随分と長い年月が流れ、時間が経過してしまいましたが、大学卒業後入社して6年間勤めていた読売旅行を28歳の時に退社しました。
仕事柄世界各国に出かけることは多かったけど、どうしても自転車で世界を旅したくて友人の粟田を誘って旅に出た。
自分を止めるモノは何もなく、夢と希望に満ち溢れ旅に出た。
旅の出発地点として選んだのは、インドのカルカッタ・・
輪行袋に入れた自転車と大量の荷物をかかえ、空港から闇夜のカルカッタ市内に入った時の衝撃は、今でも忘れることが出来ません。
街灯もなく、信号機も動いていない・・大都会なのに闇夜の世界、そこは貧困と餓えに苦しむ路上生活者達が、この暗がりの中、もぞもぞとうごめく壮絶な場所。
そんな世界からこの旅は始まります。


混沌としたインドを出発して、異次元の不思議な不思議なイスラムの世界へ、
その後、圧倒的な存在として数々の古代遺跡が残るイスラエル・エジプト、
そして、今も中世そのままの街並みが残るヨーロッパへ、
最後は現代文明の頂点に立つアメリカ社会・・・
自転車をこぎ進めて行く度に、時を越えゆっくりと変化する情景、また、ある時は国境という人間が書いた線にある扉を開けた瞬間から、異質の世界に入ることもあり、その度に胸がおどり、こころが震える感動がありました。
途中病気になったり、危険な場面に遭遇したり紆余曲折ありましたが、30歳まで約2年間世界を旅していた事は、本当に楽しくそして強烈な刺激を受けた日々に、今でも夢のような時間であったと振り返る今日この頃です。
この場を借りて多くの出来事や感じたこと、思ったことを写真を織りまぜながら、日記風に記述して参ります。
この貴重な時間を共にした友人の粟田氏は、命の恩人であり、私の我が儘を聞いてくれ、そして本当にお世話になり感謝してもしつくせません。
自転車で旅した国は15カ国。
インドのカルカッタを出発して西へ西へ・・
ネパール・パキスタン・イラン・トルコ・キプロス・イスラエル・エジプト・ギリシャ・イタリア・スイス・フランス・スペイン・ポルトガル・そしてアメリカ合衆国。
1992年4月から1994年1月までの旅の日記の抜粋です。
多くの人と出会いそして助けられ親切なもてなしを受けました。
国によっては日本の方に誰一人出会う事がありませんでしたが、帰国を目前とする日本人の観光客と出会うと、撮りためた写真のネガを日本に持って帰って頂きました。
お陰様で全てのネガが紛失することなく実家に届いておりました。
心配する両親もこのネガが届くことで無事に旅行を続ける2人を確認し、楽しみにしていたようです。
皆様には心よりお礼申し上げます。

インドからトルコのイスタンブールまでは粟田と2人で走り、その後はひとりで走りました。イスタンブールから彼はヨーロッパのロンドンへ向かい、僕はアフリカへ向かった。
基本的に紛争地域や危険な地域は、もちろん興味本位で「走りたい・・見てみたい・・」と言う気持はありましたが、安全を考えバスや列車を使用しました。
当時と今では世界情勢も変わり市民生活や物価、治安も変わっていると思いますが、根本的な人々の営みは変わらないはずです。
各国の旅行記に興味のある方々、またこれからこんな旅がしたいと思う人に参考になればと思っております。
未熟な文章表現や誤字脱字等多々あるかもしれませんが、気づき次第修正・追加をしようと思ってます。
どうぞ宜しくお願い致します。
インドからイランまでの行程地図


パキスタン バロチスタン州

イラン コム

トルコ カッパドキア
トルコからポルトガルまでの行程地図


エジプト ギザのピラミッド

イタリア 南部の小さな村

スペイン コスタ・デル・ソル サロブレニヤ
アメリカ合衆国の行程地図


テキサス州

グランドキャニオン

モニュメントバレー