バンクーバーで私どもが入居しているシェアオフィスの受付嬢が会社を辞めると言います。「どこに行くの?」と聞けば「商業不動産会社でリース契約のアシスタントをやる」そうです。前から不動産業界に入るのが希望だったのでうれしいと言います。そこで私は一つ質問をします。「(バンクーバーの目抜き通りの)ロブソン通りは今、なぜ、空きスペースだらけなのでしょうか?」。残念ながら答えられませんでした。

かつてロブソン通りといえば次元の違う賃料を払ってでも店を出したいところとされました。ところが、儲かっている店はごくわずかで多くは「アンテナショップ」として広告宣伝のような形で進出するため、リース期間満了を待たずに辞めてしまう店もしばしばありました。それがここにきてアパレルを中心に急速に退店が進み、一部の場所では4-5軒続きで空っぽというさびれた状態を露呈しています。

この理由の一つは大家にあります。ロブソン通りに面している大家は個別オーナー主体。そうすると家賃設定は1ドルでも高くというグリーディー(貪欲)なケースが目立ちます。一方、郊外にあるショッピングモールはほとんど全部が大手の資本が注入されており、その運営会社も大手が牛耳ります。するとモール出展者に「今度あそこにもモールができるけれどどう?家賃、1年は半額でいいよ」と囁きます。つまり、大手が出店者の囲い込みを行うのです。そのため、ロブソン通りに個別に出店するよりはるかに良いディールが得られるというわけです。

アパレルや靴などファッション系の大手は苦境が続いています。GAPもロブソン通りから退店したのは洋服の値引き合戦で限界が来ていたのがありありとみて取れます。

ではモールなら人が集まるのか、といえばそれも怪しい状況であります。「どのモールに行っても同じナショナルブランドの店が入っている」という状況が消費をくすぐらなくなっているのです。では人々は何処でお金を使っているのか、といえば飲食かもしれません。ラーメン店は相変わらず行列をなしておしゃれに入るというスタイルです。月200万円の家賃を払ってもペイするほど終日、客足が途絶えないこの状況を説明せよ、と言われても難しいでしょう。

日本はどうか、といえば似たり寄ったりかもしれません。確かに人気店は行列なのですが、例えば「日本一のメロンパン」がなぜ、こんなにあちらこちらにあるのか、そしてそこまでしてなぜ皆メロンパンを求めるのか私は思わずうーんと首をかしげたくなるのであります。

グローサリーショッピングとは日用品や食料品の買い物のことですが、洋服やアクセサリーもグローサリーのような感覚になってきたのかもしれません。それは「面倒くさい」であります。だったらネットで買っちゃおう、であります。

ネットショッピング時代がもっと普及すると世の中から繁華街がなくなるか、繁華街=飲食店の集まるところに移り変わってしまいます。こんなことでよいのでしょうか?

先日、東京で100均のセリアに入ったところ、「おっ、これ、なかなかいいな」と思わせるものがあり、手に取って会計に向かったところ、信じられないほどの長蛇の列で買えずに帰りました。逆に言えばそれぐらい消費者のハートをくすぐる100均商品があるということでしょう。

消費者の懐が緩むと今までのコンサバな使い方から「評判の良い店」「ちょっと気になっていた店」など冒険をするようになります。その消費者の心理とは「失敗しても大丈夫」という余裕の気持ちがあるとも言えます。それがナショナルブランドから「ここだけの店」「隠れ家的店」ということにつながるのでしょう。

私はかつて、商店街を復活させたいと言い続けたのですが、方法がなくはありません。商店街全店舗のレベルが上がり、面白い「個店」が連なるようになると客は自然ときます。石を投げれば経営コンサルタントにあたる、というのは大げさですが、私は商店街こそ、経営コンサルと協業し、復活ののろしを上げるチャンスだと思うのです。想像力をたくましく、価格競争ではなく、ユニークでハッとするものを売る店が増えたらいいなぁ、と一消費者としても切に願っております。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。