外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

欧州

時計の針が逆に動き出した欧州、ここにもある世界不和の火種4

G7が8月24日からフランスで開催されます。その時、初登場の英国、ボリス ジョンソン氏の発言に注目が集まるでしょう。彼は合意なき離脱もやむを得ず、という立場を貫き通す姿勢を見せており、欧州の首脳とは全く異質、異次元の立場を取ろうとしています。欧州首脳は「今更何を…」と内心思っていますが、ジョンソン首相がそれを意に介さないところにこれから始まる欧州の混沌を見て取っています。

離脱期限は10月31日ですからあと2カ月強しかありません。メイ首相時代に作り上げたであろうシナリオのちゃぶ台返しに「ふざけるな」と思う大陸首脳陣も盤石な体制だとは言えません。その上ジョンソン首相のスタイルはトランプ大統領のそれとそっくりであり、大げさでストレートトークであり、相手に衝撃を与えることを何ら慮ることはないでしょう。

大陸首脳陣がさえないもう一つの理由はドイツの不振であります。4-6月のGDPはマイナス0.1%に沈みましたが、このところ囁かれているのは7-9月GDPもマイナスになるのではないか、という点であります。そのため、財政均衡に対して厳格な同国もこのままでは国内景気が維持できない可能性をシナリオに取り込み始めており、緊急的な財政出動ができる体制を準備しているようだと報じられています。

ドイツが不振なのは生産面、輸出の両面の不振が挙げられていますが、とりもなおさず、中国向け及び英国離脱に揺れるEU内での景気不透明感が響いているものと見られます。ドイツ中央銀行であるドイツ連銀は景気を「停滞」と表現していますが、その中に偶発的ではないとする表記から構造的低迷に陥ったと見られれば、しばし経済成長率は低迷するかもしれません。

次いでイタリアです。非常に分かりにくい連立与党を指揮するコンテ首相が20日、辞意を表明しました。イタリアは急進右派の同盟と左派の五つ星が水と油の状態で連立を組んで18年6月に政権が発足したものの形の上では同盟のサルヴィーニ書記長の強気姿勢に押される形で分裂が顕在化しました。現時点で同盟への支持率は高まっており、首相選になった場合の動向が注目されます。

こう見ると今週末に開催されるG7に於いて日本、アメリカはともかく司法介入疑惑で倫理委員会からクロを付けられ、今秋の総選挙で敗退の可能性が高まるカナダ トルドー首相及び欧州陣営では新加盟のジョンソン、半ばレイムダック化しているメルケル、辞任発表したばかりのコンテ、それを支える議長国のフランス、マクロン各氏では何かを期待する方が間違っているでしょう。

個人的にはフランス、マクロン首相の手腕についてもあまり高く評価していません。支持率は12月の23%からじわじわ切り返し、7月の世論調査で32%まで盛り返していますが、そろそろ戻り一杯だろうと思っています。その手腕を試すのが英国との問題であり、またEU全般の経済問題において機能不全となりつつあるドイツに代わり、どこまでサポートできるかであります。以前もご紹介したようにフランスとイタリアは大戦以降最悪の関係となっていることも念頭に置く必要があります。

ところで、欧州中央銀行は金融緩和を推し進めるバイアスにあり、マイナス金利が当たり前になりつつあります。

マイナス金利は何を意味するか、様々な見方がありますが、一つの尺度に「時間」があります。金利とは「時間を買う」という意味です。とすればマイナス金利は時間が逆行しているともいえるわけでマイナス金利になること自体が時計の針が逆さに動き始めている極めて危険な状態だといえないでしょうか?

英国の離脱とはEU発足後、英国が参加したあの時まで時計を戻す、とまでは言いたくないですが、それほど混とんとしつつあるのです。その底辺には日本では実感しにくい中東などからの難民が押し寄せることに対する欧州各国の国内世論の分裂、爆発とも言えます。イタリアの首相辞任表明はその端的な例だともいえるでしょう。

世の中の目は米中問題に行きがちですが、欧州でもジワリと秋風が吹きこんでいるようです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

目が離せなくなったトルコのアメリカ人牧師拘束問題4

土曜日のブログでさらっとお伝えしたトルコのアメリカ人牧師拘束問題、考えれば考えるほど嫌な予感がしてなりません。

ことのあらましは土曜日にすでに説明したとおりですが、一言でいうと2016年にエルドアン大統領政権を転覆させようとしたトルコ軍がクーデターを起こした際にこのアメリカ人牧師がかかわったとしてトルコで逮捕されたことに関し、トランプ大統領が解放を迫り、快い返事がないため、関税引き上げで対抗すると発表したことでトルコのリラが一日にして2割も暴落した一件です。

通貨が一日で2割も変動するというのは円ならばさしづめ、110円だったものが突然138円にもなることです。こうなると慌てるのは貿易会社、金融関係、トルコの債権の所有者でありましょう。いわゆる狼狽による不安定な相場つきが想像されるのですが、これがトリガー(引き金)になって別のところに火をつける可能性も絶対にないとは言い切れません。

例えばリーマンショックもことの発信源はアメリカを舞台にしたものでしたが、その特殊な債権を多く購入していたのが欧州の銀行で、それがそののちに欧州の金融危機にもつながっていきます。今回はまずは欧州の銀行がどのような反応を示すかが注目になります。個人的には一部の欧州の銀行、例えばイタリアやスペインなど不良債権を抱えている銀行やドイツ銀行のように経営が不安定な銀行などがどうでるかが注目かと思います。またトルコ向け債権を多く所有する金融機関もあぶりだされるはずです。

次いでトルコのエルドアン大統領の態度が気になります。この大統領は非常に独善的である意味、トランプ大統領に似た性格をお持ちとお見受けします。売られた喧嘩は買う、という方でしょう。言い換えれば何らかの幕引きの条件が提示されない限り、大統領のメンツが許さない形になります。

一方、トランプ大統領も一牧師ごときになぜ、ここまで躍起になるかといえばキリスト教福音派の票を確保するための政治的配慮以外の何物でもありません。つまり、中間選挙対策であってそのために強硬な姿勢を貫くわけです。仮に日本人が拘束されたとして政府が国家間関係を壊すほどの圧力をかけることがあるでしょうか?想像すらできないはずです。

トランプ大統領は良い面もあるのですが、このところの選挙対策はあまりにもえげつないように感じます。話はずれますが、NAFTA協議でもアメリカはメキシコと交渉が展開しており、カナダとはサイドライン、つまり横に放り出されており、交渉の糸口すら見いだせない状況になってます。理由は前回のG7で議長を務めたカナダのトルドー首相への当てつけであります。

日本も数日前に開催された日米貿易協議では平行線のまま終わり、議論持越しになっています。日本がTPPなど多国間協議を求めるのに対し、アメリカは日米の二国間協議でベストを引き出そうとしています。私は絶対に2日間の協議ぐらいで決まる話ではないと確信していましたが、やはりそうなりました。

エルドアン大統領のことですからロシアや中国に掛け合ってくるでしょう。アメリカの選挙対策という自己都合の政策が地球全体の外交を揺るがし、金融市場など世界経済を不和にします。

ここまでくるとアメリカボイコットという声が出てきてもおかしくないかもしれません。イランも相当怒りをぶちまけています。果たして夏が終わるころ、再び、〇〇危機などという激変が起きないか、心配になります。トランプ大統領の手腕は「無謀な力づく」という表現が一番しっくりくるでしょう。安倍首相はエルドアン大統領と親交があるものの今は火中の栗は拾わないでしょう。

ことのなりゆきには要注目です。

では今日はこのぐらいで。

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ではまた明日。

欧州の軋み音4

欧州の基盤、EUは何度となくその存続について議論されてきました。特に規律が厳しく、各国間の経済力の調整がやりにくい単一通貨制度はシステム上の致命的欠陥ともされてきました。国力の市場評価は為替という調整機能がないため、各国が発行する国債の利回りに反映されますが、これが時として台風のように大暴れし、世界経済への影響すら与えてきました。

英国はそんな中、少しずつEU離脱に向けた作業を進めています。現状、2019年3月という期限を考えると実務協議ができるのはあと半年もないはずで大丈夫なのか、と危ぶむ声も大いにありますが、英国人の楽観主義が全体をすっぽり覆いかぶせているように見えます。

英国の離脱が果たして英国にとって得策なのかどうか、これは誰もわかりません。専門家は関税同盟がうまくいかず、FTAなど二国間協定に頼ったとしても果たしてうまくいくだろうか、と懐疑的であります。

ただ、これは英国とEUにおける力関係から指摘される「交渉力」をベースにした推論であり、英国のあまのじゃく的体質からすればすり寄ることは考えにくく、英国は英国の道を歩むという傾向は否定できないとみています。

とすればEUが英国をEUの支配下に置くその目論見は見事に外れるかもしれず、この勝負、どこに向かうのか、意外と「事実は小説より奇なり」のようなことも起きるかもしれません。

さて、私がふと欧州にスポットを当てたくなったのはEUという岩盤にイタリアがどんな抵抗を見せるのか、タイミングの問題も重なり注目に値すると考えたからです。

イタリアは今年3月に選挙があり、ポピュリズム政党「五つ星運動」と極右政党「同盟」が連立を組んで組閣に臨みました。政策の注目点は反EUであります。ところが誰も知らないような大学教授を首相候補に挙げるなど無謀ぶりが目立ち、大統領であるマッタレッラ氏はこのままでは国が持たないと思ったのでしょう。経済に明るい元IMFのコッタレリ氏を暫定首相に任命し、政治家を極力入れない組閣を行い、早期に行うであろう総選挙までの「幕間つなぎ」を指示しました。

イタリアは日本以上に首相がくるくる変わる国で国家の運営が極めて不安定であります。この国の人もまた楽観主義でかつ、国のことを考えるより太陽と美食と美女を追っかけているようなところがあります。

そこに厳しい戒律で縛り上げる北部ヨーロッパの国々、つまり、ドイツ、オランダなどが「どいつもこいつもしょうがない国ばかり」とビールを飲みながらわんわん吠えているのが実態かと思います。しかし、ドイツもどこまでその力を示せるのか、5年前のメルケル首相の辣腕ぶりがずっと続いているわけではないと考えると「EU懐疑論」が再び襲い掛からないとも言い切れないでしょう。

そういえばフランスでは政府がルノーと日産を合併させ、フランスの企業にさせようと企てています。フロランジュ法という世にもへんてこな法律で労働者の味方、フランスをより強い国にというスローガンで無茶なことを本気で考えています。

欧州と北米の違いは何でしょうか?欧州の国家がそれぞれあまりにも違う体質なのに、EUができた時にその個性に無理やり蓋をした点であります。それが我慢できなくて自国民の声が抑えられらなくなったということでしょうか。アメリカは新天地のもと、どんな移民もアメリカ色に染めてしまった点と大いなる違いです。イタリアが具現化しているポピュリズムは古代ローマから何ら変わらない体質なのかもしれません。国民と政府が発する歴史を背景としたボイスは決して消えることはないのでしょう。

ドイツはねじを締めあげるのか、それともメルケル神話がフェードアウトした今、その向かうべき道を再び模索するのか、欧州の悩みは深刻なように感じます。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

関税戦争4

「米国は取引するほとんど全ての国との貿易で数十億ドル単位の損失を被っている」とはCNNにあったトランプ大統領の発言の一部です。今回のアルミ、鉄鋼への関税を通じた貿易戦争の「開戦予告」の真意は何処にあるのでしょうか?

アメリカの貿易赤字が黒字だったのは概ね1970年代初期までです。その後、赤字傾向が加速度的に進み2005年には7500億ドル近い赤字を計上します。現在でも5000億ドル水準の赤字を抱え続けています。この体質にアメリカ労働者の強い反発が何度かありました。特に対日貿易で起きています。繊維、鉄鋼、自動車、更に半導体までその対象となりました。

ではこんな赤字のアメリカがなぜ、今でも「世界一の国家」を標榜し続けることができるのか、といえば基軸通貨ドルを擁することと国の借金である国債をバンバン発行できるチカラがあるからです。その国債もアメリカの格付け会社が太鼓判を押すのですから自画自賛以外の何でもないのですが、諸外国は消費するチカラのあるアメリカとの取引を重視するため喜んでこの国債を購入するのであります。

その微妙なバランスの上に成り立ってきたアメリカという国家の基盤をトランプ大統領は「構造改革」しようとしているのでしょうか。「貿易赤字は許せない、どうにかしてこの状況を刷新するのだ」という意気込みかと思います。

ところでアメリカ人がアジア人のように働くイメージはあるでしょうか?一部の統計ではアメリカ人のエリート層の労働時間は一般的な日本人よりはるかに長いと出ているのですが、それは巨額のお金(報酬)というニンジンがぶら下がっているからであります。そういう方々は別にして一般的アメリカ人が長時間労働にもへこたれず、低賃金でも耐え忍ぶというスタイルはあまり想像しにくいかと思います。事実、アメリカへの移民層が実質的にそのような職務を支えていると考えてよいかと思います。

そう考えるとアメリカが貿易において輸出とまではいかないまでも地産地消できるほどの製造業の競争力回復をするとは一般的には考えにくいものがあります。となれば、今回ぶち上げた関税は選挙対策とみた方がよいのでしょう。

問題はここからのステージであります。すでに欧州や中国が報復の準備をしているようですが、トランプ大統領は世界を敵にそれでもこの関税競争を実行するために署名をするのでしょうか?今までのケースを見ればパリ協定の離脱、TPPの離脱、NAFTAの再交渉など「本当にやった!」と周りが驚くことをごく当たり前のように行っています。とすればこの関税についても昨日今日に始まったトランプ大統領のつぶやきではないので署名する公算は高いのだろうとみています。

では世界への影響です。仮に欧州などが報復を打ち出せば当然、その品目の貿易は低迷する公算はあります。しかし、現時点で品目数は限定されており、その間にこの関税戦争がいかにばかばかしいものか気がつき、撤回するか、トランプ大統領がすでに大統領の席にいないかのどちらかでしょう。つまり、個人的には直接的な影響は限定的にとどまるとみています。言い換えればこのニュースに対するリアクションは過大だと思います。

トランプ大統領一人が過去世界が積み上げてきた自由貿易への努力を踏みにじれるほど世界の経営は柔ではありません。アメリカのエリート層は冷ややかな目で事の成り行きを見守りながらもその影響が回避できる方策を確実に生み出すとみています。トランプの術中にはそう簡単に嵌りたくないでしょう。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

2018年世界展望 4

あけましておめでとうございます。今年も限られた時間と限られた知識ながらも皆様とブログを通じて対話させていただければと思います。

さて、「2018年世界展望」でありますが、個人的にはズバリ、「乱」の年になるとみています。

アメリカは9年目の景気拡大期に入り、世の中は安定し、不安要素を忘れ去ったような気配すらあります。私はアメリカ大陸こそ、日本の島国のような体質を持っているといると考えています。中南米と陸続きでありますが、アメリカの歴史的スタンスは島国、英国の流れをそのまま汲んでいると言ってよいでしょう。

アメリカがリーダーシップをとっていた時代にはヒーローとして首座にありました。が、オバマ政権時代から主座の責務の一つである「警官の放棄」宣言と次のリーダーを明白にしなかった点でバラバラの世界を生み出したきっかけを作ったとみています。結果としてアメリカの本意でなくてもアメリカへの不満が鬱積し、反米というボイスが生まれる素地を作ったのではないでしょうか?このあたりに「乱」のきっかけがあるのかもしれません。

一方で税制改革の結果、アメリカに再度集積するであろう巨額資金で「札束のピンタ」を通じて経済が高揚し、政治は政治、経済は経済という割り切り感もありそうです。

さて、欧州はどうでしょうか?最近、目立ったニュースといえば英国とEUの「離婚話」が進んでいること、スペインのカタルーニャ地方の独立をめぐり、同地方選挙で独立派が勝利したことでしょうか?これにより様々な理由にかこつけた「おらが村」運動が展開される素地がより強く出てきた気がします。

カナダでは口にこそ出さないのですが、ケベック州とのその他地域との微妙な温度差は常にあり、「大人の関係」が崩れた時、カタルーニャのようになるのだろうと実感しています。その理由は民族問題や経済格差、政策不満など多岐に及びます。欧州は民族のるつぼですから、私はカタルーニャ独立運動は決して軽視すべき事態ではなく、新「欧州の火薬庫」とならないとも限りません。

同じ民族問題を抱える中国はどうでしょうか?同国は歴史的に思想的影響力と金銭的援助のセットで、お仕着せをして「お仲間入り」させ、次に「同盟」、最後に「中国の一部になろうね」という戦略を展開します。中国西部の一部の民族は中国とはまるで違う社会文化構造でもこの戦略で封じ込まれています。

中国は「一帯一路政策」で西に向かうのかと思いきや、朝鮮半島に興味を示さないふりをしながらも巧みな戦術で手中に収めようとしています。フィリピンやベトナムともめているあの南シナ海の人工島の話題も最近は出てきません。手ごまにされたのでしょうか?

これを一般には「膨張主義」と呼ぶのですが、過去、膨張は戦争という手段をとっていたのに今はマインドコントロールという新種のやり方で推し進めているこの中国を誰が止めることができるのでしょうか?歯止め対策を打たねばならないのですが、「誰が?」というと、心もとないのであります。

朝鮮半島ですが、私は「乱」のトリガーの一つになるような気がしています。「緊張関係」を長く維持するのは難しく、必ず、そのバランスを崩してきたのが歴史であります。心すべきでしょう。

この中でこのところLow Keyのロシアの外交的対応は案外、要(かなめ)になるかもしれません。ロシアは国土の形状から西側と東側の外交戦略で振り回されてきた歴史があります。プーチン大統領は18年の大統領選で勝利した後、西と東、どちらに力点を置くのか、この分析が重要になりそうです。私にはシリア問題とIS問題が一旦収まった今、東に力点を置く可能性を否定はしません。

とすればやりにくい相手ではありますが、日本の外交はロシア懐柔政策が良いのではないかと思います。日本を取り巻く環境は、明白に距離感がある韓国、北朝鮮に対して同盟のアメリカ、仮面の関係の中国、連携の台湾や東南アジア諸国という色合いです。また日印関係も進む中でロシアを日本が取り込むことは外交的地位の安定化に絶対不可欠と考えています。

2018年世界展望、話が外交や世界秩序が主体になりました。経済の話を振らなかったのは全般的に大丈夫だろうという楽観的立場にあるからです。その説明はまた今後のブログで折に触れて書かせて頂ければと思います。

日本は世界の中における立場をより一層明白にする一年になるとみています。経済より外交、これが2018年の主軸になるのではないでしょうか?

明日は「2018年日本展望」をお届けしたいと思います。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

オーストリア選挙にみる憂鬱4

民族主義が復活しそうな気配が見え隠れします。勝ち組と負け組の間で生み出されたその敷居は民族という枠に収れんするのでしょうか?

オーストリアの下院選挙で中道右派の国民党が第一党となり、27歳で外務大臣に就任し現在弱冠31歳のセバスティアン クルツ党首が首相になりそうです。そして、第二党だった中道左派の社会民主党が第三党に下落し、第二党に極右政党の自由党が躍進した模様です。国民党と社会民主党の連立は否定されているため、クルツ氏は極右の自由党と連立する可能性が高まり、同国のポジションが大きく閉鎖的民族的思想に変化する兆しが見えてきました。

今週、隣国のチェコでも選挙がありますが、そちらも第一党に新興政党でポピュリズムな政党が勝利を収める公算が高まっています。

先日行われたドイツの選挙ではメルケル首相が勝利したもののその顔に喜びが見られなかったのは極右政党が第三党に躍進したからであります。欧州の地図を見るといわゆるドイツ、イタリアを含む欧州の東部において民族主義が再び台頭しており、嫌な雰囲気が漂ってきています。

また、ご記憶にある通り、フランスでは極右政党ルペン候補が大統領選に最後まで残り、オランダの総選挙でもポピュリズムが台頭、更に先日、スペインのカタルーニャ州では「勝手に進めた」州民投票の結果を受けてその独立へ向けて連邦政府と対峙しています。

欧州で再びもたげ始めた民族主義やポピュリズムは難民問題や失業問題がその引き金でありました。オーストリアのクルツ氏も外相時代に難民をゼロないし、マイナスにするとし、その行動力が買われたものとされています。

中東からの難民とはそれほど厄介なものなのか、といえば私も聞く限りにおいてはそのようです。カナダも若干受け入れ、その受け容れ場所はカナダ全土にちりばめています。予算的な問題や難民同士がグループ化し、ローカル社会と溶け込めないという問題を防ぐために分散化させています。

が、いくら税金を投入し、言語習得や職業訓練を施し、ある程度食べさせても育たないのであれば、それは政府のみならず、国民の反発を招くのは自明の理。まさにこれが今起きているのでしょう。メルケル首相の理想論に対して世間のボイスは思った以上に厳しいものになっているという感じがします。何気で感じる雰囲気としては敬虔なるイスラム教徒がキリスト教をベースとする人々と交わりにくく、メンタルバリアが存在しているようにみえます。

ではこの問題は欧州の一部だけのイスラムだけのことなのか、と言えばそんなことはなさそうです。北米を見ればアメリカがメキシコとの壁の問題や中国や韓国との様々な問題を取り上げます。好まざる人の受け入れをしないようビザの仕組みを作り、不法滞在者を見つければ追い出すこともいとわないようになりました。

カナダでも明白には言及しないものの増大する特定民族からの移民申請により民族バランスへの影響を考慮し、その特定民族が入り込みにくくするようなビザの仕組みに改変しています。移民国家だけにソフトな対応ですが、実際には非常に厳しくしているといえます。

中国でも民族問題は常に起きています。今週からの共産党大会を控え、北朝鮮問題にもセンシティブになってきた中国は北朝鮮からの出稼ぎ者を次々と本国に帰国させていると報じられています。今、地球儀ベースで起きているのは「民族の反グローバル化」そのものであります。

民族の反グローバル化が起きたきっかけは難民問題というよりグローバル社会になり、世界の壁が低くなり、物資や情報、マネー、更には人々が行き交いやすくなったその反動そのものであります。その締め出しの第一歩が人であったということかと思います。

物資についてはアメリカがFTAやNAFTAの見直しを迫るなど既に動き始めていますし、情報のコントロールは中国やロシアなどはごく普通に行われています。マネーはアメリカが本来取れるべきだった税が欧州に流れたことでアメリカ民間企業の資金のレパトリ(本国回帰)を模索しています。これらが本格的に世の中のトレンドとなった時、世界は大きくシュリンクするのでしょう。

好景気という風が吹きつつある中で憂鬱が芽生えようとしているのでしょうか?北朝鮮の挑発もこの枠組みの中の一つと考えられないことはありません。以前、わがままになる地球という趣旨のことを書きました。その方向性は間違っていないような感じがします。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

どうなる自動車産業、EV化の流れにどう立ち向かう?4

今日はご意見やお考えをお伺いしたいと思い、それなりに皆さん、思い入れのあるこの自動車のテーマを掲げてみることにしました。この種のテーマを挙げるとコメント欄に延々と熱い思いを書き綴ってくださる方が多く、大変参考になります。

そんな中、自動車業界に影響がある二つのニュースが飛び出しました。一つはフランクフルトの国際自動車ショーで欧州自動車メーカーがEV化を強く打ち出したこと、そしてもう一つが中国が欧州に続き、ガソリン車の生産販売を止める検討を始めたというニュースです。

VWのミュラーCEOは「業界の変革は止めることができない。当社はその変革を主導する」(ブルームバーグ)とし、300車種全モデルのEV化を図ると述べ、ダイムラーもほぼ同様の発表をしています。

一方の中国は時期こそ明言していないものの環境対策と銘打って検討を始めたとしていますが、技術的に追手となる内燃機関型ではなくEVで先手を打つという方針と考える方が妥当かと思います。

一方の日本はEVに思ったほど踏み込んできません。日産が新型リーフを発売しましたが前モデルが社内販売目標に全く届かなかったこともあり、今回は公表された販売目標値はありません。日本ではEVのインフラ環境は圧倒的に進みましたが、それでもAlternateの選択肢が多いこともあり、日本的戦国時代にあるように思えます。(EV、PHV、ハイブリッド、レンジエクステンダー、水素車、もちろん、ガソリン車も燃費は改善されており、消費者の選択肢が多すぎてばらけてしまっています。)

さて、皆様のコメントを拝見する限り、このブログにボイスとして挙がってくる限りにおいてはEVに抵抗がある方が主流のようです。日本のEV車の売れ行きを見てもその流れなのかもしれません。

ガソリンエンジンとEVの違い、これを私なりに単純な違う表現をすると機械式時計とクォーツのようなものではないかと思います。時を刻む正確性はクォーツが上でしょうが、機械式時計にはテイストと愛着があります。価格についてはクォーツは下落の一途をたどり、今では1000円でもクォーツ時計は買えますが、機械式時計は50万円から上でとんでもない金額まで存在します。

内燃型の車は走りが様々です。低速の力強さや中高速域の伸びなど乗り手のテイストに合わせた商品がたくさんあります。一方、EVですと走りは比較的画一的になりやすいのではないでしょうか?もちろん、EVを発売するポルシェがどういうものになるのか、私は分かりませんが、今のところ、どこまで楽しい走りなのかは不明です。

但し、車をどう乗るのか、という点に関してはこだわる人、実用主義の人、様々だと思います。エンジンで選ぶ人もいるし、サイズや用途、内装、スタイルもあるでしょう。また、商用の場合はどうでしょうか?多くの初期EV車や環境対策車が公官庁に納入されてきたように企業はEVを選ぶ傾向が出るような気がします。ここバンクーバーでも郵便局の配達用バンはEV車が増えてきています。

もう一つは根強い内燃機関のファン層の声に対して自動車メーカーがどういう反応を示すか、であります。日本の自動車メーカーは世界トップ3にトヨタ、日産と2社入るほど影響力がありますが、逆に言えば数を売る必要性があるとも言えます。そんな中で欧州や中国が10年から20年という長い時間があるにせよ、EVシフトを鮮明にしているなかで企業経営としてどのようなバランスを保つのかは大きな課題であるはずです。

個人的には10-20年という長そうで短いタイムスパンをどう捉えるかではないかと思います。「あの時こうしていれば…」という後悔をせず、世界のリーダーとして君臨し続ける選択肢が必要です。

また、EVの弱点はまだたくさんあり、内燃機関の優位性を指摘する声も理解できますが、10-20年の間に技術改良は必ず進みます。今は「これじゃぁね」と言っていても「すごくよくなったね」と変わってくるのが世の常です。

お前はどうなのか、と言われれば案外、日本の自動車メーカーはEVと内燃機関型に分離させるかもしれない気がします。セイコーが高級腕時計ブランド、「グランドセイコー」を今年、独立ブランドにさせましたが、これと同じで内燃型をより研ぎ澄まされた車として開発を続ける一方で軽自動車を含め、量産車の世界戦争にEV開発をせざるを得ない、これが私の想像する10数年後の企業像です。

なぜ、分けるのか、と言えば開発思想が違うでしょうし、そこで働く社員の姿勢が違うと思います。マツダや富士重工はこだわる車を作り続けるのでしょう。しかし、トヨタや日産はそうとばかりにもいかないのです。それゆえ、部門を変えるべきだと思っています。EVは更に徹底した効率化を求められる点において日本は本来、得意分野のはずだと認識しています。

一番重要なのは今の若者が時計をしなくなった意味あいであります。クォーツ時計のようなEVばかりになったら別に所有しなくてもよいわけでシェア化がより一層進む気がします。しかし、機械式時計は貴金属的価値があり、自分の体の一部となっている人も多いでしょう。このあたりのすみわけと価値観の変化が今後の自動車産業を占うのでしょうか?

今日は全く触れていませんが、20年後には自動運転も花盛りだと思います。そちらのエレメントも忘れてはならないのでしょう。皆様のご意見、お待ちしております。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。
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