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「声に出して読みたい日本語」で有名な齋藤孝さんのインタビュー記事に、とっても
ためになることが載っていましたので、ご紹介いたします。


―――呼吸というのはそれほど大事なものなのですか。

齋藤 呼吸がすべての根幹にあると思います。(中略)
息を吐くだけで、人間はずいぶんリラックスできるものなんです。副交感神経が優位に
働くためなんですが、リズミカルな呼吸を続けると脳の中にあるセロトニン神経系という
ところが働きだして攻撃衝動が収まり、リラックスするということもわかってきました。
呼吸によって、集中しながら、なおかつリラックスした状態を作ることができるんです。

 いわゆる“キレやすい子ども”が問題になっていますが、肚(はら)でしっかり呼吸する
身体文化が失われたことが要因の一つになっているのではないかと僕は考えています。
日本人の身体文化の水準は、この30年ほどでガタッと落ちました。例えば昔の子どもた
ちの間では、相撲を取ることがごく普通の遊びだったのですが、現在はまったく行われて
いません。
他にも馬乗りなど、足腰の強さを試す遊びはほどんどなくなってしまいました。遊びの
中で、自然に鍛えあっていた体が消えてしまったのです。

  最近は、和式のトイレに座り続けることができない人も増えてきました。和式のトイレ
というのは、足首がある程度強くかつ柔らかくないと座っていられないんですね。膝の力
も必要ですし、和式トイレに座ること自体が一種のトレーニングのようなものだったんです。

また、下駄を履くということを考えてみても、下駄というのは不安定な履き物ですから、
足の指にぐっと力が入ります。さらに帯を締めることによって臍下丹田が意識されていたと
思うんです。


――日本人が持っていた本来の身体文化が断絶してしまったのですね。

齋藤 (前略)「中心軸を低く保ってぶれない」日本人の身体の型というのは、やはり生活の中
で培われた部分が大きいと思います。(中略)

 これには、体だけでなく心を整える働きもあったと思います。落ち着いて正座するだけで親子
が対話する空間が生まれるんですよ。気持ちがざわざわしているときは、とりあえず正座して
みるといいんですね。正座するだけで心が整うし、自分自身と向き合うかたちができます。(中略)

 歩くということに関して考えてみても、それ自体が一つの文化だと思うんですね。能などは
それを極限まで突き詰めたもので、すり足でちょっと移動するだけで存在感を出さなければ
ならない芸術です。その根底には、体の軸がぶれないことが精神の落ち着きにつながるという
考え方があります。このことからもわかるように、日本の伝統には「体を整えることで心を整える」
という大前提があったと思うんです。


040901