■痛風の合併症

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痛風で怖いのは、痛風発作だけではありません。尿酸値の高い状態が続くと、全身にさまざまな合併症が起きてきます(図1)。合併症は、痛風の症状のない時期からすでに始まっており、発作が治まっているあいだも着々と進行しています。
 痛風の原因である尿酸が直接関係する合併症には、「痛風結節、尿路結石、腎障害」などがあります。「痛風結節」は、尿酸の結晶が関節内だけでなく、肘、手の甲、膝、かかと、耳介など体内のいろいろな部位の皮下組織に沈着するもので、大きな瘤のようになりますが、通常、痛みはありません。また、尿酸値が高いと、尿が酸性に傾くため、尿中のミネラル成分が溶けにくくなり、「尿路結石」がつくられやすくなります。さらに、尿酸値の高い状態が持続すると、尿酸の結晶が腎臓のフィルターに沈着して腎臓の働きが低下する「腎障害」が起こってきます。尿酸値を下げる治療を行わなければ、やがては透析療法が必要になることもあります。
 また、尿酸とは直接関係ないのですが、痛風の患者さんは、「高血圧、高脂血症、動脈硬化、脳血管障害、虚血性心疾患」といった生活習慣病を合併することがよくあります。肥満や過食など、痛風に見られる因子が、これらの生活習慣病の危険因子と共通するためと考えられます。




■痛風と合併症の進行

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痛風の進行は、尿酸値は高いが、まだ痛風発作は起きていない「無症候性高尿酸血症期」、間隔をあけて痛風発作が起きている「急性痛風発作期」、常に痛みのある状態が続き、結節ができている「慢性結節性痛風期」の3段階に分けることができます。無症候性高尿酸血症期は、短い場合で2〜3年、一般的には5〜10年続き、その間、痛みは起きていなくても、合併症は着々と進行しています。
 特に、痛風の合併症として起こる腎障害は、人間ドックなどで行われる一般的な腎臓の検査では発見されにくいので、かなり進んでから発見されるケースが多くみられます。適切な治療が行われず、腎臓の機能が著しく低下すれば、体内の老廃物を十分に排泄できなくなる「尿毒症」が引き起こされ、生命にかかわる事態を招くことになります。

■合併症の治療

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痛風やその合併症の原因となる尿酸値を下げるためには、まず、ライフスタイルを改善することが重要になります。どのような生活が尿酸値を上げやすいのかをよく知り、それを改善していきます。それでも尿酸値が低下しない場合には、薬物療法が行われます。尿路結石の予防には、水分を多めにとることと、野菜や海藻類を多くとったり、薬をのんだりして、尿をアルカリ性に保つことが有効です。
 尿酸値とは直接関係のない生活習慣病の予防には、「肥満を防ぐ、アルコール飲料を飲み過ぎない、食べ過ぎを防ぐ、適度な運動を行う、ストレスを解消する」などの生活習慣の改善が大切です。また、合併症の程度がひどい場合には、それぞれに応じた薬を服用する必要もあります。その場合、それぞれの主治医に、痛風の治療でのんでいる薬を報告し、のみ合わせなどについて注意を聞いておきましょう。