金正恩委員長は平昌オリンピックの頃から突然外交の花を咲かせました。本人は相当いい気分だったと思われます。世界が彼の次の一手に注目し、メディアが様々な解説記事を連日報じます。

しかし、外交とはそう簡単なものではありません。巧みで計算されつくした政策の中でバックアッププランを含めた対策を持ちながら国と国が全力でぶつかり合います。金正恩委員長の外交とは自分の腹心の数少ない信頼できる幹部に高い成果を臨みます。しかし、外交の範囲が広がれば広がるほどその対応は手薄になります。

北朝鮮が韓国とオリンピックを介した平和外交をしている時はどうにかこなせたはずです。理由は言語が一致する同一民族であるからです。そこでは双方の意図する思惑も読み込むことができます。

次いで金委員長は第一回目の中国、習近平国家主席との会談に臨みます。これは今までずっと不義理をしていた手前、今後の関係を維持するための絶対条件の「詫び」を含めた訪中だったと見ています。

この後、いよいよトランプ大統領と会うという最大の目標が具体的に設定されます。韓国文大統領との会談が南北間関係をめぐる話題だったのに対して米朝会談の主題は非核化であります。ところが金委員長は核こそ北朝鮮が虚勢を張れる唯一の材料であります。その核を段階的ではなく、一気に廃棄させる一括ディールにするとなると金委員長は丸裸にされるも同然であります。

トランプ大統領は一気な非核化を飲むか、飲まないかの「最後通牒」を提示しています。一方、二度目の習近平氏との会談に臨んだ金委員長は中国に助けを求めた形なのでしょう。中国は「段階的ディール」でいいじゃないか、と考えています。

ところでアメリカは中国との激しい通商交渉をしています。現時点では中国がやや折れる形となっています。中国も何処かでアメリカと折り合いをつけなくてはいけないのですが、そのネタが北朝鮮対応になってきているように見えます。

つまり、北朝鮮の扱いはアメリカと中国の駆け引きの中で決まるという枠組みで金正恩氏はほぼ、蚊帳の外に追いやらつつあるように見えます。勿論本人はそう思っていないと思いますが、どう見ても大国アメリカが北朝鮮と対等のディールをする理由が見いだせないのです。

かつての大戦の時、その終盤に講和会議が開かれたわけですが、それは当事国が全く知らないところで当事国の戦後処理案が勝手に決められているのです。北朝鮮のケースも個人的にはどうもそのような感じがいたします。

外交の面白さとはこのあたりにあって北朝鮮をネタに実は中国から最大の譲歩を引き出そうとしているのがアメリカの作戦のように見えるのです。一種のゲームなのですが、トランプ大統領が気持ちの中では「トランプ風リビア方式」による解決案を断固として持ち続けているのは安倍首相との団結力が橋頭保になっている可能性はあるのではないでしょうか?

さらに突っ込んで考えるとアメリカがなぜ、台湾をひいきにするのか、あるいはフィリピンのドゥテルテ大統領に比較的親近感を抱いているのか、と考えれば太平洋上の島々を結ぶラインで中国の膨張を食い止めるということに他ならないのであります。

とすれば北朝鮮問題を北朝鮮にスポットを当てた外交問題ととらえると案外ピンボケするのかもしれません。果たしてこのゲーム、どのような展開になるのでしょうか?予想しにくくなってきたように感じます。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。