外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

外交

Tシャツ問題で更に火をつける日韓関係4

2011年、サッカーのアジアカップの時、韓国選手がゴールした際、猿真似をして日本を侮辱したとして一時期大問題になったことがあります。20代の若者たちが歴史をどのように理解していたのか実に不可解でありました。その後の様々な見解はあったようですが、本質的には「ノリ」であり、受けると思ったのでありましょう。それがどれだけタッチーで繊細な問題を含んでいるのかということを十分理解できない若者の蛮行でありました。

徴用工問題で近年まれにみる緊張関係の中、韓国の人気グループBTSが原爆のきのこ雲と右翼的メッセージが込められたTシャツを着ていたことが日本のテレビ局を刺激、先週のミュージックステーションへの出演が取りやめになっています。さらに他局の出演も見送ると報じているものもあり、NHKが紅白でどうするのかも注目されています。

最近の韓国の動きは国際社会や一般世論から全く逸脱した無謀な展開を感じています。

文大統領自身が北朝鮮との連携を密接にすべくどんどん踏み込んでいますが、アメリカをはじめ主要国は、北朝鮮問題は何一つ解決していないと理解しており、各種制裁が緩和された事実はないのであります。故に文大統領が勝手にその枠組みを飛び越えて交渉することは今まで北朝鮮問題において韓国側に立つ連携国を裏切ることになってしまいます。

次いで韓国の企業団が南北経済協力と銘打って北への訪問団を企てていると報じられています。仮に南北で何らかの経済協力がなしえるならば北朝鮮と同等の経済制裁を韓国にも行わざるを得ないという展開すらないとは言えません。まさか、韓国がそこまでは踏み込まないだろう、と普通なら思いますが、今の文大統領政権では何でもあり、のように見えます。

韓国がなぜ、ひたすら北朝鮮に向き、日本に敵対心を燃やすのか、歴史がそうさせたという解釈が一般的ですが、私はそれ以外の理由もあるように感じています。

それは朝鮮半島の苦悩という自分自身の問題を外向きに爆発させているのではないか、と感じているのです。

かつて尖閣の問題があった時、中国は日本をはけ口にし、国民を扇動し、日中関係は極端に冷めてしまいました。あの時と同じで政府が進めるマインドコントロールのようなものなのだと思います。国民のフラストレーションの発散に近いものがあるのでしょう。

少なくとも今回のTシャツ問題を引き起こしたメンバーに歴史認識がどれだけあったか、といえばゼロに近いのではないかと思います。親や学校、メディアからそういうことを吹き込まれただけで自分自身の考えではなく、調子に乗って行動しているということなのでしょう。

Tシャツ問題は実にレベルの低い話ですが、2011年のサッカーの時同様、日韓関係は今後もさらに冷えるとみています。(2011年は慰安婦最高裁判決、12年の徴用工裁判、李明博大統領(当時)のさまざまな「とち狂った」言動などで最悪の状況でした。)今回、日本政府は徴用工判決について真剣に怒っており、様々なプランがあるとみています。それが分らないように実行されると思われ、今後、冷戦から氷河期になる公算すらあるとみています。

思えば安倍首相は朴槿恵大統領(当時)との長期の冷却期間を経て終盤、ようやくまともな会話ができるようになりました。しかし、それが一部の韓国国民に寝返りを打ったと思われ、文大統領の対日政策に高い評価があるとすれば日本としてこれ以上、どうしろというのでしょうか?

国際関係にそれなりに興味を持つ者からすれば先方の変化が来る時まで保留される外交関係になるのでしょうか?「近くて遠い国」という言葉が今まさにぴったりくる時が来たということでしょうか?ただ、我々中高年が憂慮してもBTSのコンサートでは日本のティーンエイジャー達が黄色い声を上げているのでしょう、「私にはそんなの関係ないもん」と。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

プロパガンダって何?4

プロパガンダ、という言葉を聞いたことない方は案外多いのではないでしょうか?日本でもこの言葉を使うようなシーンはいくらでもあるのですが、言論の自由という中でそんな言葉の存在そのものを忘れているのかもしれません。

では、まずその意味です。Wikiの簡単な説明によると「プロパガンダは、特定の思想・世論・意識・行動へ誘導する意図を持った行為である。 通常情報戦、心理戦もしくは宣伝戦、世論戦と和訳され、しばしば大きな政治的意味を持つ。」とあります。

慰安婦像問題や南京問題はプロパガンダの最たるものであります。

たとえば、少し古い話ですが、サンフランシスコの慰安婦像と碑文が公共の地に設置されて1年経ち、「慰安婦正義連合」なる団体が中心となり、デモがおこなわれたと報じられていました。その記事で着目すべき点は大阪で反日活動をする日本人団体が「慰安婦正義連合」から表彰されたという部分であります。

ご承知の通り、慰安婦問題も南京問題ももともと本国の韓国、中国ではいったん収まっていたものの日本の活動家たちが火をつけて掘り起こしたのが歴史でした。このような活動家は時間があり、「正義感」にあふれ、一度信じたら梃子でも動かないタイプの方が多く、絵に描いたような運動家の性格を持っています。サンフランシスコの表彰の話などは典型的なプロパガンダであります。

更に「サダマイズ(saddamize(=特定の人物を特段の証拠もなく責め上げること)」というプロパガンダ戦略の一環として相手を徹底的に糾弾するのであります。アメリカのメディアがトランプ大統領を責め上げるのも一つの戦略です。

一般的にはプロパガンダは国際間にまたがる思想、主義の誘導と考えれらますが、国内でも当然それは可能であります。

例えば原発再稼働の問題はその一つでしょう。北海道がブラックアウトになった原因は泊原発が動かず、苫東厚真の火力発電に頼っていたことが問題視されました。では泊はなぜ動かないのでしょうか?もともとは原発再稼働としては泊はトップグループにいたのですが、規制委員会が断層の件を持ち出し、100点満点の試験で105点取らないと再稼働を認めないと言っているのです。

ではその背景は何か、といえば原発は日本にはふさわしくないというプロパガンダが存在するからでありましょう。もちろん、東電のあの事故は大変なものでしたが、各電力会社が打ち立てたその対策は原発を極めて強靭化させたはずです。それでも再稼働させないという主義と思想がそこに存在することで論理が叶わなくなる結果になるのです。

北方領土返還問題。これも私は何年も前から指摘していますが、戦後直後、日本は2島返還である程度納得していたのです。吉田茂もそう発言し、記録されています。変わったのはアメリカが4島返還をめざせ、といったから突然それがプロパガンダとなり、ほぼすべての国民は4島がすべて、というポジションに代わってしまったのです。

日本はプロパガンダを発するより、それに強い影響を受けるケースの方が多いようです。ただ、ニュースを見ている限り日本国内のプロパガンダは小さい主義主張で身内の争いに近いのですが、我々は本来であれば、外交的なプロパガンダを発するべきであります。

日本の製品はどれだけ優れているのか、日本人がどれだけ誠実でビジネスをするには適しているか、という主張をするのもプロパガンダであります。相手を蹴落とすのもありですが、「これは日本にしかできない」と思わせる前向きなプロパガンダが欲しいところです。

河野外相が徴用工の件で連日、韓国に対して厳しい発言を繰り返しています。繰り返すことで多くの人に一定の理解を伴った考え方が醸成されます。これは重要です。

私は海外に在住していて日本のボイスが本当に小さいことを残念に思っています。海外に出ている日本人は数多けれどもみな、バラバラなんです。これではプロパガンダどころではありません。

日本がどう主張を貫くべきか、徴用工問題で盛り上がる今こそ、そろそろ考えてみるべき時期にあるのではないでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

文大統領の苦しい国家運営と支持率の関係4

安倍首相の訪欧と時を同じくして文大統領も訪欧し、同時期に違う主張を聞かされる欧州首脳がどういう反応をするのか、メディアはあまり報じないのですが、なかなか興味深いものがありました。

結論からすると安倍首相の勝ちです。双方の圧倒的相違点は北朝鮮問題で、文大統領の今回の目的の一つに北朝鮮との融和を韓国が主導し、演じることで北朝鮮への制裁緩和を求めるというものでした。ところが欧州の首脳はCVID(完全かつ検証可能で不可逆的)方式にこだわりました。特に国連安全保障理事会の常任理事国である英国とフランスに韓国式非核化プロセスと対北朝鮮支援策に理解を求めようとしたようですが、同意を得ることはできませんでした。

むしろ、フランスのマクロン大統領においてはそのあと会った安倍首相にCVIDだよね、と双方の確認をしています。

文大統領は金正恩委員長と直接対話をしており、「もっとも北朝鮮を知る男」として「ぜひ、私にやらせてほしい」と訴えたかったのだろうと察します。ところが欧州諸国は連れない返事で青瓦台(韓国大統領府)は今回の訪欧は70点ぐらい、と評しています。70点とはスコアでCです。つまり、ほとんど及第ギリギリだったわけでめぼしい成果はなかったとみるべきでしょう。

その中で韓国側が唯一、自慢するのがローマ法王の北朝鮮訪問への道筋ができたと主張する点です。これは金正恩委員長からのローマ法王の北朝鮮招待を口頭で述べたのに対しての返事とされます。青瓦台は「ローマ法王が文大統領が要請した訪朝に対し予想を超えるほど積極的な返答をした。法王庁の動きも国際社会の世論形成に大いに役立つだろう」(中央日報)とありますが、これはいくつかの英語圏をチェックする限りそんなに進展があった話ではなく、社交辞令の域を超えていないように見えます。

そんな文大統領、韓国国内では引き続き人気があり、世論調査では波があるものの65%程度を維持しています。なぜだろう、と思う方も多いでしょう。私の考えは国内経済がさっぱりでどうしても左派政権にすがる、ということではないかと思います。

不思議なもので国内の景気が悪くなると国民はその責任を現政権に押し付けます。そして往々にして右派系与党の政策がうまくいかなくなり左派系に政権交代する、という流れをとることが多いのです。日本でも自民党から民主党に政権交代した時は日本がドツボにはまっていた頃です。幸いにして日本はすぐに政権担当能力がない、と左派を切り捨てることができたのですが、韓国はその前に右派そのものを潰してしまい、国民に選択肢を与えようがなくなってしまった、というのが私の見方です。

韓国の中央銀行が発表した18年経済成長率の見直し版は0.2%ポイント下方修正の2.7%で、潜在成長率を維持できない状態になっています。若年層(15-29歳)の失業率は10%を超えます。さらにサムスンが破竹の勢いで伸ばしてきたメモリー部門、モバイル部門、ディスプレー部門全部に黄色信号がついています。

国民にとって経済が不振となればそのストレスを発散する何かが必要であり、その切り札が北朝鮮との終戦を含む関係強化であったはずです。しかし、東西ドイツが合体した時、西側ドイツがどれだけ苦しんだかは歴史が物語っています。つまり、ドイツほどの国家ですら、経済格差がある国との統合は容易ではないことは明らかです。

文大統領が今やらなくてはいけないのは自国経済の立て直しでありますが、左派の彼には厳しいものがあると思います。そして右派をつぶしてしまった今、朝鮮半島の軋みが聞こえてきそうです。

では今日はこのぐらいで。

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対中東政策、トランプ大統領の心中やいかに?4

ジャマル カショギ氏の実質的に殺人事件とも言ってよい失踪は事件そのものよりも国際関係に様々な影と微妙なかじ取りにその興味の中心は移ってきています。本日もムニューシン財務長官が予定していたサウジでの経済フォーラムに出席しないと発言し、株価が下がる局面がありました。

トランプ大統領は中間選挙がカウントダウンに入りつつある中、あらゆる「自己防衛」を行っています。その中でカショギ氏事件については、サウジアラビアの実質トップであるムハンマド皇太子の関与が限りなく黒に近いグレーとなれば、私はずばり、トランプ大統領は二枚舌政策を行うとみています。

つまり、ツィッターなどでは厳しい批判をし、大衆に対して「自分は皆と同じ考えだ。民主化とは程遠い。厳罰で対処しなくてはいけない」ぐらいは平気で言う反面、外交面ではかなり緩い対策で済ませる可能性はあります。

アメリカにとってサウジアラビアとは何でしょうか?言ってしまえば中東問題をコントロールするアメリカの出先機関のようなものでしょう。サウジのおかげでイランとの緊張関係も築けるし、シリア問題にも突っ込めます。イスラエルと中東の緊迫した関係もサウジが間にあってこそバランスさせる外交能力を持っています。エルサレムにアメリカ大使館を移設できたのも背景にサウジがあったことは無視できないと思います。

いや、それだけではありません。アメリカの最新型の武器や戦闘機をどんどん買ってくれる上得意であり、世界の石油の蛇口の調整係を通じてアメリカと資源を通じた商品価格のバランス政策を取ることも可能です。こんなに便利な国はアメリカの同盟国多しといえどもそうそうないでしょう。日本や英国、イスラエルとは全く違った実利がある関係なのであります。(私は911の事件だって疑っています。なぜサウジの人が絡んでいたのでしょうか?)

ここまで切れぬ関係があるとすれば、反感を買う言い方かもしれませんが、政府の方針に歯向かう人間が一人消えたぐらいならどうにかする、ぐらいの感覚があってもおかしくはないとみています。ロシア、中国、北朝鮮などではトップの政策や方針に対抗する者があっさり消されることはしばしばあります。ではアメリカがそれらに過去、いちいち介入してきたかといえば批判的コメントは発するものの内政不干渉を理由に外交的懲罰は与えてきてないはずです。

サウジは開かれた民主主義の国とは程遠い国です。ムハンマド皇太子がようやく女性の自動車運転を認める、と発表したことでサウジへの好感度が増した、というレベルの自由度であります。その国に対してアメリカをはじめとする開かれた民主主義の先進国と同じ目線と尺度と期待感を照らし合わせてもそれは筋違いなのでしょう。

世の中、過度の情報共有化が進み、「悪いものは悪い」という勧善懲悪をSNSを通じて拡散する社会となっています。つまり正義論を振りかざす声の大きさがメディアを制し、世論を支配するのです。政府が人を殺してよいのか、という質問に100人ともダメ、と答えざるを得ません。一方で今回の事件はジャーナリストが主役の事件ということでマスコミが異様にフォーカスしやすく、それを大衆がフォローしやすくなっている点がことを大きくしている点は否めないでしょう。

ある意味、現代社会で一番かじ取りが難しい問題とも言えそうです。トランプ大統領はどう火消しをするのでしょうか?見ものです。

では今日はこのぐらいで。

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英国の末路4

英国のEU離脱にむけた状況を見ると目を覆いたくなります。メイ首相の心中やいかに、と慮りたくなりますが、本人の強気発言は英国人のプライドの高さを示しているのか、単に頑固で前にしか進めないウサギのようなリーダーなのでしょうか?

ご承知の通り、19年3月で英国はEUから離脱します。その移行期間をスムーズにし、双方がどのような作業、協定締結を行うのかを含めた交渉期間は約2年ありました。そのタイムリミットは10月とされており、すでに実質タイムアップといってよい状況にあります。にもかかわらず、ほとんど何も合意できておらず、終わりの始まりが近づいているようです。

報道では11月と12月に開催されるEU首脳会議が本当の最終期限とされますが、12月はクリスマス時期に入るため、機能しないでしょう。よって11月中旬に設定されている首脳会談が全てになると思います。

現在の状況は最悪といってよく、合意なき離脱が現実味を帯びています。もしも政府に代替案があるならそれを示さないと国全体で噂が噂を呼び、大混乱に陥る可能性はあります。

ではなぜ、こんな状況になってしまったのか、ですが、個人的にはEU離脱を問う国民投票そのものが間違いだったのではないか、と考えています。近年の選挙は選挙民をいかに引き付け、魅力的なオファーをし、投票してもらうか、あらゆるテクニックを駆使します。その結果、案件に対して360度見渡し、長所短所を理解したうえで判断しているのか、といえば多分それは少数派ではないかと思います。

国民の大半は自分で直接的に目で見える生活エリアのことしかわかりません。政治家や専門家が何をどれだけ主張し、説明しても上の空であり、頭に入ってくることはありません。それよりも自分に降りかかってくるかもしれない目先の損得に目を奪われ、それをより刺激するメディアや主張にだけ耳を傾け、明白な結論だけを先に作ってしまいます。そうなると相手の言い分など聞く耳持たずになるのです。(典型的な今の選挙戦スタイルです。)

EUからの離脱判断は国家の経済、社会システムの大根幹の決定であるのに国民投票が正しい判断手法だったとは思えません。それは恐るべき素人集団が群集心理と声の大きさに惑わされ、洗脳され、扇動されてしまうからであります。そうではなく、市民と状況をコミュニケートできる専門家を全国各地から1000人なり1万人なり選出する選挙(Special Purpose Electionとでも言いましょうか?私の造語です。)を行い、十分なる知識を持った人たちが討論をもって与えられた特定案件のみを決議できる被選挙人を設定すべきだったのかもしれません。もちろん、今言っても遅いですが。

英国に基盤を持つ企業、特に国際企業はここにきて大慌てで代案の具体化を進めています。このところ、トヨタやBMWといった自動車業界からいろいろな声が聞こえてきたのは10月2日にパリ国際自動車ショーで自動車メーカーの首脳らがたまたま集まったためにそんなニュースが数多く流れました。

日経によればドーバートンネルを行き来するトラックは1日5000台。この動きがなんらかの形で遅滞すればそれだけでとてつもない経済停滞を引き起こすとされます。先の自動車業界の場合、部品のストックはトヨタで4時間、ホンダで半日分しか持たない究極のジャストインタイム方式ですから、これがあだになる可能性が出ているわけです。

では国境に入国審査場ができ、カスタム(税関)ができるとすればその施設はどう作るのでしょうか、人はどう採用し、どういうルールを設定するのでしょうか?こういう実務一つとっても何も決まっていないとすれば英国は3月29日午後11時に無法地帯と変わるのかもしれません。

もちろん、メイ政権が無策であるとは思っていません。発表こそしていないくともいざという準備はしているでしょう。しかし、日本のように何かあった時、一気呵成に達成できるような国家の基礎はありません。EU離脱に伴う実務作業だけで気が遠くなるようなプロセスが待ち構えています。

個人的には合意なき離脱が生じれば数年間は混沌とした国家になる可能性は否定できません。が、もともと持ち合わせている能力、資産、政治力はあります。どこかで回復してくるとは思いますが、いばらの道が待ち受ける公算は相当高まってきたと言わざるを得ない気がします。

では今日はこのぐらいで。

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アメリカの餌食になるとどうなるか?4

米中貿易戦争の行方が気になります。アメリカでは中国製品の価格の値上がりを気にしだす動きが出ています。今後、中国製ではないものも便乗値上げが起こりうると思います。一方の中国は苦しめられている割には国内のボイスの統制は取れているようで市民から反発の声は聞こえてきません。尖閣の時にはあれだけ中国国内でジャパンバッシングがあったのに比べ、雲泥の差であります。

今日はアメリカ側に着目し、アメリカの本質、そしてこの米中戦争の行方について考えてみたいと思います。

アメリカの歴史は策略の歴史でもありました。国民を扇動し、所定の目的を到達する、という点では真実が見えにくく、政権トップといったごく一部の暗躍は過去を振り返ってもいくらでも存在すると申し上げて過言ではないでしょう。

真珠湾攻撃。アメリカは宣戦布告がないこの奇襲を卑劣なだまし討ちとし、いまだにそれを指摘する人もいます。表面上はワシントンの日本大使館の不備により宣戦布告と奇襲の間に時間差が生じています。しかし、私はルーズベルトが大嫌いな日本を罠にはめたと考えています。アメリカ国民の誰も知らないハルノートという日本が絶対に受け入れられない外交機密文書を提示することで日本がアメリカに戦争を挑むことは十分推測できましたし、日本軍の通信もほとんど傍受し、解読していたにもかかわらず、ルーズベルトは握りつぶし、ハワイを犠牲者に仕立て上げたのであります。

911。2001年に起きたあの衝撃的事件はイスラム過激派、アルカイダの犯行と結論付けています。ただし現状、絶対的確信はありません。不思議なのは実行犯の多くはサウジアラビア人であったのですが、そのサウジとアメリカは断交どころか中東をめぐって近い関係にあります。アメリカがイスラム過激派を標的にするために工作したのではないか、と噂されるその根拠の一つはブッシュの支持率にあったのではないか、と考えています。50%前後に低迷したもののあの事件でその支持率は92%に飛び跳ねるのです。

イラク侵攻。湾岸戦争でフセインの評価は地に落ちましたが、追い打ちのようにフセインは大量破壊兵器を隠していると断定します。911以降、下火となるブッシュ人気を回復するためイラクに侵攻します。実際にはブッシュが望むイラクの石油権益ではなかったのかと指摘されています。

ニューヨークのメトロポリタン美術館別館で「陰謀論」という特別博覧会がちょうど始まったのですが、上述の不可解な事件をはじめ、ケネディ暗殺の不思議にも迫っているようです。ぜひ見たいのですが、NYまではなかなかいけません。

アメリカの外交、国際関係の築き方は独特であり、相手を「はめ込む」というのがぴったりくる手法を使います。唖然とする事件が生じたならば必ずそれには裏がある、と考えてよいでしょう。

ではトランプ大統領の中国いじめはどこまで本気か、ですが、個人的には徹底的につるし上げるつもりではないかと思います。言い換えればトランプ大統領が大統領としての支持を得るための好材料であり、米中が握手でもしようならばトランプ人気はそこまで、となります。(ブッシュが92%の支持率を取った後はイラク戦争の際に20%ポイントほど上がったのを除き、ほぼ一貫して下げ、最後は20%台となる史上最低男となっていました。)

今後、貿易戦争を貿易に留めなくする可能性があり、アメリカは中国を罠にかけようとしているのでしょうか?今は報復の出し合いですが、中国が日本の真珠湾の罠のように引っかかれば一気呵成に責め立てるはずです。例えば産経新聞には「ロシアからの兵器購入を口実に、人民解放軍の資金運用の元締めである共産党中央軍事委員会装備発展部と李尚福部長を制裁の対象に指定し、米金融機関へのアクセスを禁止した」とあります。人民解放軍は中国の米国運用資金の1/3を牛耳っているとされます。

つまり貿易から通貨、金融へと締め付けを厳しくし、中国が禁則を犯す瞬間を待ち構えています。単純に言ってしまえばネズミ捕りのようなものでしょう。冒頭、中国市民は平静を保っていると書いたのは中国の言論統制が効いている証拠であります。

米中のばかし合いはアメリカのしたたかな戦略のもと、着実に進行しているように思えます。そのためにもアメリカは景気の腰を折るわけにはいかず、ドロドロした「真実」がどこかにあるように感じます。今更ですが、恐ろしい国であります。

では今日はこのぐらいで。

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日本はガチンコ外交に備えよ4

トランプ大統領と習近平国家主席の貿易戦争、英国離脱を巡るEUと英国の綱渡りの交渉、カナダとアメリカのNAFTA交渉、更には北朝鮮と韓国の南北和平に向けた交渉など今、世界各地でガチンコ外交やガチンコ通商交渉が行われています。

これらの交渉は国家の将来に大きな影響を及ぼす重大な決定事項であり、その交渉の一つひとつの過程で完璧なステップを踏んでいかないと勝利には結びつかないものです。また、各国の情報部が様々な侵入調査を行い、相手の手の内を探りながら弱点を突いていく、というのも常套手段です。

日本の外交交渉はどうでしょうか?

先週行われた国際捕鯨委員会総会では日本が求めていた商業捕鯨一部再開等の提案が否決されました。直後の報道には国際捕鯨委員会の脱退もありうるというトーンの記事が散見できました。

あるいは国連のユネスコ関連においては世界記憶遺産を巡り南京事件の資料の登録で嫌な思いをしたばかりなのに昨年末に「慰安婦関連資料」の登録の動きがあり、報道ではそんなことになればユネスコ脱退もやむなし、と大きく論じられていました。

「脱退」という表現は私にはあまり芳しくない響きがあります。大戦中、日本は国際連盟脱退を国家として苦渋の決定しました。それを受けて、国連会議で日本代表の松岡洋祐が1時間近い大独演を行うもののの他の国から賛同を得られず、その会議を中座して脱退した「事件」がトラウマのように頭をよぎるからです。

トラウマというのは普通自分がやった行為に対するものだと思います。私がこの「事件」を大学生の時に学び、その後、松岡洋祐研究をし、戦前外交史を学び、海外に住み、日本の外交を比較的間近に感じることが多かった中で「脱退」というカードは切り方を間違えると「終わり」になる、ということをまざまざと見せつけられたことが大きかったのであります。

日本語の「脱退」とは縁を切るという意味であり、将来の没交渉を意味します。他国も脱退はよくあります。アメリカやイスラエルはユネスコを脱退していますし、ノルウェーやアイスランドは国際捕鯨委員会に入っておらず、正々堂々と捕鯨をしています。日本は一方で、調査捕鯨と称してその調査後の鯨肉を市販しているという「狡い」やり方をしています。

言い換えればひどい敵を作らないよう最善の努力を施しながら丸く収めるやり方とも言えるでしょう。アメリカ、イスラエル、ノルウェーは脱退していることを逆手に利用し、相手方からの再交渉を引き出す土壌を作っており、いつまでも好き勝手にするという意味ではないのです。

日本の外交や通商交渉はなぜ、ガチンコ勝負ができないのでしょうか?個人的には交渉官の腹づもりではないかと思います。外交官にしろ、通商交渉団にしろほぼ全員役人です。彼ら役員は首にもならないし、キャリアに傷もつきにくいシステムになっています。言い換えれば「乗り切れば」良いわけです。この「乗り切る」というのは流れに沿ってうまく講じるという意味であり、主義主張を何が何でも通す、というスタンスにはなりません。

また、日本のキャリア役人は数年で転勤するという仕組みがあります。つまり、専門官はいてもその指揮者は毎度変わるわけでそのたびに作戦と攻め方は変わってしまいます。

私はそうではなくて大型交渉は信賞必罰のチーム制にすべきではないかと考えています。もちろん、そのトップである担当大臣の首を含めて、という意味であります。これぐらいの迫力あるチーム編成にしないと外交などやっていられません。

「脱退やむなし」と叫ぶのは喧嘩する相手に「訴訟するぞ」という言っているようなものです。相手は「ご自由に」というはずです。そんなことは相手にとって痛くもかゆくもないからであります。つまり、喧嘩における訴訟も国際交渉における脱退もそれを言った時点で「負け」であります。

その国際感覚を日本人はもう少し磨いてもらいたいと思いますし、交渉官は気構えを持つべきだろうと思います。特に私が耳にするのは「次から次へと案件があるのにこの案件まで手が回らない」というボヤキであります。日本政府が真剣勝負をするような案件なら担当チームは通常業務から引き抜くぐらいの覚悟とスタッフの体制の強化をすべきでしょう。

かつて、「日本には役人が多い、少ない」という議論がありました。国際水準からすると絶対人数はるかに少ないのですが、できる人間もはるかに少ないと思います。役人がプロ意識をもって交渉にあたる心構えが必要だと切に感じています。

では今日はこのぐらいで。

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