昨日辺りから経済ニュースはオリンパス一色。刻々と新しい情報が入ってきますが、最新の情報を元にコメントさせてもらいます。
10月22日のこのブログで僕はこう書かせていただいておりました。
「報道からすると菊川会長を中心とした一部経営上層部がダミー取引をしたのではないかと思われます。それが何かの損失補てんなのか、特殊な人脈の中で行われた「ある費用」なのかまだ、それは開示されていませんがいずれわかることでしょう。」
高山社長の記者会見などからどうやらほぼ想像した通りだったようです。もう一つの問題は新聞紙上ではまだはっきり書かれていませんが、N證券の人が手引きをした可能性が取りざたされており、N證券の株式は昨日、大暴落いたしました。
90年代の損失補てん、飛ばしは当時ではかなりたくさんありましたからそれ自体はさほどビックリする事態ではないのですが、10数年間もこれが発見されず、まさにパンドラの箱状態だったことに驚愕の思いであります。しかも一流の公認会計士が毎年監査をしていたにも拘らず、特段引っかかったことがない、というのも実に不思議でありますが、そう考えればウッドフォード氏の勘が鋭かったのか、はたまた臭い匂いには敢えて寄っていかないという日本独特の感性が働いたのでしょうか?
問題は今後のオリンパスです。確かに僕の記憶も蘇ってきたのですが、あの当時、同社は「財テクのオリンパス」という評判がありました。ですがそれは高山社長も説明しているように一時期の業績低迷を財テクでカバーしようとした問題であり、現在は内視鏡などで世界のトップのメーカーとしての代表的日本企業であります。
この会社が今後、上場廃止などとなればせっかくの技術やノウハウ、販売ルートなどの開拓が十分に展開できなくなり、もったいないの一言です。高山社長は上場廃止にならないよう、最大限の努力をするとしていますがこればかりは何とも言えません。
このポイントは二つで虚偽記載と粉飾決算。財務諸表を精査しておりませんが、日経新聞の数字が正しいとすれば総損失額は千数百億円。一方、国内3社の買収と英国の会社の買収による不明瞭と思われる金額の総額はそれに匹敵しますので現時点で未清算の飛ばしは残っていないようにも思えます。(個人的推測です。)
一方、上記買収に関わるのれんの償却が確か、三分の二ぐらい進んでいたと思いましたので未償却部分を損失処理しても同社の株主資本が2600億円ぐらいありますから債務超過にはならないと思います。あとは配当が多すぎたかどうかですが、今までの配当性向は30%程度ですから無い袖を振っていた、とまではいかないかもしれません。
ただ、粉飾決算であることは疑いの余地がありませんのでこれを当局がどう判断するか、ということに焦点は移っていくかと思います。
個人的にはこの会社の持てるさまざまな資産を遺棄させるのはあまりにももったいないと思っています。しかも一部の経営者が過去、過ちを犯し、それを脈々と引き継いできたという意味でほんの1%の関係者のみが行ったことが世界のオリンパスのみならず、日本株式会社に傷をつけることになるのです。
僕が考えるベストシナリオは第三者の会社に買収してもらうことでしょうか?今回の場合、あくまでも財テクとその飛ばしという本業とはまったく関係のない次元でのお話です。株価が奈落の底に向かっていることを考えれば安い買い物になることは間違えありません。
アメリカであれば獲物を狙うはげたかのごとく、今頃触手を動かしていることでしょう。
さまざまな思いがありますが、少なくとも企業価値はきちんとしている儲かる会社なのですから将来の芽だけは潰してほしくないと思います。
ご意見伺います。
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ではまた明日。
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「報道からすると菊川会長を中心とした一部経営上層部がダミー取引をしたのではないかと思われます。それが何かの損失補てんなのか、特殊な人脈の中で行われた「ある費用」なのかまだ、それは開示されていませんがいずれわかることでしょう。」
高山社長の記者会見などからどうやらほぼ想像した通りだったようです。もう一つの問題は新聞紙上ではまだはっきり書かれていませんが、N證券の人が手引きをした可能性が取りざたされており、N證券の株式は昨日、大暴落いたしました。
90年代の損失補てん、飛ばしは当時ではかなりたくさんありましたからそれ自体はさほどビックリする事態ではないのですが、10数年間もこれが発見されず、まさにパンドラの箱状態だったことに驚愕の思いであります。しかも一流の公認会計士が毎年監査をしていたにも拘らず、特段引っかかったことがない、というのも実に不思議でありますが、そう考えればウッドフォード氏の勘が鋭かったのか、はたまた臭い匂いには敢えて寄っていかないという日本独特の感性が働いたのでしょうか?
問題は今後のオリンパスです。確かに僕の記憶も蘇ってきたのですが、あの当時、同社は「財テクのオリンパス」という評判がありました。ですがそれは高山社長も説明しているように一時期の業績低迷を財テクでカバーしようとした問題であり、現在は内視鏡などで世界のトップのメーカーとしての代表的日本企業であります。
この会社が今後、上場廃止などとなればせっかくの技術やノウハウ、販売ルートなどの開拓が十分に展開できなくなり、もったいないの一言です。高山社長は上場廃止にならないよう、最大限の努力をするとしていますがこればかりは何とも言えません。
このポイントは二つで虚偽記載と粉飾決算。財務諸表を精査しておりませんが、日経新聞の数字が正しいとすれば総損失額は千数百億円。一方、国内3社の買収と英国の会社の買収による不明瞭と思われる金額の総額はそれに匹敵しますので現時点で未清算の飛ばしは残っていないようにも思えます。(個人的推測です。)
一方、上記買収に関わるのれんの償却が確か、三分の二ぐらい進んでいたと思いましたので未償却部分を損失処理しても同社の株主資本が2600億円ぐらいありますから債務超過にはならないと思います。あとは配当が多すぎたかどうかですが、今までの配当性向は30%程度ですから無い袖を振っていた、とまではいかないかもしれません。
ただ、粉飾決算であることは疑いの余地がありませんのでこれを当局がどう判断するか、ということに焦点は移っていくかと思います。
個人的にはこの会社の持てるさまざまな資産を遺棄させるのはあまりにももったいないと思っています。しかも一部の経営者が過去、過ちを犯し、それを脈々と引き継いできたという意味でほんの1%の関係者のみが行ったことが世界のオリンパスのみならず、日本株式会社に傷をつけることになるのです。
僕が考えるベストシナリオは第三者の会社に買収してもらうことでしょうか?今回の場合、あくまでも財テクとその飛ばしという本業とはまったく関係のない次元でのお話です。株価が奈落の底に向かっていることを考えれば安い買い物になることは間違えありません。
アメリカであれば獲物を狙うはげたかのごとく、今頃触手を動かしていることでしょう。
さまざまな思いがありますが、少なくとも企業価値はきちんとしている儲かる会社なのですから将来の芽だけは潰してほしくないと思います。
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