外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

基軸通貨

仮想通貨 リブラはなぜ、嫌われるのか?4

アメリカの上院銀行委員会の公聴会でフェイスブックが来年度にも発行を目論む仮想通貨リブラについて厳しい声が相次ぎました。また、17日からフランスで始まったG7財務省中央銀行総裁会議でもリブラが議題に取り上げられ早急な対応が必要と議論されました。トランプ大統領も批判的姿勢とされ、もしもそれを立ち上げるなら銀行規制に従う必要がある、と述べています。

どうも嫌われるリブラですが、なぜ、世界は懐疑的な目で見るのでしょうか?

ずばり真意はドル信認とその体制を守るため、とみています。アメリカがアメリカである所以は基軸通貨ドルを支配しているからであります。そしてそのドルを支配しているのは言うまでもなくユダヤであります。

人口的に劣勢なユダヤ人が経済や政治を支配し、圧倒的影響力をもち、世界に太刀打ちする絶対に譲れないツールの一つがドルであります。何年も前にこのブログでも書きましたが米ドルの1ドル紙幣の裏側にはユダヤの呪文らしき図柄がたくさんちりばめられています。

民間銀行であるFRB(連邦準備制度)は傘下に連邦準備銀行をもち、実質ユダヤが支配しています。また、FOMCで必ず議決権を持つニューヨーク連銀はユダヤそのものであります。つまり、アメリカ金融の中枢であるFRBは政府が一株も持たないユダヤ主体の紙幣発行会社であります。(それゆえ、厳密な意味での中央銀行ではないのです。)

この状況の中で仮想通貨リブラが出現するとどうなるでしょうか?多くの政治家や中央銀行、政府関係者は影響が読めないのだろうと思います。例えばトランプ大統領は「私はビットコインなどの仮想通貨のファンではない。仮想通貨は通貨ではなく、その価値は著しく変動し、根拠のないものに基づいている」と述べておりますが、ビットコインに代表される相場制のある仮想通貨とリブラのようなステーブルコインの違いを認識していないなど理解がまだ進んでいないとみています。

日本でも三菱UFJやみずほ銀行が計画する仮想通貨はステーブルコインであって中身が違うのであります。ただ、日本の銀行の場合には多分、利用できる範囲が銀行口座をもつ法人個人に限定される可能性があり、リブラのような世界規模の汎用性は持たせにくいとみています。

もう一つ、リブラが嫌われる理由はフェイスブック社への信頼性なのだろうと思います。同社は個人情報の管理上の問題を過去に問われている「前科」があるため、公聴会でも資金洗浄対策はとれるのか、といった「あなたは信用できるのですか?」という初歩の初歩的な質問が相次いだのが印象的でした。それぐらいアメリカ上院でも仮想通貨としての理解の度合いは低いということでしょう。

三番目にフェイスブックをはじめVisaなど著名企業が28社も加盟したリブラ協会そのものへの恐怖もあるかと思います。リブラ協会はスイスにあるため、極端な話、スイス国内でさっさと実行に移す公算はあります。そうすればなし崩し的に一つ、また一つといった国家ベースでの広がりが当然予想され、中央政府、中央銀行、その背後のユダヤなどの支配力及び統制力が弱まる可能性はあるのでしょう。

何事もなにか新しいことをやるときには反対の大合唱ですが、実行してみると「あの時の決断は正しかった」などと言うものです。

ただ、リブラが大手を振って流通すると税システムにも多大なる影響を与えるでしょう。当然会計処理にも影響します。「いうほど簡単ではない」というのはごもっとも。フェイスブックがリブラをどう展開させるのか、限定的な用途に限りながら少しずつ応用範囲を広げるのか、注目しています。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

消えた「有事のドル買い」4

金融市場の動きは後付けの講釈がよくあります。歴史や過去の流れを踏まえたうえでのコメントがさも当然の如く並びます。その中で今回全く出てこない言葉が「有事のドル買い」であります。過去、国際間の危機が起きた時、買われるものはドルと円と金(ゴールド)という三点セットだったのですが、今回、アメリカから地政学的にはるかに遠い北朝鮮の問題にもかかわらず、「有事のドル買い」という言葉は何処を探しても一つも出てきません。

これは過去の流れを踏襲する人からすれば一大変化なのですがそれを取り上げる記事もありません。本来であれば金融緩和政策からいち早く脱却し、利上げもゆっくりとながら進みだし、世界の主要国の中では最も安定したパフォーマンスを誇ってきたアメリカの通貨、ドルが何故、輝きを失ったのか、ここにはAI(人工知能)では判断できないゲームチェンジがあるのかもしれません。

私がしばしば引き合いに出すドルインデックス。現在91.5ポイント程度で2015年1月初頭以来の水準となっています。以前申し上げたようにチャート的には節目を切ってきているため、当面は「ドルインデックス安」が続くとみて間違いないと思います。

それをサポートするのが昨日のカナダ中銀の利上げ決定でした。7月の会合に続き、9月の会合で2回続けて利上げをしたのはカナダの各種経済指標が良好であるからです。市場では年度内にもう一度利上げする可能性も5割程度とあるとされています。極めて強気の姿勢にあります。

また、注目されていた欧州中央銀行の政策会議。ドラギ総裁が金融緩和政策からの離脱をどう表明するのか視線が集まっておりましたが、来年以降の離脱方針を明白にするとともにどのようなプログラムでそれを進めるのか、10月以降の政策会議で決めていくとしました。

もともとユーロ高ドル安のトレンドだったところにドラギ総裁の金融緩和離脱方策の明示化でユーロはさらに買われ遂に1.20台をつけ、こちらも2014年12月以来のユーロ高となっています。

ではなぜ、ドルの魅力が失せているのでしょう。最大の理由は通貨のバランスがドル対他通貨という非常にアンバランスな構図になっている点があると思います。ドルが基軸通貨として君臨したのは概ね両大戦間に英国スターリングポンドからバトンを受けてからということになります。つまり大体100年たったということです。ドルがポンドからシフトされた理由は様々ありますが、国家規模、経済規模、影響力、統率力等が圧倒していたうえに国土が戦場にならなかったことで疲弊していなかったこともあるでしょう。

そのうえでユダヤ人が英国でなしえなかった世界をアメリカで具現化し、金融を支配するというネットワークがその勝利を引き出したわけです。

ところがドルは万全ではなく、途中何度も躓きかけましたが、多くの歴代大統領は「ドル高政策」を訴え、基軸通貨として何処でも通用する紙幣にしてしまったのです。それこそ、私が82年ごろにソ連や東欧にいた時でも高額のドル建ての入国手続き料(強制両替制度)を払い、モノは「ドルショップ」で購入させられました。その後、高インフレのブラジルに行けば自国通貨は紙切れでドルを求めて泥棒までドル以外はいらないという馬鹿げた状態にありました。イデオロギーで敵対していてもあの緑色の紙幣には世界中の人があこがれたとも言えます。

この4-5年、中国は自国通貨、元を国際化させるためにあらゆる画策を進めてきました。IMFの特別引き出し権に元を構成通貨としてさせてみたり、AIIBも元の国際化の一環だったとも言えます。これに対して中国元の国際化はない、とみる専門家が主流なのも事実です。興味深いのは本日のブルームバーグにアメリカのあるヘッジファンドが中国元安を賭けて7年間相場と戦ったものの中国元は安くなるどころか強くなってきて250億円を失い、「眠れなくなり、顧客を失い、正気も失いかけ」ついに白旗を上げたと報じています。

一方、中国人が中国政府と元を信じていないのも誰も言わない当たり前の話で仮想通貨に走ったのはご承知の通り。ところが一昨日のニュースで中国がICO(イニシャル コイン オファリング)を禁止しました。こうなると資金の逃避先は金しかなくなってきます。それもあってか、金の12月先物は本日、1350ドルを超える上昇ぶりとなっており、世界を駆け巡るマネーがどこにその落ち着きどころを求めるのか皆躍起になっていると言ってもよい状態にあります。

1ドル札には「全知全能の目」が描かれていますが、ドルを発行する連邦準備銀行を管理するFRB議長以下のプロ集団が全知全能者ではありません。地球儀ベースでのパワーバランスの中で生まれた圧倒性がドルをサポートし続けたわけです。

勿論、今回のドル安は単なる循環の一連である、と反論されればそれまでです。が、世界の環境、アメリカの環境はこれまでと大きく変わってきたのは事実です。マネーの達人たちがその長期的ビジョンについてさまよい始めたとすれば別次元の金融の不安定時代があってもおかしくないのかもしれません。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

次は「ドルは強すぎる」ですか?4

Our currency is too strong.

トランプ氏のウォールストリートジャーナル紙のインタビュー記事です。いつかはそう言うと思っていましたが、ようやく発しました。トランプ氏は為替に関する発言が二転三転しています。選挙活動中、当初は安いドルを求めていました。ところが一転してドル高容認でFRBのイエレン議長をターゲットにして金融政策がハト派過ぎる(=利上げペースが慎重すぎる)と「口撃」していました。

私はトランプ氏のこのドル高容認発言に違和感を持ち続けていました。国内産業を拡充し、輸出を振興させるのであれば強すぎるドルは好ましくないからです。それと不動産事業者が低金利を好まないはずがないわけでハト派の金融政策は本来であればトランプ氏の(元)事業にプラスに影響するはずであります。

トランプ氏の発言は意表を突くタイプで人を驚かすことを喜んでいるようです。Aだと思っていたらBだ、Bだと思っていたらCだ、というタイプの人は世の中にいるものです。素直に「その通りだよ」と言わないタイプです。そういう人に限ってすり寄ってきたら急にお仲間意識が強くなり、「お前だけは別だよな」ということになります。

トランプタワーで会談した孫正義氏にしろ、アリババのジャック マー氏にしろ、シリコンバレーのトップたちにしろ、アマゾンのペゾス氏にしろトランプ氏はニコニコで褒め上げています。ジャック マー氏の事業はトランプ氏の大嫌いな中国の為の、中国政府の息がかかり、中国が札束に変身したような会社であります。(と言いながら私は株主ですが。)それなのになぜ、あの金ぴかのトランプタワーに入り込めたのか、考えれば考えるほど辻褄が合わないのです。

アマゾンのジェフ ペゾスも選挙期間中、「犬猿」とまで言われたのにトランプ氏との会談後に雇用を増やすと胸を張っています。こうやってひとり、また一人とお仲間を作っていくのでしょう。

思うにトランプ氏は今後、様々な民間人、諸外国の国家元首らと会い続けるでしょう。その度にトランプ氏の言動はブレ、過去の発言と相違する可能性があります。それと同時に彼の素直に「そうだね」と言わない性格は修正され、ツィッターも封印とまではいかないまでも過激さは薄れていく気がします。

あわせてトランプ氏と会った人たちのトランプ評も変わるのでしょう。勝手な想像ですが、多分、彼はあの強面の性格と実物に相当ギャップがある人物のように思えます。そうでないと経営者たちがあそこまで「変貌」するとは思えません。

為替ですが、アメリカにとってドル高がいいのか、ドル安がいいのか、一長一短です。しかし、個人的に無責任な肩入れをするとすれば基調としては安定的でドル高バイアスがかかるのがよいと考えます。理由は基軸通貨であり、ドルの覇権は世界経済の血液が清く正しく流れることを意味するからです。ドルの不安は代替通貨の議論がいやおうなしに出てきます。先行き不透明なユーロですか?中国元ですか?通貨バスケットのガラガラポンというのも発想として存在しますが米ドルの築き上げた地位は現時点では良い悪いにかかわらず不動です。

新興国に行ってもロシアに行ってもドルは喜ばれます。メキシコではペソよりUSドル。ブラジルでもレアルよりUSドルです。新興国に行くとあまりきれいとは言えない格好をした人が小さく折りたたんだドル紙幣を何よりも大事そうに持っていたりするものです。

今のドルが高いか、安いか、といえばドルインデックスでみると今年に入ってようやく騰勢から反落になっている状況ですが、この先についてはTD Bankあたりではまだドル高を予想しています。

為替はトランプ氏の口先だけでは大勢を変えるほどにはならないと思っています。それこそ、英国のEU離脱とか世界不和とか、世界経済といったレベルで動くのでしょう。アメリカ経済が健全であり、健全なる利上げを見込むのであれば米ドルが買われるのはナチュラルであり、トランプ氏の野望とはやや逆を向くような気もします。

さてどうなることでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

仮想通貨と金の共通点4

日本政府は仮想通貨を「貨幣」として認めることを発表しました。これは金融とITの技術融合であるフィンテックの開発に弾みがつくとされています。

ところでこのところの世界経済の不安感台頭でスポットライトが当たっているのが金(ゴールド)であります。何故でしょうか?

仮想通貨と金は共に大きな共通点があります。それは国家の色に影響されないということであります。

世の中の一般的な通貨は全てある国家や組織が発行するものであり、その通貨はその国や集合体の経済流通潤滑の為の血液の役目を果たしています。本質に立ち返れば、国内で経済情勢をみながら貨幣の流通調整を行っているうちは問題がありませんが、一旦、他の通貨を使い他国との貿易が行われるようになると「どちらの通貨を」「どの比率で」貨幣として認識するのか当然、調整が必要となります。今は多くの主要通貨は市場がその為替レートを決定しますが、その昔は金や銀が介在していました。

今、世界の通貨を俯瞰すると何故だか、米ドルが基軸通貨として君臨しています。その昔は英国のスターリングポンドでありました。なぜ、基軸通貨となったかいえばより政治力、経済力、発言力などの総合的影響力によってそのポジションを作り上げたともいえます。覇権国家故の通貨流通力を武器に神通力を持たせ、多くの途上国や経済不安を抱える国の自国通貨の代替的信用の役割も持つことができる通貨であります。

その昔、ソ連とアメリカが冷戦状態だったころ、私がモスクワで買い物するのはドルショップでありました。そこに行けばモノがあります。ソ連も外貨=ドルが欲しかったのでしょう。ソ連の通貨であるルーブルを握りしめても商品は何処にもないし、当時は一部ではまだ配給券でモノを貰う仕組みでした。日本にも戦時中、配給券でコメなどを貰っていました。

今週末開催されるG20では乱高下する為替について議論がされることにはなっていますが、その対策について「画期的なものはなさそうだ」というのが事前に漏れ聞こえてきます。為替がなぜ、乱高下するのか、これは自国経済の実態を反映する時代から国情や政治、更に地政学的リスク、地球儀ベースでの思惑など非常に多くのファクターが絡み合うようになったためでしょう。

例えば英国がEUからの独立賛否を問う国民投票が行われるとなぜ円が買われるのか、それを論理的に説明せよ、と言われてもあれっと思うでしょう。私の数日前のそのトピックスのブログの最後に、「この国民投票は円高を招く」という趣旨のことを書きました。事実、そうなっています。

但し、基軸通貨であるドルを中心に潮の満ち引きのごとく為替は動くという基本構造は変わっていません。アメリカはなぜ基軸通貨の地位を欲しがるのか、といえばその特権である「どれだけ財政赤字、貿易赤字になってもアメリカは潰れない」という点が最大のポイントでしょう。アメリカがドル基軸通貨を手放した瞬間、アメリカの地位は崩壊する可能性があるとも言えるのです。

つまり、多国間で交換する通貨とは常に発行国の事情が伴う点に於いて不完全貨幣であります。それを補うのが万国共通の通貨であり、発行母体が影響を受けにくいものとなります。歴史的にその代表が金でありました。世の中が不安定になればなるほど輝きを増すのが金とも言えましょう。

仮想通貨はそれに近い性格を持っているとも言えます。但し、私が今一つ不完全だと思うのはその通貨の価値が不安定である点です。例えばビットコインの場合、2014年1月6日に638ドルをつけたものの2015年1月1日には214ドル、16年2月1日には423ドルとなっています。現在世界7000店で使えるとするこのビットコインは一年でその価値が倍半分になるわけでそれをもとに購入する商品価格もそれだけ乱高下することを意味します。よって日本政府が通貨として扱ったとしてもその汎用性はまだまだだという気がします。

私が折々主張する通貨バスケットによる新たなる基軸通貨創生はそのあたりを補完でき、為替の作用、反作用を相殺する機能が備わると考えています。

通貨とは限りない信用を付保させることで機能します。例えばエアマイルは原則、その航空会社がつぶれない限りの保証であり、必要マイル数は予告なしに変えられるわけですから本質的な意味での仮想通貨とは言えないと思います。

多分、仮想通貨については今後相当、意見やアイディアが出てくるものと思います。面白い可能性を秘めているとは思っています。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

基軸通貨米ドルの行方4

最近の激しい為替の動きで投資などに興味ない方にも否が応でも「円高」の声が聞こえてしまう状況かもしれません。

今日、午前中のニューヨーク市場では円が115円半ばという水準まで買われ(というより、米ドルが売られ)株も散々な状況となっています。ニュースのヘッドラインに「原油安」を理由にしているものも散見できますが、原油は30ドル台を維持しており、原油安とドル安は結びつかない気がします。

では何か、といえば高すぎたドルの価値の調整期に入った可能性があります。トリガーはいくつかあると思いますが、目先はイランの原油輸出がユーロ建ての意向のニュースは大きなインパクトがあろうかと思います。

かつて、イラクで原油をユーロ建てにしようとしてアメリカが猛烈ないじめをしてドル建てにした経緯があります。中東とアメリカの関係も原油のドル建てという基軸通貨としては絶対前提の取引がそこにありました。中東とアメリカの関係は「世界の警官」だけではなく双方にウィンウィンの重要な関係が維持できるカギとなる取引が存在していたわけでドル建ての原油取引はその重要な柱でありました。

ところがオバマ大統領が「世界の警官ではない」と言い放ち、自国でシェールオイルが産出され、カナダとの長年のパイプライン構想を否決しました。「カナダの重油は汚いし、アメリカでパイプライン事故が起きたら環境に重大な影響が及ぶ」というステートメントはシェールオイルで潤う前提がなければ有り得ない発言であります。言い換えればオバマ大統領はアメリカという国をすっかりトランスフォーム(変身)させてしまったわけです。

では、基軸通貨、ドルはどうなるのか、ですが、アメリカ国内では「強すぎるドルがアメリカ経済を弱体化した」という声は根強く、どうやったらドルは弱くなるのか、と考えている節があります。ではなぜ、利上げをしたのか、といえばそれはそれでやらざるを得なかった事情があったわけで(ここでは長くなるので説明しません)、今後、FRBがホイホイ利上げを継続するとは考え難いのです。

もう一つは割と軽く見られていると思いますが、中国元のSDR採用はすぐさまの変化はありませんが、5年、10年というスパンで必ず、意味を持つようになると考えています。また、中国のボイスとして通貨バスケットによる為替のコントロールという発言が再び出ています。数年前、当時の世銀のトップからも同様の発言がありましたが、個人的にも通貨バスケット案を検討していくことは正しい方向だと思っています。

バスケットにするとそこにある論理的な割合でドル、ユーロ、ポンド、円、元など主要通貨が収まり、為替の変動はより小さくなることで世界貿易や流通、旅行などの発展に寄与します。数年かけて世界の通貨の仕組みが変わる可能性はあります。

逆にその議論が本格化した場合、アメリカの国債市場が不安定になり、ドルが大きく下落する可能性があります。また目先のドルの下落はいくつかの反対現象を導き出します。資源高(特に金は高くなります。)、円とユーロ高、日欧のゼロ金利政策の無力化、株の下落、マインド低下による世界経済のシュリンクなどが考えられます。

今、ドル円が115円台となり、専門家は慌ててコメントを用意し、「当面の動きとしては…」と様々な予想が出ると思いますが基本的に大胆な予想は出ないはずです。私は年初110−115円を今年の円相場の上限と見ていたのですが、100円近くまで構えておいた方がよさそうな気がしてきました。何しろ、まだ2月上旬ですから2016年の先は長いのです。

不幸にもアメリカはレームダックの大統領とユニークな大統領候補が激戦を繰り広げており、11月まではFRB以外、無策である点を十分勘案しておいた方がよさそうです。歴史に永遠はありません。基軸通貨ドルの終焉がないとは言い切れないでしょう。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

魔性の通貨4

通貨(つうか)とは、流通貨幣の略称で、国家などによって価値を保証された決済のための価値交換媒体。(Wikiより)

紙幣という「紙切れ」が北米では財布の中にせいぜい数十ドル(数千円)しか入っていないという人は大変多く、預金が銀行にあり、それをデビットカードなりクレジットカードなりで紙幣を介さない形で使う人が大半であります。しかし、基本は紙幣があろうがなかろうがその国の通貨をベースに計算されたお金が銀行ないし財布に入っています。

「紙切れ」になったのは持ち運びに便利ということに他なりません。物々交換の時代は交換するモノをお互いに持ちよらなくてはならず、江戸時代より前は米や野菜がそのお金のようなものでした。

欧米では金(ゴールド)が珍重されますが、重く保存も大変です。紙幣、あるいは「プラスティック」(クレジットカードや銀行カードを昔、そう総称しました)はそういう意味で大きな改善であったわけです。

私が海外に出かけ始めた80年代初頭、日本でドル現金を多少両替し、あとはトラベラーズチェックなるものをごっそり持って行きました。今の人はこの旅行小切手なるものの存在を知らないかもしれません。クレジットカードは「インターナショナル版」なるものがぽつぽつ出始めたころです。この数十年だけ見てもいかに世の中でお金が地球上を自由に飛び回っているか、そしてすべての人にとって基軸通貨なるドルが便利であるか、わかって頂けるでしょう。

83年ごろソ連でドルショップなるものがありました。そこに行けば西欧のものが買えるのです。ソ連の敵、アメリカの通貨だけが使えるドルショップがモスクワを始めあちこちに存在していました。あるいは当時、ポーランドでは強制両替制度があり、滞在期間中一日当たり何十ドルか(金額は忘れました)ポーランドの紙幣、ズロッチに交換しなくてはいけませんでした。ポーランドの外貨取得のためです。ところが私にとっては使うところが全くなく、出国時には札束(3,4センチぐらいありました)となってしまうのですが、原則紙幣の海外持ち出しは禁止。ただ、うまく持ち出し、最終的にオーストリアのウィーンであり得ないぐらい酷い為替レートでドルに換えた記憶があります。

つまり、基軸通貨ドルというのは実に便利な存在であり、特に新興国では自国通貨よりもドルというのは常識で、一昔前は南米各国やメキシコでも非常にありがたがられたものです。

このドルは何気なく全知全能の神のようなパワーを持ったお金のように思えますが、アメリカ政府が一株も所有していない連邦準備銀行が発行し、世界経済の血液となっているのです。(1ドル紙幣にはプロビデンスの目が描かれてあり、「神の全能の目(All seeing eye of God)」ということになっていますが。)

アメリカにしてみれば地球上の血液であるドルは「純血であるべき」と考えるでしょうが、ユーロなどの混じり気も多少あります。ただ、ユーロはアメリカからすればお友達ですから許せますが、中国元やロシアルーブルを許すか、といえばそれは厳しいものがあるでしょう。なぜならば中国元やロシアルーブルという血液はどこまで信用できるのか、という大きな疑問符がつくからです。

ソ連はルーブルよりもドルを信用していました。中国元はこれから国際化を進めるのでしょうけれど使えるようになればよいというものではありません。通貨の真の価値は永続的に揺らぎないものでなければなりません。ところが両国とも政変でも起きれば一夜にして全てがひっくり返る可能性を秘めています。中国が十分大国であるとしてもそれは体格の問題であって、ディスクロージャーを通じて13億の国民が一定の満足度を持ち、民主的な決議によって物事が決定されるというプロセスが圧倒的に欠落しています。これが中国元が国際化しにくい理由でもあるのです。

韓国ウォンがなぜローカルカレンシーかといえば為替介入などを通じて政府が不自然な力を通貨の価値にかけることが可能なほど規模が小さいから、ともいえるのです。円が為替介入しなくなったのはアメリカから怒られたこともありますがそれ以上に市場のパワーが政府の介入のパワーを凌駕しているためほとんど意味をなさないということなのであります。つまり、円は成長したとも言えそうです。

通貨の世界も実に奥深く、ドル基軸通貨が崩れることは当面なさそうな気がいたします。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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ではまた明日。

世界が求める通貨4

世界共通のマネーの代名詞といえば米ドルで疑う人はまずいないでしょう。しかし、この基軸通貨と言われる共通マネーも歴史と共に推移してきました。

金融、投資の専門誌バロンズによると1450年のポルトガル通貨から始まり、スペイン、オランダ、フランス、イギリス、そしてアメリカへと基軸のバトンは渡されていったと紹介されているようです。実際にはその間、金や銀本位などという仕組みも絡ませながら、基軸通貨は長い歴史の中で姿かたちを変えていったとも言えます。米ドル不信論はこの数年出ては消え、出ては消え、を繰り返していますが、米ドルに代わるなにかを求める動きは常について回りました。

ユーロの創生は米ドルへの過剰な傾注を和らげるには役立っているでしょう。あるいはローカルカレンシーによる直接取引が取りざたされたのはBRICs諸国でした。中国元をもっと流通させるという動きはあちらこちらにあるようで例えばカナダは中国元の取引を積極的に行っていくことを表明し、バンクーバーにそのステーションを持ってくるという案も出ています。勿論、日本円についても貿易決済での円建て取引はじわじわと増えているのも事実です。

しかしながら、通貨の歴史を穿った目で見る限り、米ドルの次はあるのだろうかという疑問が無きにしも非ずです。それは歴史のバトンはキリスト教を主体とする世界でのお話であり、地球儀ベースで西にどんどん流れていくということになるのか、太平洋には大きなハードルがあるように見えるのです。

ご承知の通り、「街は西に延びる」という論理は日本でも世界でもあちらこちらで見て取ることができます。経済についてもイギリスからアメリカ、日本の時代を過ぎて今、中国となっています。これは順当な動きでありますが、通貨だけはどうもすっきりしないのです。

ビットコインはもう終わったと思っている人がいたらそれは勘違いです。日本のマウントゴックス社が破産しましたがあのテレビに映っていたフランス人のオタク社長、カルプレイス氏はもともとマウントゴックスの仕組みを作り上げた人物からビットコイン取引を通じて知り合った中であの会社を引き継いだだけであります。つまり、一銀行がつぶれただけでその通貨の運命が終わる訳がないのと同様、ビットコインは増々進化する様相すらあるのです。

しかし、私はビットコインそのものはごく一部の人たちに愛されるローカル仮想通貨に留まると考えています。理由は流通量が圧倒的に足りないからです。米ドルにしろ、ユーロにしろ、円にしろ、なぜ、世界規模で流通できるかといえば輪転機を回せばいくらでも刷れるからです。ビットコインも金(ゴールド)も採掘を通じて限られた産出量しかなく市場規模の成長に合わせて流通量を増やす柔軟性に欠けるのです。

ところで、なぜ、人々は世界通貨を求めるのでしょうか?私がソ連や戒厳令下のポーランドに行った際、必ず、ドルショップにドルへの強制両替、闇ドルの横行でした。今でも国によってはそうでしょう。理由はローカルカレンシーはその政府の自己都合で価値が遺棄しやすいからであります。つまり、何十年にも渡り安定した価値を維持できる軽くて扱いがよくて、どこでも通用するものが欲しいのです。

そういう意味ではビットコインは米ドルなどの通貨が抱える多くの問題を解決することができます。理由は手軽さや流通のしやすさもそうですが、最大の特徴は政府を介在しないということでしょう。50年、100年後もビットコインが流通し、市場価値を維持できるのならこの仕組みを作り上げたナカモトサトシなる人物は通貨のスティーブ・ジョブズなのかもしれません。

考えて見れば輪転機を廻すといっても電子決済が進む中で財布の紙幣がなかなか減らない時代になってきました。実はクレジットカード一枚で世界中どこででも決済できるその仕組みに案外、世界通貨のヒントがあったりしませんか?VisaMoneyとかMasterMoneyなるものができて世界どこでも両替知らずなんていうサービスができたら世界の金融が変わるほどの画期的事象になるでしょうね。

今日はこのぐらにしておきましょう。

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ではまた明日。
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