日経平均は今日,12月19日の寄り付きに10000円を突破しました。ついこの前まで8600円台でしたから野田首相の解散総選挙、そして安倍総裁の金融緩和、国土強靭化というわかりやすいテーマが株式や為替の市場に火をつけた形となっています。
株は通常、夢を買うことも多く、選挙の場合には選挙の日を境に潮目が変わることが多いのですが、月曜、火曜の相場つきを見る限り、強い、というのが正直な感想です。また、12月のこの時期はクリスマスシーズンで海外の買いが細ること、個人投資家にとって年度末で利益確定の動きが出ることから普通は市場エネルギーは落ち込みます。では今回はどう見るべきでしょうか?
私はまず、日経平均10000円をひとつの節目と見ています。それが今日。次に日銀の政策会議が19日、20日と行われますが、市場の期待は明日の一定の金融緩和発表だと思います。実はこの読みが韓国の大統領選挙の行方とともに今年最後の興味あるところとなりました。なぜならば安倍総裁と白川総裁の世紀の一騎打ちという見方も出来るのです。
そして私はこの数日、いろいろ考えましたが今回は金融緩和はなし、と読みました。
理由はいくつかあります。日銀の独立性を前提に今、金融緩和をする必要があるか、といえば第4四半期はボトムで年明けから回復に向かうであろうと想定できる経済指標は重要だと思います。特にこの第4四半期の落ち込みは中国関連が足を引っ張るはずでわかりきっている落ち込みです。他方、アメリカ向けなどが回復基調になってきて企業短観の先行きDIが回復を見せるなど景気先行指標が前向きになっている状態を考えれば今月、金融緩和をする理由はなさそうに思えます。
更に9月、10月と2ヶ月続けて緩和していることもあり、その効果を見定めるという必要もあります。
三つ目に安倍政権との調整についてはまずは政権が成立する26日以降、その組閣を含め、新政権の目指す方向性を再確認し、日銀との協調をどうするかひと月かけて検討する、というのが妥当であると思われます。特に白川総裁は来年4月が任期ですからいまさら擦り寄ってもしょうがない、というのが私が見立てた総裁の気持ちではないでしょうか?
もうひとつ、アメリカの財政の崖についてその行方を見定めた上でアメリカの金融政策とのバランスも必要でしょう。あらゆる意味でこの12月に中途半端な金融緩和をする意味がないように思われるのです。
ただ、市場はそれを期待している向きが多く、私は20日に日銀政策会議で市場を刺激するような結果が出なければ株式市場はいったん調整、為替も一時的に円高に振れると見ています。つまり、この20日が選挙のお祭りの仕上げになるような気がしております。
年明け以降、自民党新政権の具体的な案が出てくるに及んでもっとスペシフィックな形で市場は反応していくことになるかと思います。たとえば、国土強靭化の具体的なプラン、予算が出てくればそれに対応する業界は潤うことになるでしょう。
全体的には来年は世界で特に大きな問題が生じない前提において日本の株式市場は健全な動きを維持していくかと思います。メディアは日銀と安倍総裁の件を面白おかしく書き立てました。われわれはそれに扇動されすぎている気配はあります。私の見立てる両者の関係はもっとクールな気がします。選挙前と選挙後では発言の意味合いも違ってくるわけで昨日の両者の会談も実務的な話ではなかったような気がしております。
予想屋ではないのであまりこういうことを書くのもはばかれたのですが、個人的には金融緩和依存症にある世論に正直辟易としており、日銀は正しい政策判断をしてもらいたいというのが本音であります。
今日はこのぐらいにしておきましょう。
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ではまた明日。
株は通常、夢を買うことも多く、選挙の場合には選挙の日を境に潮目が変わることが多いのですが、月曜、火曜の相場つきを見る限り、強い、というのが正直な感想です。また、12月のこの時期はクリスマスシーズンで海外の買いが細ること、個人投資家にとって年度末で利益確定の動きが出ることから普通は市場エネルギーは落ち込みます。では今回はどう見るべきでしょうか?
私はまず、日経平均10000円をひとつの節目と見ています。それが今日。次に日銀の政策会議が19日、20日と行われますが、市場の期待は明日の一定の金融緩和発表だと思います。実はこの読みが韓国の大統領選挙の行方とともに今年最後の興味あるところとなりました。なぜならば安倍総裁と白川総裁の世紀の一騎打ちという見方も出来るのです。
そして私はこの数日、いろいろ考えましたが今回は金融緩和はなし、と読みました。
理由はいくつかあります。日銀の独立性を前提に今、金融緩和をする必要があるか、といえば第4四半期はボトムで年明けから回復に向かうであろうと想定できる経済指標は重要だと思います。特にこの第4四半期の落ち込みは中国関連が足を引っ張るはずでわかりきっている落ち込みです。他方、アメリカ向けなどが回復基調になってきて企業短観の先行きDIが回復を見せるなど景気先行指標が前向きになっている状態を考えれば今月、金融緩和をする理由はなさそうに思えます。
更に9月、10月と2ヶ月続けて緩和していることもあり、その効果を見定めるという必要もあります。
三つ目に安倍政権との調整についてはまずは政権が成立する26日以降、その組閣を含め、新政権の目指す方向性を再確認し、日銀との協調をどうするかひと月かけて検討する、というのが妥当であると思われます。特に白川総裁は来年4月が任期ですからいまさら擦り寄ってもしょうがない、というのが私が見立てた総裁の気持ちではないでしょうか?
もうひとつ、アメリカの財政の崖についてその行方を見定めた上でアメリカの金融政策とのバランスも必要でしょう。あらゆる意味でこの12月に中途半端な金融緩和をする意味がないように思われるのです。
ただ、市場はそれを期待している向きが多く、私は20日に日銀政策会議で市場を刺激するような結果が出なければ株式市場はいったん調整、為替も一時的に円高に振れると見ています。つまり、この20日が選挙のお祭りの仕上げになるような気がしております。
年明け以降、自民党新政権の具体的な案が出てくるに及んでもっとスペシフィックな形で市場は反応していくことになるかと思います。たとえば、国土強靭化の具体的なプラン、予算が出てくればそれに対応する業界は潤うことになるでしょう。
全体的には来年は世界で特に大きな問題が生じない前提において日本の株式市場は健全な動きを維持していくかと思います。メディアは日銀と安倍総裁の件を面白おかしく書き立てました。われわれはそれに扇動されすぎている気配はあります。私の見立てる両者の関係はもっとクールな気がします。選挙前と選挙後では発言の意味合いも違ってくるわけで昨日の両者の会談も実務的な話ではなかったような気がしております。
予想屋ではないのであまりこういうことを書くのもはばかれたのですが、個人的には金融緩和依存症にある世論に正直辟易としており、日銀は正しい政策判断をしてもらいたいというのが本音であります。
今日はこのぐらいにしておきましょう。
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