外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

カナダ経済

カナダ総選挙にみたもの4

日本国内では即位礼正殿の儀が注目されていましたが、カナダでは注目の総選挙が行われました。結果はジャスティン トルドー氏率いる中道左派、自由党が過半数には届かないものの勝利し、トルドー氏が二期目の首相を務めることになりました。

今回の選挙の注目点はいくつかありますが、まずトルドー氏47歳と対抗馬の保守党党首、シーア氏40歳の戦いだった点が興味深いと思います。40代同士の戦いはなかなかないもので、カナダが若い人に権限移譲するスタンスが見てとれます。

これはカナダが人口の1%を毎年移民として受け入れるというアメリカよりより強い移民導入策を持っており、比較的若い移民が流入していることが要因の一つではないかと考えています。通常の移民の要件はカナダに経済的便益をもたらすことを求められており、当然ながら現役層で将来有望な人が主体となります。(典型的な移民手段としては当地大学を留学生として卒業し、自動的に与えられるポスト グラデュエーション ビザで3年ほど働き、その間に移民権を申請するケースが目立ちます。)

次にトルドー氏の様々な醜聞にもかかわらず自由党が157席と保守党の121席に大差をつけたことには正直驚いています。世論調査ではかなりの接戦で選挙前日あたりでも「コイン トスのような情勢」(TD Economics)と分析されるほどでした。事後の分析をするならば自由党の明白で受けの良い政策に対して保守党が何をどうしたいかはっきり打ち出せなかったことで国民の心に響かなかった点で消去法的選択だったように感じています。

なぜ、保守人気が出なかったかといえばトランプ大統領の間接的影響があるとみています。実はカナダはアメリカに対して心の底ではかなり冷たい意識を持っています。いわゆる反面教師的なところが歴史的にあり、その中でトランプ氏のような保守アメリカへの反発心があったのではないかと考えています。例えば、カナダで行われたサミットでトルドー氏の議長宣言をシンガポールに行く飛行機で聞いたトランプ大統領が袖にした一件がありました。あれはカナダ国民にアメリカへの冷たい意識を明白に打ち出させたようなものでした。

では過半数の170議席を取れなかった今後の政権運営はどうするのか、ですが、これもカナダらしいのですが、一応、野党、新民主党(24議席)や緑の党(3議席)にある程度接近するとは思いますが、積極的なアライアンスはしないとみられています。つまり連立政権にしないということです。現状の分析では議会運営は案件ごとに検討するだろう、とあり、政党政治の党利党略ではなく、より国民の声に沿った運営を目指すと見られています。

考えてみればアメリカは二大政党でどちらかしかなく、ねじれれば法案などが通りにくくなる仕組みです。ところが、過半を取らない自由党が政権運営をするにあたり、法案可決が妥当と判断できれば野党の賛意は取れると考えればそれは誰のための政治なのか、より明白であるとも言えます。

ただし、ドラスティックな政権運営はできません。個人的に予想されるのはとても良い国だけれど社会的変化は非常に緩慢でまるで「大河が流れるがごとく」という状態になるとみています。

個人的には半年ぐらい前から「政権交代あり」と見ていたので予想は完全に外れました。トルドー氏の数々の失敗を国民が許したのはハンサムで憎めない性格だからなのでしょうか?そうだとすればカナダ人はとても優しい国民性だということを改めて裏付けたように感じます。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

カナダの住宅市場に見る不思議4

バンクーバーから車で小一時間のアボッツフォードやラングレーといった郊外でタウンハウスと称される住宅が飛ぶように売れています。日本では割と少ないタウンハウスは分譲型の長屋を想像していただければ分かりやすいと思いますが、通常2階建て、ないし3階建て(半地下を含む)でサイズ的には150屬らいが標準的かと思います。

タウンハウスの特徴は多少なりとも庭があるのに戸建てほど価格が高くなく、通常マンションのような管理組合を組成することから居住地全体の統制がとりやすくなっています。

5月のバンクーバー地区の販売状況を見る限り、バンクーバーの郊外地区では前年比19%増の販売となっており、専門家もコンドミニアムから戸建てやタウンハウスのように地面に接した物件にシフトしていると解説しています。なぜ、これらの物件が売れるのか、ある秘密が隠されているように見えます。

まずは価格帯。日本円で換算して3000万円台はごく普通のカナダ人家族には手が出しやすい価格帯であるとされています。2011年のバンクーバー地区の世帯所得は平均が83000ドル(約790万円)中央値が63000ドル(約590万円)ですから中央値から見ても住宅価格が年収の5.5倍程度で収まります。

住宅ローンは金利が2%台後半ですが、物件価格が比較的値上がり(この一年では年3-5%程度)する特性を考えれば日本の金利が1%を割っていても確実に値下がりする日本の不動産よりお得ということになります。(土地価格の下落は止まりましたが、不動産は通常、土地と建物の合算価値であることに留意です。)

ちなみにバンクーバーの固定資産税の評価額を見ると私の住むコンドは建物の価値が2013年に5.3%も上昇していますし、マリーナ施設(固定資産)は今年6.9%上昇、商業不動産の建物部分はこの3年、ほぼ変わらずとなっています。この建物の評価の仕方の差が日本の不動産とカナダを含む外国不動産の価値の差なのであります。

バンクーバーはカナダでもっとも不動産価格が高い街と知られ、北米でも有数の水準にあります。ダウンタウンのコンドミニアムならばこれはと思うのは5000万円から数億円ですし、バンクーバー近郊の戸建住宅も同様の価格帯(平均戸建て住宅価格は2014年5月で約9000万円)であることから一般家庭には手が出ないとされています。

富裕層の移民を歴史的に多く迎え入れたカナダでは個人資産が多いアセットリッチの人たちが増えてきました。つまり、ビジネスを通じた収入が多いキャッシュフローリッチではないことからバンクーバーの不動産相場は景気に鈍感とされています。同じことは例えばハワイの不動産相場がそっくりであり、リーマン・ショック後も多少の調整はあったものの大きく下がることはありませんでした。

そうはいっても子供ができたばかりの若い夫婦の家庭の収入が高いわけがなく、都心よりも環境が良い郊外、コンドミニアムより子供を遊ばせられるグランドオリエンテット(Ground Oriented)と称する戸建てやタウンハウスがより人気が高いのであります。

もう一つはダウンタウンからの脱出組。カナダはモザイク文化と称するほど多国籍国家ですが、どうしてもその文化になじめない人もいるものです。「白人が逃げ出す」とも言われる現象は北米でもイギリスでも起きており、ここバンクーバーでも同じことが発生しつつあるようにみえます。あるモーゲージブローカーが郊外の住宅販売場から電話をしてきたので冗談交じりで「買っている人は白人で溢れているだろう?」と聞いたところ、「ご名答!」と言われました。

白人が都心のコンドから逃げ出す理由はもう一つあります。建物の管理に関して長期的視野に立った改修や問題が起こる前に対策を立てるプリベンティブメンテナンスへの投資に積極的なのに対してアジア系の人は値上がりしたら売る前提にあるため、目先の管理費が安くなることに固執し、将来への投資を拒むことで揉めやすいとも聞こえてきます。

こうみると郊外の住宅は白人にとってユーフォリアなのかもしれません。なかなか日本では例のないケースだと思いますが、今日この話題を入れた伏線は日本で外国人の不動産取得がしやすくなるとのことで今後、中国人の不動産購入が増えてくると思います。お隣さんが外国人となった時、あなたならどうするのか、不動産の世界から覗いてみました。参考になればと思います。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

中国に相続税?4

中国で相続税を設ける話が出ているそうです。日経の「中国、相続税報道にピリピリ」という記事をお読みになった方もいらっしゃるでしょう。以下、その一部です。

「有力経済紙『21世紀経済報道』が9月下旬に報じた。それによると、国務院のアドバイザーにあたる劉桓参事が『3中全会(党中央委員会第3回全体会議)の文章の草稿に相続税が書き込まれる』と語ったという。11月に開く3中全会は、習近平政権の経済政策の方向を打ち出す重要な会議。もし本当なら、相続税の導入がついに視野に入ったことになる。」

記事は劉桓氏がこの記事を全面否定したことでことの真偽は結局わからずじまいでありますが、万が一にも中国で相続税が真剣に検討されているとしたら何が起きるでしょうか?

それは個人マネーの国外大流出であります。

1997年に香港が中国に返還される前、香港では中国返還後に個人資産はいつか中国政府のコントロール下になる、と噂され、多くの香港人は資産のディバーシフィケーション(分散化)を図りました。その結果、オーストラリアやカナダなどに移民権を取得し、その国に不動産などを購入、家族と共にいったん、国外に出て、個人資産を分散させるという手段に出ました。

このバックグラウンドは中国では共産党一党支配化において個人の富は共産党の考えに合わず、いつ、何が起きてもおかしくないと考えていることがあります。その上、中高年ならはっきり覚えているあの忌々しい文化大革命。紅衛兵が「資本主義の回し者」とつるし上げを繰り返し、個人資産を根こそぎ没収した事件は中国を恐怖のどん底に陥れました。

中国における相続税の噂とは一部の富裕層にとってまさにそれ思い出させる恐怖となるはずです。ましてや一部共産党員が袖の下で溜め込んだ資産は絶対に表に出せないもの。一方で共産党員となればそう簡単に海外に移住というわけにはいきません。そこでその家族を合法的に海外に出し、家族に資産を移すという手法もあります。事実、そういう人は私の周りにも複数存在しています。

中国富裕層が海外に移住するとなると移住しやすい国は限られます。また、中国人は一定規模のチャイナタウンがある街を好むとすればたとえばカナダならバンクーバーやトロントが再び、中国から注目される公算が出てきたということになります。

習近平体制では格差社会は許されないものという強いステートメントを発していますので相続税による富の再分配は理論的にはありうる話だと思います。となると中国の人は噂の前から行動に移しますからまさに今、再び、資産分散の動きが活発化することは大いにありえます。

ただし、カナダが中国人の移民を今までどおり受け付けるかというと案外そうではなさそうです。カナダの場合、今まで投資移民、経済移民を積極的に受け入れてきましたが、これならば金持ちならば移民権を「購入できる」という見方が出来てしまいます。カナダ国内ではこれについて大きな議論となり、「カナダ経済に便益をもたらす」ということによりウェイトをおくようになってきています。この便益とは人の雇用であったり、経済の波及効果などをさしているわけで「単なる金持ち」が移民することは難しくなったかもしれません。

もっとも中国人のことですから金持ちが実際にビジネスをドライブできる人を雇ったりパートナーにするなどの抜け道は直ぐに見つけ出すのだろうと思いますが。

中国の相続税の噂はもしかしたら日本への不動産などの投資も含め、何らかの影響はあるかもしれませんね。この動きは注目したいと思います。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

カナダの住宅市場に試練は訪れるのか?4

久々にカナダの話題を振りましょう。

カナダの経済指標はこのところ、まずまずといった感じですが、理由は隣接するアメリカ経済が比較的良好なことでしょうか?一方で金などの資源価格が低迷していることで一時期のブームという感じはしません。観光シーズンの真っただ中でありますが、財布の紐は固い、という感じもします。

さて、そんな中、カナダ人の個人収入に対する負債比率が165%と最高水準をマークしたまま下がらない状況になっています。この水準はアメリカがリーマン・ショックで住宅市場が崩壊した際の負債比率とほぼ同じであり、数字だけ見ればかなり危険水域にあるとみられています。(一部専門家はアメリカとカナダでは消費に対するアプローチが違うので一概には比べられないという反論もあります。)政府当局はこの水準を長く続けるのは無理だとして消費を抑え込もうと努力しています。昨年の7月にも住宅ローンのルールを変更し、住宅市場を一旦冷やしたのですが、再び、ムクムクと盛り上がってきている状況にあります。

先日もベテランリアルターの方が「この夏は今年前半の不振を吹き飛ばす感じ」とかなり前向きでホクホク顔でした。確かにバンクーバー近辺は住宅開発のラッシュで2005年のブーム当時と大して変わらないボリュームで街中建築工事中なのですが、個人的にはこのマーケットにはやや懐疑的であります。

さて、当局は住宅市場の熱さましに躍起ですが、今年もまた冷たい水をぶっかけてくれました。

一般の方が借りる住宅ローンはカナダ住宅公社(CMHC)の保証がついているものが結構あります。銀行が貸し出す住宅ローンは住宅公社の保証があることで銀行側の元本の安全度が極めて高いのであります。銀行はこれを住宅債権として小口証券化して第三者に売り出し、その売却資金でさらに安い住宅ローンを顧客に提示するという手法をとっています。

結果として銀行間の住宅ローン金利競争が発生し、これが顧客の住宅取得をあおる一つの大きなファクターになっていると考えられています。カナダ住宅公社の2013年度保証枠は85ビリオンドルに対して7月末ですでに74%にあたる66ビリオンドル相当の枠を使っています。当然、このままいけば保証枠は枯渇するため、カナダ住宅公社が打ち出した新案は「一金融機関あたり350ミリオンドル」の保証枠分配であります。住宅戸数で言えば、350ミリオンドルではざっと500-600軒分の保証枠しかなくカナダ大手銀行ならばあっという間に使い果たす枠であります。

これにより一般住宅購入者にはどのような影響があるかといえば、安い住宅ローンがゲットできない、ということであります。市場動向からすればざっと0.5%前後のローン金利上昇になると見込まれています。

とすれば当然エントリーレベルの住宅の売れ行きはぐんと落ちるでしょう。デベロッパーは相変わらず強気勝負でどんどん新築物件を供給していますが、当局のこのような政策は必ずボディーブローのように効いてくるものです。おりしもアメリカは量的緩和からの離脱時期を探っているところですが、カナダはもともとG8先進国ではもっとも経済は健全で利上げに踏み切るなら先陣を切るとも言われていました。

となれば、すぐとは言わないまでも近い将来に金利は上昇、住宅ローンも合わせて上昇してくる可能性は否定できません。

銀行も最近は融資に慎重姿勢という話も伝わってきます。商業不動産ローン部門は銀行の審査部門がOKしても貸せないケースが出ているようですが、これは市場の先行きについて読みにくいということの表れとも言えそうです。

街を見渡せばベンツ、BMWはごろごろ、轟音とともに高級スポーツカーが爆走しているその姿からは軽自動車の日本とやはり何かが違うことは確かなのでしょう。

今日はこのぐらいにしておきましょう。
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ではまた明日。

北米住宅市場の明暗4

28日に発表になったアメリカのケースシラー住宅価格指数は前年同月比で10%以上上昇、事前の予想を上回り好感されました。アメリカの住宅価格は2006年半ばにピークを打った後、下落傾向に入り、リーマン・ショックで崩壊しました。長期に渡る住宅市況の低迷の理由は何度も言われていますが、住宅市場が回復期にある今、再び考え直すにはちょうど良いかもしれません。

当時、本来であれば住宅が購入できるクオリフィケーションがない人も金余りと不動産価格の上昇で金融機関が積極的にリスクテイクをし、融資を実行し、多くの人に夢を与えました。しかし、リーマン・ショック後、不動産価格が逆向きに爆走し始めたことからリスクテイクの部分が剥がれ落ちた、というのが一言でいうアメリカの住宅問題でした。これは銀行のリスクテイクという意味で日本のバブル崩壊とほぼ同じシナリオです。

この余波は長く続きました。一つにはあまりにも多い管財物件に市場の需給バランスが壊れてしまったこと、また、住宅ローン破綻した人の回復力は経済が低迷し、失業率も高止まりしていた中で遅々として進まなかったことが原因でした。

私はその市場を見ながら、2012年初めにはアメリカ住宅市況は年内に底打ち、と見立てていました。それは銀行の投売りに一定の目処がつきそうだったこと、自動車販売台数が回復に向かっていたことから消費への自信が戻り始め、我慢していた住宅取得への初動が見られたこと、アメリカ国内の経済回復が金融政策というより、オバマ政権の政策として効果を見せ始めていたことが挙げられると思います。

少なくとも現在のアメリカの住宅市況は回復の一途を辿っていると断言して問題ないと思います。今後、アメリカではライフスタイルの変化が更なるブームを起こす可能性があるかと思います。それは都市圏におけるコンドミニアムライフの普及であります。そうなればアメリカの住宅産業は低層の木造からダウンタウンの高層集合住宅によりシフトするでしょう。理由は都市部におけるより活動的で便利な生活がアメリカの若い世代に当たり前のように受け入れられつつあるからです。

いまや、ベッドルームが5つも6つもあってプールがあるような巨大な住宅はフィッツジェラルドが描く1920年代の華麗なるギャツビーの世界ではないのですから流行らなくなるトレンドにあるのではないでしょうか?

さて、好調のアメリカに対してカナダの一部都市では不動産市況に黄色信号がともっています。特にバンクーバーは厳しさを増す、というのが私のずっと変わらない予想です。特に新規供給の数は尋常ではなく、確実に売れ残りが多数出ますのでデベロッパーの体力勝負、ひいては一部の値崩れは覚悟せねばならないでしょう。以前から繰り返していますが、デベロッパーの倒産もありえると見ています。なぜ、これほどの新規供給が出ているかといえばリーマン・ショックの際、バンクーバーの住宅市況は更に強含み、デベロッパーが強気になり、結果として土地を仕込んでしまったというのが理由でしょう。

2009年ごろに土地を仕込めば開発準備、許認可で2011年頃に着工、2013年完工という流れになりますので今年から来年がデベロッパーの勝負どころになります。

バンクーバーはもともと不動産市況を中国などの富裕層の移民が支えていたわけですが、現在は中国からの富裕層移民がそれほど入って来ている状況になく、不動産の下支えには十分ではありません。カナダ、特にバンクーバーエリアは資源関係の業種が多いのですが、商品価格の低迷で一時の景気の良い声もすっかり消沈しており、国内景気はまさに「地味」な状況にあります。

カナダ中央銀行は昨年まではG8の国では利上げを一番に行えるといっていたものがいまや、利下げを検討しなくてはいけない状況にあり、一部大手銀行エコノミストからもそのような声が出始めています。

そんな北米の明暗の将来を案じるかのように為替の見込みはこの先1年程度でカナダドルは対米ドルで7%程度安くなると見られています。数ヶ月前まではカナダドルと米ドルがパリティ(同価値)だったわけですが、アメリカの10分の一の人口しかおらず資源に頼るカナダが米ドルと肩を並べるというのはやはり出来すぎた話なのかもしれません。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

カナダを制すれば世界を制する?4

カナダで消費者向けビジネスが成功すれば世界のどこでも通用すると一昔前言われたことがあります。私は今でもそれは正しいと思っています。なぜでしょうか?今日はこれを考えてみましょう。

東京は日本の消費の中心地ともいえますが理由はそこに人がいるからであります。秋葉原辺りでとてもマニアックなビジネスを立ち上げたとしても1億2000万人の目がそこにあり、それが欲しければ飛行機、新幹線でそこまで行くのはさほど困難ではありません。それ以上に東京で流行っているものは「クールジャパン」というより「クールトウキョウ」というイメージが強い気がします。結果として顧客対象の比率が0.1%でも12万人もの潜在顧客が存在するということになるのです。

これはビジネスの立ち上げとしては非常に心強いもので一部のファンのための製品や商品が一般人を含めた爆発的ヒットに繋がればしめたものなのです。ある意味、東京でこだわりをもってファンのハートをつかめばあとは経営という手腕があれば成功の道が見える可能性があるかもしれません。また飲食などは圧倒的人口ですからうまいと称するところが長蛇の行列ならばそこを敬遠し、そこそこの店でも妥協することはありえると思います。事実、私も以前、東京勤務のときはそうしていました。

ここバンクーバー。冬は雨季で灰色の空が気持ちをどんよりさせます。ここで本当にすばらしいビジネスをしたとしてもその成功の確率は大いに下がるでしょう。大バンクーバー圏の人口はわずか250万人。一方東京都市圏の人口は3700万人とも言われています。もちろん世界最大都市で世界第二の国土を誇るカナダ全体の人口よりも多いのです。つまり、人口密度の低さがビジネス機会に結びつきにくい理由になるといっても良いでしょう。

アメリカでラーメンが市民権を得つつあり、儲かるビジネスモデルだとされています。それがカナダでも通用するか、といえばアメリカとカナダは人口が10倍違うという点を考えればカナダで勝ち抜ける店も十分の一だという言い方も出来るでしょう。つまり、カナダで成功している店はトップ中のトップの成績なのです。

これがカナダで成功すれば世界のどこでも通用するといわれる所以だと思います。だからこそ、日本の主たる小売業がバンクーバーに恐れをなして来ないのもうなずけるでしょう。ブックオフも早々に閉店しましたし、ユニクロの出店の噂もすっかり聞かなくなりました。

例えば寿司。いまやバンクーバーのダウンタウンで日本人がやっているすし屋を探すのは苦労するようになりました。一方、街ではいたるところにSUSHIの看板。入ってみると大体ロール寿司(巻き寿司)で多いところだと数十種類取り揃えているところもあります。また、唖然とするほど量が多いのを売りにする店も大人気。つまり、明らかに日本の寿司は世界のSUSHIとして再デビューしたわけでいっそのこと、これを東京に持っていったら面白いコンセプトの店になるのかもしれません。

カナダのもうひとつの問題点は消費に対してコンサバな傾向が強いことがあります。イギリス系の人が多いこともあるのでしょう。アメリカと比べて金離れが悪いのは明らかでレストランのチップをみても5%ぐらい低いはずです。

もちろん東京には激しい競争があるのだろうと思いますが、大手や有名店に行かないで個人経営の店を選ぶ喜びとはまさに個性の追求なのだろうと思います。少し前に「孤独のグルメ」という深夜番組があったのですが、あのレストラン選びはまさにえっと驚くようなところを舞台にするその面白さが受けたのだと思います。

カナダの個性的で成功している店を東京に持っていったら大うけするかもしれませんね。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

羽ばたける日本の農業4

TPPやEPAなど一般の方にとってはわかりにくい自由貿易、グローバル化が着実に進んでいます。1月7日の日経新聞にカナダ商工会議所会頭のペリンビーティ氏のインタビュー記事があり、カナダと日本で交渉が始まったEPA(経済連携協定)に関して双方、未来志向で努力すべし、と述べています。

記事の中でカナダがワイン産業保護のため、国内のワイン農家を高い関税で保護していたがワインの品種転換が進み、競争力を得て更に自由化で品質も向上した、とあります。

BC州の内陸にオカナガンというワインの生産に適したエリアがあります。私がカナダに来た1991年にあるカナダ人が「カナダのワインを飲んだことはないだろう」と言ってレストランでたんまり飲んだことがあります。ようやくカナダのワインが欧州のコンクールなどで上位に入るようになりカナダのワインもいけるとされ広まり始めた頃だと思います。それから20数年たった今、オカナガンには何十ものワイナリーが存在し、その品質は格段に向上しました。ワインの生産量は比較的少ないにもかかわらず、地元での消費量が多く、輸出に回るワインは極めて少ない状態が続きます。

仮に輸出できる規模となれば世界の酒屋で愛飲されるであろうと思います。つまり、ベリンビーティ氏の指摘するとおり、本当に競争力をつけたのです。それは今までの甘えからこのままでは生き残れないという焦り以外の何者でもありません。

日本の農業はいまだに補助金に頼り、小さな規模の農家が主流で農業従事者の高齢化も止まりません。私の親戚は専業農家なのですが、私が小さい頃、米はやめました。品質やブランド的に新潟産などに勝てないことと食生活の変化により米食から小麦に変わってきたことを先読みしていたようです。今では全部野菜に変わり、特にアスパラガスは高付加価値のブランド物を生産しています。儲かっているかどうかは知りませんが少なくとも私のいとこは自信を持って生産に励んでいます。

変わる勇気というのはなかなか大変なものです。特に農業の場合、「先祖代々、米を作り続けてきているのだから俺がそれを止めるわけにはいかない」という頑固さと時代の流れに逆らう気持ちが先立ってしまうのかもしれません。また以前にもこのブログで書いたのですが、農家にとってその土地は「神様から貸与された土地で労働の喜びを与えられている」と考える人が多いようです。結果として農地を第三者に売却することに大きな抵抗が存在する理由のひとつになっていると思われます。

しかし、カナダのワインのケースではアイスワインというぶどうの収穫を極寒のある時期に行うことで格別の甘いデザートワインを作り出す、という技も作り上げました。収穫量は本当に少ないのでハーフボトルサイズで数千円以上する高付加価値商品となっています。

日本の農作物は世界的に見て驚くほど高品質であることは疑いの余地がありません。アメリカ産の農産物と価格比較すればそれは見るのもばかばかしくなりますが、高品質だからこそ求める客はいるのです。カナダではオーガニック野菜やグローサリーを専門に扱っているスーパーがあります。そしてそれはなぜか、高所得者が多いところに立地し、週末にそこに行けば人でごった返しています。一定の価値を求める人は必ずいるということです。

日本の農業は市場開拓に励むことで大きく変貌する金の卵のようなものだと確信しています。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。
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