外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

バンクーバーライフ

バンクーバーの不動産市場は崩壊するのか?4

今日はバンクーバーの不動産市場を考えてみます。なぜならば私は最近いやな予感がするのです。

バンクーバーの不動産市場は長年右肩上がりの素晴らしいパフォーマンスを演じてきました。90年代初頭の調整期やリーマンショックなどの厳しい時期も乗り越えてきています。理由はこの街に主たる製造業や産業が少ないからであります。バンクーバーはアセットリッチの移民がその不動産市場を下支えしてきました。歴史的には1986年のバンクーバー万博がそのきっかけで香港からの投資移民が流入、中華系移民は増加の一途を辿り、今ではバンクーバーの3割近くを占めるにまで至っています。

アセットリッチの所有者が多い都市の場合、経済変動による不動産価格の影響は受けにくい傾向があります。サンフランシスコやホノルルの一部の不動産はその典型かと思います。また、その都市に人口流入ないし、不動産購入動機が継続することも不動産市場が活性化し続けるには重要です。バンクーバーは気候もマイルドでアジアの玄関口であることからカナダの中でも最も人口流入が多く、結果として不動産市場がサポートされます。

仮に人口が増えないとどうなるのでしょう。例えばウィスラーというリゾート地がありますが、そこではインフラのキャパシティの問題から住宅開発に限界が生じたため、90年代にそのピークを迎えたあとは冴えない展開になっています。つまり、街は大きくなり続けることも不動産市場が活性化する要因ではないでしょうか。

さてバンクーバーを含めた全カナダの不動産に関してカナダ大手銀行のTDバンクが不動産上昇率は向こう10年程度は期待インフレ率と同じ2%程度に留まると発表し、それを受けた翌日のローカル紙はビジネス欄トップで不安を煽るニュースとして紹介していました。

ではバンクーバーはどうかなのか、といえばもっと厳しいというのが私の見方です。理由は需要と供給のバランスがあまりにも悪く、優良物件以外は相当売れ残りが出ている実態がそろそろ表面化してきそうな気配があるからです。

一例をあげましょう。Aという一流デベロッパーの建てる物件とBという無名の弱小デベロッパーが隣接して同じ建物を建てるとします。常識的にはAの物件がある程度高いものです。理由は施工に対する信用度があり、瑕疵保証もより安心できるからであります。ところがどういうわけか多くの場合、AとBは同じような価格で売られる傾向があります。その訳は販売価格決定に不可欠な不動産鑑定にデベロッパーのブランド価値の査定がないからです。結果として一流デベロッパーと無名デベロッパーが同じ土俵で勝負することが往々にして生じ、消費者は一流を当然ながら選ぶということになります。

今、中小のデベロッパーが開発した物件の完成在庫が積み上がり始めていると言われています。まだ、統計の数字があがってきませんし、今後、1-2年のうちに更にびっくりするほど供給が増えますので値崩れが起きる可能性が否定できなくなってきました。

もともと中小で資金的体力がないわけですからデベロッパーの倒産は多少覚悟しなくてはいけないかもしれません。その場合、市場へのインパクトは割と小さいと思いますが、物件の瑕疵保証が切れたりするため、消費者の物件に対する選別、嗜好はより強く出ると思われます。たとえば事実上の倒産物件であるオリンピックビレッジは未だに売れ残っています。これが私の思ういやな予感です。

私が思う市場全体への影響の要因は主に二つです。ひとつは買い手の不動産市場に対する自信と信頼度。もうひとつは移民政策です。不動産市場は今、ベアマーケット(弱気市場、買い手市場)の認識が強く、これをひっくり返す力が当面見込めないという気配があります。もうひとつ、移民政策に将来的に明るさを取り戻したとしてもその主たる層である中国本土の移民が今後増えてもバンクーバーの不動産は高くて購入できる層は限られるとみています。

結論からすると以前から申し上げているとおり、バンクーバー不動産市場は長期調整トレンドに入ったとみるのが正解かと思います。ただし、クラッシュはしないはずです。なぜならアセットリッチは売り急ぐ必要がないのですから。これがアメリカの不動産のクラッシュと大きく異なるところなのです。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

バンクーバーの住宅市場は壊れるのか?4

カナダの住宅市場は2008年のリーマンショック後も比較的堅調な推移を見せ、価格トレンドは右肩上がりを継続していましたが、この1年は市場のエネルギーが減少し価格こそ一年で1.7%程度と若干の下落に留まっていますが、取引件数においては一年前と比べて27.6%も下落しています。

この流れをどう読むか、専門家の意見も割れています。昨日のローカル紙には経済学者の意見として今後、25%もの価格下落もありうるとしている記事も紹介されています。バンクーバーの市場の特殊性を含め、もう一度検証してみましょう。

なぜバンクーバーの不動産は高いのか、という原点に一度立ち戻ってみましょう。カナダでもっとも温暖な気候の大都市でアジアのゲートウェイ、産業は資源の輸出基地。製造業は極めて少なく、いわゆる景気との非連動性がある都市といったほうがよいでしょう。その昔はカナダのリタイア層がトロントやカルガリーからも集まってきました。更には中国系富裕層の移民も多く、個人資産額は安定しているということです。

私が開発して販売したいわゆる高級コンドミニアム群も住宅ローンを使った人は全体の1割に満たなかったはずで購入者はキャッシュリッチであるといえましょう。

結果として中古住宅市場において価格が下がってきているという情報から売主が「そんなに安くするのなら売るのを止める」という余裕があるため、取引件数は下がっても取引価格は下がらないという奇妙な状態がこの2年以上続いているのです。

考えてみればアメリカで住宅市場が崩れたのは住宅ローンを払えない人が競売にかけられ、更に金融機関は不動産を処分し、現金化して損失を確定させることを急いだことで価格が急落した原因となっています。バンクーバーの場合、売主がそこまでするなら売らないという余裕が結果として価格崩落を防いでいるともいえるのです。

今日入手した銀行の経済部のBC州の住宅事情の分析では住宅着工件数は今年が7.3%増、来年はマイナス13.1%、再来年がマイナス0.5%となってます。また、中古住宅の取引件数は今年がマイナス11.2%ながらも来年は4.4%増、再来年がマイナス0.4%となっています。つまり、今年は新規物件が比較的多く、限られた需要の中で中古物件の取引件数が下がったものの来年は新規供給が減るため、中古市場はやや回復する、というふうに読めます。

私はバンクーバーについてはすでにライフスタイルチェンジによる戸建からコンドミニアムへのシフトの大きな波はすでに完了しており、今後は大きなうねりはないと見ています。よって、住宅が売れるための絶対条件である人口増が起きない限りこの街の不動産は今後しばらくは大きく跳ね上がることもないという見立てです。

では人口増は起きるのか、という件についてはカナダは移民国家であり、国家戦略上、毎年一定人数を経済移民として受け入れてきました。昨今、そのポリシーをめぐり見直しを行っているようでありますが、人口がアメリカの約十分の一しかないという点を考えれば移民は一定数を受け入れていくポリシーに変更はないと見ています。また、カナダも日本と同様高齢化が進んでいるため、若い移民を受け入れることで経済の活性化を維持するというのは政府レベルでの認識になっています。

私が今日、バンクーバーの不動産市場について書くのはもちろん、バンクーバーの不動産に興味がある方への参考となればというのが第一義ですが、日本の不動産を活性化するにはどうしたらよいか、というヒントが隠されていると思います。長年、住宅の需要と供給の数字を見続けていると体感として住宅市場はどうやったらあがるのか、というのが見えてしまうものなのです。

今日はこのぐらいにしておきましょうか?

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ではまた明日。

バンクーバー不動産とカナダアップデート4

久々にカナダとバンクーバーの不動産市場についてアップデートしたいと思います。

カナダは主要先進国の中では最も経済が安定しており、ヨーロッパやアメリカの逆風に対して比較的打たれ強いとされてきました。その理由は比較的健全な財政、資源国家、政治的安定性などが上げられていました。事実、今年春の経済状況からカナダ中央銀行は今秋の金利引き上げに動くのでは、と見る向きもあったわけです。

私はそれに対して一貫して否定してきました。理由はカナダ経済の基盤が小さく、内需主導型ではないこと、よって、欧米、更には中国の景気動向によってボラタリティ(浮つき具合)ははるかに大きく、悪いほうに振れれば予想とまったく違う方向に進むリスクがあったからです。そして、私は欧米、中国とも景気は2013年前半にかけて更に下振れすると見ておりますのでカナダが金利を上げられるような局面は当面ないと考えていた次第です。

事実、そういう状況になっております。では今後、注目すべきファクターは何処にあるのかを考えてみたいと思います。

まず、国内ですが、いわずと知れた家計部門の借入金の高さが政府、中銀とも最大の頭痛の種となっています。現在の家計の借入金比率は152%程度となっており、欧米の160%に迫る勢いとなっています。そのため、7月1日に住宅ローンの厳格化を施行し、実質的に第一次取得者層の住宅取得のハードルを上げる結果となりました。

この政策の成否は半年ぐらいしないと統計的に判断できる状況にならないと思いますが、予想としては「薬が効きすぎる」状況が見込まれます。理由はデベロッパーによる新規物件の販売が相次ぎ、バンクーバー、トロントでは過剰供給状態が鮮明になっているなかでの需要締め付けは経済の回転を止めるからです。

バンクーバーでも今後も恐ろしいぐらいの新規供給物件数が見込まれており、「一体誰が買うのか」とささやき始められています。何故こうなっているのでしょうか?答えは簡単で「住宅開発事業は止められない」のであります。通常、デベロッパーは開発を計画してから建物完成、引渡しまで高層コンドミニアムですと4年はかかります。今、売り出しになり始めたプリセールの物件はほとんどがその過程の半ばであり、止めるに止められないのです。

但し、カナダ全体の2013年の新規着工件数は2012年に比べ7.3%減を予想するレポートもあり、今後、1−2年かけて調整が進むものと思われます。

注目の不動産価格については専門家を含め、おおむね10-15%下落というのが予想だと思います。これは私も同意します。事実、今年に入り中古の不動産取引価格はバンクーバー地区が7%、ビクトリア地区が11%下落しています。また取引件数にいたってはバンクーバーでは31%も下落しているのです。

理由は消費者のコンフィデンスは数字以上に落ち込んでいること、ビジネスの先行き予想が悪いこと、企業のリストラや就業時間削減が見込まれること、不動産市場の最大のサポーターである経済移民層のうち中国の富裕層の流入に変化が見られること、更には中古市場での売買回転率が悪化しているため、買い替えも容易ではない、ということでしょう。

対外的な不安要素としてはカナダドルの対米ドル高が上げられます。アメリカのQE3を通じてカナダドルは更なる高値になる公算があり、それはアメリカに大きく依存する輸出産業に為替の痛みが生じてしまうことに繋がります。それ以外にシェールガス革命による天然ガス価格の下落で例えばBC州が期待していた天然ガスを通じた税収は極度な落ち込みを見せ、やりくり不可能な状況にあります。

これらを考え合わせれば私は以前から申し上げている通り、2013年、特に前半は厳しい状況が続くと思いますのでシートベルトをしっかり締めて、攻めより守りに徹したほうが得策ではないかと思っております。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

バンクーバーの目抜き通りは空きだらけ4

バンクーバーの目抜き通りであるロブソン通りに異変が起きています。歩けばFor Leaseの看板ばかり。更にバンクーバーで最も価値の高いサーロー通りとの交差点にあったスターバックスがなくなりましたし、バラード通りとの交差点にあったHMVの跡もテナントが決まりません。

さらに、東に行ったシアーズも撤退することになっており、それ以外の小さな店舗スペースを含め実に寂しい状態が生じています。

ロブソン通りは小売業にとってはサテライト店としてマーケティングや宣伝効果を狙った出店が歴史的に多く、いわゆる「チェーン店の顔」としての役割がありました。一方、長年言われてきたのがロブソンのリーテールは儲からないという点です。理由はその賃料に対して見合いの収入が得られないことなのですが、私の実感としてはロブソンに面した店舗の売り上げは近年更に悪化している可能性があります。

理由は郊外のビックボックス/ショッピングモールには何処でもロブソンと同じチェーンの店が立ち並び、わざわざロブソン通りまで買い物に来る必要がありません。また、バンクーバーは雨季はしとしと雨が降り続きますので屋根のない路面店よりモールのほうが買い物には相応しいということになります。

更に大都市の目抜き通りであれば本来ならば有名デザイナーズブランドが立ち並ぶはずなのですが、ティファニーやルイヴィトンをはじめ数々のブランド店はロブソンから1ブロックはなれた一昔前の「日本人お土産御用達通り」だったアルバーニ通り近辺に固まっています。

ではロブソンにはどんな店舗が並ぶかといえば地元紙の編集委員に言わせれば「ルルレモン、マウンテンイクイップメント、ウィナーズ」を含むイメージに近い店舗群ということです。これのイメージは観光客に魅力的なウキウキさせるものとは思えず、正直、かなり辛らつでロブソンの価値を遺棄するほどの厳しい表現であります。それはロブソン通りそのものに対する改善やアップグレードを行ってこなかった市役所やロブソンストリートビジネス協会の怠慢であるともいえましょう。

たとえば狭い歩道、雑多で統一感のないイメージは本来であれば都市計画の一環として大規模な投資を含めたリバイタリゼーションが行われなくてはいけませんでした。が、実際はそれとは逆行し、例えば夏の間は終日アートギャラリーの前を車両通行止めにしてしまっているため、バスを含めた交通の寸断化を行っています。当然ながら利便性を含め、交通量の減少はビジネスに直接的に影響するはずです。

夏のこの時期でもレストランは空いていることが多く、私が好きな某有名レストランも夜9時過ぎになれば客ゼロということもしばしばです。

ロブソン通りに不動産を持つ大家も強気一辺倒でしたが、今年は昨年に比べ家賃が25%下がっているともいわれています。それでもあのスターバックスですらリース更新を諦めなくてはいけない状況であるというのは賃料が高いのか、客が少ないのか、その両方なのか、なんとも微妙なものであります。

今日の話はバンクーバーの目抜き通りの例でありますが、ネットショッピングが進む中で店舗の価値感と存在意義は地球規模で見直さなくてはいけないことなのかもしれません。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

バンクーバー不動産アップデート4

バンクーバーの不動産は根強い人気でカナダ国内でも最も高い不動産価格を維持し続けています。そして、超長期のトレンドを見ても細かいアップダウンはあるものの基本的には綺麗な右肩上がりを続けています。

そのトレンド、このまま続くのでしょうか?

当地の不動産局が発表した販売件数は4月としては2001年4月以来の低迷振りとなりました。取引件数は約2800で昨年4月比で13.2%減、3月と比べても2.6%減となってます。また、リスティング(売りたい物件)の数は昨年より3.6%増の約6000件となりました。また、販売件数の前年同月比の下落は7ヶ月連続となっております。

さて、この理由。大学教授のコメントは「はっきりした経済学的理由はない」としています。

実はCMHC(カナダ住宅公社)ではバンクーバーなど一部大都市における不動産価格は論理的価格をはるかに上回り、オーバープライスになっているとかなり前から指摘しています。トロントでは供給過多からの市場の先行き不安を指摘されています。とは言いながらもバンクーバーでも一部の人気集合住宅物件は販売開始と共に瞬く間に完売するプロジェクトもあり、バンクーバーの不動産は腰が強いとも見られています。

では価格。4月の平均は一年前に比べて3.7%アップの683,800ドル。日本円で約5500万円。一般家族では夫婦共稼ぎでようやく買える、という水準で実際にはギブアップ層が出てきています。ただ、カナダの場合、相続税がないことを踏まえて親の援助がかなり効いている事と新移民層は経済的にゆとりがあるケースが多く、移民したらまず住宅購入といった需要の下支えがあることは事実です。

更にバンクーバーの場合、鉱山関係の仕事についている人も多く、こちらの方は高い利益を生み出している結果、びっくりするぐらいの給与やインセンティブ続出状態となっています。事実、街中にはベンツを始め、高級車のオンパレードで奥様らしき人がベントレーに乗っているのを普通に見かけたりします。

ただ、個人的には市場全体の「不動産買い疲れ」を感じております。特に1ミリオンドルを越える高額物件の足が悪くなってきており、少なくとも値上がり期待の買いの手は入ってきていません。また、不動産価格が高過ぎる上に賃貸の利回りはせいぜい2%-4%程度ですから投資用の買いは入りづらい状態です。

はっきりした経済学的理由だけで不動産価格は決まりません。よって、くだんの大学教授は説明に窮しているのですが、不動産は大いに心理的要素が高いのです。覚えていらっしゃる方も多いと思いますが、バンクーバーの不動産がブームのときは販売開始日に販売センターに早朝から行列し、デパートのバーゲンセール如く買い漁る、更に行列している人には食べ物や飲み物サービスをして、お祭り騒ぎのように煽っていました。なぜ、市民は煽られたかといえば値上がりし、フリップし、○○ドル儲けたという話がそこら中で聞こえてきたからなのです。

同じことは日本のバブルのときもそう、アメリカのバブルのときもそうです。私は全部見てきましたので人間の強欲の心理とはこういうもの、とはっきり焼きついているのです。バンクーバーの不動産がバブル崩壊といった形の価格下落を経験していないのは銀行システムが頑強で買い手の頭金も高い水準であるため、背伸びが少なかったことが幸いしています。

更に経済移民による人口増加を促進しているため、不動産の需要を下支えしているのであります。

この先どうなるか、といえば個人的には経済が2013年に向けて調整か下向きサイクルに入りそうだとみておりますから不動産だけが上がることはないと見ています。つまり、この先、不動産価格は調整が続くものと考えております。

価格的にはよほどのインフレが来ない限り、もう一杯一杯まで上がっているような気がいたします。

今日はこのぐらいにしておきましょうか?

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ではまた明日。

バンクーバー不動産アップデート4

久しぶりのこのコーナーですが、今日は住宅よりオフィスビルなどを中心にみてみましょう。

バンクーバーにお住まいの人はお気づきかと思いますがこのダウンタウンのペニンシュラには過去20年で200本ぐらいの高層マンションが建ったといわれています。ではオフィスビルはどうでしょうか?10本も建っていないのです。
何故でしょうか?

一つはレント節約のためにダウンタウンの外に事務所を設けるケース。この現象は日本でもありましたね。

次にダウンサイジング。コンピューター化が進んだ上にオーバーヘッドは収益を生み出しません。ここバンクーバーはトロントのような経済の中心でもありません。

次にビジネスのマグニチュード。これは全体的に下がっています。BC州がもともと木材産業のメッカだったのですが、今では中小鉱山関係会社に取って代わられています。一昔前はシアトルとITのカスケディア構想なるものもあったのですが、これも萎んでいます。

バンクーバー中央駅はダウンタウンから数分ですが、その裏には野球場がいくつも入るような広大な更地がもう10年以上放置されています。ITタウンを作るはずだったのですがカスケディア構想と共に消えました。そうかと思いきや、そのすぐそばの大通りの一等地には州の事業会社が開発する高層賃貸アパート。その名もホームレスのためのアパート。周辺には開発可能な空き地だらけですが、ホームレスアパートが先に出来ると民間のデベロッパーは普通の集合住宅を作りづらいですよね。一等地なのにもったいないです。

さて、事務所ビルの話に戻りましょう。今まで2-3年に一棟ぐらいしか建築されていなかったオフィスビルですが、
ここに来て大型の高層事務所ビルが一気に3本開発されることになりそうです。どれも2015年ぐらいまでの完成を見込んでいるようですが、さて、どういう需要計画があるのか僕にはさっぱりわかりません。

僕の会社が入居している事務所。2年近く前に同じビルの別の部屋に移ったのですが、前の部屋の借り手はまったく現れないどころか同じフロアからは徐々にテナントがいなくなり遂にうちとお隣さんだけ。ところがそのお隣さんが先日ポソッと「賃料が上がるのでここからでようと思う」。それはこのフロアは僕の事務所だけになるということですか?ちなみにうちの事務所はフロア全体の10分の1ぐらいしか使っていないのですが。

道路を隔てた反対側には電気のつかない事務所ビル。6階建ての事務所ビルはテナントが1組だけです。

この街は中小企業が多いので自分で人を抱えるよりアウトソーシングするほうが安い場合もあります。そうすれば事務所なんていらないということになってしまうのです。

一方、事務所活性化を図るなら一つ方法があります。それは分譲オフィス。割と小さ目の事務所であとは運営会社が受付サービスと会議室の管理をすればよいのです。この街にも分譲オフィスは多少あるのですが、案外少ないと思います。多分、マーケティングの問題だと思います。僕も手ごろなものがあれば確実に購入します。なぜならバンクーバーは不動産価値が下がりにくい街なのです。日本とは不動産の価値尺度が違うので建物の価値が維持されやすいのです。(日本は建物の現在価値ですが、こちらは同じ建物を今建てたらいくらするかという算定かリテールなら収益還元法を取ります。だから例えば建設物価が高いと建物の価値は上がってしまうのです。)

世界を見渡しても先進国で事務所ビル建築はなかなか度胸のいる決断になってきました。東京も空室率はかなり高く、外資系企業の奪い合いがアジアの主要都市間で行われているような状況です。日本は一等地のAAAクラスオフィスがある意味ステータスシンボルなのでしょうけどいまや、社長と従業員が同じところで仕事をする、自分の机がない、など従来のオフィス像が変わってきた中でまったく新しいコンセプトを取り入れないとただの事務所ビルでは取り残されていく時代になってくるかもしませんね。バンクーバーの新しい事務所ビルにも斬新なアイディアを期待したいところです。

ということで今日はこのぐらいで。

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BC州HST否決!裏目に出た民主主義4

カナダBC州では2010年7月1日より導入した新型消費税HSTに関し、州民から強い反発が生じ、結果として導入を決めた州首相は退陣し、あわせて州民投票にてその是非を問うこととしました。

そして、今日、その結果が出ました。結果は55:45で新型消費税導入を却下するというものでした。この投票に基づき、18ヶ月以内の2013年3月末までに旧型の消費税、GSTとPSTに戻ることになります。

ご存じない方のためにさらっと説明差し上げますとカナダBC州では2010年7月までは連邦消費税(GST)5%と州消費税(PST)7%の合計12%が一般消費税として賦課されていました。但し、生活必需食料品には税金はなく、また、レストランや床屋などは連邦消費税のみの賦課でした。一方、事業者への消費税還付については連邦消費税のみ還付のシステムがあり、州消費税は還付されません。つまり、州消費税は製造から最終消費のどの段階でも賦課される「重複課税システム」であります。

また、連邦はオタワ政府、州はビクトリアの州政府の管轄ですので事務工数は二倍になります。

このため、「前近代的な税システム」(ゴードンキャンベル前州首相)を新しいものにするために連邦政府から16億ドルものHST設立資金を受領して新税制システムを作り上げたはずでした。

ちなみに新しい税制システムになって一般消費者への恒常的、直接的な影響はレストランや理容室で7%余計に税金がかかるようになった程度で限定的な影響だと思っております。(アルコール税は下がっています。)一方、企業側は今までの連邦消費税のみならず、州消費税相当も還付請求できるようなったため、実質的にコストが7%下がり、それが消費者への還元に繋がると考えられていました。

更に州民投票において、HSTを維持した場合、現在の12%のHSTは3年を目処に10%に下げることになっていました。

ではなぜこのHSTは覆されたのでしょうか?

民主主義の声

これがまず聞こえてきています。では地域別投票の結果を見ると都市部ではHSTは賛成なのですが、地方は一部を除き、全部反対派でした。バンクーバーで見ても高収入のところは賛成、所得層が低いところは反対となっています。

これは何を意味するのでしょうか?

僕はHSTに対する十分な理解が浸透しなかった、そして、大衆の「反対」というボイスに押し流された、ということではなかったかと思っています。更に「反対」派の大掛かりなキャンペーンに対してHSTを維持する側のボイスはほとんど聞こえてきませんでした。

皆さん、選挙をする際、どういう基準で投票するでしょうか?案外、インスピレーションや思い込みで投票してませんか?新たにじっくり勉強して投票する人はどれくらいいますか?よく考えたとしてもそれは大衆の意見になびいたということもありませんか。

人の考えはそのときの大衆の動向により決まりやすいと思います。一度、レイヤーが固まるとそれは動かすことが非常に難しくなります。HSTという税システムは間違えなく優れているし、維持すべき税制でした。ビジネスセクターでは今回の結果に非常に失望しているのみならず、政治経済的にBC州が遅れた地であるイメージを植えつけることになり、投資促進には非常に不利に働きます。

極端な話、あなたの住宅の価値が下がる可能性すら秘めてしまうのです。或いは失業率が潜在的に高止まりしてしまうこともあるのです。

BC州は大変高いコストを負担することになります。そしてこの州にとって歴史的な決定は長期的に禍根を残すことになるかもしれません。

民主主義のポイントは「すべての民がほぼ共通の事実認識に基づき一定水準以上の考察をもって判断するか」ということです。近年の世界のあちらこちらで起きている「民主化運動」は現在は正しいという認識で捉えられていますが、僕は「ある一定の条件を満たす限りにおいて」という条件をつけない限り、民主主義という言葉が独り歩きする危険性を備えていると考えざるを得ません。

ご意見賜ります。

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