外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

中国経済

中国預金金利自由化計画も効果は疑問4

中国経済の行方がいよいよ佳境に入ってきた気がします。銅価格の下落を受けて「崩壊の前兆」などと書かれたニュースは瞬く間に世界を駆け巡り、今や、ウクライナ問題よりも大きな関心をもって見られている気すらします。

中国はまさに衆目の中でいかに経済をコントロールするか腐心しているのだと思いますが、あらゆる矛盾の中でつじつま合わせの世界が引き起こすであろう経済の「ボロ」を防ぐ特効薬はないでしょう。

そんな中、中国の中央銀行である中国人民銀行の周小川総裁が将来的に預金金利を自由化する考えを表明しました。理財商品と称する高利の投資商品が流行ったのは中国の預金利息が規制されていることも背景の一因といわれています。例えば定期預金なら今なら年3.3%までに制限されています。

中国人の気質はとにかく、より高いリターンを求める癖が強く、「偉い人」と知り合いになり「個室」で「一般にはお売りしていないのですが」という甘い言葉を聞けば絶対に自分だけ得するという気持ちになりやすいきらいが強いといえます。私も長年、中国の方といろいろな形で接してきましたが、この傾向は他の人種より圧倒的な特質であるといえましょう。それは貪欲ともいえるのですが、信じられるものは国家ではなく、財産という価値観の違いからも来ているかもしれません。

話を元に戻しますが、周総裁が預金金利の自由化を「できれば1−2年のうちに」と個人の考えを表明するまでに追い込まれているところにコトの緊張感がにじみ出ていると言えそうです。では、仮に金利自由化を行った場合、本当に理財商品はなくなるのでしょうか?

私はそんなことはなく、むしろ、銀行システムも揺るがす可能性がある様な気がしています。

中国は表向きと裏向きで違う顔を見せるわけで金利自由化などをすれば競合意識が働き、裏で「とんでもディール」が横行しかねない可能性すらあるのではないでしょうか?仮に銀行システムという顔を立てるなら顧客に「これは当行の関連会社が販売している○○という投資商品なのですが、こちらならお客様のご要望の利息にお応えできるかと」と結局理財商品との比較になる感じでしょう。結果としては預金利息を自由化しようとしまいと現状のつぎはぎだらけの経済にパッチがもう一枚加わるだけという気がします。

今回の騒動の火種は理財商品の一部のディフォルトと銅価格の急落でした。この二つの関連しあったスキームはある意味、貪欲の塊ともいえます。つまり、銅をUSドル建ての信用状をもって輸入、銅そのものはすぐに売却し、その資金で理財商品を買い、信用状と理財商品の金利の差抜きを行うというものだと理解しています。わかりにくいかもしれませんが、このスキームには二つの大きなリスクがあります。一つは購入した銅を売却する市場価格。次に理財商品の安全性。この両者が安定している限りにおいてこの挑発的スキームは成り立つのですが、往々にしてそれこそ「個室であなただけに」とささやいているうちはよいのですが、世界中の新聞にでかでかと載ってしまってはスキームもへったくれもあったものではありません。

挙句の果てに不健全な理財商品はディフォルトを、という声が正々堂々と出始めている今、逆に恐れるのは銅の国際価格の暴落かもしれません。但し、その暴落も一時的なもので止まるはずです。なぜならこのスキームが理財商品で使われたと思われるのはまだ半年程度ですから銅の理財関係の余剰積み上げはせいぜい1万5000トン程度と思われ、国際銅市場の需給関係を長期的に完全に狂わせるほどではないはずです。私はカナダで銅関連にも多少投資があるのですがそちらの市況は特に酷いということにはなっていません。

いずれにせよ、政府と中央銀行、投資家に事業家の四つ巴の化かし合いというか泥仕合は勝者なしで終わると思います。中国型経済に資本主義のフレーバーをはめ込むというのはシステムとして不整合が起きるということではないでしょうか?

では習近平国家主席。私は彼は賢いと思います。なぜならバブルが崩壊しても直接に影響を受けない一般の平民の人心をとらえる戦略に出ているのですから。中国の見方はここにキーが内包されていると思います。バブル崩壊するのは上辺だけでその国家再建に於いて第二の毛沢東的ポジションを確保するとすれば理にかないます。私の中国の読み方はこうではないかと思っております。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

中国の将来 その14

このタイトルをご覧になって多くの人は「試練がある」「もう持たない」「崩壊する」と即座に反応する方が多いかと思います。事実、私も以前、「オリンピック10年後の試練」という内容のブログを書かせていただきました。発展途上にある国家がオリンピックを開催した場合、その10年後あたりに大きな経済的歪みが生じるという事実がその根拠でした。東京オリンピックのオイル危機、ソウルオリンピックのアジア危機、モスクワオリンピックのソ連崩壊、アテネオリンピックのギリシャ危機といった具合です。ならば中国は2018年前後ということになります。

崩壊するというシナリオの理由はインフラ、ハコモノ投資を主体とした国家の成長には無理がある、ということかと思います。さらに中国経済の心配は実態がよく見えないところにあります。一般市民も分からないし、8000万人以上の共産党員も分からないのは一種の秘密主義が生み出した国家のあり方であります。結果として噂が噂を呼ぶのですが情報統制がいかに民にとって理不尽なことか外から見るとよく分かりものであります。日本でも戦時中の情報統制は後々ひどかった、ということが判明しました。

ところで中国が二層型経済を作り上げている中でどちらの目線で捉えるかによって崩壊のシナリオは変わってくるかもしれません。二層とは都市部で働く人と農村で働く人を考えております。今や、世界最大の格差を生んだ共産主義中国はイデオロギー的にはまったく、矛盾を生んでいるのですが、農村にいる民の所得水準を引き上げるというスタンスに立てば、中国にはまだまだ伸び代は残っているはずです。

中国で中流が増えたという報道はあくまでも都市生活者の中の話であり、農村組はまだ完全に取り残されているのであります。つまり、都市レベルでのバブルは崩壊してもおかしくないのですが、農村組まで入れるとまだまだ中国経済は伸びなくてはおかしいのであります。このあたりが崩壊する、しないのポイントのずれなのかもしれません。

バブル崩壊した場合、様々なシナリオが立てられると思います。中央政府が立て直しを図るメインシナリオからソ連のように割とすんなりと国家の体制変換が進む場合もあるし、国を割る戦いになるケースも考えられます。ロシアは多くの民族闘争を経て、独立国を承認してきました。中国共産党が倒れればその歴史を考えれば間違いなく民族闘争の動きは出てくるでしょう。その場合、大きな混乱と騒擾は避けられません。これが世界の秩序や経済にどれだけのインパクトがあるか考えると共産党が崩壊するシナリオはあって欲しくない最悪の選択肢であるともいえるのです。

理財商品が行き詰る日はさほど遠くないかもしれません。その場合、だれが損をするかといえば都市部の金に目がくらんだ中流層であり、まさにバブルの崩壊のシナリオそのものになります。ですが、これが何を意味するかといえば多くの都市生活者の中流層と共産党員が振り落とされ、ほんの一握りの幹部だけが生き残り、強権を振り回せる強大国家を誕生させることも可能であります。

アラブの春の背景は何だったでしょうか?ごく一部の権力者がその富を集中させたことにあります。中国では個人の富の蓄財と権力が最も重要なことでありますが、いかに他人より上に行くか、その激しい競争が繰り広げられるというのが私の見る中国の近未来です。

但し、そうなった場合、国は荒れるでしょう。ただでさえ大問題になっている環境負荷はさらに悪化することも大いにあり得ます。それでも富を築いたものは勝ち抜きゲームの勝利の美酒に酔うというまるで安物の歴史小説に出てくるようなシナリオすら見えてくるのです。

ではそのような試練が待ち構えていると分かっているならばどう対処すべきでしょうか?おのずと答えは出てくるはずです。上海出身の中国人の友人と飲んだ時、「中国のマネーは腰が据わっていない。理由は中国人が誰も中国の将来を信じていないからさ。そこに喜んで入ってくるのが日本のマネーだよ。」と言ったその言葉にすべてが凝縮されているような気がします。

明日、この続きをお送りしたいと思います。

今日のところはこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

薄熙来の行方4

中国、元重慶市トップの薄熙来被告の二審の判決が25日に言い渡されるようです。10中8,9、一審の判決とほぼ変わらない判決と見られています。理由は中国の裁判は裁判ではなく政治であるからです。太子党同志である習近平国家主席としては残念な思いもしているでしょうけれど不正を厳しく取り締まるという意味では正しい判断なのかもしれません。

ところで山崎豊子氏の「大地の子」は氏の代表的大作といっても過言ではないでしょう。中国残留孤児に焦点を当て、更に日中合弁の製鉄所建設をストーリーに絡ませ実によく出来た作品でした。この作品の裏には山崎豊子氏が8年もかけて中国を徹底的に調べ上げたという事実と共に山崎氏が執念で胡耀邦総書記との接見への道筋をつけたことが大きかったでしょう。胡耀邦総書記は山崎氏との会談を通じて外国人には見せなかった場所や施設へのアクセスを許可すると同時に多くの情報を与えることに同意しました。山崎氏は後に総書記との会談がなければこの小説は完成しなかったと書にまとめられています。

その胡耀邦氏は現代中国の父、というより中国の実権を握り続けていた小平氏に絶大なる信頼を得ていたものの山崎氏に中国で見せてはいけないものを許可するなどその行動については疑問視されていたかもしれません。そんな胡耀邦氏について「何より違った意見の人を許す面があり、小平はこれを「弱い」と問題視。更に86年からの学生運動があれだけ大きくなったのも胡耀邦が自由を与えすぎたからだと見ていた(エズラヴォーゲル ハーバード大学名誉教授)」という説明は一番フィットする気がします。

胡耀邦氏はそれが理由でその後、あえなく解任され失脚するのですが一方で小平はあれだけの国家、しかも文化大革命後の清算をするに際し冷徹さを見せ続けたことがその指導力に繋がっていると考えられています。つまり、習近平国家主席のとる薄熙来被告への態度もまさにこの冷徹な裁きこそが共産一党独裁主義を貫く基本であると見ることが出来るかもしれません。

一方で薄熙来被告に対してディールがあるとすればほかの大物共産党委員の収賄を裁判の時に公表するな、ということではなかったかと思います。薄熙来被告にしてみれば「何で俺だけ?」と思っているでしょう。だからこそ、裁判の判決について温情を含めた「その代わり…」というささやきは当初あったのかもしれません。しかし、ささやかれた「ディール」が約束どおりに実行される国だとも素直には取れません。そのあたりの反乱は25日の裁判の際、起こるのでしょうか?薄熙来被告が一審の直後、叫んでいたという部分は音が消され、画像は判らなくなっていますが、「裏切られた」という気持ちがそこにあるのならわずかな可能性ですが、「倍返し」があるかもしれません。

中国共産党が賄賂などの問題を通じて腐敗しているとされながらも表面は強面を貫き通すというスタイルは小平氏も習近平氏も同じかもしれません。この裁判を20年、50年後に歴史がどう説明するか、ある意味注目されるべき事例になるのではないでしょうか?少なくともいえるのは山崎豊子氏はそんな胡耀邦氏と出会えたからこそあの大作が出来たという幸運さを持っていたともいえるのでしょう。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

先読みも必要な中国経済4

数日前に中国シャドーバンキングについて、昨日も中韓蜜月時代という内容で書かせていただき、同様のトピが続いてしまいますが、この話題は今後、もっと大きく取り上げられる可能性があると感じますのでこの問題が日本にどう影響し、どう対応すればよいのか考えてみたいと思います。

6月30日の日経新聞にアメリカ投資家、ジム・チェイノス氏の中国経済の悲観論が紹介されています。かなりの極論を述べているようにも感じるのですが、私は思わずうなずいてしまうほどでしたのでやはり、何らかの経済的ショックはやってくるとみるべきです。

経済史を紐解いても一国の経済が絵に描いたように右肩上がりに上り詰めることは100%ないと断言してよいかと思います。日本の経済史でも近代に入ってから国を揺るがすような大規模な不況は数多く経験しています。アメリカでも主なものだけでも30年代大不況や2008年のリーマン・ショック、欧州もEUというシステムが出来てから欧州危機を経験し今だその病状からの回復過程にあります。アジア諸国でも韓国などを襲った97年のアジア危機は韓国人にしてみれば忘れられない悲劇でした。

一方、なぜ中国はこれほどまでにうまく機能しているのか、といえば共産主義であることが理由のひとつにあげられます。共産主義経済、特に計画経済の場合、経済が黎明期から中産階級が富を分かち合いはじめる初期段階では資本主義より高く早く経済発展します。これは歴史的にも裏づけされており、たとえばソ連は1930年の世界大不況の際でも高い経済成長率を保つことが出来たことで当時一躍脚光を浴びたのです。

但し、その高い経済成長率の裏側には搾取という共産主義の典型的副作用が癌のごとく国家経済を蝕んでいったのです。ここを持ちこたえるには軍備増強を伴う地球儀レベルでの支配力の強化しかないわけです。この結果、第二次世界大戦を経て冷戦時代の突入、東欧を含めたソ連経済の影響を力で示し続けたわけです。

さて、先述のチェイノス氏が指摘しているのは中国は日本のバブル時代と同じである、ということですが、私はむしろソ連と同じ道を歩んでいる、と見ています。ならば、今後、中華思想を背景にした膨張主義が跋扈する可能性はあります。

それともうひとつ、今の中国の銀行システムは国家という心臓を中心に回っているのだから倒産しないという神話が果たして本当なのか、という疑問です。今の高利回りを謳った理財商品において誰が損失負担者か不明瞭であるならば将来不慮の事態が生じた時、起こりえるのは不幸を被る個人マネーと「飛ばし」と「損失補てん」で企業の本当の状態がわからなくなる企業体質であるといえましょう。

そうはいえども中国は大きな市場であることには変わりありません。ならばどうするか、という点ですが、私ならアセットライトによる投資でいつでも撤退、ないし、全損になっても会社の屋台骨が揺らがないようなリスクヘッジをすることだと思います。アセットライトですから資産を中国国内に持たず、日本のノウハウを提供し、マネージメントフィーで儲けるスタイルに変えることは一つのアイディアではないかと思います。

誰も未来のことはわかりません。しかし、何が起きてもびっくりしない対策を練ることは企業や投資家にとっては当たり前すぎるほどの行動です。保険を買わない車を運転している気持ちを想像してみれば私の主張する言葉の意味がわかってもらえるかと思います。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

細心の注意が必要な中国への対応4

レーダー照射問題で安倍総理は遂に中国への謝罪要求へとステップアップしました。中国側は捏造という声明を出しているようですが、内容を見る限り、中国のフリゲート艦からの照射はほぼ間違いないとされている中、事実を認めない姿勢は日本への挑戦にしか見えません。

中国側の対応がいまいちなのはひとつには春節という中国の正月にかかっていること、もうひとつは3月に習体制に代わる端境期にあり、政治的に動きが取りにくいことが直接的な理由でしょうか?ただし、昨今の尖閣付近での挑発は日本側が平時であれば、それ以上の行動に出られないことを知っていてことでしょう。つまり、いじめっ子が喧嘩しない相手に「おまえ、俺を殴ってみろよ」といっているような感じだと思います。

ただし、安倍総理は今のところ、冷静な対応をしていると思います。つまり、売られた喧嘩に「何を!」と直接的にリングの上で戦うのではなく、レフェリーなどをうまく使いながら立ち回るスタイルです。

日本と中国の間の不幸のきっかけとなった1937年の盧溝橋事件は夜間演習の際、中国側、日本側、どちらが撃ったか、というところからスタートしています。中国とぶつかり合いになった場合、中国側は事実が歪曲され、情報統制されている国民に「これが正である」というニュースを流すわけですから国民はそれを信じる以外にないのです。それは仮に日本がどれだけ事実に基づく正しいことを述べても中国側の報道官の言葉ひとつで13億の民は右にも左にもなる、という極めて恐ろしい状況が根底に存在するのです。(もっともかつては日本もそうでしたが。)

しかも中国の体質は何年たっても変わっていません。自分が間違っているとか、不利になるようなことはまず認めることはない上に日本と中国の関係を考えた場合、中華思想上、日本、韓国は東夷ですが、韓国は同じ大陸にあることや歴史的つながりから小中華思想とされており、日本だけが野蛮であるという発想が根本に存在します。つまり、中国人にとって日本人が中国人の上に立つことは思想上、許されないことになってしまいせいぜい、対等か、琴線に触れないようにするのが妥当な対応の仕方ということになってしまうのです。

ですが、尖閣をめぐる中国側のこのところの挑発はいくら常識観とプライドを持つ国でも我慢の限界が近づいていることも事実です。欧米で日中間の小さな島をめぐる争いというのはそういう意味で実に大きな火種であると考えているのです。仮にも武力上の交錯が生じた場合、経済等にはその数倍、数十倍の反応が直ちに起きないともとも限らないわけでそういう意味では昨年秋の日系企業の苦しさも喉もとを過ぎれば、という状態にならなければ良いと願っております。

世の中、心配のネタは尽きないものですね。

今日はこのぐらいにしておきましょう。
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ではまた明日。

腐敗との戦いになる習体制の中国4

中国で習近平体制がスタートします。13億の民が共産主義にもかかわらず富のいびつな分配の結果、世界で有数の所得格差大国となってしまったかの国の運営はその修正をも含め容易ではありません。

特に重慶の薄熙来氏の賄賂を含めた解任劇、更には温家宝元首相一家の財産が2200億円もあったとすっぱ抜かれたことを踏まえれば中国の賄賂は尋常ではない状態にあると考えられます。習氏そのものもデベロッパーの林文鏡氏からインドネシア華僑、サリムグループの林紹良のラインが取りざたされており、広い顔があるとされています。そう考えれば共産党には足を向けて寝られないというのはこのことかと思います。

私が学生の頃、日本でも子供を私大の医学部に入れるには寄付金が数千万円などという話があり、別世界だと思いましたが中国は寄付金ではなく、袖の下として就職斡旋ですら600万円も700万円もかかるという話ですから権力者にはお金が自動的に溜まる仕組みが存在するということでしょう。ねずみ講の上納システムを思わず想像してしまいました。

事実、中国には共産党員が昨年末で8200万人、しかも一年で200万人以上も増えているようです。以前、あるところから耳にしたのですが、中国には1000万円以上の実収入がある人が日本の人口ぐらい居る、と聞いたことがあります。もしも全ての共産党員が一定の賄賂で数字に表れない財をなしているとしたらその話はあながちウソでもないのかもしれません。

では逆に賄賂好きの中国に於いて更正してクリーンな社会を作る、と習近平氏が唱えるとしたらそれは氏の失脚を早めるか、リップサービスに留まるかのどちらでしかないとみています。なぜならば、人口の6.5%も占める富裕共産党員の懐が突然寂しくなるようなことが起きれば皮肉なことに経済が止まってしまうことになるのです。日本のように「武士は食わねど高楊枝」といった清貧はありえないのであります。

先日も20/80の法則の話をしましたが中国では多分共産党員とその人たちと密接にビジネスをしている人たちが中国の80%のビジネスを動かしているようにも見えるのです。

習氏は2020年までに2010年に対して所得倍増計画なるものを発表しています。日本では1960年の池田勇人内閣でした。日本より50年遅れを取っていることになります。中国は確かに大都市を中心に物質的に豊かになりました。上海など行けば豊かさすら感じるときもありますが、人間は財やサービスが進化しても精神的な成長は世代を超えないことにはなかなか進みません。日本が先進的であるのは江戸時代から武士のみならず、庶民への教育が積極的であったことが開国後、あっという間に世界の中心国の一つのなることが出来た大きな理由の一つだと思っています。

中国では残念ながら文化大革命時に10年程度の足踏みをしてしまったことが遅れの最大の原因となっています。今後、先進国へのキャッチアップをはかるのなら都市と地方の格差是正、労働移動の自由を含めた底上げが最重要課題となるでしょう。一人当たりのGDPは6000ドルを越えてきたところですが、経済格差を考えればこの数字はそのまま受け取れません。平均ではなくいわゆるミディアン(中央値)を捉えればとんでもない数字が出てくるとはずです。

もう一つはオリンピック10年目のジンクス。多くの国が経験した大きなハードルは2018年ということになります。習体制の中国は世界経済に大きな影響を及ぼします。今後の政策運営から目が離せません。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

中国レアアース取引規制の失態4

中国のレアアース(希土類)最大手、内蒙古包鋼稀土高科技が出荷を停止したと日経が報じておりました。日本のテレビニュースでもカバーしていました。レアアースといえば昨年、日中関係が悪くなった際、中国側が報復でレアアースの出荷を政治的に抑え込み日本のハイテク産業にダメージを与えようとしたものです。

ところが日本企業は必死で代替品や効率の向上を図ると共に市場価格が急騰したため、世界のあちらこちらでレアアースの再開発がスタートしました。結果として市場価格はモノによってはピークから7割も安くなるなど市場原理が完全に歪められ、最大手の企業ですら出荷停止という事態になった模様です。

当時中国政府はレアアースはレアな資源だから大事に使うためにも輸出制限をすると述べたのに対して実際には裏取引で相当流れたとも言われています。テレビでそのシーンを映しているものもありました。それは政府が政策的に輸出を抑えることで市場価格は上昇し、一方で儲けたいと思う関係者は高値で裏取引に応じるという構図でしょう。

中国は本気で輸出制限をするのであれば完全なる対策を打つべきでした。ところが誤算は流出。更に日本が余りにも速いスピードで代替品を確保したり開発したことがあると思います。

ダイヤモンドや金の採掘現場では現地労働者がダイヤや金をくすねないよう、大変なセキュリティをかけるとされています。私が勤めていた建設会社がブラジルで金の採掘をしていた頃、アマゾンの奥地だから誰も持ち逃げできない状態になっていても身体検査などあらゆる対策をとったと聞いたことがあります。しかしジャングルの中で働くツワモノ、それならと事務所を襲撃を企てられたこともあるとか。

結局中国におけるレアアースはダイヤや金と同じような価値を持っていたわけですから裏で流せればいくらでも懐が暖まる仕組みが存在していたということになります。

結局この事件、誰に落ち度があったかといえば中国政府以外の何者でもありません。WHOにまで提訴され、市場価格のコントロールにも失敗しました。

ところでアメリカのニュースに中国の統計はまったく信用ならないという記事が出ていました。GDPの伸びに対して電気の消費量が合わないなどさまざまな統計を組み合わせると矛盾が生じ、著者は実質的にはほとんど成長していないのではないか、と指摘していました。

国土が広く、13億の民を抱え、民族問題もあり、共産党内の派閥問題もある中で全国土を統一し、共産党体制で縛り込むのは骨が折れると思います。その中で指示系統は横との関係が薄くなり決められた指示に従うという組織の硬直化が起きているような気がいたします。これは国家が成長するにおいて軋轢やゆがみが生じやすくなるものです。

習近平国家主席の体制になった時点で内需刺激を含めた大掛かりな政策を発表するのではないかと噂されています。事実、現体制下ではリーマンショック後に行われたような大規模な対策はもうやらないと断言しております。内需刺激も重要ですが、中国が国家として成長し続けるためには連邦制等通じた権限委譲と大胆な組織改変をもって対応しないと東南アジア等の新新興国に追いつかれて、追い越される可能性は大いにあると思います。

新体制の展開に期待したいと思います。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。
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