民族主義が復活しそうな気配が見え隠れします。勝ち組と負け組の間で生み出されたその敷居は民族という枠に収れんするのでしょうか?

オーストリアの下院選挙で中道右派の国民党が第一党となり、27歳で外務大臣に就任し現在弱冠31歳のセバスティアン クルツ党首が首相になりそうです。そして、第二党だった中道左派の社会民主党が第三党に下落し、第二党に極右政党の自由党が躍進した模様です。国民党と社会民主党の連立は否定されているため、クルツ氏は極右の自由党と連立する可能性が高まり、同国のポジションが大きく閉鎖的民族的思想に変化する兆しが見えてきました。

今週、隣国のチェコでも選挙がありますが、そちらも第一党に新興政党でポピュリズムな政党が勝利を収める公算が高まっています。

先日行われたドイツの選挙ではメルケル首相が勝利したもののその顔に喜びが見られなかったのは極右政党が第三党に躍進したからであります。欧州の地図を見るといわゆるドイツ、イタリアを含む欧州の東部において民族主義が再び台頭しており、嫌な雰囲気が漂ってきています。

また、ご記憶にある通り、フランスでは極右政党ルペン候補が大統領選に最後まで残り、オランダの総選挙でもポピュリズムが台頭、更に先日、スペインのカタルーニャ州では「勝手に進めた」州民投票の結果を受けてその独立へ向けて連邦政府と対峙しています。

欧州で再びもたげ始めた民族主義やポピュリズムは難民問題や失業問題がその引き金でありました。オーストリアのクルツ氏も外相時代に難民をゼロないし、マイナスにするとし、その行動力が買われたものとされています。

中東からの難民とはそれほど厄介なものなのか、といえば私も聞く限りにおいてはそのようです。カナダも若干受け入れ、その受け容れ場所はカナダ全土にちりばめています。予算的な問題や難民同士がグループ化し、ローカル社会と溶け込めないという問題を防ぐために分散化させています。

が、いくら税金を投入し、言語習得や職業訓練を施し、ある程度食べさせても育たないのであれば、それは政府のみならず、国民の反発を招くのは自明の理。まさにこれが今起きているのでしょう。メルケル首相の理想論に対して世間のボイスは思った以上に厳しいものになっているという感じがします。何気で感じる雰囲気としては敬虔なるイスラム教徒がキリスト教をベースとする人々と交わりにくく、メンタルバリアが存在しているようにみえます。

ではこの問題は欧州の一部だけのイスラムだけのことなのか、と言えばそんなことはなさそうです。北米を見ればアメリカがメキシコとの壁の問題や中国や韓国との様々な問題を取り上げます。好まざる人の受け入れをしないようビザの仕組みを作り、不法滞在者を見つければ追い出すこともいとわないようになりました。

カナダでも明白には言及しないものの増大する特定民族からの移民申請により民族バランスへの影響を考慮し、その特定民族が入り込みにくくするようなビザの仕組みに改変しています。移民国家だけにソフトな対応ですが、実際には非常に厳しくしているといえます。

中国でも民族問題は常に起きています。今週からの共産党大会を控え、北朝鮮問題にもセンシティブになってきた中国は北朝鮮からの出稼ぎ者を次々と本国に帰国させていると報じられています。今、地球儀ベースで起きているのは「民族の反グローバル化」そのものであります。

民族の反グローバル化が起きたきっかけは難民問題というよりグローバル社会になり、世界の壁が低くなり、物資や情報、マネー、更には人々が行き交いやすくなったその反動そのものであります。その締め出しの第一歩が人であったということかと思います。

物資についてはアメリカがFTAやNAFTAの見直しを迫るなど既に動き始めていますし、情報のコントロールは中国やロシアなどはごく普通に行われています。マネーはアメリカが本来取れるべきだった税が欧州に流れたことでアメリカ民間企業の資金のレパトリ(本国回帰)を模索しています。これらが本格的に世の中のトレンドとなった時、世界は大きくシュリンクするのでしょう。

好景気という風が吹きつつある中で憂鬱が芽生えようとしているのでしょうか?北朝鮮の挑発もこの枠組みの中の一つと考えられないことはありません。以前、わがままになる地球という趣旨のことを書きました。その方向性は間違っていないような感じがします。

では今日はこのぐらいで。

ブログの応援もお願いできますか?クリックをするとブログランクアップにつながります。

北アメリカランキング

また明日お会いしましょう。