外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

英国

今週のつぶやき4

台風の爪痕は関東より東北や長野など思わぬ方面に大きな被害をもたらしました。今回の被害の特徴は何といっても堤防決壊でした。温暖化で今後台風の上陸ポイントが東海や関東にずれてくる可能性はあります。その時に向けてどれだけのインフラ再整備ができるか、オリンピック後の最重要課題になる気がします。

では今週のつぶやきです。

中国GDP6.0%をどう見るか?
事前予想は6.1%成長、一部では6%を切るのでは、という悲観的な見方もありました。習近平氏にしてみれば2012年の党大会で「2020年には2010年に比べてGDPを倍増させる」と設定されているのでそれを死守しないとメンツが潰れるという瀬戸際にあります。それを逆算していくと今回の6.0%では足りないんです。6.2%ぐらい欲しかったはずです。

ではこの先も厳しいのか、というと実は市場の反応はそうでもないのです。この発表を受けて上海市場は1.2%ほど下落しましたが、その他の国の市場ではやや弱気なものの気にしないと受け止められています。(本日のNYの下げはボーイング社など個別理由によるもの。)これは今回のGDPの結果が米中通商交渉によるいびつなもの、とみているからでしょう。

事実、中身を見ると工業製品は事前予想の5.0%増に対して5.8%アップ、消費も7.8%アップとおおむね好調で回復の兆しがあるところもあります。中国にも景気のサイクルがあるとすれば底打ちに近いところまで来つつあるのかもしれません。(中国はまだ個人消費が製造業とリンクする経済構造ですので消費サイクルによる経済循環は期待できるでしょう。)11月にトランプ氏と習近平氏がAPECで会談する可能性がありますが、今までの内向きバトルから解決に向けた新展開入りするのでしょうか?

英国の「最後の審判」!?
10月19日、土曜日、ロンドンでは大きな審判が下されます。秩序ある離脱を選ぶか、また漂流するか、であります。EUとボイスジョンソン首相は既に離脱案に合意しており、これを英国議会が飲むかをこの議会で投票します。過半数は320、票読みできる保守党は287、不足の33については保守党穏健派から20弱、独立系から10弱、労働党の造反が5-10ほど期待でき、個人的にはぎりぎりクリアするのではないかとみています。多くの報道はまだ予想を出していませんがそれほど接戦とも言えます。

仮にこれが議会で否決された場合、英国はEUに対して更なる交渉期間の延長を求めることを義務付けられており、トゥスクEU大統領は容認の構えですが、マクロン大統領はNOの姿勢です。いい加減にしろ、ということでしょう。個人的には英国議会がメンツのために世界中を振り回す結果となっていることに対して目覚めてほしいものです。

離脱後の英国ですが、私はかなり盛り上がるとみています。様々な新しい関係を構築するため東奔西走するでしょう。TPP11への加盟交渉も本格化するし、アメリカとの連携も更なる強化が期待できます。その場合、ヨーロッパ大陸は誰が主導するのか、ですが、最近画像で見る限りでもメルケル首相は本当に弱々しくなり目線はマクロン大統領に向かいますが、個人的には大陸の方が漂流する可能性があるとみています。英国の「抜け勝ち」という見方も出てくるかもしれません。

量子コンピューターの時代がやってくる!
こう書いても「はぁ?」と言われるでしょう。しかし、このコンピューターができると世の中の常識が一転する可能性があるのです。コンピューターのプログラムやセキュリティが完全に一新される必要があるでしょう。

日経に「『超計算』人類の手中に グーグル実証か」とあります。この超計算をするのが量子コンピューター。そのスピードはいわゆるスーパーコンピューターが1万年かかる計算を3分20秒で解いたと記事にあるように全く常識感が違うのです。ごく簡単に行ってしまえば今までのコンピューターは0と1の判断を垂直に一つずつ行っていたものを量子の場合は並列に置いて同時に一気に進める方式となります。

これがいつ世の中にやってくるのか、つい1-2年前は2025年頃と言われていましたが思ったより開発は進んでいます。その主体は北米。カナダ、バンクーバー近くで開発するDwaveが先行していましたが方式を変えてIBMがその後リード、富士通も量子とAI開発の頭脳をバンクーバーに移して頑張っていますし、今回のニュースはグーグルでした。どこもつばぜり合いの戦いをしています。

繰り返し言っておきますが、これが普及するとビットコインの秘密のカギは破られるので今のシステムはワークしなくなるとみています。リブラがこれに対応できるかが注目されます。銀行のセキュリティシステムも大きな影響があるでしょう。みずほ銀行さん、安心している場合ではないですよ。

後記
N国の立花さん、27日投票の埼玉の補欠選挙では形成が悪く落選の可能性があることからそれが落ちたら11月10日投票の神奈川県海老名市長選に立候補すると言っています。「滑り止め」扱いにされた海老名市の方は怒るでしょう。海老名に縁もゆかりもない人がなぜ、市長を目指すのか、と。この方は見境がなさ過ぎます。おまけに彼を擁護する堀江貴文氏を擁立する構えも見ています。マジか、とつぶやいているのは私だけではないでしょう。政治をそんな軽々しく思ってもらっては困ります。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

これは悲劇なのか、喜劇なのか、ドタバタする世界4

あまりにも傍観者的な物言いもいけないとは思っていますが、この2日間の本ブログのテーマである英国のEU離脱問題と香港のデモについて大きな展開が見られました。国ないし巨大な地域の行方が右へ左へと振り回されているのを見るとそこにいる国民、市民の居心地の悪さは我々の想像を絶するものがあると察します。

まず、英国ですが、この先行きを読むのは苦労します。ただ、今の時点でジョンソン首相の分はだいぶ悪いとみています。離脱延期法案可決を受けてジョンソン首相は一か八かの解散総選挙をぶつけましたが、下院で3分の2の同意は取れませんでした。

労働党のコービー党首はもともと解散をすべきだと主張していたのですが、この時期に解散してもドタバタすぎる点を嫌ったのでしょう。ではジョンソン首相はチャーチル首相になり損ね、チェンバレン首相になるのでしょうか?それも微妙です。もう一点、離脱延期法案はあくまでも英国の都合。EU側が嫌だといえばそれまでです。(ジョンソン首相が何かやらかさない限り、EUは反対はしないと思いますが。)

英国の最大の問題は誰が首相をやってもまとめられないほど分断してしまった、ということかと思います。敢えて言うなら2-3年、もうちょっと頭を冷やして国内で足並みをそろえてからEUに総意の意見書を出してくれ、と言いたいところでしょう。EUの立場を代弁しているのではなく、一般的な社会人として言っています。首相ごとに言うことが二転三転するような国家は信用できない、ディールもできないというのは世の常識でしょう。

個人的には英国の歴史や性格を考えると紐をつけずに放し飼いにすべきかと思います。つまり、離脱せよ、ですが、もっとうまく離脱する知恵を出してもらいたいと思います。

もう一つのホットな話題は香港政府トップで行政長官の林鄭月娥氏の「逃亡犯条例」改正案の撤回であります。これは字ずらをそのまま読むわけにはいきません。まず、林鄭氏は話題の逃亡犯条例について3段階の譲歩をしました。一度目は無期延期、二度目は非公式に(この条例は)死んだと発言、そして三度目に正式撤回です。林鄭氏自身、自分で判断できることはほとんどありません。すべての重要な、そして細かい指示は本土から来ています。事実、林鄭氏は行政長官を辞めたいと言っても本土がそれを許しませんでした。これは本音話でしょう。

私は中国本土が小出し作戦を続け、10月1日の中国の建国70年の祝いが滞りなく開催されることをもくろんでいるのだろうと思います。今回の市民デモはいつの間にか「逃亡犯条例」撤回から5大要求に変ってしまいました。ただ、その最大のイシューである「逃亡犯条例」が解決をするならデモ隊も強硬派は別として多少収拾する可能性はあり得るとみています。とするなら林鄭氏を矢面に立たせるという算段はほぼシナリオ通りだったのではないかと思います。

会社の事業で大きなトラブルを起こした場合、首にせずに社内留置場に放り込むやり方があります。私も実際にそれを間近で見ました。それはトラブルの完全解決、つまり「ケツ拭き」を責任をもってやらせるという罰であります。これほど怖いものはありません。林鄭氏は今、まさに人身御供状態と言ってもよいでしょう。私は中国本土が譲歩したとは微塵にも思っていません。

さて、二つの進行中のドタバタについて私なりのフォローアップですが、世の中、似たような話がとても増えてきています。日韓問題、イラン問題、北朝鮮問題のほかにイタリアでは国内問題が行方知らず、ドイツは極右政党が地方選で大躍進しました。どれも今後、もっとドタバタする可能性があります。

何が根本問題なのか、いろいろな視点はあると思います。一つ上げるのはとても難しいのですが、私はあえてポピュリズムを掲げたいと思います。ポピュリズムとは「民主という名のもと、政治家が選挙民へすり寄ること」とも考えられますが、私はその背景にコンプライアンスがあったのではなかったかと思います。

「うちの会社はこんなにひどい」「この学校の先生はこんなことをしている」といったごく身近かな問題を取り上げる中で企業や社会は公正性大、透明性と情報公開をうたったわけです。これがポピュリズムのベースになったと考えられないでしょうか?

それに呼応するように「カミングアウト」する人が増えたのです。決してそちらの意味ではなく、我慢せずに自分の意見を言う(本性を現すの意)という意味のカミングアウトです。このために社会を構成する組織体がこの抵抗に負けているともいえるのかもしれません。

問題は収拾がつくのか、であります。会社の場合はその理念や向かう方向が同じベクトルであり、一体感を作り出しやすいのですが、国家や地域では色合いは当然ばらけます。分断する社会とはここにその背景を見ることができるのかもしれません。

英国や香港の将来について私はその行方を公言するほど予知能力はありません。それほど世の中が変わりつつある社会とも言えそうです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

離脱問題で最大の山場を迎える英国4

英国のジョンソン首相は英国議会を9月9日の週から10月14日まで休会すると発表しています。9月3日に始まった議会は実質1週間程度しか開催期間がありません。その間にジョンソン首相を中心とするEUからの離脱強硬派とそれ以外の与野党がどうこの問題に取り組むか、いよいよ最終決戦の火ぶたが切って落とされました。

野党は来週の休会までに与党からの造反を取り込みながら「離脱延期案」を提出するかどうかが着目点になります。当初は内閣不信任案で検討されていたはずですが、ここにきて方針を変えた可能性があります。

一方、ジョンソン首相は腹のうちにもしも自身に不利な形成になれば来週までに解散総選挙のシナリオもあると速報で報じられています。かなり何でもありの状況です。

そうなればジョンション首相は史上最短の首相となる可能性があります。英国議会史上、ネヴィル チェンバレン首相の第二次世界大戦中のドイツへの宥和政策に対する不信任案可決事件(1940年)以来となるのでしょうか?

ジョンソン首相はどうなのか、といえば心は固まっているように見えます。「合意なき離脱」にまい進する、であります。つい一日前ぐらい前まではジョンソン氏は、離脱を決定した後、議会解散を行い、そこで政権への判断を再度問うのか、首相自身があの国民投票後、英国内が盛り上がっている中で「俺は首相はやらない」とそっぽを向いたあの二の舞もあるのでしょうか?

こうなると英国はどう見てもこの離脱の前後で一度解散総選挙となりそうです。

ジョンソン首相は表向きEUとは「交渉の余地はある」と述べているもののその余地は極めてスリムであるとみています。一つは最大のイシューが北アイルランドのバックストップ問題でメイ前首相が合意済みのこの件を「撤回」することを最大の条件としているからです。一方、EU側は本件について見直す余地は全くないとしてお互い、すり寄る余地は今のところ全く見えません。

次にEU側も主要首脳陣が改選期にあるため、落ち着いて審議するという状況にありません。新欧州委員会委員長は11月に着任です。アウトゴーイングするユンケル委員長に何か妥協策を打ち出せる任期上の時間があるとは思えません。

個人的には今週、英国議会が離脱延期法案を可決できず、解散総選挙もなければ英国の合意なき離脱は相当高い確率で起きる、と見ています。(個人的には今の時点で解散総選挙はあまりにも無謀と思いますが、10月14日に首相に再選されれば自身の方針が信任されたと自信をつけるのがジョンソン風なのかもしれません。もはや普通の事態ではありません。)

ジョンソン首相には離脱したところで大した影響はない、と考えている節があります。「英国は覚醒せよ」と言わんばかりであります。ある意味、トランプ大統領に似たスタイルで今までの議会や国民の考え方を完全に打破し、新世界を打ち出すために多少の犠牲は払ったのち、そこには苦しみを味わったものしか勝ち得ない世界が待っている、というのでしょうか。

我々一般人は今までの常識の枠を「普通」とし、はみ出ることに大きな抵抗を持ちます。ですが、今、世界では常識感が覆るようなことがどんどん起きています。歴史のステージが全く違うところに向かっていくようなそんな感すらあります。

ジョンソン首相はもともと変わり者であったのに圧倒的支持のもと、首相に選ばれました。これは英国の閉塞感に対する打破とも言えます。近年の英国ではウィンストン チャーチルとマーガレット サッチャーという偉大なる人物が英国を救いました。ジョンソン氏が3人目となる偉大で歴史に残す首相になるかどうか、我々の常識の枠を超えたところでその行方は決まるのかもしれません。

では今日はこのぐらいで。

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時計の針が逆に動き出した欧州、ここにもある世界不和の火種4

G7が8月24日からフランスで開催されます。その時、初登場の英国、ボリス ジョンソン氏の発言に注目が集まるでしょう。彼は合意なき離脱もやむを得ず、という立場を貫き通す姿勢を見せており、欧州の首脳とは全く異質、異次元の立場を取ろうとしています。欧州首脳は「今更何を…」と内心思っていますが、ジョンソン首相がそれを意に介さないところにこれから始まる欧州の混沌を見て取っています。

離脱期限は10月31日ですからあと2カ月強しかありません。メイ首相時代に作り上げたであろうシナリオのちゃぶ台返しに「ふざけるな」と思う大陸首脳陣も盤石な体制だとは言えません。その上ジョンソン首相のスタイルはトランプ大統領のそれとそっくりであり、大げさでストレートトークであり、相手に衝撃を与えることを何ら慮ることはないでしょう。

大陸首脳陣がさえないもう一つの理由はドイツの不振であります。4-6月のGDPはマイナス0.1%に沈みましたが、このところ囁かれているのは7-9月GDPもマイナスになるのではないか、という点であります。そのため、財政均衡に対して厳格な同国もこのままでは国内景気が維持できない可能性をシナリオに取り込み始めており、緊急的な財政出動ができる体制を準備しているようだと報じられています。

ドイツが不振なのは生産面、輸出の両面の不振が挙げられていますが、とりもなおさず、中国向け及び英国離脱に揺れるEU内での景気不透明感が響いているものと見られます。ドイツ中央銀行であるドイツ連銀は景気を「停滞」と表現していますが、その中に偶発的ではないとする表記から構造的低迷に陥ったと見られれば、しばし経済成長率は低迷するかもしれません。

次いでイタリアです。非常に分かりにくい連立与党を指揮するコンテ首相が20日、辞意を表明しました。イタリアは急進右派の同盟と左派の五つ星が水と油の状態で連立を組んで18年6月に政権が発足したものの形の上では同盟のサルヴィーニ書記長の強気姿勢に押される形で分裂が顕在化しました。現時点で同盟への支持率は高まっており、首相選になった場合の動向が注目されます。

こう見ると今週末に開催されるG7に於いて日本、アメリカはともかく司法介入疑惑で倫理委員会からクロを付けられ、今秋の総選挙で敗退の可能性が高まるカナダ トルドー首相及び欧州陣営では新加盟のジョンソン、半ばレイムダック化しているメルケル、辞任発表したばかりのコンテ、それを支える議長国のフランス、マクロン各氏では何かを期待する方が間違っているでしょう。

個人的にはフランス、マクロン首相の手腕についてもあまり高く評価していません。支持率は12月の23%からじわじわ切り返し、7月の世論調査で32%まで盛り返していますが、そろそろ戻り一杯だろうと思っています。その手腕を試すのが英国との問題であり、またEU全般の経済問題において機能不全となりつつあるドイツに代わり、どこまでサポートできるかであります。以前もご紹介したようにフランスとイタリアは大戦以降最悪の関係となっていることも念頭に置く必要があります。

ところで、欧州中央銀行は金融緩和を推し進めるバイアスにあり、マイナス金利が当たり前になりつつあります。

マイナス金利は何を意味するか、様々な見方がありますが、一つの尺度に「時間」があります。金利とは「時間を買う」という意味です。とすればマイナス金利は時間が逆行しているともいえるわけでマイナス金利になること自体が時計の針が逆さに動き始めている極めて危険な状態だといえないでしょうか?

英国の離脱とはEU発足後、英国が参加したあの時まで時計を戻す、とまでは言いたくないですが、それほど混とんとしつつあるのです。その底辺には日本では実感しにくい中東などからの難民が押し寄せることに対する欧州各国の国内世論の分裂、爆発とも言えます。イタリアの首相辞任表明はその端的な例だともいえるでしょう。

世の中の目は米中問題に行きがちですが、欧州でもジワリと秋風が吹きこんでいるようです。

では今日はこのぐらいで。

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揺れる国際関係、超える政府のコントロール4

折しも安倍首相がイランを訪問しているさなかで起きたホルムズ海峡でのタンカー襲撃事件。うち一隻は日本の船舶で一部報道では狙われたのではないか、というトーンも聞こえますが、これはかなりの憶測で真偽のほどは不明です。襲撃されたもう一隻の台湾企業がチャーターした船は沈没しています。

ホルムズ海峡はもともと治安が悪く、先月も4隻が襲撃されたと報じられていましたが、アメリカとイランの関係が悪化したことで一部の思想団体を刺激していた可能性は否定できないでしょう。とすれば日本の船舶側が警備員もつけていなかったのはいくら「警備員がいても同じ事さ」と言えどもやや情報解析に甘さがあったような気もします。

安倍首相のイラン訪問がこのタンカー襲撃の引き金となったとは思えませんが、首相の会談後の談話や記事を読む限りアメリカとイランの関係改善に向けた即効的な話があったようには感じません。それは当然で41年ぶりに訪問した国でアメリカから託された解決の糸口が出てくるほど簡単な外交はありません。

安倍首相がプーチン大統領と26回も会談しているのに領土問題は何ら進捗がないことを考えれば国と国の問題は長い歴史問題を抱える中でトップから実務者レベルまでが周辺環境を踏まえて一枚岩になってようやくなし得る作業です。

その上、最近は特に政治を超えた国民や市民ベースでの活動が目立ってきているのも特徴です。民主主義という名の議会での多数決判断は必ずしも国民の意見を反映している訳ではありません。香港の「逃亡犯条例」に反対する市民の抗議は驚くべきパワーとしか言いようがありません。本日のバンクーバーのローカル新聞トップは「香港市民の将来への不安は約30万人いる香港在住のカナダ市民権/移民権所有者が当地に戻ってくるのではないか」という懸念でした。懸念というのは正しい表現ではないかもしれませんが、突如、雪崩のように人が押し寄せればしわ寄せの結果、様々なことが機能しなくなることを意味しています。

英国の選挙はどうでしょうか?新しい首相選びの選挙が始まりましたが、候補者を絞り込む方式のこの選挙は最終的に争点の絞り込みを意図し、強硬離脱派と穏健派と離脱反対派という明白なグループ化を作り、議会の外で英国国民が過激な行動や活動を再びしないとは限りません。

情報化が進むと一人一人の選挙民はあらゆる影響を受け、それまでさして興味がなかったことにも「そうだったの!」という刺激とともに活動をしたり声をあげたりするものです。私が感じる世の中の動きは時として激しい市民の声とそれを受け止め防戦に回る行政や政治家という構図にすら見えてくるのです。市民側には極端な声もあるわけでそれをバランス感覚を含めて落としどころを探るという行政側ということでしょうか?

問題は一度色づいた意見はなかなか変わらないという点です。A案とB案があってA案が正しいと信じた瞬間、それを後日、やはり自分は間違っていたからB案にするという意識と勇気が高い人はなかなかいるものではありません。人は頑なになり、より固執し、譲歩せず、激しいバトルとなるのが流れです。

そういう意味ではあらゆることに判断を求められ、選択をさせられる時代が到来したともいえるのでしょうか?ちょっと息が詰まるかもしれません。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

今週のつぶやき4

好きなニュースだけ配信される技術が普及してくると実は大きなニュースを取りこぼしている可能性がありませんか?最近、一部のネットで配信されるニュースに奇妙な偏りがあり、一般的ニュースソースに行くと「へぇ、こんなニュースがあったんだ」という発見をすることがあります。個人的には技術の進歩が視野を狭めるような気がしてなりません。例えるなら食べるものといえばカレー ハンバーグ スパゲティしか知らないようなそんな世界でしょうか?恐ろしや。

では今週のつぶやきです。

元気が戻った株式市場
ほっと一息、というところでしょうか?日経平均は週間で500円ほど上げチャート的には戻りを試す展開です。NYは月曜日安値から週間で1300ドルほど戻しており、覚醒したという表現が的確かもしれません。上昇したほぼすべての理由は利下げ期待と断言してよいでしょう。

金曜日に発表されたアメリカの5月度雇用統計は事前予想の18万人増をはるかに下回る7.5万人増にとどまりました。これでFRBは否が応でも金利引き下げに動かねばならないとみる向きが強くなり、株式、金、ドル以外の通貨に資金が回っています。EUも利上げを半年先送りとしました。欧米で取りざたされている金融緩和の理由はインフレ率が収まっているから、であります。

私がもう10年以上ずっと言い続けているのは過去2桁あったインフレ率は今の先進国ではまず起こりえず、インフレの沈静化は更に進むということ。日本がその最先端を行きましたが、欧米も必ずフォローします。欧州の一部や日本の長期国債はマイナス金利が当たり前。ではなぜアメリカはそれでも2%もの金利がつくのかといえばイノベーションを伴う成長意欲が他国に比べて旺盛だから、と説明する以外になんと言えましょうか?逆に言えばアメリカが自由で開かれた国でなければ金利はどんどん下がる、つまり、老化するアメリカになりかねないともいえそうです。

英国新首相選び
メイ首相が保守党党首を辞任しました。これから本格的な次期党首、つまり首相選びが始まります。下馬評ではやはりボリス ジョンソン氏が圧倒的リードで2位にラーブ氏がつけていますが、双方とも離脱強硬派。特にジョンソン氏はトランプ氏に似たような自由奔放なところがあります。

仮にジョンソン氏が首相になった場合の私の期待度はかなり低く、イチかバチかの大勝負に出ると思います。メイ首相は粘り強さがありましたが、ジョンソン氏は全く粘りません。いやだと思ったらプイと横を向くでしょう。つまり、議会で離脱の賛否を問う出口なき議論となれば、彼は職を全うできないリスクはあります。

また、EU側との交渉もごり押しするはずですから交渉そのものが成立せず、合意なき離脱に突っ走るとみています。今の英国を見ているととことんまで行きつくしかないのかな、と思います。それでも英国民は文句を言いながらもプライドを持って新国家をまた築き上げていくでしょう。

ロンドン株式市場はずっと堅調ですし、ポンドの為替も2016年10月以降は比較的落ち着いています。つまり、英国離脱物語は二流の茶番劇でしかないのかもしれません。

出生者数91.8万人の衝撃
厚労省が発表した2018年度の出生者数は91.8万人、前年から2.8万人の減少です。これは率に直すと2.96%。メディアに紹介される統計が絶対数表示になっているので気がつきにくいのですが、減少率でみるとずいぶん下がっています。私がはじいた出産適齢期の人が子供を産む単純率は17年度が3.79%に対して18年度は3.73%に下がっています。合計特殊出生率も0.01%ポイント下がり、1.42となっています。

これをどう捉えるかです。多くの声は教育の無償化、子育て支援など通じて出産と就労の両立を掲げています。それは否定しませんが、個人的には根本の部分が違うと考えています。それらは出産を支援するものの出産そのものへの促進とは違う気がします。

このテーマはこのブログで何度も触れているとおり、宗教観や儒教的背景、家族の財産継承を通じたファミリーツリー形成思想の欠落、女性の社会進出による反動(アメリカも女性社会進出に伴い、出生率は下落した歴史があります)、戦争がなく平和になったことでより少ない子供への高いアテンション化など様々です。つまり、社会構造そのものが少子化に向かわせていると考えています。

私は出生率よりも出生の絶対数が減ることがもっと懸念される事態と思っています。数十年後には人口バランスを含め日本がサステナブルな社会を維持できなくなるリスクは頭に入れた方がよさそうです。

後記
最近北米で話題の食品といえばリアルの肉ではなく植物から作り出す人工肉をベースにしたものでその代表的企業であるBeyond Meatは上場後初の決算発表に於いて冴えない赤字決算ながら強い成長期待で1日にして4割近くも株価が跳ねました。大手食品のネッスルも同様製品の投入を発表しており、日本ではオイシックス ラ 大地がリーディング会社です。菜食主義者やさらに厳格なビーガンの人が増えていることを意味します。我々の生きる時代はあまりにも変革が早すぎ、常識観がどんどん崩れ去ります。驚きです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。

欧州議会選挙はEUの転機か?4

5年に一度の欧州議会選挙が23-26日に行われました。まだ最終が出ていませんので報道も少ないようですが、当初の予想通り、中道右派と中道左派による安定時代から多政党化が進み、EU一体化に対する様々なボイスを真摯に受け止めなくてはいけない時代になったようです。ただ、フランス マクロン大統領が推す共和前進が現在第三党であるALDEに合流する見込みで最終的には第一党から第三党を中心とした連立で欧州議会運営は乗り切るのではないか、と見ています。

中道右派(EPP)は2014年の際は221議席だったものが今回は177議席、第二党の中道左派(S&D)は前回の191議席に対して150議席となり、両派合わせて412議席から327議席へ減少、全議席数の比率でみると54.9%から43.5%となっています。いわゆる連立与党の過半数割れであります。ただ、上述のALDEが107議席取りましたのでこれを合わせれば63.2%となり、議会運営は安定するでしょう。

国別でみるとやはり目立ったのが英国のブリグジット党が第一党となり、残留派の自由党が第二党となったことでしょうか?二大政党の中心だった保守党や労働党は下に追いやられています。フランスもルペン氏率いる国民連合(RN)が第一党、マクロン大統領率いる共和党前進を押さえました。

イタリアは極右の同盟が30%を確保、最大議席数のドイツは中道のCDUとSPDの支持率が前回に比して大きく下げているものの体制は維持できている模様です。注目された極右のAfDはさほど伸びていない模様です。

さて、この傾向をどう見るかですが、私は欧州に限らず、世の中全体の最近の傾向が虚実に表れていると思います。平易な例えをすると「総合雑誌より専門雑誌が読まれる時代」と申しましょうか?

かつては男性もの、女性ものの総合週刊誌はよく売れたものです。が、今はそれよりももっと的を絞ったものを求める傾向があります。理由は総合誌は分析が浅く、読者を満足させられないのだろうと思います。その背景はもちろん、無料の情報が瞬時に誰にも均等に届くという背景があります。同様にファミレスよりも料理にこだわる専門店という流れもあります。「百貨」店という名のデパートより専門店に行くのも同じでしょう。

この結果、広く薄い知識よりも狭く深いものをもとめ、それが人々の行動規範にも表れてきていないでしょうか?いわゆる劇場型選挙はある意味、究極の一点について是非を問うわけでほかに考えなくてはいけない99の項目は横に置いておく、という発想です。それはフェイスブックの「いいね」も同じである意見について「いいね」を押してもその人全体を肯定しているかどうかは問わないのです。

専門家は今回の欧州議会選挙の動向について「現状の否定」と評しています。現状の否定という表現が妥当かは個人的には懐疑的ですが、少なくとも「我慢できなくなった」という傾向が強く押し出されてきています。

EU28カ国はつい75年前までは長い戦禍に見舞われた国々です。そこには民族的問題が常時横たわり、強いナショナリズムが各々の国家にありました。が、悲惨な二つの大戦を経て「もう止めよう」と思い立ったのがEUの前身であり、アメリカに対抗するUNITED思想の発祥地点であります。

これが今になって変化しつつあるのは75年経って時代の循環と考えるべきなのか、強い紐で結ばれた関係に嫌気がさしたのか、あるいはそれをしっかり引っ張るリーダーシップの欠如なのか、様々な見方はできると思います。ただ、はっきりしていることは英国は期待できず、メルケル首相は先が見えているし、マクロン大統領の支持率は最悪期を脱したもののやはり不人気であることは変わりません。

むしろ周辺国であるイタリアやハンガリーあたりのボイスが気になりだしたというのが現状ではないかと思います。

ただ、三歩ぐらい下がってこの問題を見ると多くの国が掲げる問題はほぼ移民問題に集約されます。かつて欧州の金融危機があり、ギリシャなどが苦しんだ際、一部ではEUの制度疲労などとも言われましたが、EUの根本的結束力は衰えなかったと思います。仮に移民問題を解決することでEUの結束力を維持できるならその解決に全力を施し、EUを維持することに努めるべきでしょう。

今年はトゥスク欧州理事会議長、ユンケル欧州委員会委員長が改選となります。新たなリーダーシップが欧州を結束させるか、壊すか、真価を問われることになりそうです。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。
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