1月5日の日経。「シェア経済止まらず」とあり「自動車、宿泊施設、洋服――。モノやサービスの多くの分野で所有から利用へのシフトが進む。シェアリングエコノミー(シェア経済)の代表格である配車や民泊は、海外では既存の産業を脅かす存在になった。新しい消費の形は定着するのか。」とリードもなかなか仰々しいのですが、これをお読みになってピンと来ている人がどれぐらいいらっしゃったのか、私にはやや不思議な気がしています。

シェア、シェア、シェアと世の中大騒ぎ、この日経の記事にも「世界のシェア経済の市場規模は25年に3350億ドルと14年の22倍程度に拡大する見通し」とあります。

ではシェアを定義したものがあるのでしょうか?ありそうでないのがシェアの定義です。シェアリングエコノミーでは「個人が保有する遊休資産(スキルのような無形のものも含む)の貸出しを仲介するサービスであり、貸主は遊休資産の活用による収入、借主は所有することなく利用ができるというメリットがある。」とあります。しかし、この定義もあいまいです。なぜなら「個人が保有する…」という冒頭からして違和感があるからです。レンタルとの違いも不明瞭です。

私はシェアハウスを運営し、シャアオフィスに入居しています。ここでいうシェアとは一部の施設、備品、部屋、空間、時間を他の人と共有するということであります。

ではカーシェアリングや自転車のシェアリングはどうでしょうか?一定期間、借り手が占有できるというだけで同一時間に他人とシェアすることありません。一方、ライドシェアにおいて同一方向に向かう第三者同士が同じ車に同乗するとこれは空間をシェアしていると考えられます。つまり、かつて横行した「白タク」こそ本当のライドシェアでした。

メルカリをシェアリング経済と称しているケースもあります。これはシェアなのでしょうか?自分が使わなくなったものを第三者に売却するという意味では単なる古物商を個人ベースで行っているだけであります。要はシェア経済という体の良い流行語を使うことでいかにもすごいことをしていると思われますが世にいうシェアの多くは本当のシェアではありません。カーシェアリングは単なるレンタカーの派生でしかないのです。

英語のサイトでレンタカーとカーシェアリングの違いを探したところ、事務所で借りたり返却する手続きがない、細かい時間単位貸し、顧客の支払い方法の自動化確立などが記載されています。ですが、私のレンタカー事業では返却は何時でも好きな時間、細かい時間貸しOK,支払い方法の自動化もあります。(客によっては受付すらせず、暗証番号がかかったキーボックスにカギを入れておき、勝手に借りて頂くこともあります。また客から「もう一日延長」と言われても車が空いている限りその人がそのまま乗り続けられ料金も自動請求します。)つまり、レンタカーもカーシェアリングもそのマーケティング手法がほとんど重なってきているので明白な相違はないのです。

では世の中でいうシェアリングとは何か、といえば私流の定義は「一つの資産を有効活用する算段の一つであり、時として一部ないし全部の借用、共有、更には所有権を移転させるなどして『一物一所有』ならぬ『一物多人数利用』を進めること」だろうと思います。極端な話、この定義からすればコンサートやスポーツ観戦だってシェアリングエコノミーに入ります。

つまり、日経が指摘する今後シェア経済が爆発的に伸びるというのは既存経済の定義をし直すことであたかも新しい産業が生まれたと思いがちですが、個人的には定義の見直しによるマジックも大きいと考えています。

ではシェアは本当にどこまで進むのでしょうか?シェアという定義そのものが珍しいだけですでに世の中シェアだらけで個人占有するものは減っていくかもしれません。例えば今、バスや電車に乗るとき、シェアしているという感覚を持っている人はほぼ皆無だと思います。では自動運転の車が街中を縦横無尽に走っていたらその自動運転の車を所有するか、といえばタクシーのようなものですから、シェアするかもしれません。しかし、そのころにはシェアするという発想は消えていると思います。現代のバスや電車と同じでそれが当たり前になるのですから。

ここまで突き詰めると「占有のエコノミー」を考えた方が面白そうです。話が長くなるのでさわりだけ触れておきますが、男性と女性では占有に対する思想が違います。男性の方が占有意識は高く、女性はシェアを受け入れます。よってオタク好みの自動車、ガジェット(IT機器やカメラなど)、個人住宅、プレジャーボートなど男性が主体性をもって購入しがちなものは占有が引き続き優勢になると考えています。車でもスポーツカーやライトトラックといった個人テイストが出やすいものはシェアには向きません。シェアハウスでも女性向けの方がきれいに使うという面以外にシェアそのものを受け入れやすいという特性があると考えています。

シェアの時代とは言いますが、まだまだこの世界を十分理解している個人も法人も少ないと思います。当面は試行錯誤が続くと思いますが、人々のパーセプション(認知)の変化と共に世のスタンダードの変化としてごく自然に受け入れられていくのでしょう。

では今日はこのぐらいで。

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