーンと落ち込んだと記憶しています。

アメリカの景気は明らかに変調気味。個人的にはFRBが雇用改善をフォーカスし過ぎたことで十分な労働力が様々な産業に十分行きわたらなくなったうえに一部企業の労賃上昇を引き起こしている不完全燃焼状態に陥っているとみています。個人的には今のアメリカの労働環境は行き過ぎでイエレン議長は労働市場改善に重みを置きすぎたような気がします。車は急に止まれないと同じで労働市場のひっ迫感は金利がちょっと上がったぐらいでは止まらず、株価下落など本当のショックがあった時、ようやく気が付くというギャップを読み込んでおいた方がよさそうです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。