今日はふらっと大きな本屋まで行って,専門書を立ち読みしてきました。睡眠関係を特集した雑誌を見ていると,オレキシンという用語がキーワードになっていました。「脳内物質オレキシンが睡眠障害を改善」というページから引用させていただきます。

<<<
独立行政法人 科学技術振興機構(理事長 沖村憲樹)の創造科学技術推進事業「柳沢オーファン受容体プロジェクト」(研究総括:柳沢正史 テキサス大学教授)は、オレキシンという脳内たんぱく質が、ナルコレプシーと呼ばれる睡眠障害を改善することを、マウスを用いた研究で明らかにした。
柳沢教授、桜井グループリーダー(筑波大学基礎医学系助教授兼任)らは、オレキシン神経細胞欠損マウスに、新たにオレキシン遺伝子を導入し、オレキシンがつくられるようにしたところ、目覚めた状態からいきなり深い睡眠に入るナルコレプシーの症状が見られず脳波の改善も得られることを見いだした。さらにオレキシン神経細胞欠損マウスの脳内にオレキシンを注射すると、同様にナルコレプシーの症状が消失し、覚醒状態が改善することを発見した。
睡眠制御のメカニズムの根幹にかかわる本研究成果は、ナルコレプシーのみならず、日中の眠気を伴う他の睡眠障害、時差ぼけや、不眠症の治療にもつながるものである。オレキシンやその周辺物質が一般の不眠症治療をも視野にいれた新規治療薬の開発に有用な手がかりを提供するものと期待される。本成果は、米国ハワードヒューズ医学研究所、およびテキサス大学との共同研究で得られたものであり、平成16年3月15日週(米国東部時間)の米国科学アカデミー紀要(PNAS)オンライン版に発表される。
>>>

睡眠障害,時差ぼけ,不眠症の治療などを目指しているようですが,オレキシンがかかわる脳の領域はそれにとどまりません。Wikipediaからも引用させていただきます。

<<<
オレキシン (orexin) は1998年に発見された神経ペプチド[1]。オレキシンAとオレキシンBがある。視床下部外側野に存在する神経細胞がオレキシンを産生している。ヒポクレチン(hypocretin)と呼ばれることがある。オレキシンは、食欲や報酬系に関わるほか、睡眠や覚醒を制御することが知られている。オレキシンをつくる神経細胞が消滅するとナルコレプシーという睡眠障害になる。
>>>

報酬系にかかわってくるとなると,認知をゆがめたり,犯罪行動を後押しする要因となる可能性があるということにもなります。

また,睡眠からの連想でいえば,REM睡眠にも何らかの関係があり,そうすると,PTSDの治療に用いられるEMDRにも関係してきます。

ちなみに・・・
<<<
覚醒を維持する神経伝達物質には、ノルアドレナリン、セロトニン、ヒスタミン、アセチルコリン、オレキシンなどがあるが、睡眠中はこれらの神経伝達物質を産生する神経細胞が抑制されている。その抑制には腹背側視索前野に存在するGABA作動精神系が関与しているとされる。アセチルコリン作動性神経の一部はレム睡眠の生成にも関与している。
>>>Wikipedia(睡眠)

REM睡眠にかかわることが確認されている神経伝達物質としては,まずアセチルコリンが挙げられています。オレキシンなどが,どのようにかかわっているかも,調べてみる必要がありそうです。