外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

政治一般

アメリカ大統領選、民主党が不利とみるその理由4

アメリカでは食事の席では政治の話をするな、と教えられます。若い頃、何度もアメリカに行きながらなぜ、ダメなのか、ルールとして知っていても理屈が分からなかったのですが、それは日本の政治を基準に考えていたからでしょう。

アメリカのように二大政党が拮抗した関係になるとたとえ友人やビジネス関係者同士が心地よい懇談をしていても政治を通じた主義主張の話になるとあたかも積年の反目となるほど醜いものになり、収拾がつかなくなるというわけです。

その中で保守的な共和党は、united statesを目指しています。つまり州ごとにつながることに価値の重きを置き、One Countryを目指します。一方、民主党は移民国家という背景での出自、格差と主義主張が入り乱れ、結果として個人主義となった人々のボイスを受け入れることに主眼を置きます。これはun-united な国家を財政支援などを通じてwrapする(包み込む)わけで私に言わせればwrapping states であり、違う国家意識になってしまいます。

エリザベス ウォーレン女史の主義主張はもともと過激であったのですが、最近その過激さに磨きがかかってきたように感じます。なぜか?それは彼女が民主党候補のトップクラスの支持率を誇る中で自分を際立たせようとするあまり、より刺激的で強烈なボイスを上げることで一部の熱狂的ファンを狂喜乱舞させているからでしょう。ところが彼女はより中道的な支持者がそこからこぼれ落ちてきていることに気がついていないようです。その証拠として一時期落ち込んだバイデン氏の人気が再び上がってきています。

ウォーレン氏が人気のトップに立っていた時、民主党幹部の一部から懸念の声が出ていました。「彼女では勝てない。誰かもっと強力な人を押し出すべきだ」と。そして名が挙がったのがクリントン女史とマイケル ブルームバーグ氏であります。

元ニューヨーク市長のブルームバーグ氏は出馬しないと今年の春に断言していますし、クリントン氏もトランプ氏との再度の対決に向けた準備は十分ではないと思います。(ただし、直近ではブルームバーグ氏に気持ちの変化があるような報道もあります。)そんなビックネームを持ってこないとこの勝負は勝ち抜けないと冷静な民主党幹部は考えているのです。

日経に「分断のアメリカ」とあります。一部の州で独立運動が展開されているというのです。これは州内でも都市部や農村部など地域により価値観の相違や格差があり、その考え方の相違を州内の住民同士が甘受できないというわけです。概ね、そのような分断社会は民主党基盤の場合が多いのですが、分断が共和党を利することは言うまでもありません。

私が懸念するのはun-united な国家が生まれたとき、不幸になるのは誰なのか、という点であります。この問題はアメリカに限らず、欧米各国で広がります。例えば先日総選挙があったカナダ。勝利したのは中道左派の自由党ですが、州ごとの議席数を見ると中部カナダから西端のBC州までは保守党が圧倒しています。特にアルバータを含むカナダ中部のすべての州では自由党は1議席も取れなかったのです。一方、大都市圏であるオンタリオ州では圧倒的議席数を確保、東部カナダも自由党が抑えたことで選挙には勝利しています。この色具合はカナダが地域的に完全に分断しているといえ、数日前の当地の新聞には「独立運動の機運も」と報じられているのです。ドイツで持ち上がる分断話もそうですが、こんなことが欧米で当たり前のように起きつつあるのです。

ここBC州。来年1月から健康保険料がなくなります。でも医療は無料で受けられます。これはBC州が中道左派政権であり、広く薄く課金するものは撤廃しているからです。例えば有料道路の通行料も政権交代後に直ちに無料になりました。でも求められている新しい橋やインフラは一つもできていません。慢性的渋滞や北米で最も高いガソリン代を払わざるを得ない市民はどちらが得だと考えているのでしょうか?

民主系政党はばら撒き党ともいわれます。なぜ、私の健康保険料、それもたかが月々7000円程度を免除しなくてはいけないのかわからないのです。私には払う能力があります。いや、払うべきです。でも政府はいらないというのです。おかしいでしょう?

民主的概念は美しいのですが、実務に当てはめるとどうもおかしなことがたくさんあります。そしてそれに対して妙にイデオロギー的な抵抗心を見せるのです。保守党はそこまで頑なではありません。私は強面な民主党の仮面がこの1年で剥がされれば剥がされるほど民主党の勝ち目はないとみています。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

カナダ総選挙にみたもの4

日本国内では即位礼正殿の儀が注目されていましたが、カナダでは注目の総選挙が行われました。結果はジャスティン トルドー氏率いる中道左派、自由党が過半数には届かないものの勝利し、トルドー氏が二期目の首相を務めることになりました。

今回の選挙の注目点はいくつかありますが、まずトルドー氏47歳と対抗馬の保守党党首、シーア氏40歳の戦いだった点が興味深いと思います。40代同士の戦いはなかなかないもので、カナダが若い人に権限移譲するスタンスが見てとれます。

これはカナダが人口の1%を毎年移民として受け入れるというアメリカよりより強い移民導入策を持っており、比較的若い移民が流入していることが要因の一つではないかと考えています。通常の移民の要件はカナダに経済的便益をもたらすことを求められており、当然ながら現役層で将来有望な人が主体となります。(典型的な移民手段としては当地大学を留学生として卒業し、自動的に与えられるポスト グラデュエーション ビザで3年ほど働き、その間に移民権を申請するケースが目立ちます。)

次にトルドー氏の様々な醜聞にもかかわらず自由党が157席と保守党の121席に大差をつけたことには正直驚いています。世論調査ではかなりの接戦で選挙前日あたりでも「コイン トスのような情勢」(TD Economics)と分析されるほどでした。事後の分析をするならば自由党の明白で受けの良い政策に対して保守党が何をどうしたいかはっきり打ち出せなかったことで国民の心に響かなかった点で消去法的選択だったように感じています。

なぜ、保守人気が出なかったかといえばトランプ大統領の間接的影響があるとみています。実はカナダはアメリカに対して心の底ではかなり冷たい意識を持っています。いわゆる反面教師的なところが歴史的にあり、その中でトランプ氏のような保守アメリカへの反発心があったのではないかと考えています。例えば、カナダで行われたサミットでトルドー氏の議長宣言をシンガポールに行く飛行機で聞いたトランプ大統領が袖にした一件がありました。あれはカナダ国民にアメリカへの冷たい意識を明白に打ち出させたようなものでした。

では過半数の170議席を取れなかった今後の政権運営はどうするのか、ですが、これもカナダらしいのですが、一応、野党、新民主党(24議席)や緑の党(3議席)にある程度接近するとは思いますが、積極的なアライアンスはしないとみられています。つまり連立政権にしないということです。現状の分析では議会運営は案件ごとに検討するだろう、とあり、政党政治の党利党略ではなく、より国民の声に沿った運営を目指すと見られています。

考えてみればアメリカは二大政党でどちらかしかなく、ねじれれば法案などが通りにくくなる仕組みです。ところが、過半を取らない自由党が政権運営をするにあたり、法案可決が妥当と判断できれば野党の賛意は取れると考えればそれは誰のための政治なのか、より明白であるとも言えます。

ただし、ドラスティックな政権運営はできません。個人的に予想されるのはとても良い国だけれど社会的変化は非常に緩慢でまるで「大河が流れるがごとく」という状態になるとみています。

個人的には半年ぐらい前から「政権交代あり」と見ていたので予想は完全に外れました。トルドー氏の数々の失敗を国民が許したのはハンサムで憎めない性格だからなのでしょうか?そうだとすればカナダ人はとても優しい国民性だということを改めて裏付けたように感じます。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

ミーイズムと民主主義4

この10年、若い人たちの生き方や考え方の変化にやや驚きをもつことがあります。いわゆるミーイズム(自己中心主義)の復活であります。ミーイズムの原型は70年代のアメリカあたりが発祥ともいわれていますが、私は時代ごとに形を変えながらも人間の本質に迫るべくミーイズム、つまり自己満足の追及があったと考えています。

先進国を中心に物質的欲望が満たされた国々では次に精神的満足感を求めるようになります。例えば我々の消費がモノからサービスに移ってきていることが挙げられます。街中にはマッサージ店が急増し、専門的な分野を売りとする町医者も増えてきました。これは健康を個人の満足度から追及する一環でしょうか。イベント会場はますます大盛り上がりですし、インスタ映えするところに行ってみたいという自己満足充足の意思はますます強くなります。

近年のミーイズムの特徴として承認要求をSNSを通じて求めている点に特徴があると思います。つまり「俺は、私は、こんな人」ということを公開した上で自分に共感を求めるコアな人だけを取捨選択するのです。なぜ、取捨選択するのか、といえば批判されることを恐れるから、と申し上げましょう。

冒頭、私が若い人たちの生き方や考え方に驚きがあると申し上げたのはこの「心地よい部分」に囲まれて育ってきた人たちが増えている点ではないでしょうか?怒られたことがない世代とも言えます。

今の時代、親が子を躾けるにもちょっとしたことでグレー扱いされてしまいます。子供は親や学校の先生からも社会からも叱られることを経験しないまま、大人になり、社会人になった時、自分とウマの合わない組織に入り、もがき苦しむことになります。ストレスを溜める若者たちのもう一つの理由は社会適応への耐性が十分ではない点があり得ると思います。

東京に滞在していた時、ある居酒屋で10数名の若手の社会人グループが大騒ぎでグダグダに酔っ払い、皆で日本酒を一気飲みしていました。ほかの客もうんざり顔でどんどん帰っていきます。店の人は困ったという顔をしながらも追加の日本酒のオーダーを普通に受けています。たまりかねた私がリーダーっぽい人に「ここは公共の店で君たちの貸し切りではない。社会人ならもっと大人になりなさい」と一喝を入れました。中には食って掛かる人もいたのですが、リーダーらしき人が申し訳ないと謝りその場は収まりました。要はこういう輩を店側も含め、誰も注意できず、何かあれば警察を呼べばいいという短絡的な社会を見事に反映したケースでした。

自分は弱者だという切り口をSNSで投稿すればたちまち「私はあなたの味方です」という賛同の声が上がり、それが徐々に大きくなり、一つの集団を作る、というのが私の分析です。そして仲間に入るには一気飲みを断れないしきたりがあるのも現代社会の病むところであります。上記のグループに苦しそうに日本酒を瓶からラッパ飲みしている人もいたのです。その心理はどんなものなのでしょう。

アメリカの民主党で大統領候補が乱立気味になっているのは主義主張がバラバラだけど反トランプという点だけで一致した集団であるとみています。日本の野党も存在感すら明白に出せないのは野党同士がバラバラでなんだかよくわからないからであります。かつて日本にも二大政党を、と息巻いていたことがあり野党は選挙のたびに大連立を図るもうまくいったためしがないのはこれが背景なのだろうと感じています。つまりミーイズムの集団化であります。

これらを民主主義という言葉に置き換えるのが現代の特徴でもありますが、果たして本当にそれが正しい意味での民主主義なのか、一歩下がって考えてみてもよい気がします。

では今日はこのぐらいで。

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エリザベスウォーレン氏の大統領の目4

アメリカ大統領選挙が1年ちょっとと迫ってきた中で民主党候補者の動きに注目が集まります。大統領選出馬表明者が20名近くいる中、現時点ではトップ3名にスポットライトが当たります。ジョーバイデン、バーニーサンダース、そしてエリザベスウォーレンであります。今日は民主党から大統領を出す目はあるのか、ウォーレン氏の可能性はあるのか考えてみたいと思います。

アメリカは二大政党で中道左派の民主党と中道右派の共和党がつばぜり合いをします。大統領も概ねそれぞれの党から交互に出てくることが多く、戦後だけ見れば民主から6人、共和から7人となります。これを少し乱暴に分類すれば戦後直後は民主、50年代は共和、ベトナム戦争の60年代は民主、70年代はおおむね共和で後半に民主、80年代は共和で90年代は民主、2000年代以降は五分五分の戦いとなっています。

基本的に経済動向とリンクしているともいえ、概ねアメリカ経済が好調な時は共和から、世界景気や世の中の不和(含むベトナム戦争)の時は民主が優勢になりやすい傾向があります。(あるいは共和が世界経済を盛り立てるという表現もできると思います。)それでも二大政党が拮抗した状態であるのは現在ですら上院、下院の議席がねじれ状態にある点でもお分かりいただけると思います。

よって次期大統領選の予想にはまず、今後1年間の対外環境を概観する必要があります。アメリカの景気は既に景気拡大期が11年目となり「出来すぎ」の状態になっています。通常の経済学ではなかなか説明しにくいのですが、景気の振幅が以前ほどでなく成熟した国家故のなだらかな景気になっていると考えるべきなのでしょう。日本も同様です。

とすればこの先1年、アメリカが景気を大きく崩す要因は国内に求めるのは難しく、対外的要因や戦争、天変地異という予想不能な事態が発生すること以外にありません。ではトランプ大統領は戦争が好きか、といえばNOです。彼はビジネスマンであり、ディールを好むゲーマーであり、戦争を好む男ではない点がブッシュ父子との大きな違いです。

ここから類推すれば社会環境は共和党に利することになります。

では民主党の3候補です。まず、サンダース氏ですが、個人的には可能性はほとんどないと考えています。理由は彼の主義主張ではなく年齢と健康状態です。現在78歳、80歳代の大統領をアメリカが求めるのか、という点と最近、動脈閉鎖の治療を受けるため選挙活動を一時休んでいたこともあり、大統領の激務をこなすという点では現実的ではないとみています。

次にバイデン氏ですが、ウクライナ問題でトランプ氏弾劾という報道もありますがトランプ氏が弾劾されることは新事実がない限り100%あり得ません。むしろ、バイデンの息子がウクライナのみならず、中国企業の取締役を務め高額の報酬を得ていたことも明るみになっておりバイデン氏が民主党の支持層にはふさわしくない汚点となっています。

こうなると前回ガラスの天井を破れなかったクリントン氏の雪辱をウォーレン氏に託す可能性は大いにあるでしょう。ではウォーレン氏が本当にふさわしいでしょうか?最大のネックは彼女が大学の教授というキャリアであることです。しかもハーバードロースクールであります。

弁護士と学者ほど融通が利かない人はいないと言われます。自身の信条が極めて明白な自己論理の中で完結しているためであります。トランプ氏がディール巧者であるとすればウォーレン氏はどうやって自身に落としどころを求めていくのかと考えるとずばり理想主義者ウォーレン大統領の世界ではアメリカは何もできなくなることが想定できるのではないでしょうか?

しかも彼女の公約はとてつもないものばかりです。ハイテク企業分割、国民皆保険、シェール採掘禁止、最低賃金2倍、富裕者向け課税引き上げ…と世論で大きな議論を巻き起こすものばかりであります。むしろ、アメリカ国民に問いたいのは「今日の生活と明日の生活がすっかり変わってよいのかね」ということであります。大半の人はNOと答えるでしょう。なぜなら今の景気は悪くないし、トランプ氏は嫌いでもトランプ氏はこのところ外交問題が主体になっているのであまり気にされなくなっているからです。

二大政党が真逆の政策を打ち立てる時代は私から見ると時代錯誤のような気がします。ウォーレン氏がもっとトランプ政策の穴を埋めるような主義主張、つまり、より中道なポジションを取れば彼女が当選する可能性は出てきます。しかし、それでは今まで彼女を支持してきた人たちには大いなる失望でしょう。

アメリカの二大政党のそれぞれの主張は国民の深層心理に対して理想論に突っ走るところが大きく、これが離反する人を増殖し、無党派が増えることになります。政治家は国民から遊離してはいけないのですが、ここがどうも抑えられてないように感じます。純粋にアメリカを幸せにできるのか、統治できるのという観点からするとウォーレン氏の目は今のままでは無理ではないかと感じます。

では今日はこのぐらいで。

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トランプ氏弾劾調査と大統領選挙4

アメリカの大統領選挙が意識され始めたこの時期、やっぱりというか、もうこの段階で戦いの火ぶたが切って落とされた、そんな感じがします。

アメリカ下院議長で民主党のナンシー ペロシ氏は民主党の重鎮で今年79歳。バラバラになりつつある民主党の中ではある意味、かなり安定感を持った党の顔的な存在であります。当然ながら大統領選挙に向けてペロシ氏の果たす役割も大いにあるわけで彼女はトランプ大統領をどう切り崩すか、そちらに精力を傾けます。

今回、報道されたトランプ大統領弾劾調査開始とは既報の通りですが、念のためおさらいします。民主党の元副大統領、バイデン氏が副大統領時代にウクライナのガス会社に勤める次男を守るためにそのガス会社を調査しようとしていた検事総長を解任しようと画策したのではないか、という疑惑が生まれます。トランプ氏はこれをネタにウクライナの大統領に270億円相当の支援協力金を出し渋ったのではないか、という二つの疑惑がからまった小説のような話であります。

トランプ大統領は俺がウクライナ大統領と交信した記録はオープンにしてやると息巻いており、疑惑解消に努めています。一方、ペロシ議長はこんなことで民主党の有力大統領候補の芽がつぶされてはたまらないと大統領の行為を違法とし、大統領弾劾の調査をするとこちらも盛り上がっているのであります。

個人的な見解ですが、これはトランプ氏が有利だと思われます。一つにはバイデン氏の情報がアメリカの諜報部門から上がってきている点です。アメリカの諜報能力は優れており、これをバイデン氏なりペロシ氏が反論できるかどうか私に微妙に感じるのです。

もう一点はペロシ氏の今回の異様な盛り上がり方こそがバイデン氏の不正行為を裏付ける形にすら見える点でしょうか?逆に言えば民主党は他に人がいないのか、ということになります。

三番目に挙げられる可能性としてはバイデン氏が民主党の大統領候補から滑り落ちると大統領候補の目玉が居なくなり、大混戦が予想され、圧倒的知名度と一定の実績を積んだトランプ大統領に対抗できなくなるリスクがある点でしょう。

事実、バイデン氏の今回の疑惑問題とは別に既に一部地域でバイデン氏の人気に陰りが出ている点が指摘されています。アイオワ州の世論調査ではエリザベス ウォーレン氏がバイデン氏をわずかながらリードしたと報じられています。ウォーレン議員はGAFA解体論者の筆頭候補であり、仮に彼女が大統領になろうものならアメリカの代表的IT企業は分割、解体のリスクにさらされます。

ご記憶にある方もいらっしゃるでしょうが、マイクロソフト社が一時期分割案で揺れ動いたことがあります。圧倒的な強みが故に恨みを買ったのです。同社はその後、その司法の戦いにこそ勝ったものの会社としての活力は一時期、完全に失われ、復活に十数年を要しています。つまり、ウォーレン議員がやろうとしていることはかつてのマイクロソフト問題を一社のみならず、GAFA全体で行おうというとんでもない話であり、仮にそれがどれだけ世論の支持があったとしてもアメリカ経済に与える打撃は計り知れないものになるのです。

ところで最近、カリスマ的地位にある人に火の粉がかかっているケースが目立っています。トランプ氏のみならず、英国のジョンソン首相は議会閉会が違法と裁判所から判断が下され、同氏の戦略はすべて覆される状況になっています。WeWorkのニューマンCEOもそのカリスマ性故の圧倒的知名度を誇っていましたが、ソフトバンクからのCEO引きずりおろし作戦であえなく「降臨」しました。

何事もやりすぎは禁物、ということなのでしょうか?

少なくとも今回の弾劾調査はトランプ大統領がかつて乗り越えてきた数々のゴシップに比べればはるかにたやすい問題に見えます。むしろ、ペロシ氏の焦りばかりが強調されるそんな戦いであります。まだ大統領選は長丁場で入り口にも来ていません。こういう状況を見ると民主党の戦略と勢いにどうしても疑問を感じないわけにはいきません。

他人事ながら選挙はもう少し面白いものになってほしいと思っています。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう

イスラエル選挙とトランプ大統領の賞味期限4

トランプ大統領が最近吠えず、物わかりの良い普通の大統領になった気がするという趣旨のことを呟いておりました。悪い表現ですが、賞味期限という例えで見るとどうなるのでしょうか?

トランプ氏が大統領に就任した時、その思想や振る舞いから「アメリカを二分する」と大騒ぎになりました。数々の過去のスキャンダラスな話が暴露され、トランプ氏はそれを打ち消す一方で、強引な対抗手段に出ました。メディアを縛り上げ、自分でツィッターを通じて直接国民と対話するという方法を取ったのです。

その間、トランプ氏は持ち前のビジネスマンとしての才覚を最大限利用し、多国間交渉ではなく、個別交渉を通じてアメリカに有利な改正を進めてきました。NAFTA(現USMCA)や韓国とのFTAはその一例でしょう。日本との関係ではCPTPP(TPP11)から離脱し、来月にも二国間貿易交渉が締結されることでTPP並みの条件となりそうです。

経済では減税措置を行い、アメリカの消費、および株式市場を活況にしたもののそのクスリが切れつつあり、FRBに大幅な利下げをすべきだと「外野の『ベンチ』からFRBの選手にヤジを飛ばす」ような状態が続いています。

国際協定関係ではTPP以外に地球温暖化対策のパリ協定やユネスコ(国連教育科学文化機関)からも離脱しています。WTO(世界貿易機関)の紛争処理にかかる委員は枠7名に対して現在3名しか委員がおらずそのうち2名が12月までに任期切れしますが、トランプ大統領がWTOに全くの信認を置いておらず、委員を出せなくなる公算が高く、こちらも間もなく機能不全になると見られています。

こうみると世界の枠組みをすっかり変えてきたのですが、彼のパワーにやや陰りが見えてきたのが外交問題です。中国との通商戦争で想定外の長期戦になっていること、北朝鮮問題はほとんど進展してないこと、イランとの今後の展開のビジョンが見えないこと、ベネズエラの対策も中途半端、盟友英国はわんぱくなジョンソン首相となり、ややてこずり感があること、メルケル、マクロン両氏との距離感も明白になっています。

そんな中、イスラエルはトランプ氏にとって最大の拠り所の一つであったはずで、その首相、ネタニヤフ氏とは非常に近い関係とされました。アメリカは今回のイスラエルのやり直し選挙が終わった段階でネタニヤフ氏と共に中東政策と和平案を提示する予定でしたが、その選挙はネタニヤフ氏にとってほぼ敗北に近く、組閣にネタニヤフ氏が指名されない公算が出てきています。(イスラエルは組閣を大統領が命じます。)仮にそうなれば対イラン政策を含め、大幅な方向転換を余儀なくさせられることになります。

ところで私の見るトランプ氏の弱みとは「長期戦」であります。いや、アメリカが苦手とするのが「長期戦」と申し上げてよいでしょう。多分、短期志向が強いのがアメリカ人の気質と本質であり、粘りに粘られると案外音を上げやすい傾向が見て取れます。ベトナム戦争やアフガン、イラクなどの派兵でも大変苦しんだのは知力と体力と資金力の一発勝負ではなく、泥沼だからであります。

どんな人にも賞味期限があります。その賞味期限は注目度が高ければ高いほど鮮度が重視(=短命)されるのは時間が経てば相手が対策を取ってくることで厳しい防衛策を取らざるを得ず、人間としての精神力が維持しにくくなることは一つあるのでしょう。その点、トランプ大統領は非常に強い意志を持っており、少なくとも国内ではその力をまだ発揮できるとみていますが、世界のすべてをコントロールできるわけでもありません。イスラエルのように選挙での敗北となれば大きく戦略を見直さざるを得ず、トランプ氏としては耐え難いことなのだろうと思います。

そこに持ってきて2020年の大統領選がそろそろ視野に入るころで保身的対策もしなくてはいけないでしょう。広げた風呂敷にどうお土産を包んで国民にその成果を報告するか、重要な局面を迎えていくことになりそうです。ただ、対抗する民主党に絶対的な候補がいないことから逆にトランプ氏を国民がどうリードしていくのか、代わり映えしないトランプ節ではなく、アメリカ世論がどう反応するかに視点を合わせるほうが面白いのかもしれません。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

分裂する左派、まとまる右派4

アメリカの2020年大統領選を控え、約5か月後に迫る予備選に向けてこれからメディアも忙しくなるでしょう。そんな中、数日前にはスターバックスの元CEO、ハワードシュルツ氏が大統領選に独立系候補としての出馬することを断念すると発表しました。

さて、右派である共和党はトランプ大統領がそのまま突っ走る公算が高いのですが、左派である民主党は既に7名取りやめたのにまだ20名も大統領選に出馬表明している候補者が残っています。下馬評で圧倒的存在感を示すはずだったジョーバイデン元副大統領が全体の中に埋もれがちで現時点で絶対的候補がいないのはなぜなのでしょうか?

アメリカの左派の動きを見ながら日本も含めて左派が分裂しやすいその傾向を探ります。

今回、アメリカ民主党の候補者は正直、「老若男女」という表現が一番しっくりくるかもしれません。サンダース氏は78歳、バイデン氏は76歳、一方37歳と38歳の候補者もいます。主義主張もバラバラ、民主や人権という名が必ずしも一体化していない現実を見せつけているようです。

もう一つ感じるのはヒラリークリントン氏への否定でしょうか?「ヒラリー、お願いだから邪魔しないでくれ」というのが民主党の中にある声であります。その背景の理由の一つは民主党や女性の間で話題になっている「#MeToo(私も!)」にあります。ハッシュタグが盛り上がっていた最中、あるインタビューでヒラリーが旦那のビル クリントン氏の過去の過ちをかばったことで多くの女性の失望を買ったというものです。個人的には妻が旦那をかばうのは自然であり、それを一方的に非難する社会は自分の狭い主張を強行に推し進める我の強さを感じます。

候補者のタイプも白人から非白人系まで様々。同性愛主義者、社会主義者、メキシコ系、アフリカ系、台湾系二世までいます。このような形は移民の権利と存在感をより尊重するカナダの国民性に似てきているともいえます。かつてアメリカは移民国家であるにも関わらず、移住したら「アメリカン」という強いステートメントがありました。これを「メルトポット文化」と捉えることもでき、どこから来ても移民した瞬間、人格はアメリカ人に変貌することを強みとしていました。

ところがカナダは「モザイク文化」と称され、モザイクの一つひとつの窓枠にそれぞれの移民の立場や地位があり、他のモザイクの民族がそれを尊重するところに最大の相違があります。これは学術的にもそのように研究されています。その結果、カナダは一般にはまとまりがない国ともされており、人と人のつながりがアメリカに比べて薄いのであります。(それゆえ、カナダは世界でもっとも友人を作りにくい国のひとつという研究もあります。)

そのアメリカの左派、民主党が目指すのはカナダ型のモザイク社会だとすれば大統領候補を絞り込むことは難しいでしょう。なぜなら一点突破の主張も多く、妥協することは意味をなさないことになるからです。

左派がなぜ分裂するか、といえば個人個人の不満を社会を通じて改善するにもその検討対象は無数にあるためどこに的を絞り込んだらよいのかわからないところにあるからではないでしょうか?

例えば日本でも原発反対、NHK受信料支払いたくない、安倍首相嫌い、沖縄は虐げられている、生活が苦しい、女性の社会進出は十分ではない、子育てにやさしくない…など掲げていけばいくらでもあります。もちろん、これらは左派だけの問題ではありませんが、左派に多い傾向があるとすれば、全部合わせても最大公約数が少ないところに難しさがあるのです。

かつての左派とは非常に切り口が簡単明瞭でありました。労働者や非雇用者が労働の改善を求めるところに集約されていました。今、組合、ストライキ、賃上げ交渉で盛り上がる時代ではありません。左派だった方々の多くの生活はそれなりに向上し、それらの人々は次のレベルの要求に向かっているのですが、そこに個性が生まれた、ということなのだと理解しています。

いみじくも大統領選の立候補から辞退したハワード シュルツ氏が「最近(民主党が)過度に左派に傾きつつある」と意見しているのは主義主張が過激で深度が増した、という意味合いだと思います。「絶対に譲れない」という強い信念とそれを支える集団がSNSなどを通じて強くボイスアウトすることで民主という名のもと、様々な異種を社会に醸成し、時として妥協を許さないことがおこりつつあるのかもしれません。

同じことは日本の野党にも言えるわけでいつまでも意見が統一されないのはそれぞれのグループや党が協調できない立場に自分を追い込んでしまったからではないでしょうか?韓国だってそうでしょう。

こう見ると案外、社会の分断とは案外、左派から生まれやすいのかもしれません。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。
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