2018年06月12日

最恐妻 20

最恐妻 1




《ネットの中、限定の奴隷だ。けっして他人に何かを知られることはない。一年後に白石先生が自分から会おうと言わなかったら、それでお終いにしてやる》
 ワザと「先生」と呼ぶのは、嫌がらせです。この写真が持っている「弱み」を最大限度、意識させなければいけません。
《でも、私は結婚しています。夫がいます。》
《オレは白石先生のマゾを満たすように命令するだけだ。ネットを見てオナニーするのと何が違うんだ? ネットの中だけなんだぞ。マゾの白石先生が気持ちよくなって満足するように協力するんだからな。オレはお前のスケベな部分を支配することで満足してやる》
 しばし返事はありませんが、退出もしていません。
 ここは押しの一手でしょう。
《約束しよう。期間は1年間。くるみ先生のリアルには手を出さないし、秘密も守る。これは大人の遊びだ。後はお前が割り切れるかどうかだけの話だ》
 あらかじめ作って置いた文章をコピペして立て続けに送ります。
《今日からネットの中ではくるみを捨てろ。「みるく」って名でネットでの奴隷になるんだ。たっぷりと可愛がってやる》
 《考えさせてください》
《ダメだ。今すぐ答えろ。お前の子宮が答えを出しているんじゃないか? マゾ奴隷の調教をしてもらえるんだぞ》
 束の間、間が開いて「早く答えろ」と打ちかけた時に、メッセージが出ました。
《できません。お金なら出します》
 葛藤の結果なのでしょう。ひょっとして、金を要求させて警察へ行くつもりかもしれません。
《金? そんなものオレは一言も欲しいと言ってないぞ。あくまでも遊びの誘いだ。ネットでちょっとだけ大人の遊び相手になってくれって話をしてるだけだ》
 《百万円でいかがですか。すぐに用意いたします》
《しつこい。教師はスケベだと言うから、少しは遊べるかと思ったのに、金の話か。つまらん。金などいらん。無理やり奴隷にしようとも思わん。あくまでも、大人の遊びだ。もう三分以上たったし、これで会話はお終いだ》
 ワザとチャットから退出してしまいます。
 数分して、スマホにメール。
【すみませんでした。謝ります。戻ってきてください。】
【遊びに誘っただけなのに、金の話を出して、まるでオレのコトを脅迫犯扱いだからな。いくら白石先生がエムの美人でも、そんなやつとの話はお断りだ。これから、お前の好きなあのサイトに写真を貼ってから、二三日のウチに校門に写真を貼ってお終いにする。二度と連絡しなくて良いぞ】
 リロードする間もあればこそ。まるでチャット並みに、すぐに返信があります。
【待ってください。奴隷になりますから許してください。】
【どうせ口ばっかりだろう? 本当に奴隷になるなら今すぐ写真を送ってこい。ただし、ちゃんとお前の顔も何も、全てが映ってる写真だからな】
 そこから五分。
 パソコンの前で深刻な表情をしている妻が思い浮かぶようです。さてさて、困ってるかな? それとも泣き落としにするか? いや、突っぱねる? それとも油断をさせるために、オレの言った用に、顔のない過激な写真でも送ってくるか?
 でも、今回は顔出しだと指定したし、さてさて……。
『くるみ、さあ、どうする?』
 はたして、くるみがどうするか、予想が付きません。ここが勝負なのです。
 しかし、そこから五分経っても、何の応答もなく、逆に私のイライラが最高潮になってた、さらに五分後に、ようやく送信されてきました。
 添付ファイルは、付いていません。そのかわり「チャットに来てください。」とあります。
果たして何が起きるか。チャットに戻りました。
《なんだね? 時間は過ぎたようだが》
 《写真を撮りました。本当に、現実とは分けてくださいますか?》
《あくまでもネットの中だけだと言っている。写真はまだか?》
 《本当に一年間で、許してくれますか。》
 このトーンは、まさかの、マジ落ちか? 
 勝利の歓喜に、危うく雄叫びを上げそうです。
《もちろんだ。お前がオレに会いたがらない限り、一年で終わりだ。こっちも飽きるだろうからな。第一、本来、みるくに拒否権などないのに、こうして考えさせて返事を待っているんだから、オレの優しさをわかってほしいものだね。これほど譲歩したのに、写真を送らないなら、これで終わりだな。アドレスも消す》
《ありがとうございます。今、送りました。》
 次の瞬間、スマホに着信がありました。




最恐妻 21






fsatosi at 21:00コメント(0) 
作品 | 最恐妻

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