冒頭からはっきり申し上げますが、今のアメリカの政策をみていると同国の孤立化が進展し、世界経済にも世界平和にも社会的影響も含め、かなりマイナス要因になると考えます。日本への影響も計り知れないものがあるでしょう。その時、世界はアメリカを忘れることができるのか、そのぐらいの決断が必要かもしれません。

トランプ大統領が公約で進めていた法人税の大幅減税は議会通過し、大統領の署名を待つばかりとなりました。この減税は表面的には勿論ウェルカムのようにみえますが、私は海外にうろつくアメリカ企業の資金のレパトリエーション(海外にある資金の本国回帰)の強烈な津波に備える必要があるとみています。

まずレパトリによる直接的影響はズバリ、ドル高であります。先日の「今週のつぶやき」では動かない為替と書いたばかりですが、年が変わるとすっかり様相が変化しそうです。

2005年のブッシュ政権の際のレパトリ減税では本国回帰の資金は3500億ドル程度あったとされ、その間にドル円の動きで見ると一時的に20円程度の円安ドル高を演じています。今回のレパトリの規模はこの2005年の比ではないため、どのぐらい為替が動くか見当もつきませんが、ドルの極端な独歩高が一時的に起きる可能性はかなり高いとみられます。

仮にドル独歩高が生じた場合、アメリカの輸出が急激に国際競争力を無くすため、アメリカの貿易は悪化する公算があります。(輸入品は安くなるので余計買うシナリオもあります。)そうなった際、トランプ大統領の性格からすれば貿易バランスを保つため、輸入を締め上げる政策に出る可能性は大いにあります。言い換えればアメリカにとって輸入制限策を取る言い訳づくりの準備は必要だということです。

ここで出てくるのがエルサレム問題であります。トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都とし、アメリカ大使館を移転させる決断に対して国連総会ではその非難決議は賛成128か国、反対9か国、棄権35カ国で採決されました。日本も賛成に投票しています。(影響の大きいカナダは棄権しています。)

トランプ大統領は閣議で「米国から数億〜数十億ドルも受け取りながら反対する国があるのなら好きにさせておけ。米国は(経済援助を)大幅に節約できる」(産経)と発言しており、経済的協力姿勢を継続しない脅しをしています。ヘイリー国連大使も「国連で我々に敬意を払わない国々を見ている。この投票は記憶される」(日経)とし、まるで中国の記事と見間違えるほどの仰天発言をしています。

トランプ大統領が大統領である限りにおいてアメリカの内向き政策を止めることは厳しい状況となってきました。日本ではあまり報道されないアメリカ、カナダ、メキシコのNAFTA交渉も暗礁に乗り上げており、次は2月まで交渉がなかったはずです。その間、カナダの中小型飛行機メーカー、ボンバルディア社のアメリカ向け航空機に関してダンピング関税として292%課すと正式に発表し、同社を失望のどん底に追いやっています。一方でボーイング社がブラジルのエンバルエルを買収か、という報道が速報で入ってきています。正にNAFTAをぶっ壊す勢いに見えます。

極端なドル高はアメリカの企業買収を推し進めやすい状況にし、それこそ札束でほっぺたをはたくぐらいの高圧的姿勢になるリスクは頭に入れておいた方がよさそうです。

日本ですが、戦後、ずっとアメリカの衛星国のようなポジションを取ってきましたがそろそろその進路について考え直す時期に来たかもしれません。語弊を招かないようにしなくてはいけませんが、日本は完全なる独立国として全方面に於いて自立し、外交に於いて第三国からの影響を受けにくくし、自国の裁量でモノを決めていけるような国に成長しなくてはいけないでしょう。中立的で平和な国とは高い独立性があってこそ可能であります。

憲法改正はその第一歩になります。憲法改正=9条改正と思われがちですが、現在の憲法は現代社会にマッチしていないところが相当あり、数多くの改正が必要だと考えています。9条はその一つに過ぎないのであります。憲法改正反対派は「伝統を重んじる日本の意に反する」などという「何もしないのが一番」という状態になっているように感じます。

また、外交においても外務省のアメリカスクールの力が強すぎたと思います。すべてはアメリカの顔色ををうかがってから、ということですが、トランプ大統領だからというだけではなく、日本が成熟国家として自国のプライドを回復することが重要かと思います。

アメリカの急速な変化は様々な社会の色や常識を変えていく可能性はあると思います。TPP11も進む気がします。ドルから他通貨へのシフトもあるかもしれません。アメリカの孤立化は中国の思うつぼだという点も含め、2018年に大きな課題を提供してくれたと考えています。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。