仕事は会社でするもの、というのが一般社会の常識でした。ところが在宅勤務という言葉が90年代後半から世間に浸透してきます。インターネットの活用で業種によってはどこにいても仕事ができる環境が出来つつあること、もう一つは東日本大震災を機に帰宅難民が生まれたこと、更には女性の社会進出の促進を通じて職住接近が求められたことなどがあります。

現在ではウェブ関係の仕事の人は世界中どこにいても仕事ができます。いわゆる「ノマド族」と称される方々でそれこそ居住地を構えず、いろいろな国を転々として自由な生き方をされている方もいます。

一方、私は様々な部門の仕事があり、その中には遠隔地の事業もあります。それがほとんどコンピューター一つあれば概ね処理できるのはクラウドという便利なものがあるからでしょう。そのため、私は行く先々にパソコンを一つずつ置いてあり、いちいちパソコンを持ち歩くことすら止めてしまいました。(メーラーもウェブベースですからどこでも最新の内容が見られます。)つまり、管理的な仕事は原則どこででもできるのです。

さて、お題のシェアオフィスは働き方改革の一環であります。例えば都心にオフィスがある会社の従業員の多くは通勤に1時間以上かけて満員電車に揺られるわけですから、一日24時間のうち2-3時間を通勤に費やしています。これは一日の10%前後の時間なのです。1日に使える時間が1割増えたらうれしいでしょう。これを提供するのが私の考えるシェアオフィスです。つまり、企業の分室的作業場を作るという発想です。

このブログで何度もシェアオフィスのことは書かせていただいています。その中で現在のシェアオフィスの在り方、特にコーワーキングスペースについては疑問があるのです。それは会社の秘匿事項が見られる可能性がある点です。隣にいる人はあなたのライバルかもしれない、と考えれば企業はコーワーキングスペースでの作業には難色を示すでしょう。

ならば5人なり10人用の部屋を会社として借り、そこを利用するのは同じ企業の人だけという使い方の方が理にかなっていると思うのです。例えばウィワークのガラス張りの部屋は様々なサイズが用意されています。それを一つの会社が全部借りるのです。となるとその社員が本社に来た時、専用の机があてがわれるのは無駄なスペースになるので、本社内にも社員用コーワーキングスペースを設定し、本社の事務所スペースを節約することが可能になります。これは賃料が高い都心の物件に対して衛星都市(千葉、大宮、八王子、横浜など)の方が安くなりますのでコスト節約のメリットも取れるのではないでしょうか?

そのウィワーク、「ソフトバンクの追加出資で経営権取得も」と報じられています。孫氏も同社への初期投資で痛手を負っています。私は今のウィワークの顧客層では投資損の上塗りになるとみています。入居している個人、ないし会社のステータスが弱々しく、成長につながらないのです。起業者が成功するのは数年スパンで見ればせいぜい10人に1人。ならばウィワークの10人のうち9人の顧客は脱落することになり、それだけ新規顧客を探さねばならないのです。ところがこの業界も競争が激しいうえにサービス競争が激化しています。そして働き方をファッションと思っている人ほど点々と移動するため、ウィワークにとってメリットが乏しいのです。

ところでシェアハウスはどうなのか、といえば居住スタイルとして市民権は得ていますが明らかに昔のドラマに影響された時代とは変わっており、もっと実質的になっています。キッチンで一緒に食事を作るとか皆で映画観賞会なんてそんな絵に描いたようなことをしているところはもはやマイナーでしょう。

ニュービジネスが創生された時、世間は興奮と歓喜の中、それを受け入れるものの必ず顧客は剥離していくと同時にビジネスの提供側も居心地の良い落としどころを探し、形を変えていきます。その点でシェアハウスは成熟とは言わないまでも落ち着いています。一方でシェアオフィスはまだ使い方が明白になっていない中でもしもソフトバンクがウィワークの経営権を取得するならどんな人がどう入居すれば自律的拡大ができるのか、マーケティングをもう一度考えるべきでしょう。共有部の拡充感だけで顧客が騙されるステージは過ぎたと私は感じています。新たな需要を作り出せるのか、これがソフトバンクにリードできるか、ではないでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。