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2008年11月21日

北九州スポーツ整形外科研究会 レポート

北九州スポーツ整形外科研究会 レポート

野球による障害 野球肘(内側型)のマネージメント
    横浜南共済病院 スポーツ整形外科部長 山崎哲也先生のお話を参考にして


『野球していて肘の内側が痛くて投げれません』という選手の復帰のさせかた

私は関東労災病院スポーツ整形に約10年間在籍していました。当時の私の外来は、“サッカー外来”と周囲から言われるほど、サッカーの選手が集中していました。

現在福岡スポーツクリニックに赴任して、外来の中で特に悩みのたねが、野球肘(内側型)なのです。小学生〜中学生までで肘の内側の痛みを訴える選手はすごく多くいます。
レントゲンで内側の骨に何の変化もないタイプ(靭帯や筋肉が牽引された痛み)であれば、短期で投球を禁止して、ストレスの痛みが消失した時点で、投球フオームのチェックと投球数や投球距離を徐々に多くするプログラムをトレーナーとともにしていただければ、すぐに現場に復帰できます。

内型野球肘のレントゲン画像





しかし肘の内側の骨にレントゲンで亀裂や剥離が認めれらた症例では、シャドーピッチングで痛みがないから投球開始として同じプログラムをしていても、痛みの再発がある場合があるのです。

もちろん何でもそうですが、人間には100%というものはないのですが、内側の野球肘では、骨が分裂しているタイプでは注意が必要です。

スポーツの場合、再発率を極力ゼロに近づけるように、判断法やリハビリを提案する必要があるのです。

現在での臨床報告からは、いまだ内側野球肘で骨変化があるタイプを再発しやすいタイプかそうでないタイプかを明快に判別する方法はないと理解しています。
(亀裂の幅での議論などさまざまありました)


それでは骨変化があるなら、投球禁止にしてレントゲンで骨癒合が得られるまで待てばいいじゃない!。

一見当たり前で、簡単な話のように見えますが……

●●骨癒合まで待つと平均5ヶ月程度(某クリニックの平均)かかるのです●●
骨折と考えるとどんなに長くても3ヶ月で骨癒合しますが、内側の野球肘ではそうはいかないのです。つまりレントゲンでは亀裂が入ったように見えますが、牽引による骨化障害が病態であるからです!!
医学的には骨化障害なので、レントゲンで骨の状態が復活するまで投球禁止にすることが重要というのはあたりえです。


しかし
野球肘を数多く見ておられるドクターやトレーナーは経験するでしょうが、症状は早い選手で1ヶ月程度から診察室での外反ストレス痛もシャドーで投げても痛みが消失してしまうのです。

今までは
私も当初は一律にレントゲンでの骨癒合までは休ませる方針でスタートしましたが、
選手と親御さんの苦しさがひしひしと感じられて、非常に心苦しく思っていました。


投球開始のタイミングが難しいのです。投げさせても痛みの再発が非常に少ないマネージメントができることが、求められています。

今回のお話をきいた中では、

内側で骨変化があるもの
  ●外来診察室での外反ストレステストをあらゆる角度で行い痛みの誘発がない
  ●内側の圧痛が消失

この2点を満たす状態になれば、
  ●投球フオームのチェックと矯正
  ●投球数と投球距離を徐々に増加させるプログラム

を開始しているということです。

実際の臨床現場ですでにマネージメントしていても再発は問題にならないくらい少ないとのお話もあり、今後データをまとめられるとも言っておられました。
注目していたいと思います。

私たちも過去の臨床論文を参考にして、再発がないことを第1にして、現場の選手やコーチにも受け入れられる範囲で、医学的にも問題がない判定方法で診療したいものです。










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