2016年12月06日

トランプバブル

トランプ当選以降の,期待先行の株価等の上昇について,トランプバブルと呼ばれることがあります。

日本においては,バブル崩壊以降の低迷からデフレへと流れて,華やかさが戻りません。

バブルという言葉からは,1個のシャボン玉を思い浮かべ,ほどなくそれがはじける様を想像すると,はかなさを感じるばかりで,多少景気のいい話があっても,じきにはじけるに違いない,などと思ってしまいます。これが,日本人の一般的なイメージではないかと思います。これでは,活気が出ません。

バブルという言葉が,日本人から元気を奪っているように思えます。

アメリカは違います。トランプバブルという言葉から,過去の日本のバブルを思い浮かべたのでは大間違いです。西洋の入浴シーンで,浴槽いっぱいに泡がある様子を,単に文化の違いと捉えるのではなく,すぐに消えるバブルも,消えるよりもたくさん生み出せば,泡はどんどん増えていくものと捉えるのです。トランプのイメージを重ねれば,アメリカの五大湖が全て泡でいっぱいになるような,すさまじいバブル。ここには,はかなさなどみじんもありません。

バブルのイメージを変え,はかなさに係る要素を抑制することで,人々の消費に対する行動に変化が生じるものと考えられます。大量に留保されている貯蓄から消費に回る分が増えれば,日本経済にも活気が戻るのかもしれません。

frrev at 22:31|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 経済 | エッセイ向き?

2016年12月05日

DecNef

PTSDの治療に新たな方法が開発されてきています。

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本研究は、恐怖の対象を直接見せることなく、被験者が無自覚のうちに恐怖反応を和らげる技術を開発しました。具体的には、恐怖対象にかかわる視覚野の空間的活動パターンを、人工知能技術の一つであるスパース機械学習アルゴリズムで検出する毎に、被験者に報酬を与えるデコーディッドニューロフィードバック法(Decoded Neurofeedback, DecNef)を応用しました。
>>>(つらい経験を思いだすことなく、無意識のうちに恐怖記憶を消去できるニューロフィードバック技術を開発

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DecNef訓練による恐怖記憶消去では、従来法による消去にかかわる前頭前野腹内側部が関与せず、その代わりに、報酬に関わる大脳基底核の領域(線条体)が関与することが分かりました。こうした知見は、恐怖記憶を緩和させる脳内メカニズムが複数存在することを示すものであり、従来よりも多様なアプローチで働きかけることが、恐怖記憶の消去において効果的である可能性を示唆します。
>>>(同上)

恐怖記憶は,ヒトが危険を回避するために獲得してきた仕組みですから,これをなくしてしまうと,適応上不利になります。ただし,その仕組みが過剰に働いて,適応上マイナスになる場合(PTSDなど)には,トラウマにかかわる問題のみを除去することで,適応性が高まります。

前頭前野腹内側部は,かのフィネアス・ゲージが損傷して不埒な男に成り下がったとされる部位で,リスク感受性に重要な役割を果たしていると言われています。自らに危険が接近していることを早期に検知することで危険を避けることができますから,この部位がトラウマと関係していることは容易に想像できます。

それ以外の部位も関与しているのでしょうが,どこがどう関与しているかは不明な部分が多いようです。今回,線条体がそれに関与していることが示されました。PTSDの仕組みを知ることが,それへの対処方法を開発するための近道であることは間違いありません。今後の更なる研究が期待されます。

frrev at 22:51|PermalinkComments(0)TrackBack(0) EMDR 

2016年12月04日

救急救命センターの待合室

昨日,救急救命センターの待合室で,夕方から3時間半ほど過ごしました。

救急隊に運び込まれる人がいました。赤色灯が明滅していることをうかがわせるように,金属の柱が光っていました。

お父さんが子どもを抱えてきて,待合室の椅子に座らせ,吐くときはここへ吐くんだぞ,と言ってポリ袋をかけたゴミ箱を持たせ,受付で,「九度の熱と嘔吐があって,幼稚園でインフルエンザが流行っている」ようなことを言っているのが聞こえました。父親が受付の間,子どもは,座ったまま,身動きもしない状態でいました。

じいさんが,女性もののバッグとダウンコートを抱えて,待合室に来ました。しばらくして,看護師から〇〇さんのお友達の方と呼ばれて返事をし,病状等?について説明を受けていました。〇〇さんと思しき人が車いすで現れた頃,受付の人が来て,じいさんに,警察が話を聞きたいと言っていると伝え,じいさんは待合室にある電話で警察と話をしていました。

待合室の方に医師らしき人がやってきました。親族等に話をしに来ているのかと思ったら,自動販売機で飲み物を買っていました。

二人の屈強な警察官に挟まれた若い男性が右手で頭を押さえながら入ってきて,警察官とともにまっすぐに奥の方に入っていきました。ほどなく,もう二人の警察官が訪れ,奥に入っていきました。

それぞれの患者にとっては滅多にない,非日常的なことが,救命センターでは日常になっています。誰も来ないことが救命センターの非日常なのでしょう。

frrev at 16:43|PermalinkComments(0)TrackBack(0) エッセイ向き? 

2016年12月02日

一言

福島潟かな


・・・・・・・・・・・・・・・・いかん!! ぼーーーーーっとしているうちに,・・・足が凍りついた・・・・・・

悲壮感漂う冬の景色が,一言でコミカルなものとなってしまいます。

鳥を笑いものにしたと非難を受けることになるのでしょうか。

frrev at 23:34|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2016年12月01日

神の領域

橋の下
高コントラストでくっきり鮮やか。

たんぽぽ
ぼんやりしていますが,もともとそんなものです。

地球レベルで考えても人口が増えすぎていると思われるようなときは,人口を抑制する方向に人類のこころがコントロールされるのかもしれないと直観的に思っています。何らかの仕組みが遺伝子に書き込まれているのではないかと思いますが,それこそ,神の領域に近いものなのでしょう。

宇宙の始まりや終わりは考えてもわからない神の領域です。生物の世界においても,進化論は突き詰めていくと,神の領域があるように思えてきます。ヒトの衝動やこころにも,人知を超えた神の領域があるのではないかと思います。

frrev at 23:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0) エッセイ向き? 

2016年11月30日

曜日の写真集

月末でパケットに余裕があるので,最近整理した写真を並べます。


月



火



水



木



金



土


取りそこないと思っていた中に,意外と味わい深い写真が混じっていることに気が付きました。

frrev at 22:15|PermalinkComments(0)TrackBack(0) エッセイ向き? 

2016年11月29日

ダメダメ性犯罪者の指導

性犯罪の事例について聞くと,改善が極めて困難であるように思われ,絶望的になります。しかし,性衝動の抑制がうまくいかないことに悩む人(悩んでいるのは主に周りの人かもしれませんが)は少数派なのかもしれません。

インターネットで「性 ツボ」といった言葉で検索をかけて性犯罪を抑止するためのツボでもないものかと探してみましたが,出てくるのは逆に性機能を高めるためのツボばかりです。

性犯罪に及ぶ人の多くは,性以外にも,ダメなところが多いと感じているケースが多いのではないかと思いますが,どんなに自分はダメ人間だと思っていても,男性が女性から性的に暴行を受けることはないと考えると,性的な面では負けないような気がして,自らの優位を示そうとする行為に及ぶことが考えられます。それが強引であると犯罪になるのです。

それならば,いっそのこと,異性を性的に満足させる性的に強い男性性を持てるよう鍛えることで,強引な手段に及ぶ必要がないと思えるようにすることが,性犯罪の抑止につながる可能性があります。他のことはダメでも,この点に関しては他人に負けないという自信を養うことが,生活全般の安定につながることすらあるかもしれません。

劣等感が背景となっている性犯罪者には,こうした指導が有効である可能性がありますが,自惚れの強いタイプには逆効果になるでしょう。自惚れの強いタイプは,認知行動療法的な指導が効果的ではないかと思います。

frrev at 22:25|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 逆手に取る 

2016年11月28日

坪網

ます網


私の生まれた漁村では,坪網(つぼあみ)という定置網による漁が行われていました。ます網とも言い,「浅海の小型定置網に多く、少人数による操業に向いている。」そうです。

「魚より少しだけ頭がいい漁師が考案した漁法」と地元の人が言っていました。要は,魚が障害物に出遭うと,陸とは逆の沖合に向かう性質があり,それを利用して袋小路に追い込むような仕掛けです。

今の世の中には,ヒトの性質を利用した,様々な仕掛けがあります。

例えば,スーパーやデパートでは,消費者の消費行動を促す陳列の仕方などの仕掛けがあります。

また,道路には,無意識のうちに運転者を安全な運転へと導くような仕掛けがあります。

ヒトには,様々な仕掛けに引っかかる性質があるということです。ヒトを引っかける仕掛けを取り上げてテレビ番組を作れば,ブラタモリに匹敵するシリーズものが作れるのではないかと思っています。

frrev at 23:41|PermalinkComments(0)TrackBack(0) エッセイ向き? 

2016年11月27日

体性感覚

五感の最後は,体性感覚です。かつては触覚と表現されていましたが,最近は体性感覚という言葉が用いられるようです。

皮膚表面の感覚と思っていましたが,深部感覚というのもあって,これが異常をきたすと,めまいやふらつきが生じるなど,身体のバランスを崩すことになるそうです。

体性感覚は,脳の特定の部位に,地図が描けるほどこまかく身体に対応しています。ホムンクルスとして描かれているものも,身体と脳の関係を示しています。

体性感覚は,外界からの情報収集にととまらず,異性との身体接触においては,快情動をもたらし,生殖行動を促すきっかけともなる側面もあります。

嗅覚には及ばないにしても,種の保存にとって重大な役割があるものと考えます。

frrev at 19:54|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 報酬系研究 

2016年11月26日

嗅覚の特殊性

嗅覚は,鼻の奥にある嗅細胞から嗅球へとつながります。嗅球は,その部位ごとに担当する化学物質が分かれて,ここはフェノール,ここはベンゼンというように地図を作ることができます。

嗅球からのルートは,「脳の教科書」には書かれていませんが,他の感覚と異なり,大脳皮質ではなく,情動等と関わりのある古い脳にまずつながっていると聞いたことがあります。

順番が違うだけと思うかもしれませんが,これは重要です。

情動の高まりは,前頭前野の活動,つまり,合理的な判断力を低下させます。その結果,先のことを考えるよりも目の前のことを優先し,欲求充足行動が解発されやすくなります。

例えば,ある種の動物の場合で言えば,フェロモンによって前頭前野を経由することなく性に関連する刺激が情動を興奮させ,十分に吟味しないまま性的な行為に及ぶ可能性が高まるものと考えられます。

ヒトの場合は,フェロモンの効果は余りないのではないかと思いますが,うなぎや焼き鳥を焼くにおいを嗅ぐと,それにつられて店に入ってしまう人が少なからずいます。それについては,おいしそうなにおいによって情動が刺激され,前頭前野の活動が抑制されることによって,食べたいという欲求充足行動が解発されたと考えて良いのかもしれません。

frrev at 16:36|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 魔が差す 

2016年11月25日

嗅覚ひねり技

バラやワインの香りを分析すると,いろいろな化学的な成分が混じりあって,ひとつの香りを作り出しています。その中の成分には,単独ではクサいものも含まれているそうです。そんなにおい成分が含まれているからこそ,香り高いワインができるのです。

そうすると,靴の臭いにおいも,何か別のにおいを混ぜることで,かぐわしいものになる可能性があります。

香水のような強い香りでごまかすとか,活性炭などを用いて消臭するとかいった発想ではなく,そのにおいと組み合わせることで,芳しくなる成分を用いることによって,足のにおい対策とすることができます。

すでにどこかの企業で開発に取り組んでいるのではないかと思いますが,嗅覚研究の成果を期待しております。

frrev at 23:54|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 逆手に取る 

2016年11月24日

聴覚

11月24日にして,東京で観測史上初めての積雪を観測しました。冷える一日でした。

さて,
音の波は,鼓膜を経由し,蝸牛内のリンパ液を振動させ,それが基底膜を上下に振動させることで,有毛細胞が動き,グルタミン酸が放出されて聴神経が興奮します。

聴神経からの信号は,大脳皮質聴覚野において処理されますが,そこに至るまでに,延髄,中脳,視床を経由します。
聴覚に問題があるときは脳のどこかに機能不全があることが疑われますが,機能不全が起こっている可能性のある箇所は複数あるということが言えるでしょう。

聴覚野においては,音の高さに応じたニューロンが高い方から低い方の音へと規則的に並んでいます。これを聴覚野の周波数マップ(トノトピー)と言います。見た目も整然としていて美しいのでしょうか。



frrev at 20:14|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 用語 

2016年11月23日

オプシン

11月7日にフェロモンについて書いて以降,「脳科学の教科書」から離れていましたが,久々に戻ってきました。感覚についてですが,まずは視覚です。

「網膜は実は脳の一部であり」という記載に驚きました。

確かに,頭蓋骨の中に納まっており,神経細胞が層構造をなして働いていることなどから見れば脳のようです。レンズを通して網膜表面に外界を映し出し,そこにある明るさや色彩の三原色に関する情報を整理するところまでは網膜において行うわけですから,他の視覚野における処理と同等の役割を果たしていると言って良いでしょう。

ところで,三原色に対応する視細胞には,赤オプシン,緑オプシン,青オプシンと言うタンパクがあり,明るさに対応する視細胞にはロドプシンがあります。最近流行りの,オプトジェネティクスでは,チャネルロドプシンというタンパクが用いられます。

光に反応する視細胞のタンパクかたヒントを得て,光遺伝学が進展したものと思われます。

frrev at 15:53|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 横目で脳科学 

2016年11月22日

朝6時の地震と津波警報



今日は,朝6時のニュースの開始直後に緊急地震速報が流れ,一つ目のニュースが福島沖を震源とする最大震度5弱の地震と,それに続く津波警報となり,出勤するまでずっと避難を促す言葉が続いていました。

8時頃には,小名浜港に入ったり出たりする海水の様子が映像として捉えられていました。

津波は,仙台港の1.4メートルが最高でしたが,川を逆流する津波の映像も昼には見られました。夕方には,警報や注意報は解除されていて,大事には至らないで済んだことが確認できました。

震災の被災地近辺での津波警報によって5年半余り前の記憶が呼び覚まされ,フラッシュバックに苦しんだ人も少なくなかったのではないかと思います。他方,今回は地震が大したことなかったから津波も来ないだろうと考えて避難しなかった人が多かったように思います。

トラウマに苦しみながらも教訓を生かすことができる人と,甘く考えて同じ失敗を繰り返しかねない人を比較しても仕方がありません。

合理的な思考ができず,同じ失敗を繰り返す人たちをどのようにして動かすかが課題です。

ヒトが,なぜ経済合理性に基づいた行動が取れないかを研究する行動経済学の文献を紐解いて考えてみましょう。

frrev at 21:53|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 経済 

2016年11月21日

うつ病いろいろ

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自分を責める傾向が強く、不眠や食欲低下などの症状を認める一群のうつ病患者においては注意・覚醒機能はむしろ高まっており、その変化とNAT(ノルアドレナリントランスポーター)密度との間に相関があることが明らかになりました。
>>>(うつ病発症に関わる神経伝達機能の異常を発見

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このような患者の治療ではノルアドレナリン神経伝達機能の調整が有効である・・・(中略)・・・今後、多様な症状が現れるうつ病の治療において、脳内の異常を想定した効果的な抗うつ薬の選択と治療戦略につながることが期待されます。
>>>(同上)

うつ病とひとくくりにして治療しようとすると,必ずしも効果がない場合があるのでしょう。

躁うつ病のうつの相をうつ病と誤診すると薬が効かないという話がありますが,うつ病の中にもいろいろなタイプがあり,うつ病のタイプごとに,どのような薬が効果的かを考えなければならないということのようです。

frrev at 20:33|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 横目で脳科学