外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

経営

ニッポンの陽はまた昇るのか?4

私は長年経済ニュースなどには丹念に目を通していますが、この数年、そして特に最近とみに思うのはニュースがない、ということであります。もちろん、新聞には十分な誌面とそれを埋めるネタは掲載されていますが、日本企業が躍るようなそんなニュースが極めて少なくなっているのです。

どちらかというと不祥事や業績悪化などの記事が目立ちます。最近ではメガバンクの利益が減っていること、地銀が立ち行かなくなくなりノジマやSBIといった一般企業の出資を受ける事態になっていること、自動車販売はトヨタ以外総崩れだったこと、コンビニ24時間営業の常識が崩れること、下がり続けるデパート売り上げの行方が見えないこと、大型新薬がでない製薬業界…と暗くなる話はいくらでもあれど、陽が昇る話がなかなか見つからないのが現状であります。

こうなるとネットでニュースを読むことは朝から気持ちを盛り下げるようで実に心地よくないのであります。もちろん、日本の独壇場といわれる分野もありますが、比較的地味な分野が多く、主役ではない点において世界で日本の存在感が薄れてきている感じがするのです。

北米で生活していると日本の製品を見ることはめっきり減ってきています。自動車は見ますが、それ以外に何があるのでしょうか?スマホの中の多くの部品が日本製だと知っていますが私にはどこかの外国で作られたiPhoneにしか見えません。家電量販店に行ってもノートパソコンで日本製は見かけなくなりました。

先日、ある日本の役人と話していたところ、「海外の駐在員は日本の本社しか見ていない」「与えられた枠の中の仕事だけをやる」と役人が呆れるほど小さくまとまった仕事しかしないようなのです。また駐在員が忙しくなるのは日本が朝になってから、つまり、こちらの夜で、時々集まりに遅れてくる駐在員さんが「いやー、すみません、日本とのやり取りで…」というのは日常茶飯事なのであります。基準が日本なんですね。

日経の看板コメンテーターの記事に「GoogleとIBMの量子競争 日本突き放す知のコラボ」というのがあります。その記事の一節に「量子コンピューター研究の歩みを振り返れば、目を引く日本発の成果があったが、ひょっとするとチャンスを逃したかもしれない。東工大の西森氏らが土台となる理論『量子アニーリング』を提唱したのは1998年。同じころNECは超電導による量子ビットを世界で初めて実現した。先頭を走る専門家同士がそばにいた。もしもそこに対話が生まれ、知識が交じり合えば、世界をリードできるような研究の進展がみられた可能性があるが、双方が連絡をとり合うことはなかった」とあります。

企業や研究者がブラックボックス化した研究を行ってきたという意味でしょう。その間、世界ではオープンソースという発想が普及している中で日本では独り占めという発想がなかったとは言い切れません。

かつては一匹狼のちょっと変わった人がサプライズの成果を上げることがしばしばありました。最近、そのようなユニークな人は排除されるか、十分な研究などができる環境の場が提供されないかのどちらかなのだろうと思います。それだけ企業や大学が普通になり、コンプライアンスを重視しすぎるあまり、規格外の天才が発掘されないのかもしれません。

また、今の時代、高度化する産業レベルにおいて一人や一企業で対応できるレベルではありません。異種混合がキーワードのはずですが、大手企業の社員さんほど異種に興味を持ちません。名刺交換しても「俺は上場会社の〇〇だ」という威光が見えるんですね。その会社の話に入り込むことすらできないのです。(いや、本音を言えばどれぐらいの知識をお持ちかはわかりませんが、上場会社という囲い込みに非常に高いプライドを持っていらっしゃることは事実です。私は上場会社に20年在籍しましたが、準大手のゼネコンでカナダ新参者だったので必死になって学ばせていただくという姿勢で下手に出ていました。また講演などを通じて意見を聴くなどの自分なりのオープンソース化をしてきたと思います。)

ニッポンの陽はまた昇るのか、と言われれば私には昇らないように見えてきました。真綿で首を絞めるという表現がずばり当てはまるのが今の日本です。もしも陽が再度上がるようにするには地殻変動が起きて日本が目覚めなければなりません。わずかな人だけでもそれに気がつき、面白いことに驀進してくれることを祈ります。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

ヤフーとLINEの経営統合に思うこと4

ヤフー(ジャパン)とLINEが経営統合する最終調整に入った、というニュースのヘッドラインを見た瞬間、なるほど似合いのカップルだと思うと同時にLINEの親会社である韓国ネイバーがソフトバンクに本当に売るのか、と一瞬驚きました。韓国ネイバーは韓国内の検索サイトではかつてはトップだったこともあり(現在はグーグルの後塵を拝しています)、なかなかパワフルな会社であるだけに孫さんもよく口説いたな、と思ったのです。

が、よく見るとそうではない、50:50で共同出資会社を作り、ヤフーなどを支配下に置くZホールディングスに出資するというものであります。ちょっと複雑なので説明を要します。もともとはソフトバンクがヤフージャパンを持つという支配関係でした。ソフトバンクはヤフーを含む様々な事業会社を形の上で全部並列で並べ、その全ての事業を束ねる会社として名前を10月1日付でZホールディングスに変えたのです。ですからのヤフーの上場銘柄コード4689がそのままZホールディングスにすり替わっています。

このZホールディングス傘下にはヤフー以外に前澤氏から買ったZOZO、PayPay、ジャパンネット銀行、アスクル、一休など20数社がずらりと並び、今回このラインアップにLINEが加わる、というのが新聞各紙に報じられている内容であります。また、このスキームはまだ、確定したものではなく、この方向で検討しているとされています。

正直、LINEを取り込むために孫さんはずいぶん無理をしたな、という気がします。確かに今回の取引でLINEをソフトバンクグループの傘下企業の一つに収めることはできますが、ネイバーとの新会社はソフトバンクと半々の出資ですからネイバーが自動的に日本のヤフー以下Zホールディングス傘下の企業に一定の影響力を持つことが可能になります。(勘違いされないように申し上げますが、現在、ソフトバンクが持つZホールディングスの株式は45%程度ですから第三者割当をしない限りソフトバンク/ネイバーの持ち分比率は変わらないはずです。)

アメリカの動きを見るとGAFAなど支配企業が水平サービスを展開し、顧客の囲い込みを通じて独占しようとする傾向が強まっています。ネットポータル、検索からショッピング、金融、旅行、ゲーム、コミュニケーション…などをすべて抱き込むスタイルです。直近のニュースではグーグルがシティバンクと連携し、銀行サービスをスタートさせる、あるいはフェイスブックがフェイスブックペイを今週からにも始めると発表しています。

これらのスピード感はもはや、専門家でも追いつかないほどであり、一般消費者はほぼ置いて行かれているといっても過言ではないでしょう。一方の若い方はそれについていこうとしがみつき、右往左往しているようにも見えます。これは喜劇なのか悲劇なのかさっぱりわかりません。

企業が金融緩和で市場に溢れだした資本をもとにどんどん異業種を傘下に入れていくスタイルが主流になると極論すれば企業そのものの派閥化が進んでしまいます。古い言い方をすれば現代版財閥化とも言えます。これでは面白いビジネスへの夢や起業マインドを歪めかねない気がします。数多い起業家もそこそこ大きくなったら大資本家に売却して小銭を得るという本来の起業家マインドとは全く違う世界も垣間見える時代となっています。これではちっとも面白くないビジネスが世界で広がっているとも言えます。

ソフトバンクもGAFAに後れを取らないよう必死であることはわかります。ですが、これだけ日常茶飯事に資本による支配が続くのならば孫正義氏が苦労して自分で突き進んできた起業家マインドを次の世代に継承できなくなる気がします。非常に複雑な気持ちになります。

では今日はこのぐらいで。

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日欧の金融政策で物価は本当に上がるのか?4

欧州中央銀行のマリオドラギ氏が10月末で退任しました。2011年に就任、欧州危機のさなか、利下げを通じて強い姿勢を示したことで「スーパーマリオ」の異名を取り、マイナス金利に量的緩和など積極策をとったものの最近はさっぱりその功名が聞こえてこなかったのは結局、姿勢は見せたが成果が出なかったことにあります。

どちらかといえばドイツ銀行問題など欧州金融機関の収益性や健全性に無理を与え、その傷はいやされることなく、ラガルド総裁体制に変わります。

このドラギ総裁のとった手段とその後の歩みは日銀の黒田総裁とそっくり同じであり、ある意味興味深いところであります。物価上昇率2%への道はあまりにも遠かったということでしょう。最近では2%は果たして意味ある目標値なのか、という議論も垣間見ることができます。かつては上がりすぎる物価への対策は経済運営者にとっては最重要課題でありましたが、近年は低すぎる物価に対して有効な手段が見いだせない状態に陥っているようです。

物価が上がりすぎて困った時代の要因を思い出してみましょう。石油ショックなど資源価格の高騰、人件費や材料費の高騰、中南米に見られた為替の急激な変化、総需要が供給を上回るといったことが主因だったと思います。国によって違いますが、おおむね戦後の国家再構築にかかる需要増に伴う物価上昇への寄与が高かったと思います。

例えば個人で最も高額な出費とされる住宅についてはどこの国でも持ち家比率がおおむね2/3(60%中盤)程度までは一義的に上昇する傾向があります。事実、主要国では戦後、時間をかけてその比率が60-65%程度までじわじわと上昇していきます。その間、北米ですら金利が10%以上の二桁だった時代もあり、総需要がいかに高かったかを物語りました。ところがこの持ち家比率のマジック数字に到達した途端、住宅市場は自然需要にとって代わります。が、多くの欧米の専門家には「あの暗黒のような高金利時代が再びやってくる」と90年代ごろでも信じられていたのです。

では資源はどうでしょうか?73年の石油ショックを機に各国は資源の安定確保にまい進すると同時に代替エネルギー源を求めました。その一つが原子力でありました。今、それは風力や太陽光にとって代わりつつありますが、少なくとも「石油の寿命はあと〇〇年」といった人々をパニックに陥れるような話は皆目聞かれなくなりました。

いわゆるハイパーインフレも最近は減ってきています。ハイパーインフレの背景には戦争や国家の基盤が揺らぐなど国全体が不安定になるという特殊要因が引き金になることが多くみられます。かつてのドイツ、ロシア、アルゼンチン、近年のベネズエラなどは好例でしょう。また、ブラジルの場合は物価スライド制という特殊要因がその引き金で国民がそれに慣らされた影響が大きかったのかもしれません。が、これらハイパーインフレの要因も局地的なものを除き、改善されてきました。

この一つの理由はグローバル経済による平準化があるのだろうと考えています。潤沢な資金と低い金利をベースに安い人件費と物価を求めて企業は「新興国の開拓者」となったといえるでしょう。また、資源関係の事業者はいまや自分たちがプライスリーダーではないことを認識しているし、OPECが十分に機能しなくなったことも周知の事実です。

ではバーナンキ元FRB議長の言うようにヘリコプターからお金をばら撒けば本当に物価が上がるのか、といえば一時的なお祭りで消費を覚醒させるのですが、長期には続かないことが分かっています。むしろ、リーマンショック後、中国が国内で57兆円規模のばら撒きをしたことは当時、世界でヒーロー扱いされましたが、その後、泥沼の中でもがく中国経済の一因となった点もご承知通りです。いわゆるばら撒きの副作用であります。

その一方で北米はなぜ、日欧よりやや高めの金利を維持できるのでしょうか?ヒントは歴史がない点にあるように感じます。つまり、古くなったら壊して作り直すという文化、そして新しいものには常に付加価値がありその費用を消費者に転嫁する仕組みがある点でしょうか?日欧は歴史的背景から何でもかんでも壊して新しいものを作るというのは難しいところがあります。

またそれに対する価値観の評価も違います。例えば薄汚れたラーメン店が一杯600円で提供していたものを店を改装してきれいになった途端、750円になったとします。それに消費者はお金を払うかという議論です。少なくとも日本ではネガティブな意見が多そうですが、北米にはそれに価値を見出す人案外多いのです。

とすれば日欧に共通して言えるのは財布のひもが固いのかもしれません。欧州は価値あるものを長く使うことを美徳としていました。とすれば金利がどうなろうが、人々の価値観は揺らがない、だから2%がどうしたということなのかもしれません。日本も最近はリユースと称する中古が若者の間で流行し、無視できない経済規模を生み出しています。

これらは人々の物価対策ともいえ、実に奥が深い話であります。金融対策で物価を上げられるほど単純な世の中ではなくなったともいえそうです。

では今日はこのぐらいで。

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どう見る、ソフトバンクGの戦略4

ソフトバンクGの7-9月決算。どれほどの下方修正をするのか、孫正義氏がそれをどう説明するのか注目されていました。営業利益は155億円の赤字(前期比1.4兆円悪化!)、最終利益はほぼ半減の4215億円、悪いのはファンド事業で5726億円赤字などとなっています。

「今回の決算の発表内容はぼろぼろでございます。真っ赤っかの大赤字。3カ月でここまで赤字出したのは創業以来始めてではないか。まさに台風というか大嵐の状況で、ソフトバンクやウィーワークは倒産するのではないか、ソフトバンクは泥沼だ、などと報道されている。ある意味正しいのかも。」とずいぶん謙遜した言い方でスタートした説明会でしたが質疑まで見るとまだまだ強気であることがうかがえます。

私は孫氏のビジネススタイルは嫌いではないのですが、正直、このところ、負けが目立っているように感じるのです。スプリント、ウーバー、そしてウィワークです。(個人的にはアームも加えたいが。)孫氏は会見の中で「損益面の勝ち負けを言うと、3勝1敗。このビジネスは10勝0敗はそもそもありえない」と述べているので自分が完ぺきではないことは認めていますが、この自称3勝1敗を今まで手掛けた総案件数でみるのか、時系列で並べた傾向でみるかにより色合いは変わってくるでしょう。

私がウィワークより懸念したのはウーバー。特に11月6日以降にロックアップといわれる株式公開以前の株式所有者の売買停止期間が終了し、大量の売り圧力が出ます。見込みでは7億株ぐらいの売りが出る可能性があり、直近の決算を含めて考えれば株価には厳しい状況となりそうです。ちなみに1週間ほど前にロックアップが終わったビヨンドミートは好決算にもかかわらず株価が一日にして20%下がったことを考えると目先下値模索となります。

ウーバーはもともと売り上げに対する人件費が高く、これにどう太刀打ちできるのか、私にはあまり想像できません。ノーベル賞を受賞した吉野氏が述べていたような無人の自動運転の車が呼べばやってくる時代がさほど遠くない時代に来ると思われ、ビジネスモデルの激変期の過渡期を埋める一時的ブームではないかと考えています。

次いでウィワークですがこれはスプリント事業の立て直しで功績のあったマルセロ クラウレ氏を会長に据えて再建するようです。クラウレ氏の手法はコストカッターで切りまくるはずで、すでにその兆候は見えています。これは今のウィワークとってはある意味正しいのですが、顧客がサービスのメリットを得られないと感じ始めたとき、ウィワークにいる必要がないと考えるリスクはあります。

何度かウィワークの事務所に行って思ったのは自分が格好良くふるまわなくてはならず、「踊らされている」気がするのです。要は自分の仕事場なのに気楽になれず、疲れるのです。つまりウィワーク型シェアオフィスはショーケースともいえ、このイメージを維持するのか、変えるのか、難しいかじ取りだとみています。

ではソフトバンクG全体の経営方針はどうなのでしょうか?たまたまヘッジファンドの世界では世界有数であるブリッジウォーターのレイ ダリオ氏が「資金と信用力がある人にはマネーは基本的にフリー(無利息)だが、金と信用力のない人には本質的に利用できない。これは富と機会、政治的な格差拡大の要因だ」(ブルームバーグ)と強烈な発信をしています。これはソフトバンクにそっくり当てはまる言葉であり、アメリカの有力層がかじ取りを少し変えようとする動きがあるように見えます。

とすればビジョンファンド2号、ひいては3号と鼻息がまだ荒い孫氏にとって2匹目、3匹目のどじょうはいるのか、という話になるかもしれません。先日孫氏が中東で投資家向け講演をした際も会場はガラガラだったそうですが、マネーの満ち引きは我々が想像する以上に激しいものであり、人々のマインドは揺られるというなかで孫正義マジックがどこまで輝きを保てるのか、正念場にあるように感じます。彼のようなごり押し強引ビジネススタイルには私はやや古さを感じています。

では今日はこのぐらいで。

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疑心暗鬼な株高4

日本の株式市場が堅調です。遂に23000円の大台も突き抜け、昨年10月の24000円越えも射程距離に入ってきてたように感じます。この株高を演じているのは外国人投資家で国内機関投資家は売りに回っています。日本の株式市場が盛り上がっているのは日本に理由があるのではなく、アメリカの株式市場が堅調でリスクオンというスタンスが背景のようです。

特に米中貿易交渉に一定の決着が見込まれること、さらにファーウェイ制裁が一部解除になるとみられていることは市場にとってはプラス評価になるでしょう。

話はちょっと外れますが、ファーウェイをどう評価するか、であります。アメリカは情報が筒抜けになるというリスク、および異様なスピードでファーウェイ構築網が地球上に張り巡らされたことへの危機感が背景にあり、制裁に踏み込みました。言い換えるならそれほど高い技術を持った企業であり、今や、アメリカ企業でも太刀打ちできないレベルにあるといえます。日本はアメリカの指示に従っていますが、地球ベースでみるとアメリカ追随国はごくわずかでほぼファーウェイ包囲網となっています。また、アメリカによるファーウェイへの制裁は同社が独自技術の開発を促進させたという面もあります。

話を戻します。堅調な日本株は本当に堅調なのか、これが今日のテーマです。そしてファーウェイの例を述べたのは日本は独自技術や世界から注目を集める開発能力があるのか、であります。

日本企業の7-9月期決算は今のところ、まずまずといったところです。日本の得意技であるコストカット、経営効率の改善などで利益を確保したところは多かったと思います。ですが、これは経営の技術的要因、つまりドライブテクニックであります。とても大事なエレメントではありますが、会社が爆発的に伸びるためには独自色が出なくてはいけません。外から見る私にはここが最近感じられないのです。

一言で言うなら日本企業は要領よくうまくまとまっているけれど粗削りながら突進していくタイプの企業が見られなくなった、ということでしょうか?これが私にとって今の株式市場に対して疑心暗鬼になるその理由なのです。

論文数は大きく減っています。特許も米中に次ぐ3位ではありますが、かつての勢いは感じられません。ではM&Aはどうか、といえば19年上半期の日本/日系企業による海外企業の買収件数は86件と前年同期比19件増となっており活発なように見えます。が、大型案件が非常に少ないのが特徴で日本ペイントの豪州企業買収(3005億円)がトップです。ここ数年、兆円単位の買収が続いていたのに比べればずいぶん小粒になった感があります。

もちろん世界で勝負できる企業はたくさんあります。ソニーや東レといった企業が持つ技術力は注目に値します。が、とても少なくなった、そんな気がするのです。

年末に向けて堅調な株価は期待できるかもしれません。株価があと1000円ほど上がれば1991年以来の高値更新になります。ほぼ28年ぶりとなるハレの舞台は手が届くところにありますが、それが日本経済の実力によるものなのか、低金利、金融緩和とアメリカの株価に踊らされていつの間にかおこぼれ頂戴を喜々とするべきか、悩めるところであります。

日本のもつ技術や能力は水平展開できる余地が相当あります。が、多くの日本企業の海外進出は出やすい東南アジアやインドに向かっています。これは技術を下流に向けて横展開する形です。が、日本はもっと欧米で勝負する努力をすべきだと思うのです。ある意味、一番厳しい競争社会の中で切磋琢磨する企業が世界を制覇していくことになるでしょう。もっと強い成長ビジョンが日本企業に備わらないとどんな株価になろうと砂上の楼閣になりかねません。

では今日はこのぐらいで。

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デジタル化の反動、人間のつながりを求めるトレンドに4

バンクーバー郊外のとある住宅街にセンスの良い飲み屋があります。ちょっと暗めのその店の名前にはSocialという言葉が大きく書かれています。今、各地で増えるこのSocialとかPublicというのはまさにかつての飲み屋の焼き直し版であります。(ちなみにパブという言葉はPublicから来ています。)

この飲み屋に入り、バーをぐるりとかこむようになっているカウンターに腰を下ろしました。客を見渡すと見事に年配、そして多くの一人客がスマホをいじっている振りはしているけれど、手持無沙汰で飲み物を片手に大画面のテレビを何気なく見ています。家にいてもつまらないと思う層がごそごそと出てきて何らかの刺激を求めに来ているのでしょう。そのうち、アルコールのせいもあるのか、知らない客同士が会話を交わし始めていたりします。

最近の飲み屋のバーはこの店のようにバーカウンターをぐるりと丸く取り囲む設計が増えています。つまりそれだけバーカウンターに座りたい客が増えている証拠です。バーテンダーも概ね美男美女で愛想がよく、気配りも上手な感じがします。つまり、バーテンダーと目の前の大画面に映るスポーツ中継を介しながら人々は何らかのつながりを求めてやってくるのです。

日経に「若者集う令和のスナック 客同士が交流 楽しみ演出」という記事があります。いわゆるスナックの焼き直し版がはやりつつあるというのです。かつてのスナックを知っている人はおじさんの域に入っている方だろうと思います。酒を飲み、店の女の子を話し相手にする憩いの場という感じでしょうか?そのスナックはずいぶん前に無くなり、言葉そのものもほぼ死語となりつつあったはずです。

なぜ、今、またスナックなのでしょうか?記事によると客は男女が客同士のつながりを求めてやってくる、とあります。つまり、中にいるスタッフは媒介役である点がかつてのスナックと最大の違いということなのでしょう。

私のこのブログ、実は思うことがあるのです。それは私の日替わりの記事はネタ提供という媒介役なのだろうと。突っ込みどころ満載の私の意見に様々な方がいろいろな意見を述べ、その意見に対してまた意見という展開を皆さんが楽しんでおられるというのが伺えるのです。つまり、ブログが受動的なものではなく、能動的に遊びに来るところである点においてSocialであるのかもしれません。

それこそ、夜、グラスを片手に様々な書き込みを見ながら「うむ、なかなか面白い意見もある」「これは違うな」とひとり呟きながら自分のコメを入れると更にそれに反応があるからもっと面白いということになるのでしょう。

デジタル社会が生み出したものは効率と受動的行動だったかもしれません。情報と便利がそこにやってきてくれます。買い物に行かなくてもアマゾンで注文すればよいし、図書館に行かなくても欲しい本や雑誌はタブレッドで読み放題です。カラオケも今はユーチューブでかなり行けちゃいます。一日中家にいても欲しいもの、やりたいことがどんどんできてしまうのです。そのうち、ゴーグルをつけて仮想現実の世界に入れば世界旅行をした気分にもなれるでしょう。ほう、確かにすごいです。

だけど、それで本当に我々は満足なのでしょうか?リアルの関係が欲しいではないでしょうか?

日本人は〇〇会という少人数グループを作るのが比較的好きです。気の合う手が届く範囲の人たちが和気あいあいと一つの共通を通じて楽しみます。ここバンクーバーにもこの手の会は100以上存在していると言われます。日本でもあまり聞かない「県人会」も当地では活発なところもあるようです。

人間は孤独にはなかなか耐えられないところがあります。ところがデジタルは孤独にさせるテクノロジーであるとも言えます。若者のゲーム熱がいつまでも廃れないのはゲームが一人ゲームではなく、参加型となり、世界中の誰でもがそこに入り込み、一つのゲームを通じて対戦出来るからなのでしょう。言い換えれば若者はゲームを通じて社交しているとも言えます。

ただ、この人間のつながりもあまり濃くないところが大事なようです。友達以下で、その人のことはちょっと知っているという関係が程よいのでしょう。だから飲み屋で知り合って会話しても「携帯教えて」「メアドは?」なんてやらないのです。会いたければその店にまた来れば会えるのかもしれないという薄いつながりが好まれるのでしょう。

日本にはかつて住宅街の中に赤ちょうちんがあったりしたものですが、オヤジ臭いところが多かったと思います。そうではなく、初めての人や女性客がひとりでもふらりと入れるようなところは確実に求められているように感じます。繁華街から地元というUターントレンドは作り出そうとすれば確実に生み出せる土壌が出来つつあるように感じます。

では今日はこのぐらいで。

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日産が後押ししたフィアットとプジョーの合併協議4

フィアット クライスラー オートモービルズ(FCA)とフランスのグループPSA(PSA)が合併する方向のようです。早ければ明日にも発表されるとされています。これに一番驚ているのはルノーの幹部と日産ではないかと思います。「逃げた獲物は大きかった」かもしれません。

FCAは亡くなったカリスマ的経営者だったマルキオーネ氏の遺志をジョン エルカン会長が引き継ぎ、積極攻勢をすべく展開をしていました。欧州自動車再編についてはFCAが台風の目で当初PSAとの合併話があったのですが、一旦流れ、その後、ルノーグループとの交渉に入りました。これは大きく報じられていたのでご記憶にある方と多いと思います。

仮にFCAとルノー/日産が一緒になれば販売台数だけを見れば世界ダントツの一位となるところでした。ところが一般に言われているのはルノーを持つフランス政府が主導権を取りたかったことでFCAが嫌がったということになっています。本当でしょうか?ならば今回のPSAについてはどう説明できるのでしょうか?

PSAの株主はプジョー家、フランス政府、中国の東風自動車がそれぞれ13.68%持ちますが、フランスのフロランジュ法で2年以上株主なら議決権2倍ですからこの3者がほぼ経営をコントロールできます。こうみるとルノーとFCAの幻に終わった合併劇の破談は日産との確執に主因があったとみるべきでしょう。

あの破談劇の後もFCAとルノーは水面下で再交渉を探っているとされており、それはルノー/日産/三菱の確固たる体制と各社の経営の見込みを分析していたとみられます。その間、日産は西川氏をゴーン体制の名残として切り、山内康裕氏を暫定CEOとします。その間、経産省の天下りの豊田正和氏が委員長の指名委員会で新経営陣の選定を行いました。ゴーン体制なら絶対に経産省の天下りがそこに入り込む余地はなかったはずです。

その結果、新CEOに内山誠氏、新COOにアシュワニ グプタ氏を選任、1月からこの体制で行うと発表しました。エルカン会長がPSAとの交渉を進めることを決めたのはこの人事を見たのだと思います。

申し訳ないのですが、内山氏は全く無名で業績についてもサラリーマン的出世街道です。同志社神学部卒業、日商岩井に12年勤め、その後、日産に移りルノーサムソンに出向したり近年は東風日産に籍を置いていました。また、COOのグプタ氏はルノーの在籍は短いのですが、一応、ルノーからのお目付け役ということなのでしょう。FCAはこの人事で苦境の日産は復活しないとみたのではないでしょうか?

日産はこのところ、一人負けの状況にありますが、それは新型車が出ない点にあります。売れ線だったエクストレイルもトヨタのRAV4に食われました。(来年にエクストレイルのE-Power版が出るので回復するかもしれませんが。)技術の日産としてスカイラインに先端技術の盛り込みましたが、今、スカイラインの時代ではありません。近年は月に200台程度しか売れなかった車に今更スポットライトを当てるマーケティングがさっぱりわからないです。

要するに自動車会社がMaaSの時代においてハードからソフトにシフトしていく中でそのピクチャーを描ける大役を新経営陣が担えるのか、これが見えない中、ルノーと日産の綱引きが水面下で引き続き行われることをリスクと見たとも言えるのでしょう。

世界の自動車会社は新たなる再編に向かう可能性はあります。それは時代の変化が業界の在り方をそっくり変えるからです。例えばテスラを評価するかといえば車自体の性能ではなく、人々の電気自動車への認識を変えたという点で画期的なのです。日本にいる方にはあまり感じないかもしれませんが、北米ではテスラがあまりにもプレゼンスが大きいのです。

自動運転もコネクティビティもそれは進化の一環でそれらが組み合わされてどこでどのような最終形を示すのか、模索しているのが現状です。それに向かうには自動車会社の地球レベルでの影響力をより広く、深く持つことで生き残るという選択肢は正しいのでしょう。ならば今回のFCAとPSAが仮に合併すればルノーは次の戦略をすぐに打ち出さねばならないということになります。その時、日産が主導できるか、それには車が売れ、利益出て、配当ができる力が必要です。今の日産にはそれには5年以上、後塵を拝しているという感じがいたします。

では今日はこのぐらいで。

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