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「カルチャービジョン東京」という東京オリンピックのプレイベントが六本木ヒルズ52階を貸切にして開催され、招待をいただいたので訪問してきました。

会場内にはチームラボやIMG SRCなど時代の先行くクリエイティブなチームのアート作品や、蜷川実花氏の写真をあしらった小部屋、あるいは我らがチーム京都からは笹岡隆甫さんの生け花、名和晃平氏のインスタレーションが展示されていました。

そしてメインスペースには吊り下げ天井型のスクリーンにライゾマティクスの映像が映し出され、中田ヤスタカ氏をはじめとする人気DJが短時間盛り上げ用ミックスを繰り出していました。会場内は日本人と外国人が入り混じって熱気にあふれていました。

ひとつひとつの展示はとてもレベルが高く見応えがあり、また伊勢丹がプロデュースしたというBARコーナーには全て日本産の清酒やワインが並び、日本のお酒だけでもここまでラインアップできるんだという新しい発見がありました。

一方で感じたことは、全ての展示が独立しており、全体のコンセプトとして統合された何かが感じられなかったことでした。「今の時代のカルチャー」ということをミックスしているのはよくわかりましたが、逆に言うと「今しか成り立たない組み合わせ」であり、どことなく流行りの組み合わせというか、刹那的なセレクションではなかったかと思います。

そこでは、展示の数々も「消費されていくもの」「消費されるもの」という感じでしかなく、これから2020年まで受け継がれていく「文化」の展示ではないように感じました。

まとめてみると、日本の文化を発信することはすなわち、海外コンプレックスの克服であろうと思います。 海外にも本当に通用する日本のものとは結局日本人が古臭いとか時代遅れだと切り捨てた日本古来のあれこれなのであり、それを現代に合うようにどう拾い上げていくかにかかっているのではないでしょうか。根っこのない「ただ今の時代にイケてるもの」を集めてもそれは水に浮かんだ葉のようで、風向きが変わればどこかに流れていってしまいます。 東京のど真ん中で、常に新しいこと、受けることを求められる第一線のクリエイターが、そのことに気づき、日本人からはダサいと言われるのを覚悟の上で、古来のものから何かを掘り起こし、やっぱりこれが日本の文化だと胸を張って発信することができるかが、2020年に向けた挑戦になろうかと思われます。

ではどこに根を見つけられるのかといえば、神道文化であり仏教文化であり、醸造発酵の文化であり、旬を重んじる地産地消の食文化であり、地域ごとの「まつり」、独自の楽器から生み出される郷土音楽、民藝、そういったものではないでしょうか。

心地良い音圧のスピーカーから流れるEDMのリズムに乗りつつ、美味しいお酒を楽しみながら、オリンピックが狂騒のまま終わるのか、それとも日本を知ってもらうことの有力な機会になるのか、なんとなく前者になりそうだなと感じた一夜でした。 地味ながらでも、京都に訪れるゲストにはじわじわと「日本」を伝えていけたらと思います。