2016年05月23日

樹木画

錦秋湖

バウムテストにおける樹冠の処理について考えてみます。

樹冠の様子を詳細に見ていけば,幹から枝が分かれ,枝が更に分かれてフラクタル構造をしていることや,それぞれの枝に多数の葉が付いていて,葉が枝の一部を覆い隠している様子が見て取れます。葉が多い場合には,フラクタル構造さえ見えなくなっていることもあるでしょう。

他方,枝と葉で構成される樹冠の輪郭を大まかに捉えるという見方もあります。通常,我々が木を見るときは,あまり細部まで見ず,輪郭等を大まかに捉えているに過ぎないことが多いでしょう。木という概念が形成されると,それに合わせて目の前にある木も見てしまうのではないかと思われます。

枝や葉っぱで構成されている樹冠を描く際に,輪郭線のみで表現したり,樹冠の輪郭と内部を,葉や枝とはとても言えないぐるぐるした線で表現したりするケースが見られますが,これは,ヒトが木を見るときに,写実的な見方をしておらず,概念で捉えているからでしょう。

なお,木の幹は,写真で見ると意外と細く,多くの人は,現実の木に比較して太すぎる幹を描きます。概念を形成する際に,多くの人に共通のゆがみが入ることがうかがわれます。

frrev at 22:10|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 整理 努力を要す 

2016年05月22日

瑠璃色のみづうみ

宝仙湖


まるで沖縄の海のようなエメラルドグリーンが美しい宝仙湖。ここで事件があったようです。

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<2002年10月11日毎日新聞>
嘱託殺人、求刑 「首謀者で責任重い」徳原被告に懲役9年−−地裁 /秋田

 97年6月に秋田市の主婦、山崎恵子さん(当時49歳)が田沢湖町の玉川ダム宝仙湖に突き落とされて殺された事件で、嘱託殺人罪などの罪に問われた事件のリーダー格、秋田市出身の元探偵業、徳原晃被告(36)に対する論告求刑公判が10日、秋田地裁(田村眞裁判官)であった。検察側は「殺人を実行し報酬をもらうという『殺し屋』の凶悪な犯行の首謀者で責任は重い」として懲役9年を求刑した。
 この日の被告人質問の中で徳原被告は「当時は犯罪というより人助けという考えで、感覚にずれがあった」と振り返り、「報道で自分の容疑を知るまで事件を忘れていた」とも語った。400万円の報酬については「家族に知られてほしくないと、口止め料として被害者が決めた」と話した。
 田村裁判官は「被害者の『死にたい』という依頼に、心の病気の疑いは残らなかったのか」、「(実行役に現場で背中を押すよう指示したことが)犯罪であることは、小学生でも分かることではないのか」などと厳しく問いただした。徳原被告は「大変申し訳ないことをした」と述べた。
 徳原被告の判決公判は11月7日。
>>>(精神医療ニュース

水の青さの秘密は,以下のとおりです。

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玉川は源流部に玉川温泉・新玉川温泉を有する。両温泉とも湯治場として多くの入浴客が訪れる観光地であるが、温泉から流出する強酸性の水は渋黒川を経て玉川へ流入する。この河水のpHは1.1であたかも胃液か塩酸が流れている様な強酸性の水である。このため古くから「玉川毒水」と呼ばれるこの河水のために魚介類は全く生息せず、水田に流入してイネの枯死を招き秋田藩佐竹氏の時代から問題となり度々の対策が計られた。だが何れも成功せず、特に1940年(昭和15年)の田沢湖を利用した中和事業では逆に田沢湖が強酸性になり魚が全滅するという事態になった。
この為玉川ダム完成後の1993年(平成4年)より「玉川酸性水中和処理事業」を建設省主体で実施した。これは既に実績のある「吾妻川酸性水中和処理事業」(品木ダム)を参考にしている。簡易的石灰石投入による直接中和は1972年(昭和47年)より東北電力の協力を得た秋田県により実施され、徐々に玉川の水質は改善されて行ったが玉川ダムを利用して中和促進の向上を図り、下流の玉川頭首工(農林水産省東北農政局)地点で利水に適当なpHに調整する事を目的とした。
2004年(平成16年)時点では玉川頭首工付近でpH6.9、田沢湖でpH5.8まで回復し玉川の水質は改善されている。
・・・
上流の中和施設から流出した石灰水を宝仙湖において撹拌(かくはん)・中和させることを目的としているため、宝仙湖は青白い湖水を湛えている。
>>>(Wikipedia「玉川ダム」

余談ですが,上記のとおり,1940年に田沢湖の魚が全滅し,田沢湖にしか生息しないとされたクニマスも絶滅したと思われていました。ところが,2010年に山梨県の西湖でクニマスが発見され,さかなクンが「ギョギョ」と驚いたことは記憶に新しい?ところです。

frrev at 15:49|PermalinkComments(0)TrackBack(0) エッセイ向き? 

2016年05月21日

写実的描画と概念化

ナディアは,概念形成の能力を獲得したことによって,写実的な描画能力を失いました。もともとナディアが持っていたのは,視覚映像を概念化という手続きを経ることなく,ダイレクトに運動機能へとつなげて,外在化させる能力ではないかと考えられます。サヴァン特有の,特異な能力が写実的な描画能力として現れたものなのでしょう。

通常,このレベルの概念形成能力では,錯画の閾を出ないのではないかと思われます。錯画が「頭足人」へと進化するためには,概念化の能力の獲得が必要です。「頭足人」は,概念化を伴った描画である点で,一歩前進しています。しかし,写実にはまだまだハードルがあります。

自分の描いたものと,客観的な対象とを比較し,その違いを分析して,描画を対象に近づける作業を重ねることで写実へと近づくのです。

「絵は苦手」,「自分は絵が下手」という人が多いですが,そうした人は,自らの描画と対象との違いを認識できているからこそ,そのように言うのであって,この段階になれば,概念化の能力はおおむね備わっているといって良いでしょう。

写実的な描画は,訓練を経て,職人的に磨き上げられていくものと考えられますが,写実的な描画ができるようになると,概念化の能力も高まっているのかもしれません。

frrev at 20:55|PermalinkComments(0)TrackBack(0) エッセイ向き 

2016年05月20日

錯画から写実へ

モリ―画伯の絵
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モリー(1952年?–2011年4月30日)は、上野動物園、後に多摩動物公園で飼育されていたオランウータンである。オランウータン飼育の実績に乏しかった日本において、日本最初の事例となる出産をこなし、飼育下のオランウータンでは世界最高齢となる59歳まで生きた。晩年はクレヨンを使って絵を描くようになり、「モリー画伯」と親しまれた。「モリ」[1]「モーリー」の表記もある。
>>>(Wikipedia「モリ―」)

紙とクレヨンを与えられたオランウータンが自発的に絵を描くようになり,その作品が公開されたこともあったようです。ヒトにおける描画の発達段階でいえば,「錯画期」に当たるこれらの絵は,「頭足人」(一昨日の記載を参照)にまで発展することなく終わったものと思われます。

写実的とは決して言えないこれらの作品に,少なからぬ人がモリ―の描きたかったものを察して,感動したからこそ,個展が開かれたのでしょう。

描画は,心の中にあるものを外在化するためのひとつの手段です。心の内を,言葉になっていない音声によって表現することは,イヌなどにおいても見られるところですから,それと同じようなことが,写実的とは言えない描画によっても表現されると考えることができます。

進化の過程で,写実的な描画へと一歩踏み出すには,大きなハードルがあるようです。どのような脳の機能が加わると,写実に進化できるのでしょうか。さらに考察する必要があります。

frrev at 23:22|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 横目で脳科学 

2016年05月19日

プログラムされた好悪

ハーロウの代理母実験によれば,子ザルは,ミルクの出る針金の人形より,ミルクの出ないぬいぐるみを好みます。柔らかで温かい肌触りを子ザルは好むことが示されています。その方が,生存確率が高まるものと思われますから,プログラムされた好みがあるということでしょう。

また,ヘビのおもちゃを突然目の前に落とされると飛び上がって驚き,怯えるサルは,両側の扁桃体を切除されると,何じゃこりゃとばかりにヘビのおもちゃを口に入れるなどします。

サルがヘビを恐れるのは生得的なプログラムによるものでしょう。そのプログラムは,好き嫌いの中枢である扁桃体に書き込まれているか,扁桃体を介して取り出すようになっているものと考えられます。

男の子が寒色系の色彩や乗り物を好み,女の子は暖色系の色彩や花などを好みますが,これらも脳の発達の過程で獲得されてきたものと考えられます。脳の発達のある時期に,性ホルモン(あるいは同様の効果のあるホルモン)のシャワーを浴びるかどうかが,男女の好みを分けると言われています。

ヒトは経験を重ね,概念を形成していくと同時に,その概念と好き嫌いや情動とを結びつけます。描画テストなどにおいては,こうした情動などの経験の蓄積によって,どのような絵を描くかが決まってきます。さらに言えば,上記のような,経験を積む以前からの好みも,描画に影響すると言えます。

frrev at 22:33|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 扁桃体研究 

2016年05月17日

「頭足人」考

頭足人
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絵画における発達段階は、体の成長と合わせ少しずつ変化していきます。なぐり描きをする「錯画期」にはじまり、形態の独立や意味づけをしたりする「象徴期」。頭から手足が生える「頭足人」はこの時期の特徴です。

その後、規底線を描き画面上には空などの空間表現をしたり、バスの中をそのまま画くレントゲン描法などが特徴の「図式期」。 そして、写実的表現が見られる「写実期」と続きます。
>>>(ここがよし

人を「頭足人」として描くことができるということは,すなわち,人とはこういうものであるという概念が形成されていることです。顔の輪郭,両方の目,鼻,口,そして手足を構成要素とし,目鼻は点,手足は線で表現します。そして,それらを適当と思われる位置に配置します。この絵が描けるレベルになれば,目や鼻を別々に描いてもらうと,点以外の表現ができるのではないかと思われます。

潜在的には,目鼻を点以外に表現する力を持っていながら,人を描くとき,目鼻などのパーツを明細化して描くことはしないのです。ワーキングメモリ等の制約のため,一度に処理できる情報量が限られており,人をまとまった形で表現するのはこれが限界なのでしょう。

一般的な成人においては,一時に記憶できる数字は7ケタ程度で,無意味な文字についても,同じ程度しか記憶できません。しかし,「とうきょう,かながわ,しずおか,あいち,ぎふ,しが,きょうと,おおさか」という文字列は,30文字近くありますが,すでになじみの文字列で,かつ系統的に並んでいることで,一度に記憶することも難しくありません。

人を構成する視覚的特徴もそれと同様,なじみのものとなり,系列的に配置されることによって一度に多くの情報を処理できるようになります。加齢とともに,ワーキングメモリが育ち,容量が増えることも,描画能力を高めることにつながるものと思われます。

frrev at 23:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0) エッセイ向き? 

2016年05月16日

演繹的概念形成

囲碁で人類を凌駕した人工知能,ディープラーニングは,大量のデータから概念を形成するようです。

ヒトなどの生物の戦略は違います。少数のデータから大雑把な概念を形成し,経験を積んでいく中で概念を精緻化します。

概念が不完全であっても,現実の環境にあっては,高い確率で危険を避けたり,食物を得たりすることができます。

概念形成の力が不足している自閉症のヒトは,自力で生きていくことが困難かもしれません。

frrev at 20:01|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 横目で脳科学 

2016年05月14日

先行刺激

プライミング効果について考えています。

先行する刺激は,必ずしも意識できるものでなくても良いのでしょう。

サブリミナルな刺激も,脳において,先行する刺激となります。

アイオワギャンブリング課題の処理過程において,リスクを察知すると前頭眼窩野が働いて交感神経が動くのも,曖昧なリスクが先行刺激となっているということなのでしょう。

ロテストといった曖昧な刺激は,処理過程における解釈が先行刺激となるのでしょうか?

frrev at 23:37|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 用語 | 茶々入れロールシャッハ

2016年05月12日

潜在能力

2004年3月29日に書いたものを引用します。

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ナディアは二語文はほとんどしゃべれません。社会的なコミニュケーションにも大きな障害があります。しかし3歳の時から、極めて優れた描画を驚くべ き精密さとスピードで描くようになります。「脳の中の幽霊」では,ナディアの描いた馬の絵と,レオナルドダビンチが描いた馬の絵を並べ,両者が同じくらい生き生きとした絵を描いていることを示しています。
ところが10歳の時にナディアの母親が亡くなり、特殊学級に入れられます。そこでしゃべる事を教えられ、一定の習得を見せるのと並行して,彼女の絵の才能は失われてしまったとのことです。
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ナディアはサヴァン症候群の子であったようですから,この事例を一般化するには問題があるかもしれませんが,言語能力を獲得することと,描画の能力を失うことに何らかの関連があることを示す例が上記の引用です。

一般の人に富士山の絵を描いてもらうと,概念化された,これぞ富士山というイメージの絵を描きますが,その人の脳の概念化の中枢を磁気刺激で抑制することによって,概念化された富士山でなく,写実的な絵を描くようになるという話を聞いた気がします。

ほとんどのヒトは,写実的な絵を描く潜在的な能力を持っているにもかかわらず,概念化の能力を獲得することによって,それを発現させることができなくなっているのかもしれません。

カクテルパーティーのざわめきの中から,自分を呼ぶ声を選択的に取り出すことができる一般の人と異なり,自閉症圏の人の中には,全ての人の声を,自分を呼ぶ声と同じレベルで処理し,声の洪水の中で身動きが取れなくなる人もいると聞いたことがあります。こうした弱点に思える特性が,強みになる状況もあるに違いありません。

frrev at 23:35|PermalinkComments(0)TrackBack(0) コミュニケーション 

2016年05月11日

淡い解離

ロールシャッハテストではカラーショック等,「ショック」という表現が出てきます。赤い色などに情動が刺激され,知的統制が崩れて,どの部分がどう見えるという明細化が十分にできず,「形態水準」が落ちるときなどに「ショック」と言います。

このとき,ショックといっても,絶望などの深刻な問題を示すことはなく,被験者自身もショックを意識しているわけではないことがほとんどです。色彩図版に限って明細化に失敗しやすいといった特徴から,ショックを推測するという程度のことで,ショックというにはあまりにも淡い程度のものに過ぎません。

しかし,こんな淡いレベルであっても,古い脳の活動が高まると,新しい脳の活動が抑制されるがゆえに,形態水準が落ちるということで,古い脳の活動である情動が,新しい脳の活動である理性を抑制し,意思決定を混乱させることが示唆されます。

「魔が差す」ときは,意思決定が混乱している状態にあるときです。

混乱というのは,本来働くべき脳機能が一部停止するなどしたときに起こりやすいと考えられますから,そこには解離も見え隠れしているのではないかと思われます。

frrev at 23:48|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 茶々入れロールシャッハ | 魔が差す

2016年05月10日

孤立というリスク

刑務所や少年院等の医師不足の記事を読んだことがありますが,精神鑑定をする医師もなり手が少ないようです。個人的には,精神科領域において,きわめて興味深い事例に接する機会が多い魅力的な分野ではないかと思いますが,「それとこれとは別」と考える精神科医が多いということでしょう。

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法務省と共同研究したことがあるのですが、無差別殺人のような大きな事件を起こした人の中には、それまで孤立していた人が多いという結果が得られました。精神鑑定というのは、1回2、3時間の面接を10回以上重ね、期間としては2、3カ月かけて行います。この結果、どういうことが起きるかと言いますと、相手が満足することが多いのです。話をする機会があったということにです。実際には精神鑑定が行われても、責任能力があるという、本人にとっては不利な結論になることは多いです。しかし、そうした結論のいかんにかかわらず満足する。無差別殺傷事件の研究でも明らかなように、彼らの多くは孤立した人生を送ってきた人であり、自分のことを話すこと、人から批判されることなく聞いてもらえるという体験がそれまで一度もないような人たちですから、鑑定であっても、聴いてもらった、分かってもらったというのは貴重な経験なのだと思います。中には、刑務所から手紙をくれる人もいます。逆恨みされることはほとんどありません。先にお話した通り女性医師も精神鑑定研究室長として第一線で活躍しています。
>>>(「社会の要請強まる犯罪精神医学」

鑑定医へと誘導する宣伝のようなところも感じますが,孤立が無差別殺人を助長する主要な要因のひとつであるという側面はあるということだと思います。

frrev at 23:19|PermalinkComments(0)TrackBack(0) コミュニケーション 

2016年05月09日

ぞわぞわ

昨日引用したカニの大移動の映像は,今日見ても,ぞわぞわします。2年ほど前に,マイマイガの大量発生の映像を掲載しましたが,それは自分で撮影したもので,その現場に居ても,さほど,ぞわぞわ感はありませんでした。カニよりそっちのほうが嫌という人も大勢いるに違いありません。

サルがヘビ恐れるのは,もともと生得的にプログラムされているようですが,私のカニを恐れるのは,生得的というのではありません。

去勢の不安を感じる4歳になるかならないかというくらいの時期に,長靴の中に入っていたカニにはさまれた?(記憶が消えています)という恐怖の体験があったからです。

これは,感受性の強い時期にしかるべき体験をすると,「刷り込み」が起こるということかもしれません。

生まれて最初に見た動くものの後をついていく鳥類と同様,早い時期に,身近に存在する,自分にとって危険なものを恐れる仕組みを持っていることが,生きる戦略として有利なのでしょうか。

恐れることができることは,生命の維持のうえで不可欠で,戦略上有利であることは明白です。しかし,過剰に恐れることは戦略上,不利です。裏目に出てしまうこともあるという例でしょう。

トラウマは,まさにそのようなものです。鳥に至っては,最初に見た動くものが親鳥でないと,生きながらえることすら困難になります。

生きる戦略は,一歩間違えると,それが裏目に出て,死に結びつくことすらあるのです。

frrev at 23:13|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 逆手に取る 

2016年05月08日

lunatic

バイオタイド理論というのがあるそうです。

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バイオタイド(体内の潮汐)理論とは人間と月の関係性を表したもので、アメリカのアーノルド・リーパー博士によって提唱された理論である。
>>>(ここ

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リーパー博士はフロリダ州とオハイオ州で統計の収集を開始し、月の満ち欠けの周期と凶悪事件の発生件数の日にちを重ね合わせたところ、なんと満月の日に凶悪事件の発生件数が最大となった。
>>>(同上)

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地球の80%が海で20%が陸であるように、人間も90%が水分で構成されている。
すなわち、海の満ち引きが月によってもたらされるように、人間の体内の水分が月によって若干の移動をすることで人間の行動にまで変化があるのではないか。
天体が人間に与える影響は極わずかで感知できないほどだが、病気と同じようにほんの少しの要因で大きな結果を生み出しているのではないかというものだ。
>>>(同上)

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西洋では古くから月が人を狂わすと信じられてきた。そのため、月(luna)によって狂った人間をlunaticと呼ぶようになった。
>>>(ニコニコ大百科

満月の日は株価の変動率(上下の値幅)が大きいことを示すデータもあるそうです。

さらに,カニは満月の夜の大潮に合わせて産卵するため,一斉に海に移動します。この様子は,カニを恐れる私にとっては,想像を絶する恐ろしさですが,私でなくとも,その場面に遭遇すれば,大興奮すること間違いなしです!
カニの大移動

こんな道路を車で走ったら,まともな感覚ではいられなくなる人が多いのではないでしょうか!

興奮してしまいました。

満月の夜には,生物の特異な動きがあって,それを見て興奮する人も少なくないものと思われ,それを見ていない人が興奮している人を見て,lunaticと言うようになったのかもしれません。

いずれにしても,満月の夜に,満月であるが故の何らかの理由で,異常に興奮する人が,地球上に少なからずいることは間違いないでしょう。

frrev at 23:08|PermalinkComments(0)TrackBack(0) エッセイ向き? 

2016年05月07日

行動経済政策

ゴールデンウイークもあと明日1日となりました。前半で700キロほどドライブしましたが,後半はおとなしくしていました。ブログの整理方法を考えたりもしました。整理するツールとして,これまではアウトラインプロセッサー「あうとら」を主に使っていましたが,パワーポイントも整理にとって有益なツールであることを認識しました。今後は,これも用いて,整理していこうと思っています。すでに障壁が見えかかっているような気もしますが・・・。

さて,テレビを観ている時間が多い連休ですが,消費増税が話題になっています。

日本は,先進国の中ではきわめて消費税率が低いのですが,それでも増税するとなると,とても抵抗が大きく,過去には政権が揺らぐ?崩壊した?こともありました。

安倍政権に至るまでの日本の経済政策は,ヒトのこころをどれほど取り入れた経済学に基づくものだったのでしょうか。

いまや,行動経済学は,経済学と言いながら,内実は半分は心理学です。

日本人がなぜ消費増税にかくも敏感なのか,過剰反応するのはなぜか,といったことを経済学に取り入れることによって,増税しても買い控えないように誘導することができるようになるのではないかと思います。

すでに研究している人はいるのかもしれませんが,いまのところ奏功しているようには見えません。日本人のこころにゆとりを持たせる,心理学が半分くらい入った経済政策を展開する必要がありそうです。

frrev at 22:01|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 経済 

2016年05月06日

意思決定に影響する意識下の情動処理

プライミング効果は,「医師」と聞いたときに「看護師」が想起されやすくなるなど,認知的機械的な処理におけるもののようですが,昨日は,情動にも絡むものと述べました。

関連するものとして,アイオワ・ギャンブリング課題について考えてみます。

アイオワ・ギャンブリング課題とは,次のようなものです。
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このテストではA,B,C,D4種類のカードの山があって、被験者はそこからカードを1枚ずつ引く。A,Bを引くと1万円、B,Cを引くと5千円がもらえるとしよう。ただし、A,Bには1/10の割合で-12.5万円とマイナスになるカード、C,Dには1/10の割合で-2.5万円になるカードが入っている。一見するとA,Bを選ぶ方が有利に見えるが、結果的にはC,Dの方が得になるという課題になっている。実験を受ける被験者にはこのことを教えずにカードを1枚ずつ自由に引いてもらうと、最初はだれもA,Bの方が有利だと感じてA,Bのカードの山からカードを引くようになるが、しばらくするとC,Dの方が有利だと気づいてC,Dの山からカードを引くようになる。前頭連合野腹内側部の機能障害を持った患者は、その選択が最終的に損であると分かっている場合ですらA, Bのカードを選択し続ける傾向にある。
>>>(「前頭眼窩野」脳科学辞典

前頭連合野腹内側部の機能障害を持たない,一般の人の場合は,危険が接近しているときに,それと意識しないうちから,皮膚電気抵抗が下がる(発汗により電気が良く流れるので,抵抗は下がる)など,危険に備えて交感神経の活動が活発になるそうです。先行する事象があって,まだ危険を意識しないうちに,意識下では危険を察知し,それに備えるという「プライミング効果?」があるのです。

歌舞伎の隈取りのような目の絵の前でずるをしようとするときには,花の絵の前でずるをする時よりも,皮膚電気抵抗が下がっているに違いありません。罰を予感するからこそ,それが意識に上らずとも,ずるが抑制されるのでしょう。

逆に,性犯罪者などは,性的な視覚・聴覚・嗅覚等の刺激に接したとき,それと意識していなくとも,意識下で性的な快感が得られることを予感し,理性を手なずける(認知バイアス)などして,行動を起こす準備が進められているのでしょう。

frrev at 21:18|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 報酬系研究 | 魔が差す