仕事を進める上では、重箱の隅をつついているのでは?と自分でも思いながら、細かいことを指摘しています。
例えば平易な漢字を間違えていたり、数字を書くときに桁区切りを入れていなかったり、取引先である会社名を間違えて書いていたり、京都の地名を間違えていたりといったことです。
最近では「よろしくお伝えください」の意味を誤用していることを指摘しました。
失敗とかミスを細かく指摘するというよりも、根本的な、基礎的な不足について重点的に指摘するようにしています。
これは大学生の頃の経験が基になっています。
大学生の時に、勉強が苦手な子どもたちのための補習塾と、トップレベル校を目指す子どもたちのための進学塾で講師をしていました。
年齢は14歳から18歳くらいなのですが、学力としてすでにかなり差が開いてしまっているのが現状でした。日々指導しながら、一体何がこの差を生んでいるのだろう?と考える中で得たひとつの結論は、基礎的なスキルの差に尽きるということでした。
結局、勉強ができる子とできない子の差は、2桁かける2桁の計算が正確にできる。漢字を書きこなせる。中学1年2年レベルの英単語を覚えている。といった、がんばれば誰でもできるようなことを積み残していることにすぎないということに気づきました。
そういう基礎的なレベルの積み残しがあるゆえに、時間が経って応用をするようになると、取りこぼしたり、ケアレスミスから大量失点したり、行き詰まったりして、苦手意識が生まれ、いつしか勉強自体が嫌いになってさらに成績が落ちるという悪循環に陥っていることに気がつきました。
なので対処療法ではなくて、その子が確実にわかるところまで逆戻りし、基礎からやり直すことが最善でした。
つまらない計算ミスをなくす、漢字ミスをなくす、英単語の漏れをなくす。それだけで驚くほど成績が上がっていきました。
土台の修正を抜きにして応用のレベルアップは絶対にできないと確信したのです。
普段、社内外の様々な人の仕事をみていると、口頭での受け答え、メールやレポートの書き方、電話のしゃべり方ひとつとっても、レベルの差はすごく大きいです。社会人経験が長いほど、「これはこういうものだろう」という型が出来上がっているので、修正すべきという認識を持ちづらく、結果として修正に時間がかかる場合もあります。
ひとつ前のエントリで書いた学ぶ姿勢などもそうですね。トップレベルのビジネスマンであればなぜ学ぶか?学ぶためにどうしたらいいか?を自問自答する習慣があり、学ぶ量も相当なものですが、多くの場合もそのような頑丈な基礎習慣を持っている人は少ないです。なので学ぶ大切さを伝えて理解してもらうことから始まります。また、伸びない人はそもそも現状肯定感が強めで、「自分に何が足りないのか?」を自問自答する習慣がありません。これも基礎の不足の一種です。(キングコングの西野さんはblogで「言い訳のファンタジスタ」という面白い表現を使っていました)
しかし勉強と同じで基礎の向上なしに応用はあり得ません。
時間がかかって遠回りでも、基礎的なスキルの向上が結局は最も近道なのだと思っています。
そして人に教えることで、自分自身も振り返りになり、できていないことも多く見つかります。
とにかく、凡事徹底しかないのです。
コメント