外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

海外

踊り場の日本食の海外展開4

数年前、在外公館(大使館や領事館)が日本酒を紹介するプログラムを積極的に取り入れていたことがあります。過去形にしたのは今はその当時のようなキャンペーンが減ったという意味です。これは外務省/農水省が主導した日本酒や日本の農産物や食品を海外に広く普及させる一環でした。在外公館で毎年必ず開催され地元の要人が数多く参加する「天皇誕生日式典」ではホテルが提供するフードではなく、日本酒や日本食を積極的に取り入れる動きもありました。今は少なくなった気がします。

その間それでも日本酒は普及しました。海外だけで見ると10年でざっくり4倍になっています。確かに酒屋の棚を見ても日本酒の種類は数倍に増えました。価格がいまだにワインの2倍ぐらいするのが残念ですが外務省/農水省のプログラムはそれなりに効果はあったのではないでしょうか?

また、訪日外国人が経験した良き思い出を友人たちとシェアするという動きもあり、あの時食べたあれこれを土産話とともに楽しんでいることもあるでしょう。ちなみに日本酒の輸出先は概ね45%ぐらいが東アジア各国、20%強がアメリカとなっています。東アジア各国では日本食が違和感なく普通に楽しまれていることが大きいと思います。アメリカではまだ日本酒は知識人的な感覚(=日本で昔いわれたハイカラ感(high collar))はあると思います。特に合わせるフードが自宅では作りにくいことはネックでしょう。(日本酒には西洋人の味覚的に重要な酸味がないことがひとつネックとされます。)

日本食はどうでしょうか?2015年ごろには農水省が正しい日本食の普及を目指してさまざまな仕組みを作り上げたのですが、多分失敗したと思います。このブログでも当時、これはおかしいのではないかという指摘をしたはずです。理由は料理は国境を越えてフュージョン化する傾向が強く、〇〇料理というカテゴリーや垣根がなくなる傾向が見てとれるからです。

今、海外で寿司を食べるには苦労します。かつて寿司職人として海外移住した人たちは高齢化し、店をたたむ人が増えているからです。若手の飲食従事者は起業しても20年ぐらい前に流行った居酒屋、あるいはこの10年で大きく普及したラーメン店経営が多く、良い日本酒を飲みたくなる食材にありつけないのがネックであります。(もちろん、NYあたりでお金に糸目をつけなければ別ですが、そういうところに自腹で行ける日本人はわずかでしょう。)

海外における日本食の認知は寿司、ラーメン、たこ焼きとなっているところに一つの関門がありそうです。日本人そのものも日本酒を飲まなくなり、若い人が日本酒に合う料理もなかなか食べなくなっているのですから海外に日本酒や日本食を普及させる以前の話なのかもしれません。

先日「ジャパンマーケット」なるイベントがバンクーバーであり、私どもも出店したのですが、フードコーナーに来る人もある程度日本のことを理解している人も多い中で焼きそばやおにぎりなど出品内容にかつてのような驚きあるわけではなく、集客的には踊り場とみています。

もう一点は海外に日本料理を普及させたいという意気込みある人が減っています。ラーメン屋1軒出すのに数千万円から億単位の資金を要します。また、ラーメン店が流行ったのは出店する側からすれば管理が楽(麺とスープはおおむね外注)で生ものの扱い量も少ないからです。寿司屋、居酒屋を出店できるだけの調理能力を持った人が減っているのは紛れもない事実です。ちなみに「流行った」と過去形にしているのはラーメン店の淘汰がすでに始まっており、生き残れるのは半分ぐらいかもしれません。

ならば主婦や腕自慢のご主人の料理を介してどうにか日本食を伝えていく発想もありではないかと思うのです。料理人は「素人の料理はしょせん素人」と見向きもしませんが、(主婦がレストランの味を出せない理由の一つは家の調理器具の火力が弱すぎることがあります。)皆で普及させるのはありではないかと思うのです。例えばそば打ちをする方は海外でもいます。そういう人がローカルの方と一緒にそばを打って普及させるのもありでしょう。

ところで海外のみならず日本でも案外知られていないのが「蕎麦屋で日本酒」であります。これは東京の独特な文化の一つで卵焼きや焼き物、乾きものに冷酒を2−3杯ぐっと飲んで最後、ざるそばで絞めて1時間という江戸っ子の早食い式飲み方であります。私は東京に来ると一番行きたいのがうまい蕎麦屋の日本酒であります。まさに「粋」という言葉が似あいます。まだまだ海外に普及できるものはいくらでもあるはずです。

踊り場から飛躍へ、そしてそれを普及させるためには官民が一体となって一時的なキャンペーンではなく、恒常的に努力すべきでしょう。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

温泉とスパ4

これからどんなビジネスが伸びるのか、常に存在するテーマです。そんな中で最近、温泉とスパの将来について面白い切り口があるのかもしれないと思うようになってきました。

日本では非日常とリラックスを楽しむとすれば温泉というイメージがあります。ところが海外になるとこの温泉は国や地域によりますが、そう簡単に出てくるものではありません。もう一つは日本式の風呂は日本独特のものであり、海外の温浴は水着を着て入る混浴が普通です。では海外ではどうやって非日常とリラックスを楽しむことができるのでしょうか?

スパという言葉は日本でもごく普通に使われていますが、どちらかというと女性が行くエステ的なトリートメントをしてくれるところというイメージが強いと思います。男性が興味を示すような感じにはなりにくいでしょう。ところが海外のスパは療養とリラックスが主眼ですので男性客は思った以上に多いのです。

実は私どもの商業施設にタイ式スパを経営するテナントさんがいます。とても繁盛していて、客足が絶えないのですが、彼ら曰く、だいたい半数は男性客だというのです。これは驚きです。いかにスパというイメージが日本と海外で相違しているかの一例だと思います。

スパは街中の店舗型もありますが、近年はリゾート地に本格的スパを経営するチェーンも増えてきています。屋外に温浴施設を作り、自然の景色を借景にリラックスすることを主眼としており、おおむね入場料は1万円ぐらいは覚悟しなくてはいけないようです。日本の健康ランドの4-5倍だろうと思います。

健康ランドがどちらかというとエンタテイメント系としての存在意識が強いのに対して海外のスパはアダルトオンリー、日帰りでのリゾートと非日常感を満喫するというスタンスである点が最大の相違点です。ディズニーランドやUSJはリゾートではなくエンタテイメント施設、でも知床や富士五湖はリゾートになりうるところです。リゾートとは基本的に自然と接することが主眼です。一方、リトリート(Retreat)はリゾートで満喫するほど時間はないけれどちょっと気分転換するという場合に使う言葉でスパなどはリトリートの手段としてお手軽感も含めて人気があるのです。多分、日本にはまだなかなか浸透していないコンセプトです。

バンクーバーから車で1時間ほどのところのゴルフ場に原泉がでて、そこで日本式温泉旅館の開発準備が進んでいます。残念ながら主導しているのはそのゴルフ場を所有する中国系のカナダ不動産事業会社。設計者は日本人でどんなものができるのか、興味津々ですが、部屋の風呂は温泉で日本の内風呂的な感覚で温泉が楽しめそうです。運営次第ですが、個人的には当たると思います。そしてこちらのことですからそれこそ一泊3-5万円ぐらいは平気でとるのでしょう。食事は併設のレストランでのサービスではないかと想像しています。

現代社会において消費はモノからコト消費というのは日本だけではなく、世界に共通していることですが、ストレス社会も世界共通なのです。だからこそ、週末のリトリートは今後相当高い需要が見込まれると考えられるし、それを提供できる施設があればこれは時代の波に乗れるのではないでしょうか?

では発想を変えてこれを日本に逆輸入したらどうでしょうか?つまり、日本で週末お手軽のリトリートができるような施設を再発見するのです。東京近郊なら1時間も行けば温泉はいくらでもあります。そして最近ではすっかりなじみがなくなった湯河原、日光をはじめ、各地に点在する温泉施設をスパという位置づけに変え、それこそ「大人の週末」を演出するのもアリではないかと思います。

日本の温泉は日本独特のもの、海外で広がるスパは日本では違ったイメージが先行する中でこのギャップを埋め、両方のいいところどりをするというのは今後のビジネスには参考になるのではないでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

疑心暗鬼な株高4

日本の株式市場が堅調です。遂に23000円の大台も突き抜け、昨年10月の24000円越えも射程距離に入ってきてたように感じます。この株高を演じているのは外国人投資家で国内機関投資家は売りに回っています。日本の株式市場が盛り上がっているのは日本に理由があるのではなく、アメリカの株式市場が堅調でリスクオンというスタンスが背景のようです。

特に米中貿易交渉に一定の決着が見込まれること、さらにファーウェイ制裁が一部解除になるとみられていることは市場にとってはプラス評価になるでしょう。

話はちょっと外れますが、ファーウェイをどう評価するか、であります。アメリカは情報が筒抜けになるというリスク、および異様なスピードでファーウェイ構築網が地球上に張り巡らされたことへの危機感が背景にあり、制裁に踏み込みました。言い換えるならそれほど高い技術を持った企業であり、今や、アメリカ企業でも太刀打ちできないレベルにあるといえます。日本はアメリカの指示に従っていますが、地球ベースでみるとアメリカ追随国はごくわずかでほぼファーウェイ包囲網となっています。また、アメリカによるファーウェイへの制裁は同社が独自技術の開発を促進させたという面もあります。

話を戻します。堅調な日本株は本当に堅調なのか、これが今日のテーマです。そしてファーウェイの例を述べたのは日本は独自技術や世界から注目を集める開発能力があるのか、であります。

日本企業の7-9月期決算は今のところ、まずまずといったところです。日本の得意技であるコストカット、経営効率の改善などで利益を確保したところは多かったと思います。ですが、これは経営の技術的要因、つまりドライブテクニックであります。とても大事なエレメントではありますが、会社が爆発的に伸びるためには独自色が出なくてはいけません。外から見る私にはここが最近感じられないのです。

一言で言うなら日本企業は要領よくうまくまとまっているけれど粗削りながら突進していくタイプの企業が見られなくなった、ということでしょうか?これが私にとって今の株式市場に対して疑心暗鬼になるその理由なのです。

論文数は大きく減っています。特許も米中に次ぐ3位ではありますが、かつての勢いは感じられません。ではM&Aはどうか、といえば19年上半期の日本/日系企業による海外企業の買収件数は86件と前年同期比19件増となっており活発なように見えます。が、大型案件が非常に少ないのが特徴で日本ペイントの豪州企業買収(3005億円)がトップです。ここ数年、兆円単位の買収が続いていたのに比べればずいぶん小粒になった感があります。

もちろん世界で勝負できる企業はたくさんあります。ソニーや東レといった企業が持つ技術力は注目に値します。が、とても少なくなった、そんな気がするのです。

年末に向けて堅調な株価は期待できるかもしれません。株価があと1000円ほど上がれば1991年以来の高値更新になります。ほぼ28年ぶりとなるハレの舞台は手が届くところにありますが、それが日本経済の実力によるものなのか、低金利、金融緩和とアメリカの株価に踊らされていつの間にかおこぼれ頂戴を喜々とするべきか、悩めるところであります。

日本のもつ技術や能力は水平展開できる余地が相当あります。が、多くの日本企業の海外進出は出やすい東南アジアやインドに向かっています。これは技術を下流に向けて横展開する形です。が、日本はもっと欧米で勝負する努力をすべきだと思うのです。ある意味、一番厳しい競争社会の中で切磋琢磨する企業が世界を制覇していくことになるでしょう。もっと強い成長ビジョンが日本企業に備わらないとどんな株価になろうと砂上の楼閣になりかねません。

では今日はこのぐらいで。

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海外での事業を成功させる方法はあるのか?4

いわゆるハウツー本のような安っぽいタイトルなのですが、そんな方法はあるのか、といえば成功している人がいるのだからどこかにヒントはあるはずです。私も海外で28年。食べるぐらいのお金は稼いだのですが、そのあたりの経験談も踏まえてヒントを考えてみましょう。

日本的サンドウィッチがダメだったわけ
カフェの事業は8年経営したのですが、労力に対する見返りが目標に十分に達せず、他の案件が増えてきて手放しました。あらゆる改善をする試行錯誤の毎日でした。その中で今でも覚えているのがサンドウィッチの具材の扱い方。オープンキッチンに座ったある常連さん。スタッフが具材のミートを一つ分ずつはかりで測って取り分けていた作業がよほど気になったようです。「君たち、そんなことで時間を費やすのは馬鹿々々しいよ。もっとおおざっぱでもいいから他のところに力を入れた方がいいんじゃないか」と。

私が学生時代バイト先のレストランの厨房で習ったのは計測です。あらゆるレシピの分量や提供品の重さの計測をスーパーバイザーが抜き打ちで行います。「君、このライス5グラム多いよ。規定は130グラムだ。」としばしば教えられたことがカフェ経営の背景にあったことは否めません。

昔、アメリカの田舎町のさびれたストアで出来合いのサンドウィッチを買って食べた時、これほどうまいサンドイッチには出会ったことがないと思いました。具材がパンの3倍ぐらいあり、シンプルな味の中に肉の上手さがあふれ出たからでしょうか?サンドウィッチの国でサンドウィッチが美味いのは文化の背景があるんです。けっして計算されつくされたものではないのでしょう。たかがサンドウィッチ、されどサンドウィッチなのです。勉強させられました。

カルビー元会長の松本晃氏ですら失敗する中国事業
松本氏が日経スタイルに寄稿している海外事業の失敗談にカルビー時代の中国でのお菓子の話があります。中国で新発売した「じゃがピー」は価格が高く量が少なく全然売れなかったとあります。中国人に満腹感がなかったのが敗因だそうです。お菓子に満腹感という発想は確かにあまりありません。また、想像するに日本で売れているなら海外でも売れるだろう的なノリも背景にあったのかもしれません。

お金を使ってなにか購入する場合に何を最も重視するのか、その感性が日本と海外では違うと思うのです。例えばきれいな包装紙や傷やへこみがない商品の外装の箱に日本人は奇妙な満足感を持ちます。一方、カナダの電気器具雑貨屋に行けば箱なんて基本的にガムテープベタベタで明らかに返品されたのをそのまま置いたような商品も結構並んでいます。でもカナダ人は気にしません。「中身はちゃんとしているんだろ!」ってな具合です。

松本氏がその寄稿の最後に面白いことを書いています。相撲で全勝するのは白鵬でも大変。普通なら11勝4敗ぐらいでも優秀だと。そうですね、新製品や新たなチャレンジもそれぐらい、肩の力を抜いたほうがいいのでしょう。

海外で仕事をするなら海外メンタルをもった人を集めよ
私が28年間カナダで仕事をしてきた中で日本人向け売り上げは1%もないと思います。理由はカナダ人向けの商売の方がはるかに楽なんです。落としどころが分っているからでしょう。日本の顧客は基本的に面倒くさいし、要求が高いのに金額や支払い面は一番厳しいんです。だから結果としてカナダ人とビジネスして勝ち抜く戦略を取ったとも言えます。

私もお手伝いする介護ビジネスの社長さん。この方も海外が長いせいか、典型的な日本人のメンタリティではありません。日本人規格ならぶっ飛んでいるんだろうと思います。だからこそビジネスが上手くいくのだろうと思います。弊社では今月から日本人らしくないユニークな日本人スタッフが増えます。日本語喋って、日本ともビジネスが今後展開されるのですが、多分考え方やアプローチは完全に「ガイコク人」。少なくともカナダでは典型的日本人になる必要はないのです。

こちらでひそかなブームの母子留学。私のクライアントにもそのような方が過去も含め、何人かいらっしゃいますが、必ず助言することがあります。「お子さん、日本に帰さないでここで大学に入れましょうよ。UBCならば東大より全然価値ありますよ」って。子女を海外志向にするなら海外大学はマストだと思います。そしてもっと磨きをかけるならマスターです。これを取る価値は後々気がつくと思います。

海外の人だって新しいものに反応する!
「新しもの好き」は日本人だけではありません。特にインスタ映えが世を席巻する中、見た目と同時に欲しくなる機能性や価値感は海外の人を覚醒させた感があります。その中で面白いなと思わせるものは北米ではやはり北米から出てきているケースが多いのは文化的背景とどこが北米人に受けるのかツボを押さえているのでしょう。

「ルル レモン」というカナダのスポーツウェアの会社があります。日本では全く不発だったこのブランドは今でも息の長い成長を続けています。その一つはウエストコーストならではの街着とかウォーキングなど、場合によっては通勤着で着られるという職住接近とワークライフバランスの融合を商品に落とし込んだことにあるのでしょう。

つまり何でも斬新であればいいというわけではなく、その地域のライフスタイルにどれだけ溶け込めるかがヒットの秘訣になるのでしょう。

海外で事業を成功させるにはいくつかポイントはあります。ここでは書ききれません。が、一つ言うならば日本を持ってきてはダメ。日本をベースに何か現地の人にヒットするアイディアが加わればかなり行けると思います。このひと工夫が一番難しく、机に向かって座っているだけでは絶対にそのヒントは浮かばないと思います。そのために全方位の思考と馬鹿々々しいと思うことも真剣に覗いてみる、そして最後に、その判断を日本に仰がないことでしょう。日本の本社が理解できるわけないんですから。

では今日はこのぐらいで。

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海外の日本人社会4

バンクーバーで日系コミュニティに以前にも増して接する機会が深まり、海外における日本人社会がほかの国のコミュニティとどう違うのか、改めて考えています。海外でも日本人の特性はある程度見て取れます。

バンクーバーの日本人は居住エリアで不思議なことが起きています。それは「群れない」のであります。今の日本の社会でも群れないのかもしれませんが、海外ではもっと顕著に表れる気がします。

かつての海外生活は日本人にとって様々なチャレンジであり、老若男女、協力し合って一体感がありました。ところが、情報化社会になり、海外生活について「先人」から習わなくてもネットで検索すればわかる時代になったことで海外日本人の「独立化」は進んだと思います。

もう一つ、うがった見方かもしれませんが、なぜ、海外に好んで住むのか、という原点に立った時、日本の社会にうまく溶け込めかった人は多少いるのかもしれません。私の周りにも人数的にはさほどでもないのですが、強烈な個性をお持ちの方はいらっしゃいます。あまりにも強すぎて私でも引いちゃうタイプです。

次いで世代間ギャップを乗り越えられなくなってきたことがあります。日系社会の歴史が長いハワイ、サンフランシスコ、ロス、それにバンクーバーにはある程度共通した日系社会の分類ができると思います。いわゆる日系人で日本のパスポートではない方々、起業型移民した人や国際結婚された女性、それにごく最近、こちらに来るようになった2-30代の方たちでしょうか?それらの世代間のギャップは思った以上で、若い方たちには「日系社会」なんていうことを考えなくなりつつあるのは気になるところです。

では、ほかの国のコミュニティとどう違うか、ですが、一般に日本人には自己満足型の方は多い気がします。なぜ、海外に来たか、といえば基本的に自分を幸せにするためでした。家族かもしれないし、自分のビジネスかもしれません。が、そこから外へのコミュニティに向かわなくなってきています。

他国のコミュニティ活動はびっくりするほどしっかりとした連携関係があります。例えば当地のインド人やイタリア人社会も相当の規模ありますが、毎年、コミュニティが主体となって巨大な規模のお祭りをします。中国人コミュニティはカナダ政府から巨額の資金をもって活動するNPOがありますし、ドラゴンレースや旧正月の祝いなどは街を挙げてのイベントになっています。イスラムの恒例のイベントには寄付金がその日だけで多い時には10億円も集まります。(ちなみに私も業務上出しています。)

一方、日本のコミュニティも桜まつりや夏祭りはありますが、規模からすると格段の差だと思います。また、関心が薄いのか、日系全体の盛り上がりに繋がらないし、日系社会の分派、分裂が年中起きて、同じようなグループが相反するケースもあります。

日系からは現在、議員が一人も出ていません。これではボイスが外に届きません。カナダ社会から日系にはどこに声を掛けたらよいのか、と言われます。その為、ビジネス部門に関しては10のビジネス団体の連合会を結成して窓口を作っています。日英版のウェブもつくり、改善に努めています。

海外の中で日本がほとんど存在感がなくなってきていること自体、危機感を持っています。かつてなら「Are you a Japanese?」と聞かれていたのが、いまじゃ、ニーハオと声をかけられ、チャイニーズ?、コリアン?、オー、ジャパニーズと言われる始末です。

日系コミュニティは日本より早い高齢化が進みます。連携の欠如、コミュニティ参加意思の希薄化にどう太刀打ちするか、悩み続ける今日この頃です。

では今日はこのぐらいで。

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海外の仕事ってそんなに面白いのか?4

私のカナダ事業の顧客は売り上げベースで見れば99%はローカル向け、取引件数だけで見ても90%以上はローカルだと思います。もともと26年前に来た時から日本を意識するビジネスをしてきませんでしたので私のピクチャーからすればそこに日本人顧客もいる、という感じになります。

私の26年間のカナダのビジネスにおいて紆余曲折はありましたが一度も日本向けビジネスをしたいと思ったことはありません。なぜ、ローカル向けビジネスに固執したか、といえばやりやすさと市場の大きさ、の一言であります。

顧客は商品やサービスの価値を自分で判断し、こちらが提示する価格に同意していただければディール成立になるという当たり前の法則が日本よりクリアなのです。例えば私がかつて売っていた集合住宅は一部屋100-120屬阿蕕い任兇辰り4000-5000万円程度でした。今ではこの価格の数倍に上がってしまいましたが、当時としてはかなりアッパーな価格です。その物件を見て良いと思った方のみがお客様となり、そこにそのようなファン層が集まることで更に前向きなワード オブ マウス(口コミ)マーケティングができるのです。

もしもクルマを買おうとする場合にベンツはいい車のはずですが、その価値が理解できない人に800万円を払う理由は存在しません。ところが日本人の場合にはまずベンツありきで無理して背伸びしてどうにか手に入れたらどこかに不具合があって「不満たらたら」になるケースは往々にしてあります。

私が日本人に対して積極的に売り込まなかったのは「背伸びしてほしくなかった」点にあります。ですので私のビジネスモデルでは基本的に値引きはしません。というより、発想があまりありません。むしろ価値を守ろうとするために「売らない」という選択肢すら持っているのです。

日本でレストランや飲食店で「値引き」を見たことはありますか?まずないですよね。それはお客さんがその店の価値を理解して980円の天ぷらそばや850円のカレーを妥当な金額だと思っているからに他ならないのです。私のやっているビジネスはそれと全く同じなのです。決して強気とか、上客狙いといった話ではないのです。

では海外はそれがなぜやりやすいのかといえば、ものの価値観が多様であり、AさんはだめでもBさんはすごく理解してくれるという反応が必ずあるからでしょう。私はアマゾンでも楽天でもありませんので一人でも多くの顧客を、というスタンスのビジネスではなく、限られた顧客枠に誰が入るか、という立場です。多くの小規模ビジネスの場合、日本全国が商圏ではなく、限られた地域がその商圏であって考え方次第では私と同じ、限られた顧客枠といってもよいのかと思います。

日本の場合、「ジャパン スタンダード」というものが存在します。ある程度皆さんと足並みを揃えなくてはいけないのは、顧客も売る側もほぼ同一民族で同じような教育を受け、同じような情報を貰い、同じような給与で生活しているために価値観がほとんど同じになってしまうからです。

私は東京でシェアハウス事業をしていますが、ジャパン スタンダードが必要な日本人女子向けシェアハウスはまさにそのスタンダードにプラスアルファをたくさんちりばめています。そして「ずっといたい」と思わせる仕組みになっています。最近では人の動きが落ち着き、おかげさまでずっと満室状態となっています。

一方、新宿区で外国人向けに提供しているアフォーダブル サービス アパートメントは日本でほとんど市場開拓されていない分野です。こちらは外国人向けのマーケティングとさせていただいていますが、空きが出ても即座に埋まる状態です。こちらはもっと細やかで顧客一人ひとりの要望を聞き取りながら対応可能なサービスをカスタマイズするという日本ではありえない展開を提供しています。

なぜこんな面倒なことをするのか、と思われるでしょう。私は逆に「日本はなぜ、顧客の要望を聞かないのか?」と聞き返します。例えばJAL国際線のスペシャルミール。実に20種類もあるのを知っている人はいないでしょう。海外にはそれぐらいさまざまな顧客がいてごく少数かもしれませんが、それを望んでいる人はいるということです。

私の周りのカナダの日本人の起業家も生き生きと仕事をしている人が多いと思います。それは顧客に感謝されるビジネスで自分がやっていることに自信と誇りを持てるからなのでしょう。こういう仕事の仕方がいいですよね。私はだから仕事を止められないのです。

では今日はこのぐらいで。

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海外のリスク4

コインチェックが流出させた仮想通貨は海外からの不正アクセスが原因だった、と報じられています。安全対策に甘さがあったとされる同社を見抜かれていたといってもよいでしょう。

江戸時代、日本は鎖国をすることで純粋培養の日本を作り、平和が長期に続くことを良しとする発想が生ました。その間、外の世界ではもっとドロドロして激しい覇権争いがあったことに気が付いていませんでした。突如の黒船に日本は大揺れになります。結果として日本の扉はこじ開けられたのですが、開いた途端に多くの知識層や政権上層部はこぞって海外留学や視察に行きます。そして多くは驚愕の経験から日本は変わらなくてはいけないと考え始めます。これが明治初期。ちなみに西郷隆盛は海外に行ったことがありませんでした。これが政権とのズレを生んだ可能性は無きにしも非ずだったかもしれません。

インターネットは国境なき世界であります。もちろん、中国のようにネットでさえも国境を作る国もありますが、原則ないと考えてよいでしょう。そこは完全なる国際レベルでの運用が求められます。その時、「まさかこんなことはしないだろう」ということが起きるのも海外であります。

私の会社はこのところ、泥棒対策に追われています。昨年の夏はプロの窃盗団が弊社の駐車場などに連日のように入り込み、窃盗を繰り返しました。関係者が一丸となり、対策を取りますが、プロの仕業は本当に「そこまでやるのか?」というレベルです。

鍵や扉をぶち壊すのはお手のもの、ちゃんと目当てのブツをゲットして悠々と監視の目を潜り抜けていくのです。もちろん、我々も手をこまねいているわけではありません。ある日、午前4時に窃盗団が侵入したことを察知し、警察を呼びます。その頃は警察も威信をかけて本件に取り組んでいましたから即座に20人もの警官や刑事、捜査犬がやってきて、犯人たちは御用になります。

それが収まったのもつかの間、次はマリーナの船に窃盗犯が現れます。これまた連日のようにやってきてはクルーザー荒らしをします。クルーザーは実は安全対策という意味では脇が甘い乗り物でその気があれば簡単に忍び込めます。ただ、今まで大きな問題にならなかったのはクルーザーの中に大したものがないという固定概念があったからでしょう。

マリーナへの窃盗は地上からのルートと小舟で侵入する場合の二通りがあり、その侵入ルートを見つけ出すところからスタートしなくてはいけません。特に霧の深い日は監視カメラも十分には機能しないため、往生するのです。現時点で侵入ルートは判明し、入れないよう改良をしています。もちろん、警察ともタイアップしています。

昔、ゼネコンにいた時、ブラジルで金採掘事業を行っていました。しかし、実態は無謀の極みであったと聞いています。アマゾンの奥地での採掘は地元の荒くればかり。採掘した金をポケットに忍ばせる輩は当たり前。それをとがめるのが監督の役目ですが、時として命さえ危ない思いをするため、拳銃を忍ばせていたという話を聞いたところで「そこまでするのか」と若き日に海外事業にあこがれてこの会社に入った夢は危険との背中合わせだということを認識しました。

こんな海外、もう嫌だ、と逃げ出すことはできません。訪日外国人は日本の僻地にまでやってきます。海外と向かい合わねばならない時代にまず、やらねばならないのは「日本の常識は海外の非常識」ということかもしれません。我々が持っている固定概念を捨て去り、国際スタンダードは何なのか、きちんと向かい合うことから始めなくてはいけないかと思います。

仮想通貨流出の事件はほんの一例にすぎません。また、表に出ない国際間のトラブルも相当あるはずです。日本の省庁に「国際事業省」なるものがないのが不思議です。日本のビジネスを海外から守る、という視点はもっと強化すべきではないでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

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