外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

投資

ムードは盛り上がるか、掉尾の一振に向けた株式市場ラリー4

この時期、当地のラジオでは通常の放送を止めて一日中クリスマスソングを流す局があります。これを聴くといよいよ今年も来たのか、と思います。週末には10日後に迫る29日のブラックフライデイに向けてセールの口火が切って落とされ、ショッピングモールには既に人が溢れています。

そんな暖かいムードの中、世界の主要国では株価指数が高値追いとなっており、様々な見解が飛び交っています。私は11月6日の当ブログで「疑心暗鬼な株高」としながらも「年末に向けて堅調な株価は期待できるかもしれません。株価があと1000円ほど上がれば1991年以来の高値更新になります」と書かせて頂きました。この数日間、日本の株式市場が堅調なのは7-9月決算発表が終わり、投資家たちが落ち着いて取引ができるからで好業績銘柄の上昇や売られすぎた銘柄の買戻しが目立ちます。

疑心暗鬼であれ、何であれ株式市場の上昇は全体のトーンを明るくします。私は中学2年生の時から相場と向き合って来ており、市場の動きは私のDNAに刺激を与えるのです。特に年末のラリーでは盛り上がることが経験則で十分わかっています。

では、残り約6週間となった今年はどんな絵図になるでしょうか?

個人的には24286円というバブル崩壊後の高値は年内に更新するとみています。18日の終値が23416円ですからあと900円弱ということになります。なぜそこまで強気なのか説明します。

まず、外部環境が全体的に大きく好転しています。米中の通商交渉はずっと「嘘つき狼」だったのですが、今回は行けるようなムードがあります。時期はアメリカによる関税のさらなる引き上げが迫る12月を目論んでいるように見えます。もちろん、来年の大統領選挙対策もありましょう。民主党有力候補者エリザベス ウォーレン上院議員への厳しい批判が著名人から増えてきたこともあり、不安視された社会主義化へのムードを吹き飛ばす感じもします。

次に中国経済ですが、底入れの感があります。中国はまだまだ消費財が広く国民に行き渡っていませんので景気循環がより明白に出るはずです。指数的には個人消費は悪くなく、アメリカの関税責めにもよく耐えています。そんな中、一部製造業では回復の兆しが出ていており、経済指数は今後好転する可能性を見ています。

ドイツは恐れられていた2四半期連続のマイナス成長を回避(7-9月は0.1%プラス)し、一息つきました。英国は12月12日の選挙に注目が集まりますが、現状、保守党がリードしており、離脱問題以前のレベルである政権交代による国政の不安定化には一定の歯止めがかかっている状況です。

日本国内を見ると引き続き外国人投資家の日本銘柄への物色傾向はあり、投資余力も今年の売却額から見ればまだ買い余力が残っています。日銀のETF買い余力もまだまだあります。このあたりは株価の下支えになるでしょう。

もう一つは投資対象の目が若干変わってきている点があります。アメリカに主導される形でGAFAのようなグロース株(成長株)からバリュー株(割安株)に目線が移ってきている気配があります。日本の製造業がしばしダメ出し状態だったのですが、そろそろこちらも底入れ感が出るのかもしれません。

日本は2020年のオリンピックという一大イベントを抱えており、訪日外国人も順調な伸びとなっていることから総仕上げ的な活況となるのかもしれません。そうなれば年末年始により明るいムードとなり、実感なき好景気を国民の皆様も感じることになると思います。大手企業の冬のボーナスも過去最高水準となる見込みでマネーに関してはリスクオフとなりそうな気配を感じます。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

どう見る、ソフトバンクGの戦略4

ソフトバンクGの7-9月決算。どれほどの下方修正をするのか、孫正義氏がそれをどう説明するのか注目されていました。営業利益は155億円の赤字(前期比1.4兆円悪化!)、最終利益はほぼ半減の4215億円、悪いのはファンド事業で5726億円赤字などとなっています。

「今回の決算の発表内容はぼろぼろでございます。真っ赤っかの大赤字。3カ月でここまで赤字出したのは創業以来始めてではないか。まさに台風というか大嵐の状況で、ソフトバンクやウィーワークは倒産するのではないか、ソフトバンクは泥沼だ、などと報道されている。ある意味正しいのかも。」とずいぶん謙遜した言い方でスタートした説明会でしたが質疑まで見るとまだまだ強気であることがうかがえます。

私は孫氏のビジネススタイルは嫌いではないのですが、正直、このところ、負けが目立っているように感じるのです。スプリント、ウーバー、そしてウィワークです。(個人的にはアームも加えたいが。)孫氏は会見の中で「損益面の勝ち負けを言うと、3勝1敗。このビジネスは10勝0敗はそもそもありえない」と述べているので自分が完ぺきではないことは認めていますが、この自称3勝1敗を今まで手掛けた総案件数でみるのか、時系列で並べた傾向でみるかにより色合いは変わってくるでしょう。

私がウィワークより懸念したのはウーバー。特に11月6日以降にロックアップといわれる株式公開以前の株式所有者の売買停止期間が終了し、大量の売り圧力が出ます。見込みでは7億株ぐらいの売りが出る可能性があり、直近の決算を含めて考えれば株価には厳しい状況となりそうです。ちなみに1週間ほど前にロックアップが終わったビヨンドミートは好決算にもかかわらず株価が一日にして20%下がったことを考えると目先下値模索となります。

ウーバーはもともと売り上げに対する人件費が高く、これにどう太刀打ちできるのか、私にはあまり想像できません。ノーベル賞を受賞した吉野氏が述べていたような無人の自動運転の車が呼べばやってくる時代がさほど遠くない時代に来ると思われ、ビジネスモデルの激変期の過渡期を埋める一時的ブームではないかと考えています。

次いでウィワークですがこれはスプリント事業の立て直しで功績のあったマルセロ クラウレ氏を会長に据えて再建するようです。クラウレ氏の手法はコストカッターで切りまくるはずで、すでにその兆候は見えています。これは今のウィワークとってはある意味正しいのですが、顧客がサービスのメリットを得られないと感じ始めたとき、ウィワークにいる必要がないと考えるリスクはあります。

何度かウィワークの事務所に行って思ったのは自分が格好良くふるまわなくてはならず、「踊らされている」気がするのです。要は自分の仕事場なのに気楽になれず、疲れるのです。つまりウィワーク型シェアオフィスはショーケースともいえ、このイメージを維持するのか、変えるのか、難しいかじ取りだとみています。

ではソフトバンクG全体の経営方針はどうなのでしょうか?たまたまヘッジファンドの世界では世界有数であるブリッジウォーターのレイ ダリオ氏が「資金と信用力がある人にはマネーは基本的にフリー(無利息)だが、金と信用力のない人には本質的に利用できない。これは富と機会、政治的な格差拡大の要因だ」(ブルームバーグ)と強烈な発信をしています。これはソフトバンクにそっくり当てはまる言葉であり、アメリカの有力層がかじ取りを少し変えようとする動きがあるように見えます。

とすればビジョンファンド2号、ひいては3号と鼻息がまだ荒い孫氏にとって2匹目、3匹目のどじょうはいるのか、という話になるかもしれません。先日孫氏が中東で投資家向け講演をした際も会場はガラガラだったそうですが、マネーの満ち引きは我々が想像する以上に激しいものであり、人々のマインドは揺られるというなかで孫正義マジックがどこまで輝きを保てるのか、正念場にあるように感じます。彼のようなごり押し強引ビジネススタイルには私はやや古さを感じています。

では今日はこのぐらいで。

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金融政策と景気4

昨日、アメリカ、カナダ、そして日本がそれぞれ金融政策決定会合を開き、三者三様の決定をしました。それぞれの違いを押さえながら日本の金融政策と景気について考えてみたいと思います。

まず決定した内容はアメリカが0.25%bpの利下げ、カナダが現状維持、そして日本も維持ですが、更なる緩和期待を持たせる形となっています。どれも事前予想通りだったのですが、このまだら感はどこから来るのでしょうか?

まず、アメリカについては以前から指摘しているように昨年利上げをし過ぎたため、世界の主要国とのバランスが取れず、また新興国から資金が流出し、かつ、米中貿易戦争で新興国の景気が低迷、利下げが相次ぎ余計にドルが強まるという悪循環をトランプ大統領とFRBがダブル主演で作り出したドラマでした。これを修復するためにトランプ大統領は中国とディールを纏めようとし、FRBは上げ過ぎた金利を正常化させる調整を進めているということかと思います。

ではこの先はどうなのか、昨日のパウエル議長の発言からは明白なコメントはなかったのですが、調整は進んだのでここから先は景気とのにらめっこ、というふうに理解できます。個人的にはまだ緩和トレンドは続くと思いますが、米中の間でミニ合意でもあればそれはプラス材料ですから現状維持のスタンスを強く意識するでしょう。一方で大統領選になれば国民に餅をまくので緩和バイアスは続くと思います。

次にカナダですが、もともとこの国の政策はアメリカと抱き合わせという感じでした。ところがカナダの経済はぱっとはしないものの底堅い動きで雇用も悪くなく、今後もしっかりと推移していくとみられており、利下げはなさそうだとみていました。TPP11の効果もあるし、流入する経済移民のもたらす経済効果もあります。アメリカとの物価ギャップからアメリカの業務をカナダで請け負うということもあります。かつてに比べて比較的独立独歩というスタンスを感じます。

さて最後に日本ですが、黒田総裁がフォワードガイダンスを弱気にしたうえで「緩和方向をより意識して政策運営するスタンスをより明確にした」(日経)と述べています。日本の金融政策についてはさまざまな意見があり、黒田総裁の「緩和方法はいろいろある」という言葉をそのまま鵜呑みにする専門家は少なく、手法は極めて限られると見られています。(手品のような手法があったとしてもそれが正しいのか、市場テストが出来ていないわけでそこまでリスクを冒すべきかという話です。)

黒田総裁が期待している物価水準に全然到達できないのは日本経済のファンダメンタルズの問題であって地殻変動を起こしている中で金融政策だけでそれを持ち直させるという夢を追っているようにしか思えません。本気で物価を上げたいなら政府と合作の相当の力技と漢方薬のように根本的で時間をかけた治療を行う必要があります。

が、政府も金融政策を任せっぱなしにしている(日銀の独立性を重視しすぎている)ためにさっぱり歯車が合わない、というのが私の見立てです。2013年のアベノミクスとバズーカ砲は成果はともかくも両輪だったと思います。今、政府から長期的観点からの景気対策が出てきません。辞任が相次ぐ今の閣僚ではできないということなのでしょう。

日本経済は真綿で首を絞められているようなもので長期低落方向は変わらないとみています。私の考える根本的な理由は「人」です。今の20-40代の方は昔、日本経済を引き上げてきた諸先輩方とまるで別人のようにすら感じます。良い悪いは別にして、価値観も人生観も相当違います。このギャップが埋められない、これが正直な日本の現状であり、黒田総裁がどれだけ努力しても空回りが続くのであります。

移民を通じて経済がある程度循環しやすい北米に対して人口や構造問題といった国家の根幹にかかわる事象が経済活動に影響している日本は金融政策という一筋縄ではなかなかうまくいかないということなのでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

どう見る、好調な株式市場4

日経平均が22472円と年初来高値を更新しました。チャート的には10月10日の安値から昨日まで1200円ほど一気に上げたわけですが、その主因は米中通商問題が一部でも解決に向かったことが後押しし、円安も手伝い、我慢していたものが吐き出されている感じに見えます。

今後の予想についても専門家は強気の声が大きく、目先23500円、いや、24000円だという声も出てきています。チャートだけ見ていると上に向かう公算は強く、仮に24000円を抜けてくるとその上は26000円という途方もない見方もあるのですが、果たして今回の株価上昇とその「本気度」はどの程度なのか、考えてみたいと思います。

まず、消費税が10%に上がった10月のこの時期に株価が高値を更新したという事実に着目しています。いつもであれば反動で消費税恐怖症で縮み上がっていたはずですが、今回はすんなりいったと思います。これは以前指摘したように2%上がったけれどこれは2%bp(ベーシスポイント)であって消費税だけの上げ率を見ると1.85%なのです。8%に上がった時が2.9%の上昇だったこと、さらに今回は軽減税率にポイントなどの大盤振る舞いがあったため、実質的には影響は軽微で、むしろ一部の層の心理的抵抗感が強かったのだろうと考えています。

次に国内景気ですが、台風による影響はむしろ建設業などの景気を引き上げる結果になるとみています。保険業界にとっては5000億円から1兆円とも言われる保険金払いが発生しますが、むしろ、それが民需につながると考えれば経済だけを考えればプラスになります。これはアメリカでハリケーンが来たときなどはタイムラグを経て消費がぐっと伸びるのと同様です。

ラグビー景気もあるでしょう。訪日外国人は1-8月で2200万人強で韓国、香港の落ち込みがあるにせよ、記録を更新できるペースになっています。個人的にはこのままオリンピック景気につなげられるとみています。また懸念されるオリンピック後ですが、法人などでオリンピック明けを待っている待機投資があるため、懸念されるほど落ち込むとは考えていません。

では世界はどうか、ですが、アメリカは以前から指摘しているように11年目の景気拡大期に入っていますが、大統領選が1年後に迫る中で景気対策など有権者に気持ちの良い対策をトランプ政権が打ち出すはずで(ウォーレン候補が理想と考える「破壊経済」との好対照になるはずです。)これを素直に受け止める可能性はあります。アメリカの金利も引き続き下がるとみられ、株式市場にはプラス、円ドルにはマイナスの要因となります。

外交については、米中関係は一進一退、北朝鮮は進まず、中東は混とん、トルコは言うことを聞かず、というあらかたの想定をしています。一方、ここにきて英国のEU離脱交渉に進展が見られるとのことでひょっとするとうまい離脱が行われる可能性が見えてきました。これが出来れば明るいニュースになります。

一方、悪いニュースとしては欧州の景気観がいまいちです。特にドイツの7-9月GDPは注目です。中国に引っ張られている影響も大きいでしょう。IMFの新しいチーフエコノミスト、ゴピナート氏が世界経済は90%の国・地域で景気が減速しており、貿易戦争などの地政学リスクが深刻になれば、世界景気は不況に近づく」とネガティブコメントを発していますがややセンチな感じに見えます。

個人的には2020年にかけて持ちこたえらえるファンダメンタルズは作れるとみています。これは組み合わせ問題で一番キーになるのが新興国に資金が回るためにアメリカが利下げを継続する姿勢がある点を考えています。次いでトランプ大統領は中国と通商問題を来年にかけてどこかで更に詰めるとみています。これは留保していた投資を促進させますのでプラスです。つまり心理上の問題の解決です。

このあたりを考えると日本の株式市場は基本的にはプラスだと考えています。もちろん、どこでどんな事件が起きるかわかりませんのであくまでも現状の経済状況だけを見ての判断です。考えてみてください。オリンピックが来るんですよ。マインドはプラスになるでしょう。あえて下を向く必要はないと個人的には思います。

明るい未来を期待しましょう。

では今日はこのぐらいで。

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弾けるのか、投資バブル4

バブルとその崩壊を人生の中で何度か身近で経験しながら「次は何バブル?」と注意深く見続けてきました。明らかにマネーのアロケーションがいびつで金持ちにそのお金が集中しすぎています。理由は過度な資本主義の代表的悪役である資本家がインキュベーション中(孵化中)のヨチヨチ企業を大枚をはたいて根こそぎ買収してしまうからです。

なぜ東大生は官僚よりも起業家を目指すのか、といえば東大卒というブランドを持つ創業者の事業を「お金がすべて」と思っている投資家が過度なバリュエーションで市場価値の5倍、10倍ですら「これでも安い買い物」と信じているからでしょう。そこにはちょっと話題になった会社への無理な過信を伴います。

私の周りにうまくExitした起業家が中途半端な小金をもって「次の投資先」をワインをくるくる回しながら探しているのです。この兆候は昨日今日に始まったわけではなく、2000年代初頭のネットバブルの際に「偉くなりたいならアメリカのMBAをとろう」というブームがあった頃に端を発しています。当時、話題になった堀江貴文氏や村上世彰氏が東大というブランドを持っていた(堀江氏は卒業していないが)ことから大学には戻れないけれどMBAなら今からでも取れる、という後押しがあったことも否定できません。

その間に大きく育ったのが三木谷浩史、孫正義両名で今や買収して寡占の市場を突き進んでいます。

長期化する低金利は小金持ちの人を銀行預金から「何か面白いものに投資する」という姿勢に変貌させました。日本人がFXでトルコリラが大好きなのは国のリスクをも顧みずその表面利回りに飛びつくからであります。あるいは聞いたこともない健康食品に億単位の資金が集まるのは「もっと儲けたい」という一心だからでしょう。

さて、こんな日本の金の亡者はそれでもアメリカ人よりまともな気がします。かつてアメリカのエンジェル投資家といえば真に野心家を育てようという気持ちが先行していたはずなのに今はリターンの計算ばかりするようになってしまいました。

ネットフリックスが大金をはたいてどんどん新作を作るのは投資家のマネーを背景に「今、ここで頑張らないと競合他社に勝てない」と湯水のごとく、資金を使いまくるからです。会社がどれだけ赤字になっても平気なのは同社に限らず、ウーバーもWeWorkもそうでしょう。連中の金の使い方は尋常ではなく、健全経営という思想はなく、あたかも203高地で兵隊がいくら死のうが、そこに工夫もなく繰り返し兵力を投入して犠牲者を積み上げるのとそっくりなのであります。

22日の日経の一面は 「『債務の宴』静かな異変 米低格付け融資、資金流出続く」であります。ローン担保証券(CLO)から投資家が資金を引き揚げる傾向があるというのです。専門的なので詳述は避けますが、要は起業したばかりの会社の将来性と収益性に対して投資家が疑問視し始めた公算が見て取れるというのです。そしてそれはよさげに見える若い会社の価値をあまりにも高く評価しすぎており、将来、景気の変動があった際の耐性が不十分ではないか、というものです。

リーマンショックの引き金となったCDO(不動産担保証券)とある意味似た体質を持っており、アメリカがナチュラルな景気後退ができず、カンフル剤を打ち続けているという見方もできなくはありません。

我々は過去の何度かのバブル崩壊を通じて強靭な金融体制を敷いてきたと信じています。しかし、人の欲望がその間隙を縫って予想もつかないほど加熱した場合、それを本当にコントロールできるのか、試練が待ち構えているのでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

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アメリカ 利下げと今後の見方4

アメリカのFRBが2会合連続となる利下げを行いました。利下げ幅は25bpでしたがそのステートメントには将来の方向性をどちらにでも取れるような内容が内包され、個人的にはかなり難しい判断であったと思います。ここをどう読むかを含め、金利と景気についてみてみたいと思います。

アメリカの景気は各種経済指標からすると住宅や自動車の一部で若干の陰りも見えますが、ある意味、よく持ちこたえているとも言えます。ただ、減税効果が既に剥げてきており、消費者には次のニンジンをぶら下げないとこのレベルを維持できるか判断が分かれるところです。

一方、景気の先行きに懸念が見られるのは企業の投資でこれは対中国の通商交渉が行き詰まりを見せる中、企業が長期的な投資計画に踏み込めない状態にあることは大きな要因だろうとみています。

トランプ大統領はアメリカの利益を第一義に考えているわけで貿易のインバランスの解消として貿易交渉で見直しを進めてきているもののドル高で輸出ドライブが効かないことにいらだちを示しています。今日もパウエル議長の声明発表に対して「ジェイ・パウエル氏と連邦準備制度はまたもや失敗」「根性も判断力もビジョンもない! ひどいコミュニケーターだ! 」(ブルームバーグ)とツイートしています。つまり、金融の総本山、FRBと政治の側であるトランプ氏ともともとの立ち位置の違いから完全にずれたやり取りが延々と続いているのであります。

ところでこの数日、FRBは他の問題を抱えていました。それは銀行間の資金のやり取りがひっ迫し、短期金利(翌日物システムレポと言われるもの)が一時10%にまで急上昇するなど明らかに変調をきたしたため、臨時の金融調整を行っていたのであります。

この現象が一時的なものなのか、構造的な問題になりつつあるのか、FRBも判断に至っているようには思えず、今日のステートメントに「FRBの資産について、『事前に考えていたよりも早く、再び拡大する可能性はありうる』」と述べています。これはQE(量的緩和)を意味するとみられますので異様に膨らんだマネーサプライと中央銀行による資産所有が市場に新たなる「関所」のようなものを作り出したように見えます。

今後についてですがFOMCで意見の一致が見られず2人が現状維持、1人が50bpの利下げを支持しました。方向感にばらつきがあるということはいかに世界経済の先行きが見えにくいか物語っているとも言えます。本日のステートメントからは経済の状況が今後も大して改善せず、外部要因(他国経済や経済に影響を与えるような問題)次第では12月にもう一度利下げする余地を持っているとみられます。

確実に言えることは2020年秋までは少なくとも利下げはあり得ても利上げはほぼないとみる点でしょうか?これは大統領選挙が2020年11月に控える中で景気を冷やせないため、スィートオファーが出やすい時期とされます。よってEU、日本を含め金利は更なる引き下げ、緩和モードに入る公算は大いにあり得、その結果としてアメリカも渋々お付き合いせざるを得なくなるのでは、というのが私の見解であります。

だからどう、と言われれば株と金は上がれども下がりにくく、また、ドル高防衛が今後もテーマになる可能性があるのではないでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

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海外での事業を成功させる方法はあるのか?4

いわゆるハウツー本のような安っぽいタイトルなのですが、そんな方法はあるのか、といえば成功している人がいるのだからどこかにヒントはあるはずです。私も海外で28年。食べるぐらいのお金は稼いだのですが、そのあたりの経験談も踏まえてヒントを考えてみましょう。

日本的サンドウィッチがダメだったわけ
カフェの事業は8年経営したのですが、労力に対する見返りが目標に十分に達せず、他の案件が増えてきて手放しました。あらゆる改善をする試行錯誤の毎日でした。その中で今でも覚えているのがサンドウィッチの具材の扱い方。オープンキッチンに座ったある常連さん。スタッフが具材のミートを一つ分ずつはかりで測って取り分けていた作業がよほど気になったようです。「君たち、そんなことで時間を費やすのは馬鹿々々しいよ。もっとおおざっぱでもいいから他のところに力を入れた方がいいんじゃないか」と。

私が学生時代バイト先のレストランの厨房で習ったのは計測です。あらゆるレシピの分量や提供品の重さの計測をスーパーバイザーが抜き打ちで行います。「君、このライス5グラム多いよ。規定は130グラムだ。」としばしば教えられたことがカフェ経営の背景にあったことは否めません。

昔、アメリカの田舎町のさびれたストアで出来合いのサンドウィッチを買って食べた時、これほどうまいサンドイッチには出会ったことがないと思いました。具材がパンの3倍ぐらいあり、シンプルな味の中に肉の上手さがあふれ出たからでしょうか?サンドウィッチの国でサンドウィッチが美味いのは文化の背景があるんです。けっして計算されつくされたものではないのでしょう。たかがサンドウィッチ、されどサンドウィッチなのです。勉強させられました。

カルビー元会長の松本晃氏ですら失敗する中国事業
松本氏が日経スタイルに寄稿している海外事業の失敗談にカルビー時代の中国でのお菓子の話があります。中国で新発売した「じゃがピー」は価格が高く量が少なく全然売れなかったとあります。中国人に満腹感がなかったのが敗因だそうです。お菓子に満腹感という発想は確かにあまりありません。また、想像するに日本で売れているなら海外でも売れるだろう的なノリも背景にあったのかもしれません。

お金を使ってなにか購入する場合に何を最も重視するのか、その感性が日本と海外では違うと思うのです。例えばきれいな包装紙や傷やへこみがない商品の外装の箱に日本人は奇妙な満足感を持ちます。一方、カナダの電気器具雑貨屋に行けば箱なんて基本的にガムテープベタベタで明らかに返品されたのをそのまま置いたような商品も結構並んでいます。でもカナダ人は気にしません。「中身はちゃんとしているんだろ!」ってな具合です。

松本氏がその寄稿の最後に面白いことを書いています。相撲で全勝するのは白鵬でも大変。普通なら11勝4敗ぐらいでも優秀だと。そうですね、新製品や新たなチャレンジもそれぐらい、肩の力を抜いたほうがいいのでしょう。

海外で仕事をするなら海外メンタルをもった人を集めよ
私が28年間カナダで仕事をしてきた中で日本人向け売り上げは1%もないと思います。理由はカナダ人向けの商売の方がはるかに楽なんです。落としどころが分っているからでしょう。日本の顧客は基本的に面倒くさいし、要求が高いのに金額や支払い面は一番厳しいんです。だから結果としてカナダ人とビジネスして勝ち抜く戦略を取ったとも言えます。

私もお手伝いする介護ビジネスの社長さん。この方も海外が長いせいか、典型的な日本人のメンタリティではありません。日本人規格ならぶっ飛んでいるんだろうと思います。だからこそビジネスが上手くいくのだろうと思います。弊社では今月から日本人らしくないユニークな日本人スタッフが増えます。日本語喋って、日本ともビジネスが今後展開されるのですが、多分考え方やアプローチは完全に「ガイコク人」。少なくともカナダでは典型的日本人になる必要はないのです。

こちらでひそかなブームの母子留学。私のクライアントにもそのような方が過去も含め、何人かいらっしゃいますが、必ず助言することがあります。「お子さん、日本に帰さないでここで大学に入れましょうよ。UBCならば東大より全然価値ありますよ」って。子女を海外志向にするなら海外大学はマストだと思います。そしてもっと磨きをかけるならマスターです。これを取る価値は後々気がつくと思います。

海外の人だって新しいものに反応する!
「新しもの好き」は日本人だけではありません。特にインスタ映えが世を席巻する中、見た目と同時に欲しくなる機能性や価値感は海外の人を覚醒させた感があります。その中で面白いなと思わせるものは北米ではやはり北米から出てきているケースが多いのは文化的背景とどこが北米人に受けるのかツボを押さえているのでしょう。

「ルル レモン」というカナダのスポーツウェアの会社があります。日本では全く不発だったこのブランドは今でも息の長い成長を続けています。その一つはウエストコーストならではの街着とかウォーキングなど、場合によっては通勤着で着られるという職住接近とワークライフバランスの融合を商品に落とし込んだことにあるのでしょう。

つまり何でも斬新であればいいというわけではなく、その地域のライフスタイルにどれだけ溶け込めるかがヒットの秘訣になるのでしょう。

海外で事業を成功させるにはいくつかポイントはあります。ここでは書ききれません。が、一つ言うならば日本を持ってきてはダメ。日本をベースに何か現地の人にヒットするアイディアが加わればかなり行けると思います。このひと工夫が一番難しく、机に向かって座っているだけでは絶対にそのヒントは浮かばないと思います。そのために全方位の思考と馬鹿々々しいと思うことも真剣に覗いてみる、そして最後に、その判断を日本に仰がないことでしょう。日本の本社が理解できるわけないんですから。

では今日はこのぐらいで。

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