心脳迷宮

植物のセンサーについて見ています。ここ最近見ているのは,重力センサーです。重力を感知して,根は下へ,芽は上へ伸びることを確認しました。

以前,芽の先に光センサーがあることを紹介しました。重力センサーも芽の先にあるのかと思いきや,それは間違いであることが,あっさりと示されました。芽の先を切り取って横に向け,光センサーが働かなくなっても,向きを変えて上に伸びて行くのです。

植物の根と茎とでは重力の捉え方が違うようなのです。そこで,変異させたシロイヌナズナを大量に調べました。縦に育てて,途中から横にするのです。ほとんどは,根を下,茎を上へと向きを変えます。しかし,向きを変えないものや,根だけ下に向くもの,茎だけ上に向くものなど,色々出てきました。片方だけが向きを変えるということは,それぞれが違う仕組みで向きを変えているということです。

遺伝学研究により,「スケアクロー」という遺伝子に変異が生じていたことが分かりました。

後に,スケアクロー遺伝子は,内皮の形成に欠かせない遺伝子であることが明らかになります。内皮とは,植物の維管束組織を包み込んでいる細胞集団です。この内皮が作られなくなると,根は短く弱くなりますが,それでも下に伸びていきます。根の先端にある重力センサーにはもともと内皮がないからです。しかし,茎の場合は,重力センサーを持っている内皮細胞がないと重力を感知することができません。

根の場合は,根冠の細胞内に「平衡石」というヒトの耳石と同じようなものがあり,それが移動して重力を感知します。茎の場合は,平衡石を持っているのが内皮細胞だけです。内皮においては,根冠と同じような仕組みで重力を感知します。

では,無重力の宇宙空間においては,植物はどのような振る舞いをするのでしょうか。次回その答えがわかると思います。

重力が上から下に働いているとすると,芽は下から上へ,根は上から下へと伸びます。

植物は地球の重力を感知しているのでしょうか。重力と一致しない力を用いて実験を試みます。重力と一致しない力とは,遠心力です。植物を水車のような大きな構造物に固定し,回転させます。植物は,重力と同じ方向に遠心力を捉えることもありますが,重力とは逆の方向に捉えることもあります。数日水車を回転させると,すべての苗の根は遠心力の働く外側へ,芽は遠心力とは逆の水車の中央に向かって伸びていることが確認できました。

では,植物はどの部位で重力を感知しているのでしょうか。ある研究者(じつは著名なダーウィン)が,根の先に重力受容体があると仮定して実験を行いました。

キュウリの根の先をいろいろな長さで切り取って,湿った土の上に横たえました。根は伸び続けましたが,土の下の方には向かいませんでした。根の先っぽを0.5ミリ切断するだけで,植物は重力に対する感度を失ってしまいました。

「外界がわかること」の初めの頃に,屈光性の実験を紹介しました。光を感知するのは目の先ですが,曲がるのはその情報を受け取った茎の中央部でした。そうすると,根の先端はなくとも,その情報を受けていれば曲がるのではないか。

根を出したばかりのマメを土の上に横向きに置き,90分待ってから根の先を切りました。すると,根の先端がなくても,下に向かうことがわかりました。根の先端は,重力を感知して,どちらに曲がるべきかについての情報を全身に送っていたのです。

その後の分子遺伝学研究によって,根の最先端(根冠)の細胞が重力を感知していることが分かっています。

順番に読み進めていくとすれば,次は植物の聴覚についてですが,トマティス物語で聴覚を扱ったのに続けてここだけ,今年の10月20日「毛を生やす」に書いていますので,スキップして先に進みます。

植物は,上下だけでなく,自身の枝葉の位置を知っていることが,数々の実験で確認されています。

どうやってそれらがわかるのかについて理解するために,まず人の固有感覚について見ていきます。固有感覚とは,私たちが体を動かしたときに体の各部位が互いにどんな位置関係にあるのかを,いちいち見て確認しなくてもわかるという感覚です。これは,五感の一つである触覚とは別の感覚です。

固有感覚は,他の感覚と違って,それを受け入れる期間はっきりと決まっていません。平衡感覚を伝える内耳の信号と,一感覚を伝える全身の神経からの信号が統合されてやってくるのです。平衡感覚は,内耳の三半規管や耳石などによって重力の方向などを感知してその情報を脳に伝えます。全身に張りめぐらされた固有感覚神経はすべてを統合した状態を維持し,固有感覚受容体が手足の位置情報を脳に伝えます。固有感覚神経は,圧や痛みを感じる触覚神経とは別物で,筋肉や靱帯,腱など体のもっと奥深いところにあります。

固有感覚には大きく二つのはたらきがあります。一つはじっとしているとき(静止時)に体の各部位の相対的な位置を知ること,そしてもう一つは動いているとき(動作時)に体の各部位の相対的な位置を知ることです。固有感覚は平衡感覚だけでなく,連携された動作をするのにも欠かせません。たとえば,手を振るという単純なものから,平均台の上で宙返りをするというような非常に複雑なものまであります。

この,静止時と動作時の体の位置を知るという二つのはたらきは,植物にも当てはまるそうです。植物の動作時?
・・・ここの疑問は,次の章で明らかになるものと思われます。

植物は動物と違って,痛みを回避するような対応はできません。しかし,周囲の環境に合わせて生長を調整するような対応は可能です。

トマトを例として取り上げます。以前から,トマトの葉は一枚が傷ついただけで,その信号が同じ木の無傷の葉にも送られることは知られています。その時の信号は,化学物質と考えるのがかつては一般的でしたが,電気信号ではないかと仮説を立てて実験的に確かめた人がいます。

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トマトの葉を一枚,熱した鉄のブロックで焼いた。そして,焼かれた葉から離れた茎のところで電気信号が検知されるのを見出した。葉と茎を結んでいる葉柄(ようへい)という場所を冷やしていても信号は検知される。葉柄を冷やすと葉から茎への化学物質の流れは遮断されるが,電気の流れは遮断されない。おまけに,焼いた葉の葉柄を冷やしても,ほかの健康な葉はあいかわらずプロテイナーゼ阻害遺伝子を転写していた。
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動物の神経系と同じように,植物でもこの信号は細胞から細胞へと伝播し,カリウム,カルシウム,カルモデュリンなどの通路の開閉を調整しているのです。

植物は危険から逃れるのではなく,一枚の葉がダメージを受けると,その葉がほかの葉に潜在的な危険を警告して準備を促すことで被害を抑制するという戦略を取っているということでしょう。

コケとキノコ
先月行った古墳の近くで撮影しました。コケとキノコ,「カ行」率が高いですね。ところで,菌類にも植物と同じようなストレス対処の仕組みがあるのでしょう。

ここ数回は,植物の生長が接触によって抑制されるメカニズム等について見ています。

その前に,まず,そもそも遺伝子とはどのような働きをするものかを押さえておきます。結論から言えば,遺伝子はそれぞれ一種類の蛋白質を作る方法を暗号化しているのです。どの細胞も,すべての遺伝子を持っているのですが,細胞によって含まれている蛋白質は異なります。葉には,光合成をするために光を吸収する蛋白質が,根の細胞には土壌からミネラルを吸収する蛋白質が入っています。細胞によって異なる遺伝子が活性化されているのです。細胞ごとに異なる遺伝子が転写されているという言い方もできます。

どの遺伝子を活性化するかを決める際に,外界の環境がどうであるかということも重要なポイントになります。接触等の物理的な刺激が多いという環境に適応するためには,それに応じた遺伝子を活性化する必要があります。

接触によって活性化する遺伝子は一つではありません。それらの中で最初に発見された遺伝子は,細胞内でカルシウムの信号を送ることに関与する蛋白質をつくる遺伝子です。

ヒトなどの動物にとってカルシウムはニューロン間での電気信号の伝播や筋肉の収縮などに重要な働きをしていますが,この分野については,まだわかっていないことが多いそうです。植物においても,カルシウムの働きのすべてがわかっているわけではありません。

わかっていることの一つは,枝が揺すられたり根が岩に当たったりするような機械的な刺激を受けると,植物細胞のカルシウム濃度が急上昇し,それから降下するということです。

このカルシウム濃度の急激な変化は,細胞膜の外側の電荷に影響を与えるほか,情報を多数の細胞に伝達する役割も果たします。

その際,水溶性カルシウムは蛋白質を結びつかないと仕事ができません。ここで登場するのが,カルシウムと蛋白質とを結びつける「カルシウム結合蛋白質」です。そのなかで,もっとも研究が進んでいるのがカルモデュリンです。

カルモデュリンは,カルシウムと結合すると,ヒトでは記憶や炎症,筋肉活動,神経突起の成長などにかかわるさまざまな蛋白質に作用し,その働きを調整します。

植物の場合は,物理的刺激が加わると,カルモデュリンがたくさん作られ,活動電位中に出てくるカルシウムとどんどん結びつきます。ここでできた物質が,生長を抑制する等,様々な植物の在りように影響を与える遺伝子を活性化することになるのでしょう。

最後のところははっきり書かれていなかったので推測で書きましたが,この先で触れられることになるかもしれません。

ところで,「外界がわかること」は,ヒトにおけるPTSDと同様の仕組みが植物にもあるのではないかという視点からの取り組みとして始めましたが,何らその兆しもないまま回数を重ねてきました。ここにきてようやくそれらしい話題に近付いてきました。外界からのストレスに植物はどのように対処しているのか,ということです。これからどのように展開していくかについては,今のところ何のプランもありません。どうなることやら。

鮭の産卵場所
昨日の雨で増水していました。確認はできませんでしたが,きっと鮭が遡上しているに違いありません。

困難の連続
飛行機が揺れました。到着したら電車が止まっていました。

外部からの物理的な刺激に植物が反応する例として,ハエトリグサとオジギソウを見てきました。しかし,そうした特殊な植物だけでなく,植物一般が接触等の物理的な刺激によって特定の遺伝子を発現させることがわかってきています。

ある植物の生長を調べるために,毎日物差しで葉の長さを図っていたところ,測定していない葉は普通に生長しているのに,測定していた葉はいつまでたっても生長せず,そのうち枯れてしまいました。毎日触られていたことが原因なのでしょう。

山の尾根の高いところに育つハイマツなどの樹木は,強風にさらされる環境に適応するために,枝の生長を制限し,幹を太く短くするような育ち方をして環境ストレスに対応しようとします。毎日物理的な刺激を与えられることと,厳しい環境に置かれるのは同じようなものであると植物は捉えているということになるのでしょうか。

植物ホルモンの影響を調べようとして,ある研究者がシロイヌナズナにジベレリンというホルモンをスプレーして,どの遺伝子が活性化するかを見ました。そして,その遺伝子を特定することができました。ところが,スプレーするのがジベレリンでなくても,同じような反応が現れました。ただの水を使っても同じでした。

なぜ?
答えは,スプレーされたという物理的な刺激に反応したということでした。指で触っても同じ結果が見られたのです。

ここのところについて理解するには,もう少し専門的な知識が必要になってきます。明日から1泊2日で遠くに出かけるので,そのあとになるかもしれませんが,ここの説明にチャレンジしようと思っています。

ハエトリグサの獲物をキャッチするセンサーについては昨日記載したとおりです。では,その「感覚」をもとにしてどのように葉を動かす「運動」を起こすのでしょうか。

その仕組みは,オジギソウで研究されています。



オジギソウの葉の基部には葉枕と呼ばれる膨らんだ構造があり,その中に葉枕細胞という一連の運動細胞があります。ここに電気信号が作用すると,オジギソウの葉が垂れるのです。

植物の細胞は大きく二つの構成要素でできています。

一つ目はプロトプラストと呼ばれるものです。これは動物の細胞のように,内部の液体を薄い膜で覆っているものです。この中に,核やミトコンドリアなどが入っています。

二つ目は細胞壁です。プロトプラストは,箱状の堅い細胞壁に包まれています。

プロトプラストが水分を多く含んでいると,周囲の細胞壁を強く押して植物の細胞を引き締め,重量を支えることのできるような状態に保ちます。しかし,水分が不足すると,細胞壁への圧力が弱まり,しなびてしまいます。

植物は,細胞壁への圧力を調節するために,細胞の内外にポンプで水を出し入れします。オジギソウの葉の葉枕細胞に水が十分にあると葉は開いており,水分が減ると圧力が下がり,葉が閉じます。

オジギソウの葉に接触すると,活動電位が発生します。通常は,葉枕細胞にカリウムイオンが十分に満たされた状態であり,それが葉が開いた状態です。ところが,電気信号が葉枕細胞に届くと,カリウムのイオンチャンネルが開き,カリウムが細胞の外に出ていきます。カリウム濃度が高い方へと水も異動しますから,細胞外に水が出ていき,細胞壁が弛緩して,葉が閉じます。電気信号が通り過ぎると,カリウムが元に戻り,水も戻って,葉が開くのです。

植物の触覚について知るための材料としてハエトリグサを取り上げます。別名をハエジゴクと言います。もともと土壌に窒素とリン酸が不足している湿地で生息していることから,それを補うために昆虫や小動物を捕えて栄養とするよう進化しました。

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ハエトリグサが獲物の存在を感じていること,罠の内側にいる獲物が摂取するのにふさわしいサイズかどうかを判断していることは,いまでは周知の事実だ。葉の内側のピンク色の表面には黒い毛(感覚毛)が数本生えていて,その毛が罠を閉じるバネの引き金をひく役割を担っている。しかし,一本の感覚毛が獲物に触れただけではバネは作動しない。作動するには,20秒の間に少なくとも二本の感覚毛が触れなければならない。これは,獲物のサイズが適切かどうかを判断するのに役立つ。
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感覚毛が触れることによって,ハエトリグサの葉で何が起こっているのでしょうか。

ハエトリグサの葉に電極をセットし,二本の感覚毛を押すと活動電位が生じます。葉の内側で昆虫が複数の感覚毛に触れると脱分極を起こして,それを葉が感知するのです。

後に,電気刺激そのものが罠を作動させる信号となっていることが発見されます。

最近,ハエトリグサが毛の接触回数をどのように記憶しているかも明らかにされました。そのサイトの動画を掲載しておきます。

植物の「触覚」の話になります。

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植物はさわられたことを知っている。いつさわられたかをしっているだけでなく,触れたものが熱いか冷たいかまで区別でき,風に枝が揺れたときもそれがわかる。植物には,時価に接触したことを感じる能力がある。
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そう言われてもピンときません。

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つる植物は,巻き付くことのできるフェンスに触れたとたんに急生長を開始する。ハエトリグサは葉の上に昆虫がやってくると,葉を閉じて捕食する。
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こう言われれば,触覚というのもわかる気がします。

ヒトの触覚は,神経細胞を活用して,電気的に脳に伝達されます。その中で,接触と痛みとは,程度(量)の差ではなく,質の差だそうです。

痛みは単に触覚受容体から発せられる信号が増大して起こるのではありません。痛み受容体(侵害受容器)と触覚受容体(機械的受容器)とは別物で,アドビルなどの鎮痛剤は,機械的受容器の信号には関与せず,侵害受容器から発せられる信号だけを抑えるように作用します。

ここまではヒトの触覚ですが,植物には機械的受容器が存在しているのでしょうか。

ということで,次回はハエトリグサのお話になります。

今日のNHKニュース7で「仕掛学」が紹介されていました。今日の放送分については,今のところネットに上がっていませんが,2年ほど前に「視点・論点」で紹介された内容がまとめられています。

行動経済学のナッジと同じようなことを言っているように聞こえましたが,仕掛学の専門家は違うところがあると言います。

「ひじでつく」ナッジ、「そそる」仕掛け(リンクをクリックするとPDFが開きます)

そういえば,どこかの階段に,階段を利用したくなるメッセージ等が書かれているようなことを聞いた気がして調べてみたら,ありました。階段を使うのが楽しくなる仕掛け8選 この発想は素敵…!

揮散性化学物質を用いて植物が情報伝達を行っているという話が続いています。言い換えれば,匂いによるコミュニケーションが植物の個体間で行われているということです。

最後に,ヒトの嗅覚に関するお話です。人の場合は,匂い物質を電気信号に変えて,神経系によって情報伝達を行います。他の感覚が視床を経由して処理されるのに対し,嗅覚は情動の中枢である大脳辺縁系にダイレクトに情報が届きます。フェロモンが情動に直接作用することで,種の保存を効率的に行えるということなのでしょう。

「植物は知っている」の中で,ヒトの嗅覚に関連する驚くような記載がありましたので,紹介しておきます。

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居住を共にしている女性たちの月経周期が重なりやすいのは,汗から出る匂いが合図になっているからだということが判明している
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「合図」というのは,月経に関わる一連の処理を開始するための引き金というような意味でしょうか。月経の開始に関わる引き金は,その匂いを構成するいくつかの化学物質に特異的に反応する受容体の決まった組み合わせによって引かれることになるのか,それらが電気信号となって大脳辺縁系に到達したのちに月経開始の引き金を引くことのなるのか,それとも別のメカニズムなのかということが研究されているかどうかは調べてみないとわかりません。

もう一つあります。
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感動的な映画を観て泣いた女性から採取した涙の匂いを男性に嗅がせると,その男性はテストステロン値が減少し,性的な興奮の度合いが低下した
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映画が発明されて以降に人類がそのように進化したとは考えられませんから,感動は映画でなくても良いのでしょう。化学物質によって性的興奮性を抑制することができることは,薬物去勢の例もあり,それ自体は驚くほどのことではありません。男女の関係性の中で,匂いによって性衝動がコントロールされているというところが私にとっては驚きでした。この機能を増幅することで,他の方法よりも効果的な性犯罪対策が実現できるかもしれません。スイッチが入ったら止められないという性犯罪者の行為を止めるスイッチがそこにあるのです。多分。

植物同士の,化学物質を介した情報交換についての続きです。

ライマメが他の個体と情報交換するときに放出する揮散性物質が調べられました。細菌に感染した葉から出ている物質と,虫に食われた葉から出ている物質を調べてみると,どちらも同じような物質を出していましたが,共通しない物質が二つありました。細菌に感染した葉はサリチル酸メチルを出していましたが,虫に食われた葉は出していません。虫に食われた葉は,ジャスモン酸メチルを出していました。

サリチル酸メチルは,ヤナギの樹皮に大量に含まれており,古来,ヒトの鎮痛,解熱に用いられてきました。筋肉痛の時などに用いるサロメチール軟膏にも含まれています。また,アスピリンの前駆体としても用いられています。

なぜ植物はこれを作り出すのでしょうか。サリチル酸は,植物にとっては,免疫機構を増強する「防御ホルモン」なのです。サリチル酸は,感染したまさにその場所で放出され,病原菌がいるという合図を脈管を通じて全身に送ります。感染していない部分では,病原菌を殺すか,少なくとも感染の広がりを止めるような様々な対応を開始します。

植物は,水溶性のサリチル酸を,揮散性のサリチル酸メチルに変えることができます。植物はサリチル酸の味を感じ,サリチル酸メチルの匂いを嗅ぐのです。

感染した葉の周囲の空気を吹き込む形で健康な葉をサリチル酸メチルにさらすと,健康の葉はその表面にある気孔からサリチル酸メチルを吸い込みます。葉の中でサリチル酸メチルは再びサリチル酸に変わり,病気と闘うのに用いられるのです。

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