外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

飲食業界

フードデリバリーは飲食業界を変えるか?4

先日、バンクーバーのあるラーメン居酒屋(こちらはこういう組み合わせの業態が結構あります)に入ったところ、フードデリバリーの人が次々と来店します。誰にも声をかけることなく店の入り口の椅子に数分座っていると店の人がプラスティックの容器に入れたラーメンを手渡し、デリバリーの人はあの大きな四角いリュックの中の保温用シートにくるみながらまた無言で出ていきます。

このようなシーンは今や、チェーンのハンバーガー店から寿司屋までごく当たり前にみられる光景であります。日本でもその姿を見かけることが増えてきたのではないでしょうか?

レストランクオリティを家で楽しむ、というコンセプトは成長確実な分野と考えています。理由はレストランに行く弊害であります。混んでいる、料理が出るまで待たされる、ついつい余計なものをとってしまう、飲み物の代金が高い、タバコが吸えない、行くのが億劫、2時間交代制だったりするなど理由はいくらでも挙げられます。ましてや高齢化が進み、今からバスや電車に乗ってレストランのある所まで行く、というのはもう勘弁、と思っている方も多いでしょう。

私は好きなワインが飲めないのが苦痛です。酒屋で買えば1本2000円程度のお気に入りのボルドーのワインを傾けるにも店のドリンクメニューにはないし、家で作るには…となります。

人々の食べ物に関するこだわりは二極化してきていると思います。本当にうまい店を探し当てること、もう一つはいかに安く外食で済ませるか、であります。ただし、価格勝負の安いチェーン店の味はそれなりです。スーパーの総菜と大差ないかもしれません。

以前、このブログでグローサラントをご紹介しました。スーパーが自店で売っている商材を使って調理したものをテイクアウト、ないし、イートインでサービスするもので海外ではごく普通になっています。理由はレストランが高く、サラリーマンがランチとしてはもう使えない金額になっているからでしょう。日本では店舗スペースの問題でまだわずかしかこの形態で出店していません。

多くの家庭は小家族化が進み、2-3人の家が主流ではないでしょうか?それなのにキャベツ1個、大根1本買っても食べきれないのは目に見えています。(そればかり食べるわけではないからです。)そこで流行ったのがスーパーの総菜コーナーでこれさえあれば普段の食生活にはどうにか対応できます。

では子供や孫が遊びに来たらどうするか、であります。かつて出前といえば中華ラーメン、寿司、丼ものでした。しかし、それではあまり格好いいものではありません。その後、ピザの宅配が出来ましたがあれは価格が高すぎて戦略ミスだったと思います。そういう意味ではフードデリバリー事業はまさに始まったばかりで今後大変面白くなる事業になるとみています。

私が飲食業界にいるならばこういう展開をします。セントラルキッチンはチェーンレストランの当たり前の仕組みで店では半調理品を仕上げるという仕組みになっています。ならば以前ご紹介した商店街の中のレンタルキッチンスペースがヒントになります。レストランがないような住宅街やシャッター街になった商店街、大マンション群、団地近辺にサテライトキッチンを設置し、そこで注文を受け、宅配の拠点とするものです。カバーエリアは半径1キロ程度。まさに宅配業者と同じ感覚です。半製品を最終加工し、デリバリーないし、ピックアップのみのサービスにする、そして店の看板はあの誰でも知っているチェーンの名前だったらどうでしょうか?

飲食業界は誰でも参入できるという意味でハードルが低い業種でしたが乱立しすぎました。ところが最近の人は知らない店にはいかない、風評は事前にチェックというスタイルになっているため、この業界にも資本の力はじわっと押し寄せてきていると思います。

個人的には日本の飲食店は今後、かなり淘汰されるとみています。(飲まない時代になったし、大手食品業界が生み出す商品が家庭でかなりのクオリティのおかずを作ることを可能にしました。)ただし、人は食べることは続けるわけでその食べ方が変わったことに業界のスタイルが変われるかどうか、それだけのことだと思います。

レストラン側も人材不足の中、売り上げを伸ばすにはこのやり方はある程度、的を得ていると私は思います。

そういう時代になると家のダイニングを少し豪華なインテリアにしてみようかと思う方もいるでしょう。これぞ新たな消費を生み出す仕組みです。笑

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

ビールを飲まないトレンド4

アメリカでビールの消費量が落ちてきています。と言っても世界第二位の市場なのですが、統計的には毎年じわっと下がってきています。日本や世界最大の市場、中国でも同じ傾向が見て取れるのですが、その背景に何があるのでしょうか?

アメリカの場合、いわゆるナショナルブランドのビールの売れ行きが落ちている一方で地ビール(クラフトビール)については高い成長率を維持しています。つまり、飲み方が変わってきているように見受けられます。アメリカの場合、地ビールの中でもIPAなど高アルコール度で上面発酵のちびちびやるビールが圧倒的シェアとなっています。日本のラガー系でぐいぐい飲む時代ではありません。

また、大量飲酒ではなく、たしなむ程度になってきている一つの理由は飲酒運転の取り締まりの厳しさと酒類の嗜好の変化があるようです。最近は北米では蒸留酒系(ウォッカやラムベース)の缶入りドリンクが好まれています。日本でも高アルコールドリンクの売れ行きが伸びていますが、それこそ150円で酔えるともいえるのでしょう。

ブルームバーグでは若者が飲酒することで時間を潰してしまうことに興味を持たないこと、また飲酒の代わりに合法大麻にとって代わってきていることを指摘しています。合法大麻はカナダが全土でOKになっているほか、アメリカでも州ごとに緩和が進んでおり、全く新しい市場が生まれつつあります。

日本の場合、もっとショッキングなデータもあります。「厚生労働省の調査によると、飲酒習慣のある男性は『20〜29歳』ではわずか10.9%しかない。」(AERAより)つまり酒なんてなくても全然困らないのであります。

カナダの日系居酒屋に入り、カウンターに座ると面白いことに気が付きます。多くの客がお茶を飲みながら食事をしているのです。孤独のグルメの五郎さんではあるまいし、なぜだろうと思うのですが、これがトレンドなので仕方がありません。

考えてみれば日本の居酒屋も最近はすいている店が多い気がします。財布の問題もありますが、酔っ払ってその日の夜の時間を楽しめないことに罪悪感すら感じるのでしょう。ましては二日酔いなど論外です。ご承知の通り、日本の外食産業は日本経済の大きな部分を占めますがその中でも「飲み屋」と称されるアルコール提供を主体とするビジネスが今後、急速な縮小となる公算は高いと思います。つまり、繁華街の飲み屋ビルに空室が目立つようになり、大家はテナントの業種転換を図る必要に迫られると思います。

若者のアルコール離れは我々の世代の麻雀離れ、ゴルフ離れと同じ流れかと思います。つまり、時間であります。私などは仲間と飲みに行けば3時間4時間は当たり前のように飲み続けています。ただ、明らかに途中からは大した話などしておらず、多くの場合、その内容すら翌日にはすっかり忘れ去っていることも多いと思います。言ってみれば無為な時間なのでしょう。

例えばスポーツバーでゲームを見たりチームを応援するといった飲み方は今後、更に若者に受けると思うのですが、会社と上司を酒の肴にするのは昭和のスタイルとして消えるとみています。(昭和生まれの人が「それは明治大正の話でしょ、というのと同じです。)

我々の世代からすれば考えにくいのかもしれませんが、今はそれだけ楽しいこと溢れているということかと思います。そしてより自分の時間を大切にする流れになっているとも言えます。

アルコールと距離を置き、合法大麻(最近は大手各社大麻入り飲料の開発競争が激しくなっています。)に接近するなど、日本の方には想像の域を飛び出してしまっていると思いますが、それが潮流としてひたひたとやってきていることは確かなようです。

では今日はこのぐらいで。

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ではまた明日お会いしましょう。

飲食業界は人件費と手間ひま、価格の三重苦4

私にもしももう一度、飲食業界に参入しないか、とお誘いがあっても丁重にお断りさせていただきます。仮に自分の全精力をそこに注ぎ込むという前提がついてもやらないでしょう。理由はあまりにもタフな業界環境はレッドオーシャン(激しい競争の既存市場)以外の何物でもないからであります。

ビジネスはブルーオーシャン(競争者のいない新しい市場)を目指すものですが、いつの間にか競合相手が立ち並ぶことは日本の経営環境ではよく見られるケースです。例えば何か話題のフードがテレビなどで紹介されると他店が物まねをし始め、ブルーがレッドに一気に変わるオセロゲームとなります。

フードほど物まねしやすいアイテムはないと思います。個々の味や出来栄えが全く違い、本家本元ではなくてもメニューにそれを見つければ「食べてみたい!」と思う人は多いでしょう。つまり、顧客は「どういうものか」検証してみたいわけです。

飲食店は新規オープンすると雑誌の取材を受けることが多いようです。逆に雑誌の取材も来ない店はダメ、ということにもなるのでしょう。ところが大々的に取り上げられた店でも1年後には行列がなくなっていた、というケースが続出しているという報道もありました。つまり、客は移り気で店に忠誠心が少ない、ということにもなります。

店側からすれば、次々と新しいメニューを打ち出さなくては生きていけない生存競争になります。例えばすき家や松屋はメニューのアイテム数で勝負します。思わず、自販機の前で悩んでしまうほどのラインアップがあります。しかし、アイテムが増えるほど管理工程が増えるし、人材教育に時間がかかるのであります。その点、吉野家はかつては牛丼ほぼ一本勝負でしたから注文して出てくるまでに2-30秒でした。ところが同社も他社との激しい競争に巻き込まれます。

産経によると吉野家の鶏すき丼が来年2月でなくなる、と報じています。理由はひと手間かけたそのプロセスをする人件費が負担になっているとのことであります。

ファーストフードでもチェーンレストランでも居酒屋でもラーメン店でも考えることは一緒で回転率がモノを言います。居酒屋のようにどんどん追加注文が入る業態もあればうどん屋のようにぱっと食べてぱっと帰る店もあります。しかし、回転すればするほど従業員の疲弊度は増すわけで定番メニューをこなすだけで精いっぱいのはずです。ところが本部は「新メニュー」と称して手間のかかるアイテムを次々と提示してきます。

手間がかかるそのアイテムに大きな利益を上乗せできたとしても労働力の総量が変わらないとすれば必ずどこかにしわ寄せが来るのは目に見えています。私はここに飲食店、特にチェーン系の限界を見て取っているのです。

もちろん、日本は外食天国のようなところがあります。サラリーマンのランチの主力はそれでも外食、主婦のおしゃべりも外食、週末は子供を連れて外食、若者はカラオケボックスで食べながら歌う…という習慣の中で需要と供給が激しくぶつかり合い、一歩抜きんでようとする経営者の激しい戦いに結局、犠牲になっているのは現場なのかな、と思ったりもします。

この構図、飲食に限らず、コンビニでも同じで最近はあまりにも覚える業務量が多すぎて人が集まらないため、店舗ごとにサービス内容が不均一になるケースも出ているようです。例えばおでんを提供しないとか、ホットアイテムがないといったもののようです。

飲食店をめぐり顧客には見せられない経営者と現場の温度差をどう埋めていくのか傍で見ていると私にはとてもとてもそんな業界は恐ろしくて踏み込めません。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

起きるか、飲食店の大変革4

北米のレストランは本当に価格が高くなりました。メインディッシュが3-4千円するのが当たり前になると一人当たりの支払額は飲む量によりますが、チップや税金を含めると一人1万円相当になってしまいます。レストランは非日常を楽しむものだ、という北米的発想(日本は違います。)からすればこじゃれた店のインテリアに素晴らしいサービスであとは美しく盛り付けされたフードが提供されれば味はともかく、案外受け入れられているようです。

先日行ったバンクーバー初のとんかつ専門店。韓国人が経営していると聞いていますが、こざっぱりした店でプレゼンも上手で美味しそうな分厚い肉のとんかつを提供してくれます。では、その感想はどうなのか、といえば「家で作れないレベルではない」という気がしましたがまぁ、よくやっている方でしょう。問題は価格でチップ込みで1800円ほど。カナダの豚肉は安くて質はよいですから(日本にも相当輸出しています。)もう少し、安くてもいいのかな、という気がしますが、その価格設定には人件費が重いように感じました。

ウーバーイーツなどレストランからのデリバリーサービスが最近はやっていますが、レストランにとっては都合の良い価格設定だと思います。それはサーバーの人件費がかからないのに料金はその金額か数割増しの価格を設定していると同時に配達料も客からとるからです。

レストランのビジネスは席が満席になるとそれ以上客を入れらないいわゆる「売り上げの頭打ち」があります。そこで持ち帰りなどを増やせば売り上げは理論上無限に増やせるわけでウーバーイーツなどデリバリーサービスはレストランにとっては好都合の援護射撃のはずです。よって個人的にはウーバー向け価格設定は間違っていて配達料を少しはカバーできるぐらいのディスカウントがあるべきでしょう。

飲食店の大改革とは言うまでもなく、人手不足に飲食店がどう対応するのか、という点であります。例えば通常のレストランの場合、サーバーさんはメニューを渡し、水を提供し、注文を聞き、フードを運び、(北米では途中で「おいしいか」と聞き、)空いた皿を片付け、精算をし、テーブルをきれいにし、次の客のためのテーブルセットをするというプロセスを踏みます。

正直、これ、大変なんです。手が抜けないこの仕事をやりたがる人が少なくなってきているのはやったことがある人ではないと分からない激務だからであります。(私も学生の頃、レストランの厨房で働いていましたが、人手不足の時はサーバーもしていましたのでフードを4皿、ライスを2-3皿を一気に持ってサーブするという芸当すらしていましたが、かなりしんどかったです。)

例えばレストランの現金お断りが増えてきた理由はレジ締めが面倒な作業でそれをするかしないかで人件費が一日当たり1-2時間分増えるからであります。(一日1時間でも一店舗当たり年間30万円にもなります。)北米では現金で払おうとすると驚かれることも増えてきているのです。

ファーストフード系の場合、フードコートのようにほとんどセルフにしてしまった方がよい気がします。社食や学食にはサービスがないのが当たり前ですが誰も文句を言いません。ならば日本の飲食店は完全に差別化すればよいと思います。食べるだけでよいのか、テーブルでゆっくりおしゃべりをするのかでセルフ式とサーバー式に分けてしまうというアイディアです。吉野家が実験的にやっていたと思います。讃岐うどん屋が安いのはほとんどセルフだという点を見逃してはいけないのです。ホテルの食事にビュッフェスタイルが増えたのもサービスが大変だからです。

結局、落としどころは人手をいかに少なくして飲食店を経営するか、これにかかっていると思います。これをもう少し究極的に進めるとメニューの絞り込みになると思います。街の食堂では昔のデパート上層階の「お好み食堂」ならぬラーメンからハンバーグ、かつ丼まで出す店がありますが経営的には非効率の極みになります。最近、東京で入った居酒屋もメニューのアイテムが少ないのにびっくりしました。先述のとんかつ屋では数種類しか選択肢がないので皆、同じものを食べているように見えましたし、ラーメン店も基本的にトッピングとスープの違いぐらいでしょう。

効率化と人件費との戦い、これが飲食店経営の最大のキーワードであります。ここを乗り越えられないと店側は値上げせざるを得ず、外食ランチが出来なくて弁当を持っていく人が増えてくるかもしれません。一方で店側は値上げに対する消費者の拒絶反応に戦々恐々としていますが、消えたお客はどこに行ったのか、ある意味、不思議な気もします。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

ブームの中で変質化する日本食4

日経の夕刊トップ記事に「日本食レストラン、アジアで急増 2年で1.5倍 訪日で認知度高まる」とあります。これだけ読むと飲食店業界の鼻息が荒そうに聞こえるのですが、実態はどうなのでしょうか?

この統計を取っているのは農林水産省で出所は 「海外日本食レストラン数の調査結果の公表について」であります。ではこの日本食レストランをどうやってカウントしているのか、ですが、おおむね、在外公館の領事クラスが苦労しながら数えているのが実態。かつては電話帳から調べたりしたのですが、今の時代、それもないし日本食レストランを経営しているのが日本人かどうかなど調べようがありません。「なんちゃって日本食レストラン」も多いし、最近はラーメンや日本食を提供する普通のローカルレストランもずいぶんあるのです。

先日、あるホテルのレストランにランチミーティングに行ったところ、「味噌ラーメン」なるものがあります。ハンバーガー15ドル、味噌ラーメン13ドル、どっちをとるか、といえば私は前者を、そして相手の方は後者をとります。「ここでラーメンとは猛者だな」と内心思いながらどんなものか見るのが楽しみでしたが、うーん、コメントは控えておきます。

別の日に別のホテルのレストランでやはりミーティングがあった際はメニューにいくつか見えた和食系アイテムからとんかつを食しましたがまずまずでした。時として「これは日本食ではなく、新種のアイテムと思って食べるもの」もありますが、一般的にどこのレストランでも日本食っぽいものは提供していますし、レベルは上がっています。

私の会社のすぐ裏にある食べ放題日本食レストランのスタッフに日本人はゼロ。寿司を握るのもキッチンにいるのも全員中国人。ではおかしなものが提供されるかというと私にとって社食のように使っている店ですので腹を満たす程度ではあるけれど問題ありません。先日、日本から来た人と行ったところ、「味噌汁が濃くてうまい」とお替りしていましたので案外、日本の常識にとらわれておらず発見もあるのでしょう。

一方のラーメン店。これはだいたい日本人が新規出店する場合が多いのですが、当たりはずれが明確に出ます。日本人がうまいと思わせる店が必ずしもヒットするわけではなく、日本ではありえないようなスープの店に長蛇の列だったりします。「バンクーバーしかないこのラーメン屋に来るのが楽しみ」という人もいるし、ある「あぶり寿司」の店で「こんなにうまい寿司、日本では食えない」と1週間に3度も行った日本人観光客もいます。

日本食のすそ野の広がりとも言えるのでしょう。上述の日経新聞に「味の好みにも変化がみられる。これまでは味噌汁に麺を入れた「味噌ラーメン」や、酢飯の「カツ丼」など日本人なら首をかしげたくなる料理もあったが、最近は「訪日経験のある中間所得層を中心にやや高級志向の店が求められる」(農水省食料産業局)という」。

更に「13年には国連教育科学文化機関(ユネスコ)が「和食」を無形文化遺産に登録。農水省は16年に海外の料理人を対象にした日本料理の調理技能認定のガイドラインを作成し、18年3月末時点で470人が民間団体による認定を受けた」ともあります。

個人的にはこの日経の記事のトーンにはやや異論があります。もちろん、日本食とは思えないものは論外ですが、かつ丼にパクチー(三つ葉の代わりなんですが)は悪くない組み合わせなんです。日本の正しいやり方で作ったもの以外は日本食ではない、と決めつけるのはどうなのかな、と思います。

料理はアートの世界です。無限の広がりがあると考えれば少なくとも海外では正統派がすべて、というわけでもないと思います。だいたい、当地で寿司を握る日本人はもう限られて中国人や韓国人がいずれ主流になるはずです。寿司はどこのもの、と聞けば「韓国じゃないの?」と言われる日も遠くないのかもしれません。

では今日はこのぐらいで。

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進化するイートイン4

私が学生の頃だったと思います。「韓国にはインスタントラーメンを作って食べさせるラーメン店があるらしい」という話があり、かの国はそこまでするのか、と驚いた記憶があります。(当時はインターネットなんてありませんから情報はどこからともなく聞こえてくる時代です。ただ、どうやらそれは事実であると後年知ることになります。)

ある意味、スーパーで売っているものをそのまま調理して出すという点では韓国は最先端を走っていたのかもしれません。

バンクーバーのローカルスーパーには日本同様、総菜コーナーがあり、イートインも増えてきています。ベーカリーを備えているスーパーが多い点は日本が弁当を売っているのと似ています。(ただし、おかずパンはアジア系以外では売っていませんが。)いずれにせよ、スーパーマーケットとは食材を買うか、「出来合い」を買うかという選択肢がごく普通にある時代になりました。

食の選択肢が増える中、最近「グローサラント」という聞きなれない形態に注目が集まっているそうです。グローサリー(食材)とレストランを掛け合わせた言葉で英語ではgrocerant とスペルします。北米に在住の人にとっては何も珍しい形態ではないのですが、あえてそれが注目されるようになったのは価格なのかもしれません。

私がレストランで食べたいと思わなくなった一つの理由は「この程度でこんな料金を取るのか」と思わせることでしょうか?最近のレストランはマーケティング上、「非日常」を押し出すため、内装の充実化とサービスの向上に努めます。結果としてメニューの価格にはえっ、と驚く金額が並びます。メインディッシュで3-4000円が普通となるとお一人様、アルコール一杯飲んで1万円で足りるかどうかという金額になります。(前菜やデザート、コーヒーを加えて税金とチップを入れたらそんなものです。)ラーメンが1500円の時代というのも頷けます。

全ての人がそれらの金額に対応できれば結構ですが、そんなわけありません。そこで生まれたのがより安い金額でセルフに近い形でおいしいものを気軽に食べられる、これがグローサラントの発祥かと思います。

こちらにアーバンフェアというハイエンドのスーパーがあります。ここは昼時になると勤め人でごった返します。トレーに自分の好きなものを載せてレジで支払いをし、イートインコーナーで食べる、というわけです。私は年に数回パーティーを催しますが、アーバンフェアのパーティトレイを事前注文し、パーティーの会場に配達してもらいます。それは一般のケータリング会社よりはるかに安いうえにハイエンドのスーパーなので「失敗が少ない」のであります。

日本でイートインが増えてきたもう一つの理由は忙しい時代というのもありますが、少人数では作るのが面倒という理由の方が先にありき、という気もします。それこそ、一昔前の古き良き「サザエさん一家」のような家庭なら外食は何かのお祝いぐらいで家で食べるのが普通でした。勿論、今でも郊外にお住まいでレストランが近くにないと出るのが億劫、という方もまだまだ多くいらっしゃいます。

そういう点ではイートインでもグローサラントでも都会のライフスタイルだけがどんどん進化していく二極化なのかもしれません。

最後に、私が見るもう一つの気になる傾向は「食べるのが面倒」派であります。そもそも食に興味がなく、コンビニのパンをかじればそれでいい、という方は潜在的にすごく増えている気はします。栄養のバランスなんて全くなさそうです。メリハリ支出のしわ寄せと食に対する感性の変化が起きているのでしょう。

では今日はこのぐらいで。

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消えるウナギ、食べたことがないウナギ4

かつて学校給食でクジラ肉が出ていました。私もその経験者ですが、正直、肉が硬くて不人気だった記憶があります。当時、なぜクジラ肉が給食で出たかと言えば戦後、牛や豚肉が不足していた日本において貴重なたんぱく質源だったからであります。私の時期はそんな時代からは脱却しつつあったのですが「なごり」として提供されていたようです。

ところが世界でさまざまな捕獲規制の声が上がり、和歌山県のクジラ漁に対する強い批判があったこともあり、世界の潮流に押される形で鯨肉は食卓からは消えてきています。今の小中学生に「鯨肉を食べたことがある人」と聞けば皆無に近いのではないかと思います。もちろん、今でも鯨肉は食べられます。渋谷には著名な鯨肉専門料理店があります。しかし、食べたことがない世代が主流を占めるとそれを食することへのハードルが上がってきます。言い方を変えれば「なければないで構わない」であります。

夏に向けて日本の風物詩と言えばウナギであります。ところがこのかば焼きなるものは私個人の経験でいえばたぶん5年以上食べていない気がします。決して嫌いではないですし、カナダでも真空パックのウナギは買えます。が、真空パックのものはおいしくないので口にしないため、結局、私の食のオプションから消えつつあるのです。

オプションから消えると恐ろしいもので日本に来てもウナギを食べようという意識が消えてしまいます。私の中ではかつて1時間待ってようやく出てくる脂ののったあのウナギの食感を大事に保存できれば良いと思っています。

最近、そのウナギをなぜ食するのか、という話題が目につきます。日経の「春秋」ではウナギの食文化を守るために何ができるか考えるべきだという趣旨が書かれています。一方、食材宅配企業の「らでぃっしゅぼーや」がウナギを食材アイテムとして無理して調達しないと発言しています。これは「なぜウナギを食べるのか」という消費者の声を高まりを反映したものとあります。

ウナギは乱獲や気候変動で養殖用の稚魚の捕獲すら困難になってきています。ましてや天然鰻となると2015年の日本での流通量は全体の0.001%(毎日新聞)とそれこそ絶滅珍味であります。たぶん、金持ちグルメの胃袋に収まってしまったのでしょう。

来年にはワシントン条約締結国での会議があり、そこにウナギが俎上に載せられる可能性があると指摘されています。仮に厳しい判断が下されれば食べることすらかなわなくなる恐れもあります。

なぜ、夏にウナギを食べるのか、といえば暑い夏を克服し、スタミナをつけよう、という日本古来からの発想でした。しかし、現代ではスタミナをつける食材はあふれ、ウナギではないとだめ、ということはまずありません。言い換えれば正月に餅を食べるように夏にはウナギという条件反射的なものなのでしょう。

もちろん、ウナギがたんまりと捕獲できるのであればよいのですが、絶滅危惧種と言われてなおかつ食べ続けるのは道徳心に引っかかります。変な話ですが、ウナギに特別税でもかけて消費のコントロールをするぐらいの体制も必要になってくるでしょう。もちろん、こんなことを書けばご批判は多いと思います。しかし、うなぎ屋が困る、とか猟師や関連事業者が困るというボイスは正当化できるのでしょうか?昨日今日に始まったわけではないウナギの不漁です。そこは変わっていかねばならないでしょう。

それ以上に今の小中学生に聞いてみたいと思います。「ウナギ、食べたことありますか?」「ウナギ、好きですか?」と。それよりもハンバーグがいいと聞こえてくるような気がします。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。
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