建国70周年を祝う軍事パレードがアメリカを意識した演出となったと報じられました。北朝鮮を巡る力関係は今のところ、アメリカがリードし、中国は北朝鮮政策に力点を置きにくい状況となっているようです。

ICBMがない軍事パレードは核兵器のイメージを取り除き、アメリカを刺激しないよう配慮したと指摘されています。その上、金正恩委員長が送ったトランプ大統領への書簡では第二回目の直接会談を希望しており、アメリカもそれを受け入れるための準備に取り掛かったとしています。その会談は今年中にも実現する可能性も示唆されています。

これはアメリカも北朝鮮もトップの決定権限が大きく、ナンバー2では決められない体制になっていることが大きく影響しているのでしょう。ポンペオ国務長官や金英哲党副委員長がダメというのではなく、トップへの権限があまりにも過剰に集約されている両国間の特徴と言ってもよいのではないでしょうか?

それとは裏腹なのが中国であります。習近平氏は圧倒的権力体制を築いたはずでした。が、それは従来からある対抗勢力の追い落としが体制上完了したという油断を与えたのかもしれません。中国から漏れ聞こえる習近平体制への反対のボイスは確実に大きくなり、トランプ大統領との貿易戦争での立場の弱さが反対勢力を勢いづかせました。それは小さなフロスト(泡)だったものが毎年恒例の8月の北戴河会議で権力集中体制への軋みとなり、その泡立ちは確実にわかる状態になっています。

アメリカはその間、「口撃」の手を緩めず、北朝鮮の非核化が進まないのは中国の生ぬるい姿勢にある、と締めあげます。貿易戦争で厳しい立場に立つ中国としてはここで北朝鮮にテコ入れしているよりアメリカとの対話を再開させる方がよりメリットは大きいと判断した節はあります。

それが習近平氏の訪朝中止でありました。氏の訪朝は8月頃には可能性が高いと報じられていましたので北戴河会議の影響は大いにあったと想像できそうです。

では金正恩委員長はなぜ、トランプ大統領に二回目の会談を申し入れたのか、ですが、個人的にはトランプ氏とのディールをまとめない限り金正恩氏の運命がないという認識をしたのではないかと考えています。国家の圧倒的トップとして威厳を保ちながらアメリカと対峙するという演技、そして形式的に勝ちディールのシナリオを作り上げる、という作戦ではないかと思います。

トランプ大統領としても金正恩委員長は利用価値が高いことは百も承知です。ウィンウィンでまとめ上げれば中間選挙どころか、ノーベル平和賞も大いにありうる話で意欲を燃やすでしょう。

但し、個人的には朝鮮民族のムービングゴールポストとも称される不一定なマインドや約束して舌の根も乾かないうちに違うことを言い始めるという特性にアメリカが引っかからないか、ある意味、騙し合いのディールにも見えます。

その上、こぼれ球があれば中国とロシアは確実に拾えるよう、虎視眈々とそのチャンスを狙っています。このディールは難しいと分かっているが故にプーチン大統領ですら自身で突っ込んでこないのだろうと思います。見方を変えればデスマッチのようにも見えるこの駆け引き、日本でもしばし静観が正解なのかもしれません。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。