私がカナダに来て給与の流れを見て初めに思ったのは従業員の残業に対する姿勢でした。「きっちり残業代を請求してくる」、これが第一印象です。しかも残業代は所定時間を超えると割り増し率が高くなります。更にカナダでは祭日は時間給勤務者には、働かなくても賃金を支払わねばならないという日本人が聞けばひっくりかえってしまうような仕組みがあります。もちろん、払わなければ従業員が訴えるところに訴えますのですぐに経営側に「お尋ね」の電話がかかって来てしまいます。
ある時、会社の会議室でマーケティングの打ち合わせを少し砕けた形でやりましょうと、終業時間後に食べ物とアルコールを含む飲み物を会社側で負担しながらざっくばらんな会を設けたことがあります。その後、出席者がきちんと3時間の残業を会社に請求してきたのは言うまでもありません。理由は「拘束」されていたという発想です。その時は思わず唸ってしまいました。
それ以降、私は基本的には残業をさせないというスタイルに変えました。ところが、カフェを経営している時代に再び残業が目立つようになります。理由は「忙しかった」「片付けが間に合わない」などなどですが、売り上げからすればそんなはずありません。単に作業効率が悪かったか、ゆっくりやったのだろうと思います。そういう人が残業手当はいつもくれるものだ、と味を占めると必ず、常習になりますのでその後は個別になぜ時間内に終わらないのかを検証し、そういう人のシフトを変えるなど工夫をしたこともあります。
さて、日本で長時間労働で勧告をもらう企業が続出しています。有名どころの企業も多いのですが、最近では日本経済新聞社の総務、経理部門も勧告を受けました。同新聞社の関連である日経ビジネスでは労基署がにらみを利かせているという特集記事を組んだばかりだけに情けない話であります。
その日経ビジネスには労基署が本気で長時間労働つぶしを行っていると記載しています。トリガーは電通事件ですが、ヤマト運輸問題も労基署に「リゲイン」を与えたようです。まぁ、張り切りすぎて労基署が長時間労働にならなければよいと思いますが。
では長時間労働問題はなぜ起きる、ですが、たぶん、100人の社員が時間外の長時間労働をしたとすれば不満を持っているのはせいぜい1-2割の人だろうと思います。3-4割の人はしょうがないと我慢をし、残りの人は当然の仕事だと思っているでしょう。あるいは残業手当が生活費の一部になっているため、好き好んでやっている人もかなりいるはずです。
日本の会社はマニュアルに基づき人間を機械のように正確無比に使用するものだと思っています。上司の管理とはそれら機械群が故障なく、滞りなく作業を行い、アウトプットを実行することなのでしょう。
例えば会社にあるコピーマシーンを使っていて紙切れ、紙詰まりを起こしたらあなたはかんしゃくを起こすはずです。理由は思った通りに動かなかったからです。同じように部下にも期待通りの成果を上げなければあなたはかんしゃくを起こすでしょう。そして「やれるまで帰るな!」と声を荒げます。これを豊田真由子ギレと称すのでしょうか?
ここから類推すると問題はどこにあるのか、と言えば人事管理にあるように見えます。不満分子となる1-2割の人は適性のない配置に置かれているのであります。ところが体育会系の「根性を入れ直してやる」という上司はそういう従順ではない分子に許容範囲を超え、芳しくない行動を取るのでしょう。そうすると封筒の中身と宛先を間違ってしまうなど「おろおろ」する失敗がしばしば発生するのです。
タレコミを受けて労基署という怖い人たちがやってくる前に会社レベルで出来ることは社員一人一人の配置を見直し、人事ないし、第三者委員が面接を行い、上司とのコミュニケーションおよびメンタルリレーションシップの状況を把握するべきではないでしょうか?
不向きな人間にいくら鞭打っても生産性も効率も上がるものではないと企業経営者は理解すべきだと思います。(もちろん、運転していて道路も間違えます (笑))
では今日はこのぐらいで。
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また明日お会いしましょう。
ある時、会社の会議室でマーケティングの打ち合わせを少し砕けた形でやりましょうと、終業時間後に食べ物とアルコールを含む飲み物を会社側で負担しながらざっくばらんな会を設けたことがあります。その後、出席者がきちんと3時間の残業を会社に請求してきたのは言うまでもありません。理由は「拘束」されていたという発想です。その時は思わず唸ってしまいました。
それ以降、私は基本的には残業をさせないというスタイルに変えました。ところが、カフェを経営している時代に再び残業が目立つようになります。理由は「忙しかった」「片付けが間に合わない」などなどですが、売り上げからすればそんなはずありません。単に作業効率が悪かったか、ゆっくりやったのだろうと思います。そういう人が残業手当はいつもくれるものだ、と味を占めると必ず、常習になりますのでその後は個別になぜ時間内に終わらないのかを検証し、そういう人のシフトを変えるなど工夫をしたこともあります。
さて、日本で長時間労働で勧告をもらう企業が続出しています。有名どころの企業も多いのですが、最近では日本経済新聞社の総務、経理部門も勧告を受けました。同新聞社の関連である日経ビジネスでは労基署がにらみを利かせているという特集記事を組んだばかりだけに情けない話であります。
その日経ビジネスには労基署が本気で長時間労働つぶしを行っていると記載しています。トリガーは電通事件ですが、ヤマト運輸問題も労基署に「リゲイン」を与えたようです。まぁ、張り切りすぎて労基署が長時間労働にならなければよいと思いますが。
では長時間労働問題はなぜ起きる、ですが、たぶん、100人の社員が時間外の長時間労働をしたとすれば不満を持っているのはせいぜい1-2割の人だろうと思います。3-4割の人はしょうがないと我慢をし、残りの人は当然の仕事だと思っているでしょう。あるいは残業手当が生活費の一部になっているため、好き好んでやっている人もかなりいるはずです。
日本の会社はマニュアルに基づき人間を機械のように正確無比に使用するものだと思っています。上司の管理とはそれら機械群が故障なく、滞りなく作業を行い、アウトプットを実行することなのでしょう。
例えば会社にあるコピーマシーンを使っていて紙切れ、紙詰まりを起こしたらあなたはかんしゃくを起こすはずです。理由は思った通りに動かなかったからです。同じように部下にも期待通りの成果を上げなければあなたはかんしゃくを起こすでしょう。そして「やれるまで帰るな!」と声を荒げます。これを豊田真由子ギレと称すのでしょうか?
ここから類推すると問題はどこにあるのか、と言えば人事管理にあるように見えます。不満分子となる1-2割の人は適性のない配置に置かれているのであります。ところが体育会系の「根性を入れ直してやる」という上司はそういう従順ではない分子に許容範囲を超え、芳しくない行動を取るのでしょう。そうすると封筒の中身と宛先を間違ってしまうなど「おろおろ」する失敗がしばしば発生するのです。
タレコミを受けて労基署という怖い人たちがやってくる前に会社レベルで出来ることは社員一人一人の配置を見直し、人事ないし、第三者委員が面接を行い、上司とのコミュニケーションおよびメンタルリレーションシップの状況を把握するべきではないでしょうか?
不向きな人間にいくら鞭打っても生産性も効率も上がるものではないと企業経営者は理解すべきだと思います。(もちろん、運転していて道路も間違えます (笑))
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