日本人のマンション好きは今の50代ぐらいの人から若い方がその潮流を作ったといってもよいでしょう。昭和40年代はベビーブーマー族が大きくなり親の住む家では手狭になった頃です。だいたい家族4-5人というところが多く、子供達は勉強部屋さえ確保できなくなります。そこで登場したのがミゼットハウスであります。

ミゼットハウスとは今のダイワハウスが成功したきっかけであります。いわゆるプレハブ小屋をお宅の庭に作り、もう一室増やしましょう、という触れ込みだったのです。当時、親が住む日本の住宅はウサギ小屋状態でかつ、古びていて安普請のところも多く、子供たちはとてもそこに住めません。就職と共に駅近くの「マンション暮らし」がやけに格好よく響く時代が到来したのです。

それ以降、子供達には住宅を買う=マンションを買うという方程式が成り立つようになります。どんなに遠くても駅近くならば通勤は楽というだまし討ちにあっても、です。今は変わりましたが、その昔は大宮、千葉、八王子より以遠は別の意味で「痛勤」でありました。(神奈川県は何処まで遠方に行ってもOKだったと思いますが、個人的感覚では金沢八景/文庫、大船あたりから先は旅行に行く感覚すらするほど遠かった記憶があります。)

往復3時間以上かかる「痛勤」ではお父さんが子供と平日、顔をほとんど合わせない状態となり、都心回帰の下地を作ります。それが高度や容積規制が緩和されてタワーマンションが雨後の筍のように建ち始めたころに一致します。では、どこにそんな土地があるのか、各種規制が引っかかりにくいところ、あるいは高層にしてメリットがあるところは…となると東京なら湾岸地区になったわけです。

ここに40代ぐらいサラリーマンの方が中心となってローンを組み、念願のマンションを手に入れます。子供はまさに小学生、中学生。突然増えた子供たちに対応する学校は不足し、公共設備も足りません。デベロッパーは売り逃げ、作り逃げでその人たちのライフのことは考えてくれません。それこそ、学校に入学させればブーマー族がかつて経験したあのぎゅうぎゅう詰めの学校が今、再現されるのでしょう。日経によるとタワマンエリアにおけるこの10年の児童数増加率は2-4割にも達すると記されています。

その小中学校の子供たち、ある意味、粒がそろっている気がします。言い換えれば私立の学校のような感じかもしれません。理由は親の職業や収入層など背景が極めて似ているからです。かつての公立の小中学校はいろいろな子供が混じっていて面白いものでした。私が中学校の時はクラスに豆腐屋の子供が3人いるなど、とにかく商売人が多かった記憶があります。当時、サラリーマンのことを「お勤め人」と称していた時です。

クラスは玉石混合というか、悪い奴もずいぶんいて、今振り返ればいろんな奴がいたからこそ面白かったと思います。(私は高校から私立でしたがそこも悪い奴は相変わらずいましたので「私立万歳」というわけでもなかったと思います。)

タワマンの子供たちは学校で遊ぶことも少なくなり、塾に通わされ、友達の家に遊びに行くことも少ないでしょう。子供をタワマンに住まわせるな、という心理学的研究があるのですが、その理由は階高が上に行けば行くほど人間の心理で外に出たくなくなる為で、子供の教育には良くないとされているからです。

タワマンの近隣環境も極めて限定されています。スーパーマーケットも普段の買い物も外食も皆、同じところになりやすくなります。少し前に、あるマンション群のエリアに行ったのですが、行けども行けども同じような建物で顔がない街だと感じました。

少子高齢化で日本の土地は余ってくるのになぜ、そんな狭いところに皆でぎゅっと固まるのでしょうか?私には一時期のブームであと10年もすればもっと個性的なライフを求める時代に回帰する気もします。タワマンの子供たちがちょっぴりかわいそうな気がいたします。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。