外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

マンション

老後のための不動産学4

不動産は墓場まで持っていくことはできません。が、死ぬ時まで後生大事に抱え込むのも不動産です。私は不動産の仕事を30年もやっていますが、以前から日本では不動産所有がそこまで絶対的ではないと言い続けています。そして住宅に限れば一部の場所を除き、日本の不動産が今後も健全で安定的な上昇をするとは考えにくく、資産としての目減りがあると考えています。つまり、不動産が主導するデフレであります。

居住用不動産は経理で考えれば貸借対照表の固定資産であります。戸建て住宅を買った際の経理の仕分けは例えば土地3000万円、建物2000万円と表記します。なぜ分けるかといえば土地は減価償却しないけれど建物は木造なら22年かけて償却し、日本の経理基準ならば22年後は2000万円が概ねゼロになるからです。

もちろん、実態はゼロではなく、多くの方が築〇十年の家にお住まいです。ただし、第三者への売却価値となるとゼロなんです。住める住めないという問題もありますが、買い手からすれば住宅ローンがつかないうえに家の間取りを気に入ってくれるかどうかという点もあります。

2000万円の家が22年でゼロになることを経理的に考えてみましょう。年間約90万円ずつ家の価値が下がる、月に直せば76000円なんです。更に固定資産税や管理費、住宅ローンの金利がかかります。これらの費用は経理の損益計算書のコストに反映されます。ざっくり均して月十数万円が所有する不動産のコストとして消えていくのです。居住用不動産からの収入はゼロですから初めの22年間は毎月それだけのお金を垂れ流していることになります。22年を超えると確かに月々のコストはガクッと減ります。多くの方は「それでも自宅は持っていたいよね」というのはこのことなんです。

老後のための不動産学と述べたのは健康で通常の生活がいつまでできるかという保証がないことを前提に考える必要があるからです。例えば階段や段差がだめ、という方も出てくるでしょう。老人ホームに入居することもあります。あるいは健康なときは駅から15分の距離も問題なかったのに今じゃとても駄目、という人もいます。

先般の台風で武蔵小杉のマンションで水害が発生し、エレベーターが機能せず、高層階を徒歩で行き来しなくてはならない事態が発生しました。その時、地元のホテルはすぐに満杯になったと報じられていました。「とてもそんな階段、登れない」であります。今はよくても何が起きるかわからないのが人生と天変地異であり、それに対して不動産は換金しにくい資産なのであります。

マンションの場合はもっと面倒です。なぜなら管理費が持ち続ける限り発生するからです。ざっくり屬△燭200円ぐらいでタワマンだと250円ぐらいでしょうか?100屬覆2万円から2万5千円です。また修繕積立金が屬△燭150円、タワマンで200円ぐらいですから1万5千円から2万円です。つまり、月々3万5千円から4万5千円プラス固定資産税がかかるということです。

不動産所有は実は金食い虫ということを認識する必要があります。

次に不動産は一生に一度の買い物ではなくなってきている点を考えたいと思います。仮に35歳で戸建てを買ったとすれば償却は57歳で終わります。80歳まで健全でいるとすればあと23年あるんです。平均余命が伸びている時代です。同じところに45年住むかという話です。私の周りではリタイア後に戸建てから駅近のマンションに引っ越す人がぽつぽついるのですが、ライフスタイルの変化に合わせているとも言えそうです。

三番目に不動産を誰に継ぐのか、であります。ただでさえ少子化、かつ、子供たちは自分の住むところを確保しているとなればかつて「いつかはお前にやるからな」と偉そうに言っていたお父さんは息子から「そんな不動産いらんよ」とそっけない返事にがっかりすることになります。

まだ都会の住宅ならともかく地方で山林田畑となれば都会に出てしまった子供たちにとって近寄りたくもないという話はいくらでもあるでしょう。山林など「あの山のあのあたりがうちの山だ」というのは山崎豊子の小説にもあったと思います。「そんなものいらん」と思っている人が中国人あたりに破格の金額で売ってしまい、はっと気がつけば北海道の山林は中国人が買い占めていたというのが実態です。

もともと日本が土地の所有権放棄を認めていなかったためですが、今度これが見直される機運が高まっています。当たり前です。国防上重要な課題なのに国も随分おおらかだったと思います。

不動産を取り巻く環境は大きく変わっています。そして日本の独自性故、不動産価値が海外のように高値で維持できなくなっています。海外では不動産投資は健全なる資産分散化として評価されますが、日本では仕組み的に難しいと考え、資産ではなく消費財(コモディティ)としてみておいた方がよいと思っています。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

不動産は邪魔者? 崩れる日本の不動産神話4

このブログを何年もお読みの方はお気づきだろうと思いますが、不動産事業を生業としている者として海外から日本を見ていると、日本でマンションを購入し、重いローン負担をし、そのうえ、転勤になってもマンションは担いで持っていけるわけでもなく、否応なしの単身赴任で生活費は余計にかかるという全く間尺に合わないことをなぜ25年ものローンを組んで購入したいのか、いつも疑問に思っています。

マンションを買いたい人の理由が「退職後には住むところぐらい」という発想だと思います。仮に30代でマンションを購入した場合、30年後の60代後半にはローンこそ終わっているかもしれませんが、マンションもかなりくたびれてきています。問題は管理組合が十分な費用とノウハウをもって建物の老化を阻止できるか、ここにかかっています。

古いマンションに行くと確かに出入口のあたりは掃除する方がきれいに掃き掃除をしてぞうきんで磨き上げています。しかし、建物は表ではなく中が問題になります。そのあたりのメンテ計画は最近のタワマンなど外廊下がない建物はより管理が複雑になると同時に異様にメンテコストがかかるようになります。

その時、住民には住宅ローンがなくても高い管理費や想定外の特別の修繕費用が請求されることもあり得ます。そんな時、リタイア後に払えますか?皆払えないというでしょう。それは建物の死を意味しているのです。

昔の団地や相場が崩壊した越後湯沢のようなリゾートマンション群では管理に本当に苦労しています。住民に連絡取れない、支払い拒否などで管理費が徴収できず、「あの人が払わないなら私も払わない」になり、負のサイクルとなります。

私は正直申し上げるとマンションという仕組みは現代社会で機能しなくなりつつある不動産だと思っています。そうではなく、デベロッパーが建物の所有権を維持、住民は「居住権(ライフリース)」を取得し、建物管理はデベないし、デベの指定する管理業者が行うようにします。住民による管理組合は作らず、その代わり、居住権者がデベに対して発言権を含む一定の権利を持たせる形にすべきと思っています。

では土地はどうでしょうか?日経に「所有者不明地 国土の2割に『北海道並み』の試算も 登記義務付け、抑制期待 」とあります。所有者不明の土地が増えているという報道はすでに皆さんご存知のことと思います。なぜ、所有者不明になるのかといえば日本の「登記制度」がネックになっています。

かつて、日本の登記制度は非常に優れているとされました。それは不動産が価値あるものとして考えられていた背景が前提だからです。ところが私は不動産に対する価値観は変わり、土地は金銀財宝と違い、「使ってなんぼ」「収益を生んでなんぼ」の世界に変ったと思っています。使わない不動産、利益を生まない不動産は邪魔者以外の何物でもないと考えています。

例えば先祖代々の「山」「山林」あるいは「田畑」を相続してほしいといっても現代の人は「結構です」というでしょう。古いマンションでも「この不動産を子供に相続させればなにがしになる」と思うのは親の身勝手な話。子供からすれば「そんなんじゃまぁすぐに売れないし、管理費や固定資産税もかかるし!」であります。上述のリゾートマンションやいわゆる分譲団地ならなおさらで「私は管理費、払いたくないから相続放棄です!」と言われるのが落ちでしょう。

不動産市場を正常に機能させるには十分な需給と同時に購入者の世代交代がどんどん進まないといけません。ところが日本の場合、住宅ローンは減価償却の関係で中古マンションや中古住宅にはローンが非常につきにくいか、無理したとしても土地だけ分しか担保価値の査定にかかりません。

一方で中古住宅の需要はお金がない人というジレンマがあります。つまり、しっかりした会社に社員としてきちんと勤めていない限り不動産は購入しにくいという官民の作り上げた昔の流儀が構造問題として立ちはだかっていると申し上げます。

だからこそ、私は日本では今後、賃貸は増えるとみています。形を変えた賃貸です。シェアハウスはその一つだし、シニアホームも新しい発想を取り入れたものが普及するはずです。

官民が不動産市場そのものを変えていかないと日本は不動産から見放される話は大げさなわけではないと思っています。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

私が日本でマンションを買わない理由4

不動産の仕事を日本、アメリカ、カナダで20代半ばからやり続けていますが、マンション(コンドミニアム)ライフは現代社会にとっては極めて都合がよい居住空間を提供しているとされています。一つは駅や繁華街、ビジネス街に近く職住接近を実現できること(日本はまだそこまで行きませんが)、高齢者が戸建て住宅の管理や安全面から解放されること、戸建てに比べてバリアフリー状態に近いことなど様々なメリットが指摘されています。

そんな便利なマンションライフですが、カナダでは管理組合で揉めるケースがあちらこちらで見られるようです。理由は何をどこまで管理するか、という管理組合の基本姿勢にあるようです。白人の方は往々にして資産となる住宅になるべく手を入れ、長く使え、ひいては価値が上がるようメンテにお金を投じます。ところがアジア系、特に中華系の方は月々のメンテ代は極小にしたいという願望があります。

好例は植栽でしょう。一年草は見た目が美しいのですが、管理費はかかります。極端なケースでは植栽をほとんど止めたいという意見と見た目の美しさにこだわる派閥で揉め続けているところもあります。

日本では誰もやりたがらない管理組合の役員を中華系の人は積極的に引き受けながら自分たちの主張を強く押し出す傾向があるように見受けられます。もちろん、管理費を削減するためです。これが管理組合のもめごとの一原因になり、管理が非常に難しくなってきたと言われる現実であります。

たまたま私がカナダで住んでいるコンドの管理組合はメンテを十分に施すという趣旨に賛同する方が多く、大型の投資やメンテ工事はよく行われています。外壁の塗り替えを7年ごとにやるなんて日本の管理組合が聞いたら卒倒するでしょう。(それゆえに物件価値が10年で2倍になるともいえるのですが。)

そんな中、日経に興味深い記事がありました。「マンション『空き家』深刻 管理組合なく修繕もできず」であります。日本のマンションに居住者がはっきりしない空き家が増え、また物件によっては管理組合すら存在しないものもあり、結果として建物のメンテが出来ず、ボロボロになるケースが増えてきているというのです。

このようなマンション問題は20年以上前から指摘されてきたのですが、行政もデベロッパーも積極的に本件に取り組む姿勢を見せていません。 確かにマンション建替え円滑化法などは改正されるごとに建て替えや大規模改築がしやすくなるのですが、ルール上、それが許可されても実際にそれをやるとなると大きなハードル待ち構えています。

その一番が資金面でしょう。協力しないという方からどうやってその資金を徴収するのか、あるいは一時的な不自由に賛同しないという方もいるでしょう。さらには居住してない所有者と連絡が取れなかったり、相続の結果、複数の人の持ち分になり、誰の承諾を得たらよいのか分からなくなっているものもあります。

「マンションは買うまで楽しく、住んでみたら管理費と修繕積立金に苦しみ、売却した時、ほっとする」という標語は私が勝手に作ったものですが、マンションのように共有部がやたら多い不動産物件はどちらかというと居住権方式の方が確実にワークするはずです。

私なら所有権ではなく、リース方式が今後の日本の集合住宅の在り方になると思います。(実際に東京の戸建て物件で実験的に進めています。)リース方式のメリットはリース期間(10年なり20年なりの期間)が明瞭であること、所有者と居住者の権利義務もはっきりする点であります。これにより物件の維持管理は所有者が一元的に行え、世界中で抱える管理組合という面倒な悩みは解消できるでしょう。

私がよく申し上げているように発想の転換だと思います。不動産は賃貸か所有かという仕切りの中で別の方法もあるだろうと思うのです。それをデベロッパーの誰もやらず、「売り切り、さようなら」という利益至上主義の姿勢がよく見えてしまうのです。

今は所有の時代ではありません。家を所有する理由は老後に安価で住む場所の確保という意味かと思いますが、管理費、修繕積立金、固定資産税…を考えるとマンション所有が必ずしもパーフェクトな答えではなくなる時代は確実に来るとみています。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

価値ある不動産、価値のない不動産4

多くの方にとって不動産とは字のごとく「不動の産(=財産)」と思っていらっしゃるでしょう。しかし、一生に一度の買い物でもそれが産にならず、二束三文になることもあります。今日はそんな不動産よもや話をしましょう。

私のところによく持ち込まれる東京の不動産売り物件には無理難題物件が多く含まれます。それは一般向けでは絶対にクレームが来るような物件でも業者向けだと処理できるからです。最近圧倒的に多いのが再建築不可物件。これは旗竿物件と称する入り口の道路/私道が規定以下で建築確認が取れない物件です。この手の物件はまず一般向けには出ません。ただ、私どもならば対応する方法を知っているため、持ち込まれるのです。価格はずばり市場価格の半額です。

次に苦戦するのが借地権上の物件。私は好きなんですが、一般の方には好まれません。なぜかといえば「自分のもの」にならないからです。私はビジネスをする土台ですから借地権はむしろ安いのでウェルカムなのです。私の実家のすぐ裏に借地権上に立派なマンションが建ったのですが、なかなか売れません。価格も同様他物件より1000万円ぐらい安いのですが、デベロッパーは苦労しているようです。私がやるなら分譲などせずに老人ホームや賃貸系の物件を作ったと思います。

古いマンションも厳しいものがあります。山手線駅から徒歩5分程度で数百万円の物件が持ち込まれました。「事故物件?」と聞いたら管理組合が崩壊していて時間とともに建物が劣化していく物件とのことでした。ネットで検索すると時としてとてつもなく安い物件が出ていますが、これは事故物件をまずは疑った方がいいでしょう。そういう物件は相当ありますし、仮に何かあっても業者が跡かたなくきれいにするので案外わからないものです。ただ、不動産屋は重説での説明義務がありますからそこは確認した方がいいでしょう。

中古マンションで一番気を付けるべき点は管理組合と今までのメンテナンスの歴史です。このデータがすっと出てこない物件は私はお勧めしません。修繕積立金がどれぐらいなのかも一つの目安です。一般には月々平米当たり200円以上(70屬14000円/月)を集めていないと修繕はままならないと思います。

個人的には日本のマンションは全般的に長期改修計画が欠如しており、価値を維持する仕組みがないように感じます。理由は「壊れたから直す」方式だからです。当地(カナダ)では壊れる前に直すです。建物の維持管理には耐用年数が細かく目安が出ています。それに従い、どんどん修復していく物件ほど将来価値は維持されます。このあたりは日本人のメンタリティとも関係します。「まだ使えるのにもったいない」という気持ちが出てしまうのでしょう。小銭をケチって大銭の損をする、とはこのことであります。

こんなこと書くとお前はどんな物件を勧めるのか、と言われそうです。私は戸建てがよいと思っています。マンションのように膨大な共有部の維持管理コストはかかりません。また改装や改築も自由です。マンションの建物と土地の比重はほとんどが建物価値で土地は超高層になればなるほどちょっぴりしかありません。建物は減価するし、土地の価値は不動「産」でも区分所有権がわずかとなれば本当の将来価値には疑問があります。

最後に良い物件を探すならネットでは絶対に出てきません。まずはエリアを絞り込み、地元の不動産屋を丁寧に当たってみるのがよいでしょう。なぜなら売り物件はまず地元の不動産屋持ち込まれます。その不動産屋が自分たちで売れると思えばネットになど出しません。理由は両手商売(売り買い双方から手数料が入る)からです。言い換えればネットに出す物件はカスが多いということになります。地元の力がありそうな不動産屋と顔になる、これが良い物件を見つけ出せるコツだと思います。

では今日はこのぐらいで。

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日本の不動産は再び甦るか?4

「日本の不動産をもっと買いたい」とカナダ人に折にふれて言うと「日本は人口減少なんだろう?何故だ?」と聞かれます。「不動産市場はまだら色。人口減でも上がるところもあるし、必要以上に下がるところもある。その中でお宝さがしすればいいものはある」と答えています。

日経に珍しく不動産事業をやっている人ならばニンマリするニュースが3本、同時に出ています。もちろん、その3つは直接的には関係ないのですが、よく見れば不動産に期待を持たせるものです。

老朽マンション、玉突き建て替え 都が容積率上乗せ
「孤客」消費が止まらない
外資ファンド、日本の不動産投資拡大 高値でも低金利で妙味

まず、老朽化マンション対策として都が容積率上乗せをする制度を来年にも公表します。一言でいえば、古いマンションをデベロッパーが購入、そのデベが別の場所でマンションを建てるなら容積率にボーナスがもらえ、更に次の老朽化マンションを買収すれば、初めに買った老朽化マンションの敷地での容積率にもボーナスがもらえるという仕組みです。

実はこのやり方は私が2-30年前に考えていた都市開発手法のやり方で私流の英語ではserial reconstruction(連続再建築)と表現できると思います。ただし、この容積率ボーナス方式だけではマンションの建て替えの手助けにはなりますが、机上のプランにすぎません。更にここに等価交換方式を組み合わせ、その上、81年より前に建てられた旧耐震の物件について一定時期までの建て替えを強要する仕組みを取り入れる必要があります。

なぜかといえば古いマンションは高齢者の一人住まいが多く、立ち退きなんてしてくれません。千葉や埼玉の家族向け物件は容積率ボーナス方式で動く可能性はありますが、これは東京都の話。都心の老朽化マンションの住民の実態が東京都は分かっていません。ただ、これをスタートとして知恵を出したらいいと思います。

二点目の「孤客」消費が止まらない、はおひとり様向けの消費が進化する中で、おひとり様マンションも売れている、という話です。このトレンドも2-30年前からあったもので独身女性が「財テク」の一環でマンションを購入していたものが、晩婚どころか一生独身で、終の棲家になるという笑えない話になってしまいました。

都内の一部では「ストップ少子化」の為にワンルームマンションの建築を抑制していますが、実はワンルームが一番売れやすいのです。これは蓄財する若い女性だけでなく、都内にセカンドハウスを持ち、月から金はそこに住み、週末は実家や郊外の家に帰るという男女の需要が高いものと考えています。

マンションと言えば見栄え。豪華なエントランスに共有スペースからは海が見えるバーやらスポーツジムなどを抱え、コンシェルジュにセキュリティも万全、というのをイメージすると思います。が、実はこういう無駄なスペースや設備ほどカネがかかり、毎月の共益費も爆食いします。

言い換えればもっとスーッとした無駄を省き(no frillと言いましょう)その分を室内でアップグレードし、価格を下げた物件がでれば目を瞑ってでも売れます。一種の「無印良品」のマンション版ですね。

最後の外資ファンドによる日本不動産への積極攻勢は住宅だけではなく商業施設や物流施設も含めての話ですが、近年の不動産を語るなら外国からのマネーがどれだけ入ってくるかが極めて大きな影響力を及ぼします。その中でインフレにならない日本が引き続き低い金利政策を続けると見込めれば海外主要都市に比べバリュエーションで圧倒的に値ごろ感のある日本の不動産に触手を伸ばさないはずはありません。

ただ、前から言っているように不動産、何処でも上がる、というわけではありません。駅からは徒歩10分以内、バス便はダメ、一人暮らし=高級ではなくても、安心、安全のイメージが強いところといったところが狙い目かと思います。大手デベが手掛ける湾岸や郊外の大規模開発は街に「息吹」がなく、お勧めしません。

あとは温暖化を踏まえ、リゾートも再び脚光を浴びてもおかしくないかと思います。毎週でも行けるアクセスの良さがキーポイントだと思います。変な話ですが、外国人が魅力を感じるところは上がります。個人的には富士五湖はいいと思います。

冒頭に「まだら色」と申し上げました。どんなものでも同じ色にはならないという点を踏まえれば案外面白い発見があるのではないかと思います。

では今日はこのぐらいで。

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日本では根付かない民泊ビジネス4

3月15日は民泊ビジネスに関心がある人にとって重要な日となります。これは民泊法に基づく営業許可の受付が同日から始まるものでマンションの管理組合などはその日より前までに規制などのルールを制定しないと住民が営業許可の申請を行ってしまうのであります。

多くのマンション管理組合はこの日を重視、一定の規制をすでに決めているところが多く、一部の調査では民泊を容認するのは0.3%しかないというデータもあります。ただ、そのデータでは2割の管理組合がまだ対策を打っておらず、最後、追い込みで規制を決める管理組合もあるでしょう。最終的には数%からせいぜい10%程度のマンションが容認ないし規約なく自由な民泊ビジネスができるようになるとみています。

ではビジネスをする側ですが、180日という規制がある中で自分が所有するマンションがビジネス可能かどうかは抽選に当たるようなものでそもそも計画的ではありません。それと、民泊、民泊と騒ぎますが、個人的には3年続ける人はせいぜい1割だろうと思います。最大180日の民泊ビジネスがそんなに簡単だとは私は全く思っていません。現実は違った、ということです。

なぜ、民泊ビジネスが面倒か、といえば概ね外国人が使うであろうその部屋を綺麗に使うかは客次第。日本人は布団はたたむし、一応見栄えよく退散する術は知っています。旅館や民宿で泊まった際の躾があるからです。(修学旅行を思い出してください。)

外国人は人によりますが、ぐちゃぐちゃの人もいるのです。使ったら使いっぱなし。小物が盗まれる、壊される、傷がつく…というのはよく聞く話。それ以外に鍵を無くした、チェックイン、アウトの時間の急な変更、滞在中のトラブルの対応は必ずあります。それを民泊運営者が「はいはい」と全部できるのか、言葉の壁をどう乗り越えるのか、と思うと軽い気持ちで参入する人には苦い思い出にしかならないはずです。

私はもう一点指摘したいと思います。それは日本人は他人を容易に自分の家に入れることを文化としていない点であります。一つは土間(あるいは、たたき)、一つは玄関ドアです。

土間といってもわからない人も多いでしょうが、日本の家は玄関から家に上がるときには30センチぐらい上がります。その靴を脱ぐところが土間とかたたきなのですが、そこで嫌な人は玄関で帰ってもらいます。つまり、家にあげるのは承認された人だけというバリアがあります。

もう一つの玄関ドア。日本の玄関は普通、中から外に開きます。例えばマンションでチェーンロックだけかけて顔の一部を見ながらやり取りするというのは中から外に開けるからこそ効果ある技なのです。ちなみに欧米の玄関は普通、外から中に開きます。つまり逆です。これは人をウェルカムする流れと見られなくもありません。(主たる理由は取付上の問題ですが。)

言い換えると日本は知らない人を家にあげる文化はあまり育っていません。それなのに外国で民泊ビジネスが流行っているから小銭稼ぐ、というストーリーは私にはほとんど理解できません。

最後に規制面からみてみましょう。民泊に関しては法律だけではなく、各自治体が更に細かい規制をしています。自治体の民泊に関するウェブサイトの情報を見た瞬間、萎えます。やるな、と言わんばかりの面倒くささです。戸建て住宅なら大丈夫だろうと思ったら大間違いで、近隣への告知義務を求める自治体もあります。役人が考える自己防御本能だと思います。

あれだけ大騒ぎした民泊ですが、結局日本には根付かないでごく一部で細々と行われる程度ではないかと思います。むしろ、地方の農家あたりの体験宿泊の切り口の方が面白そうです。五右衛門風呂とか旧家の土間にある台所にはびっくりするはずです。(火災の延焼を防ぐためです。)農家の家で囲炉裏までは良しとしても蚊帳、汲み取りトイレときたらあまりにも日本的で外国人も逃げ出すかもしれませんが。

では今日はこのぐらいで。

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身近な「会長さん」の暴走は止められないのか?4

皆さん、いろいろな集まりや「会」に所属されていると思います。入っていない、という人の方が案外少ないのではないでしょうか?その「会」の運営、うまく行っているときはよいのですが、時として会長さんが暴走してしまったというところもずいぶんあるのではないでしょうか?

日経に「マンション組合理事長は解任できるか 最高裁が判断へ」という記事を掲載しています。この話はマンションの管理組合のトップが進める選定業者をめぐる血みどろの戦いであり、よくも最高裁まで判断がもつれ込んだな、と思います。ちなみに一審と二審は理事長の勝利。但し、最高裁の雲行きは怪しいと報じられています。

個人的には日本の判断基準を別とすれば解任は有効である、とすべきだと思います。

私はカナダで集合住宅を作ってきたこともあり、州で定める管理組合の法律に肌身で接してきています。また、今でもある不動産の集合体の管理組合の代表をしており、この法律に縛られながら作業をしております。このキーポイントは管理組合の理事は会長を含め全員が平等の立場であるという点であります。例えばある議案を決めるのに理事7名が投票する際には4票取った方が勝ちであり、仮に会長が3票の方であっても逆転はないということになります。

通常、理事は奇数人数であり、議長なり会長は最後に投票することが多く、その場合、キャスティングボードを握るということになりますが、会長を除く6名のうち4名が一方を判断した時点でその投票は会長の投票を待たずして結果が出たと考えられるのです。

では会長や議長の役目は何か、と言えば取りまとめ、司会、及び対外的発表であります。よく、下心を持った者が会長に言い寄ることがありますが、その場合会長がまず、議題に上げるか、そして会長が他の理事を説得できるかがキーとなります。日経の記事の場合は理事の説得に失敗したにもかかわらず、自分の意図する業者への変更を押し切った点で裁判になりました。

私はカナダで所属する「会」でかつて会長が暴走するケースに出くわしたことがあります。「会長の指示だ!」というその論理は実に日本的であると閉口した記憶があります。

では日本はなぜ、トップの指示は絶対と思われるのでしょうか?それは「代表権」であります。企業の名刺に「代表取締役社長」と見かけます。ごくたまに「取締役社長」や単に「社長」というのもあります。これ、全部意味が微妙に違います。そして俺が会社の顔、というのは「代表取締役社長」だけであります。これにより会社法に基づく権限が社長さんに付保されるのです。テレビゲームで武器をもった戦士のようなものであります。

ところがこんな細かいことは一般人はほとんど知りません。よって社長は偉い、と思う方もいますが、そうでもないこともあるのです。ましてやNPOや一般的な集まりの場合は「代表権」の発想は通常なく、NPOの会長や会の代表者に与えられた権限は非常にあいまいであります。それこそ、〇〇さんが立ち上げた△△会は創業者の〇〇さんがすべての実権を持っている、という状態になっているし、それを本人も下位に所属する人も黙認しているのだろうと思います。

「ルールを決めましょう」といっても「いまさら会則?」などと言われるのがオチ。とすれば今後、ある程度は成文法を作っておくべきですが、今回のこの最高裁の判断が仮に組合長さんの負けとなれば判決として慣例法を作りますので世の中の力関係は大きく変化するきっかけになるかもしれません。

「あの会長さん、本当におかしいわ!」という声は相当あるでしょう。この判断の結果次第ではその怒りのぶつけ方は変わってくるかもしれません。

では今日はこのぐらいで。

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