私は準大手ゼネコンに20年在籍し、その後、独立してから14年が経ちます。それぞれに長短がありますが、時代の変遷を踏まえて考えると私は大手企業より新興企業のファンです。理由は即断即決にあります。

かつてそのゼネコンの不動産事業部に在籍していた時、バブルの真っ只中であったこともあり、日々、様々な案件が会社に持ち込まれ、電話はひっきりなしになり、部員は立って電話応対をし、電話に向かってお辞儀しているが日常シーンでした。そんな部を総括する部長はデスクの「シマ」のど真ん中に席を設け、前線の指揮官でありました。

その部長さんの口癖は「知恵がないなら靴を減らせ(=事務所でいい仕事ができないなら営業に行け)」「トイレで座っているときに熟考せよ(=誰にも邪魔されないこの一瞬を大事にせよ)」「判断は3秒ルール(=3秒で決められないものはやめておけ)」。しゃべらせると内容が詰まったことをあまりに早口で述べるため、普段接していない人にはまず理解不能でありました。

権限が集中し、高速ベルトコンベアの如く業務を処理しなくてはならないこの部に所属している間、会議は一度もありませんでした。秘書時代も会議がなかったので私は本社勤めの4年弱、一度も会議をしたことがない特異な経験を持っています。というより、このゼネコンそのものに会議の体質が少なく、3000人の従業員は各自がやることを踏まえ、それぞれが仕事をしているという感じでありました。

多分その時代の訓練が効いたのか、私は今でも判断は早く、行動も早い方だと思います。特に時代の流れがかつて以上に早くなった今、秒速で仕事を進めないと勝てないのであります。

そんな中、CMでおなじみのRIZAPの創業者、瀬戸健氏がCOOとしてカルビーの松本晁会長を迎え入れると発表しました。これには私もぶったまげましたが、70歳の松本氏が「おもちゃ箱のような会社」と述べています。「古希にして童心に帰る」でしょうか?同社のグループ会社はすでに76社あり、これから3年でグループ会社売り上げを2.2倍の3000億円まで引き上げるにあたり、買収した企業を中心にもっと絞り出そうというところでしょうか?

日経ビジネスに「ローンディール」という小さな会社が紹介されています。大手企業の社員がベンチャーで半年から1年、修行するのをあっせんする会社です。記事に紹介されていた大手の社員が「大企業では成功確率が100%に近いものでないと動けず、結果的にとん挫するものが多い」とコメントしています。私はそうではなくて「大企業は人為ミスをしない確率が100%でないと動けず…」だと思っています。大企業のビジネスの成功確率は大して高くないでしょう。

先日、カナダで販売されていたフォーブスを立ち読みしていたのですが、日本企業で大きく取り上げられていたのがスタートトゥディの前澤友作氏。ネットで洋服を買うというスタイルを作り上げた張本人は日本では資産額14位で3330億円。彼の経営スタイルを見ていると大手企業の枠にはまったやり方では全く太刀打ちできない時代になってきたように感じます。

28日の日経に日本の将来を担う中堅上場企業「NEXT1000」が出ており、1位にレノバが入っています。私はかなり前からよく知っているのですが、多分、ほとんどの方は知らないでしょう。いわゆる再生エネルギーの会社ですが、太陽、風車、地熱、バイオマスの4種類を全部取り扱い、2011年の震災以来急成長している会社です。この会社もとにかく攻めるのが早いのです。

企業の無駄は何か、雑巾を絞っても出ないなんてことはありません。絞るのは会議の時間です。そして社員の能力を120%引き出し、それぞれが高い能力と判断力をつけ、「私、失敗しません」という自信を持つことでしょう。かけっこするのにつまづいて転ぶことを考えて走る人はいないでしょう。目標はあそこに見えるゴールのテープを切ることです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。