北米のレストランは本当に価格が高くなりました。メインディッシュが3-4千円するのが当たり前になると一人当たりの支払額は飲む量によりますが、チップや税金を含めると一人1万円相当になってしまいます。レストランは非日常を楽しむものだ、という北米的発想(日本は違います。)からすればこじゃれた店のインテリアに素晴らしいサービスであとは美しく盛り付けされたフードが提供されれば味はともかく、案外受け入れられているようです。

先日行ったバンクーバー初のとんかつ専門店。韓国人が経営していると聞いていますが、こざっぱりした店でプレゼンも上手で美味しそうな分厚い肉のとんかつを提供してくれます。では、その感想はどうなのか、といえば「家で作れないレベルではない」という気がしましたがまぁ、よくやっている方でしょう。問題は価格でチップ込みで1800円ほど。カナダの豚肉は安くて質はよいですから(日本にも相当輸出しています。)もう少し、安くてもいいのかな、という気がしますが、その価格設定には人件費が重いように感じました。

ウーバーイーツなどレストランからのデリバリーサービスが最近はやっていますが、レストランにとっては都合の良い価格設定だと思います。それはサーバーの人件費がかからないのに料金はその金額か数割増しの価格を設定していると同時に配達料も客からとるからです。

レストランのビジネスは席が満席になるとそれ以上客を入れらないいわゆる「売り上げの頭打ち」があります。そこで持ち帰りなどを増やせば売り上げは理論上無限に増やせるわけでウーバーイーツなどデリバリーサービスはレストランにとっては好都合の援護射撃のはずです。よって個人的にはウーバー向け価格設定は間違っていて配達料を少しはカバーできるぐらいのディスカウントがあるべきでしょう。

飲食店の大改革とは言うまでもなく、人手不足に飲食店がどう対応するのか、という点であります。例えば通常のレストランの場合、サーバーさんはメニューを渡し、水を提供し、注文を聞き、フードを運び、(北米では途中で「おいしいか」と聞き、)空いた皿を片付け、精算をし、テーブルをきれいにし、次の客のためのテーブルセットをするというプロセスを踏みます。

正直、これ、大変なんです。手が抜けないこの仕事をやりたがる人が少なくなってきているのはやったことがある人ではないと分からない激務だからであります。(私も学生の頃、レストランの厨房で働いていましたが、人手不足の時はサーバーもしていましたのでフードを4皿、ライスを2-3皿を一気に持ってサーブするという芸当すらしていましたが、かなりしんどかったです。)

例えばレストランの現金お断りが増えてきた理由はレジ締めが面倒な作業でそれをするかしないかで人件費が一日当たり1-2時間分増えるからであります。(一日1時間でも一店舗当たり年間30万円にもなります。)北米では現金で払おうとすると驚かれることも増えてきているのです。

ファーストフード系の場合、フードコートのようにほとんどセルフにしてしまった方がよい気がします。社食や学食にはサービスがないのが当たり前ですが誰も文句を言いません。ならば日本の飲食店は完全に差別化すればよいと思います。食べるだけでよいのか、テーブルでゆっくりおしゃべりをするのかでセルフ式とサーバー式に分けてしまうというアイディアです。吉野家が実験的にやっていたと思います。讃岐うどん屋が安いのはほとんどセルフだという点を見逃してはいけないのです。ホテルの食事にビュッフェスタイルが増えたのもサービスが大変だからです。

結局、落としどころは人手をいかに少なくして飲食店を経営するか、これにかかっていると思います。これをもう少し究極的に進めるとメニューの絞り込みになると思います。街の食堂では昔のデパート上層階の「お好み食堂」ならぬラーメンからハンバーグ、かつ丼まで出す店がありますが経営的には非効率の極みになります。最近、東京で入った居酒屋もメニューのアイテムが少ないのにびっくりしました。先述のとんかつ屋では数種類しか選択肢がないので皆、同じものを食べているように見えましたし、ラーメン店も基本的にトッピングとスープの違いぐらいでしょう。

効率化と人件費との戦い、これが飲食店経営の最大のキーワードであります。ここを乗り越えられないと店側は値上げせざるを得ず、外食ランチが出来なくて弁当を持っていく人が増えてくるかもしれません。一方で店側は値上げに対する消費者の拒絶反応に戦々恐々としていますが、消えたお客はどこに行ったのか、ある意味、不思議な気もします。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。