外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

グルーポン

スモールビジネスマーケティング4

ネットで大々的に広告を出している会社を見て自分達もそれを踏襲することで大きくなれる、と思っているスモールビジネス経営者はいらっしゃるでしょう。確かに自社商品を売ったりサービスの提供を宣伝するのにさまざまな広告媒体を考えた場合、ネットが手っ取り早いと考えがちです。

今日はこの辺を考えて見ましょう。

僕のクライアントさんは最近三店目のスパを出店しました。このお店のダウンタウンにある二店目がグルーポンの割引を通じて一定の成果があったと僕に嬉しそうに報告してくれたのは今から一年以上前。そして今回の三店目のロケーションはお金持ちでコンサバ、比較的年齢層の高い人が住むエリア。そこではネットやグルーポンの効果はほとんどなかったと述べています。

一方でその三店目は小さいながらもとても順調にビジネスが推移していると。グルーポンの効果ではなくて何処が違うのか聞いたところ、ズバリ、「人々の噂」。体に直接タッチするスパのようなビジネスはまずはその評判が第一義にあるようです。ということはお得なディールだといって飛びつく若い人もいるかもしれませんが、本当のリピーターになるような人は「確かなサービス、そして満足したよ」という知り合いの声だというのです。

ではツィッターのようなものを使えばいいじゃないか、とネット主義者は仰るでしょう。しかし、一定年齢になるとツィッターの利用者は減ります。統計はちょっと古いのですがグーグル統計によると2009年6月で35-44歳の利用率が42%に対し、45-54歳は18%です。(正直、この統計の数字も僕は何処まで信頼できるかわかりませんが。)

結果としてビジネスの種類によっては信頼を勝ち得るために一定時間をかけることは不可避であるような気もします。

同じことはクリーニング屋や美容室にも言えます。価格が安いからと飛びつきにくいのがこのビジネスだと思います。それは今使っているところに一定の満足をしている人にとっては値段では買えない安心がそこにはあるからです。しかも年齢が高くなったり、忙しい人ほど変えるリスクは取らなくなる傾向が強くなるようです。

もちろん、日本のように激しい価格競争、そして、不景気の中、価格重視の傾向が強い場合にはマーケティングによる強いメッセージを打ち出すことで顧客をごっそり動かすことは可能なのだと思いますが、カナダは比較的コンサバで金額至上主義ではないこともあり、値段でつられる場合と釣られない場合があるようです。

となれば、マーケティングの仕方もそのターゲットマーケットを十分認識し、どのエリアの顧客、そのタイプの顧客を取り込みたいのか、まず、己を知り、その上で最適な広告を行うことが重要ではないかと思います。

僕が住宅開発事業をしていた際には「口コミ」で良い噂を広げる「広告塔」なる顧客をつかみ、物件のイメージを作り上げることに注力しました。結果としてあとは何もしないでも住宅が売れる、という自動販売のスタイルを築き上げたのです。多少古い話ですが、僕が開発した集合住宅(コンドミニアムタワー)の最終期の販売ではただの一度も広告を打ちませんでした。すべて「口コミ」販売で約40億円相当を4ヶ月で完売したのです。

マーケティングはお金をかけて広告を打つことに意味があるわけではありません。最大効率で自分のエキスになる方法で安定した売り上げ上昇を図ることに意味があるのです。時として強いマーケティングをすることが逆効果になる場合もあります。以前グルーポンのおせち料理でトラブルがありましたが、集客に対して受け入れる店舗側がそれに十分対応していなければむしろマイナスイメージになる点を考え、自分の店舗のキャパシティにあった適切な販売方針を立てることがより健全なマーケティングだと思います。

ということで今日はこのぐらいにしておきましょうか?

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ではまた明日。

一般消費者相手のビジネスは大変!4

グルーポンが消費者の注目を浴び、ネット通販が百貨店の売上げを超える時代のキーワードは「安く、気軽に、自分の好きな時間に」という事でしょうか?

消費者としてはこれほど嬉しい話はないのですが、売る側としては激しい競争の渦に巻き込まれています。販売会社は製造会社に当然ながら厳しい価格、品質、保証、納期などを要求をしてきます。製造会社は一定の製造規模=工場を持っていますからそこを遊ばせるわけにはいきません。結局、価格を下げて製造という選択肢を取らざるを得ません。

ここで電機会社の11年3月期予想経常利益率を比較してみましょう。

シャープ 1.77%,パナソニック 2.36%,ソニー 2.78%。これらの会社はいわゆる弱電系といわれる会社で利益率は低いのです。韓国の雄、サムスンは10年12月決算は史上最高だったものの内容を見るとテレビ、PCの赤字を携帯で補ったという感じです。

サムスンのテレビ事業赤字については色々と言われていますが結局のところ安値で卸した点については間違いありません。

日本ではテレビが爆発的に売れた2010年の決算がこの水準ですから弱電系がいかに稼げないかお分かり頂けると思います。

一方、重電系。東芝が比較的総合電機として一般にも知名度が高いですが11年3月の予想経常利益率は2.88%、日立が4.62%で何と消費者に一番なじみの少ない三菱電機が5.48%とトップなのです。

つまり、家電量販店にあまり商品のない会社ほど利益率は高いという結果となっているのです。

いわゆるB to Bと言われる法人向けビジネスをしている重電会社はその得意とする分野、原子力発電とか、鉄道、エレベーターなどにおいて世界でも有数のレベルで圧倒的なシェアを誇り、他社を寄せ付けない技術を持っていることが最大の強みです。これは高い利益率、更に保守などの利益率は二桁取れますから付帯ビジネスが実に美味しいのです。

他方、B to Cと言われる一般消費者向けビジネス。先日も日本最大の某家電量販店でいわゆる白物家電を決め打ちで買いに行ったところネットの最低価格より2割以上高いのです。店員に交渉したところ裏に行きしばらくして「お客様、ネットには当店も勝てません。」と白旗を揚げました。

そりゃそうでしょう。大規模な店舗を駅前に構え、多数の店員を抱えているのですからコストがかかります。一方、ネットはそのコストは極めて低い。買う僕も「こんなに安くていいのかな?」という感じになってしまいます。

何かおかしい気はしますが消費者は黙っているでしょう。では企業はどうすべきか?僕ならM&Aで今の弱電を2社ぐらいに絞り込んでしまいたいところです。そうしないと「利益なき繁忙」による共倒れは目に見えているのではないでしょうか?

逆に言うと消費者からはもっともなじみのない会社ほどしっかりビジネスをしているというのが日本の実態かもしれません。これでは著名企業への「有名税」のようなものでしょうか。

という事で今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた。

クーポン共同購入4

「クーポン共同購入」というのをご存知の方も多くなってきたと思います。

飲食店やサービス業などが定価の5割、6割、7割以上のオファーをクーポン共同購入サイト上で一定時間行い、一定の人数が集まったときに成立するという仕組みです。この共同購入サイトにあがってきた「お得情報」をツィッターなどを使って知らせあい、一気に予定販売数まで達成するという仕組みです。

実は僕のところのテナントのスパがクーポン共同購入の本家、グルーポン(Groupon)を通じてスパサービス66%引きのオファーを行ったところ、規定時間内に1200件の成立があったそうです。

そのため、その直後からこのテナントのスパは大盛況。スパのオーナーは「でも実質赤字だからねぇ。宣伝費として考えているよ」と。多分、スパの66%引きは人件費をカバーして終わりでしょうし、グルーポンに2割ぐらいは支払いがあると思いますのですぐには儲かるわけではないでしょうけど、そのうちせめて5%の人でもサービスが気に入ってくれてリピーターになってくれれば大成功だといえるでしょう。

スパのように競争が激しく、一方でサービスの差別化が分かりにくいビジネスはこのような手段がパワフルなセールスツールになると思います。美容室やエステもその典型だと思います。(但し店舗側はキャパシティオーバーになります。)

が、競合相手の業者がクーポン共同購入を多発すると潜在顧客は完全に振り回される結果となり、先行した業者のメリットが減る公算は大いにあります。日本ではこの手のクーポン共同購入サイトが雨後の筍のように増えていますので、クーポン発行者はよほどの自信がないと必ずしも成功するわけではないと考えるべきでしょう。

ただ上のスパの例のように周辺でまだあまり行われていない場合には極めて効果的でエリア・マーケティングとしては素晴らしい効果があると思います。

テレビ、ラジオ、新聞、看板が十数年前までの広告媒体。その後、インターネット広告が急速に普及し、テレビや新聞を凌駕しています。が、そのインターネット広告も徐々にアフィリエイト、ツィッターなど媒介手段が変わりつつあり企業の宣伝戦略も大きく変わりました。

一方、僕も長く宣伝の業務に携わっていて思うことは「宣伝は人を引っ張り込む媒介役。そのとき、顧客ががっかりするような結果となれば宣伝は逆効果」ということを言い続けています。

例えば、ある飲食店で割引があり入ったとしましょう。でもとても不味かったり長く待たされたとしたら逆効果です。「もうあの店には絶対に行かない。」となってしまいます。

だから、僕は広告を打つときは極めて慎重に且つ広告を見て来られたお客様がサービスや商品に満足してもらえるか、最大限の注意を払うようにしています。

クーポン共同購入は確かにパワフルな販売手段でありますが、来られたお客様が失望しないような行き届いたサービスが出来るのか、お店のキャパシティとも十分照らし合わせるべきでしょう。軽はずみな共同購入サイトへの参画は自分で自分の首を絞めることになります。

ということで今日はこの辺にしておきましょう。

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ではまた。
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