※前々記事:【ヤマカン】山本寛氏に関する債権者破産まとめ
※前記事:【ヤマカン】未完成版『薄暮』試写会&アニメ業界廃業宣言

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タイトルの通り、債権者破産が決定した山本氏に関する免責の許可/不許可について考えてみました。

破産法の該当部分と照らし合わせながら所感を記載しますので、読みづらいかもしれませんがご容赦ください。


■破産法について

※免責については二百四十八条~二百五十四条が主に該当


■免責とは?

破産した際にそれまでの借金がチャラになる救済措置。
破産決定後に申し立てを行い、債権者集会で免責の要件を満たした場合に適用されます。
自己破産においてはその殆どが免責許可となり、免責不許可は0.2%(1,000人中2名)の割合しかいません。
なお、債権者破産の場合の免責不許可割合はデータ不足のため不明。

以下、原文をかみ砕きながらの説明となります。


■第二百五十一条 (免責についての意見申述)

1 裁判所は、免責許可の申立てがあったときは、破産手続開始の決定があった時以後、破産者につき免責許可の決定をすることの当否について、破産管財人及び破産債権者(第二百五十三条第一項各号に掲げる請求権を有する者を除く。次項、次条第三項及び第二百五十四条において同じ。)が裁判所に対し意見を述べることができる期間を定めなければならない。
2 裁判所は、前項の期間を定める決定をしたときは、その期間を公告し、かつ、破産管財人及び知れている破産債権者にその期間を通知しなければならない。
3 第一項の期間は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して一月以上でなければならない。

★分かりやすく説明
破産決定後は債権者全員に対して、郵便で破産手続開始と免責を認めるかどうかについての意見申述期間のお知らせが届きます。
免責についての意見がある場合は、そこに定められた期間内に裁判所へ意見書を郵送することで申述できます。
上記期間は最低でも1か月以上で設定する必要があり、通常は2か月程度と言われています。


■第二百五十二条 (免責許可の決定の要件等)

1 裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。
〇一 債権者を害する目的で、破産財団に属し、又は属すべき財産の隠匿、損壊、債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為をしたこと。
〇二 破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと。
〇三 特定の債権者に対する債務について、当該債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって、債務者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをしたこと。
〇四 浪費又は賭と博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。
〇五 破産手続開始の申立てがあった日の一年前の日から破産手続開始の決定があった日までの間に、破産手続開始の原因となる事実があることを知りながら、当該事実がないと信じさせるため、詐術を用いて信用取引により財産を取得したこと。
〇六 業務及び財産の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造したこと。
〇七 虚偽の債権者名簿(第二百四十八条第五項の規定により債権者名簿とみなされる債権者一覧表を含む。次条第一項第六号において同じ。)を提出したこと。
〇八 破産手続において裁判所が行う調査において、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたこと。
〇九 不正の手段により、破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理の職務を妨害したこと。
〇十 次のイからハまでに掲げる事由のいずれかがある場合において、それぞれイからハまでに定める日から七年以内に免責許可の申立てがあったこと。
イ 免責許可の決定が確定したこと 当該免責許可の決定の確定の日
ロ 民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百三十九条第一項に規定する給与所得者等再生における再生計画が遂行されたこと 当該再生計画認可の決定の確定の日
ハ 民事再生法第二百三十五条第一項(破産法第二百四十四条において準用する場合を含む。)に規定する免責の決定が確定したこと 当該免責の決定に係る再生計画認可の決定の確定の日
十一 第四十条第一項第一号、第四十一条又は第二百五十条第二項に規定する義務その他この法律に定める義務に反したこと。
2 前項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても、裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる。
3 裁判所は、免責許可の決定をしたときは、直ちに、その裁判書を破産者及び破産管財人に、その決定の主文を記載した書面を破産債権者に、それぞれ送達しなければならない。この場合において、裁判書の送達については、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
4 裁判所は、免責不許可の決定をしたときは、直ちに、その裁判書を破産者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
5 免責許可の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
6 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
7 免責許可の決定は、確定しなければその効力を生じない。

★分かりやすく説明
上記1の事由に該当しない場合は免責許可となります。
但し、1の事由に該当する場合でも裁判官の裁量と判断で免責許可にすることができます
免責許可/不許可の結果について不満等がある場合は即時抗告によって不服申立てが可能です。 


■第二百五十三条 (免責許可の決定の効力等)

1免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。
〇一 租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)
〇二 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
〇三 破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。)
〇四 次に掲げる義務に係る請求権
イ 民法第七百五十二条の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務
ロ 民法第七百六十条の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務
ハ 民法第七百六十六条(破産法第七百四十九条、第七百七十一条及び第七百八十八条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務
ニ 民法第八百七十七条から第八百八十条までの規定による扶養の義務
ホ イからニまでに掲げる義務に類する義務であって、契約に基づくもの
〇五 雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権
〇六 破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(当該破産者について破産手続開始の決定があったことを知っていた者の有する請求権を除く。)
〇七 罰金等の請求権
2 免責許可の決定は、破産債権者が破産者の保証人その他破産者と共に債務を負担する者に対して有する権利及び破産者以外の者が破産債権者のために供した担保に影響を及ぼさない。
3 免責許可の決定が確定した場合において、破産債権者表があるときは、裁判所書記官は、これに免責許可の決定が確定した旨を記載しなければならない。
4 第一項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権についての同項の規定による免責の効力は、租税条約等実施特例法第十一条第一項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる。

★分かりやすく説明
免責許可となった場合でも1にある事由の請求は対象外となります。
なお、もし院長の債権が業務妨害による損害賠償請求に関するものだった場合は〇二が該当します。
この様な事由によって債務全てが免責にならない場合を一部免責と言います。


■第二百五十四条 (免責取消しの決定)

1 第二百六十五条の罪について破産者に対する有罪の判決が確定したときは、裁判所は、破産債権者の申立てにより又は職権で、免責取消しの決定をすることができる。破産者の不正の方法によって免責許可の決定がされた場合において、破産債権者が当該免責許可の決定があった後一年以内に免責取消しの申立てをしたときも、同様とする。
2 裁判所は、免責取消しの決定をしたときは、直ちに、その裁判書を破産者及び申立人に、その決定の主文を記載した書面を破産債権者に、それぞれ送達しなければならない。この場合において、裁判書の送達については、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
3 第一項の申立てについての裁判及び職権による免責取消しの決定に対しては、即時抗告をすることができる。
4 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
5 免責取消しの決定が確定したときは、免責許可の決定は、その効力を失う。
6 免責取消しの決定が確定した場合において、免責許可の決定の確定後免責取消しの決定が確定するまでの間に生じた原因に基づいて破産者に対する債権を有するに至った者があるときは、その者は、新たな破産手続において、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
7 前条第三項の規定は、免責取消しの決定が確定した場合について準用する。

★分かりやすく説明
破産者が詐欺破産罪で有罪確定となった場合は、債権者が申し立てを行えば免責許可を取り消すことができます。
逆に、詐欺破産罪で有罪確定とならない場合は、免責許可は覆ることがありません。


■第二百六十五条 (詐欺破産罪)
1破産手続開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者は、債務者(相続財産の破産にあっては相続財産、信託財産の破産にあっては信託財産。次項において同じ。)について破産手続開始の決定が確定したときは、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。情を知って、第四号に掲げる行為の相手方となった者も、破産手続開始の決定が確定したときは、同様とする。
〇一 債務者の財産(相続財産の破産にあっては相続財産に属する財産、信託財産の破産にあっては信託財産に属する財産。以下この条において同じ。)を隠匿し、又は損壊する行為
〇二 債務者の財産の譲渡又は債務の負担を仮装する行為
〇三 債務者の財産の現状を改変して、その価格を減損する行為
〇四 債務者の財産を債権者の不利益に処分し、又は債権者に不利益な債務を債務者が負担する行為
2 前項に規定するもののほか、債務者について破産手続開始の決定がされ、又は保全管理命令が発せられたことを認識しながら、債権者を害する目的で、破産管財人の承諾その他の正当な理由がなく、その債務者の財産を取得し、又は第三者に取得させた者も、同項と同様とする。

★分かりやすく説明
非常に罪が重く協力者も巻き添えにする詐欺破産罪。
刑罰は、10年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金又はそれらの併科。
下記は主に該当する行為です。
・債務者が財産や金品を隠したり、価値のある物品を壊してしまった場合
・債務者が財産を誰かに譲渡したり、関係のない債務の負担を仮装したりした場合
・債務者が財産の現状を変更して、意図的に価値を減少させた場合
・債務者が財産を債権者の不利益になるよう意図で処分したり債務負担をした場合


■他にもまだある破産犯罪
・特定の債権者に対する担保の供与等の罪(破産法二百六十六条)
・破産管財人等の特別背任罪(破産法二百六十七条)
・説明や検査を拒絶した罪(破産法二百六十八条)
・重要財産開示拒絶の罪(破産法二百六十九条)
・業務や財産状況に関する物件の隠滅等の罪(破産法二百七十条)
・審尋における説明拒絶等の罪(破産法二百七十一条)
・破産管財人等に対する職務妨害の罪(破産法二百七十二条)


前提となる情報は以上です。


■免責許可の要件を考える

今回の議題において焦点になるのは第二百五十二条(免責許可の決定の要件等)です。

要件に全て該当しなければ許可となりますが、分かりづらいため一項ずつ説明していきます。


●〇一 債権者を害する目的で、破産財団に属し、又は属すべき財産の隠匿、損壊、債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為をしたこと。

破産財団とは、破産手続中に破産管財人が管理・換価処分することになる破産者の財産の総体のことを「破産財団」といいます。

【破産法 第2条14号】
この法律において「破産財団」とは,破産者の財産又は相続財産若しくは信託財産であって,破産手続において破産管財人にその管理及び処分をする権利が専属するものをいう。

つまり山本氏が所有するアニメの権利なども含まれると思われます。

例えば制作中の『薄暮』の権利の一部が債権者に渡ってしまうため、悪意をもって制作を遅延させたりして意図的に未完成にした場合は、「価値を不当に減少させる行為」となるでしょう。


●〇二 破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと。

分かりやすく言うと、闇金からの借入や換金行為が該当します。


●〇三 特定の債権者に対する債務について、当該債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって、債務者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをしたこと。

特定の債権者にだけに返済したり,担保を提供したりすること指します。

例えば大口債権者に借金をしているにも関わらず、他にキャッシングで消費者金融からお金を借りて返済をしていた場合も当てはまる場合があります。

この免責不許可事由は「不当な偏頗行為」または「非義務的偏頗行為」とも呼ばれます。

この行為は免責不許可事由の中で比較的多い傾向にあるようです。


●〇四 浪費又は賭と博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。

浪費やギャンブル(パチンコ・競馬・FXなど)が原因による借金が該当します。

浪費については一般の人の感覚から度が過ぎた場合、例えば高級店での食事や飲酒,風俗店通いなどが浪費として評価されることになります。


●〇五 破産手続開始の申立てがあった日の一年前の日から破産手続開始の決定があった日までの間に、破産手続開始の原因となる事実があることを知りながら、当該事実がないと信じさせるため、詐術を用いて信用取引により財産を取得したこと。

USPが破産申し立てを行った2018年11~12月頃(推測)から1年前の日から、破産決定の2019年3月9日までに、破産の原因(この場合はUSPからの1億円余の借金)を認知していながら、それを無いものとして詐称してクレジットカードを作っていた場合は該当します。

また、2017年末に仮想通貨(※)トワイライトコインの立ち上げを発表していますが、これが信用取引またはそれと同等と見做される場合はこの事由に抵触する可能性があります。
トワイライトコインは成立条件となるソフトキャップを一億円と設定していましたが、2018年11月頃、最終的に三千万しか集まらず破綻しており、結果的に利益を取得することにはなっていません。
しかしながら山本氏が旗振り役として立ち上げた事実は疑いようがなく、和田氏も山本氏の莫大な借金を事前に認知していたことから、財産を取得する意思があったことは間違いありません。

※正しくはICOトークンと言う仮想通貨とは別物ですが、本サイトでは分かりやすいよう仮想通貨と記しています


●〇六 業務及び財産の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造したこと。

個人事業や運営する法人において帳簿などの経理資料を隠滅、偽造、又は変造した場合が該当します。


●〇七 虚偽の債権者名簿(第二百四十八条第五項の規定により債権者名簿とみなされる債権者一覧表を含む。次条第一項第六号において同じ。)を提出したこと。

債権者名簿を提出する際に、意図的にある債権者を記載しなかった場合が該当します。

但し、うっかり忘れていたという場合はこれに含まれません。

また、忘れていた債権者には当然破産決定の連絡が届かないことになりますが、免責許可がおりたとしてもこの分を後から請求された場合は免責許可の範囲外となります。


●〇八 破産手続において裁判所が行う調査において、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたこと。

管財人弁護士の調査において、説明を拒否したり、嘘をついた場合が該当します。


●〇九 不正の手段により、破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理の職務を妨害したこと。

債権者に分配される財産の引き渡し拒否や勝手な処分、その他に管財人や保全管理人の職務妨害をした場合が該当します。

保全管理人は管財人の補佐的な役割だと考えてもらって構いません。

個人の自己破産は保全管理人が選任されるということはほとんどないようですが、債権者破産の場合は分かりません。


●〇十 次のイからハまでに掲げる事由のいずれかがある場合において、それぞれイからハまでに定める日から七年以内に免責許可の申立てがあったこと。
イ 免責許可の決定が確定したこと 当該免責許可の決定の確定の日
ロ 民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百三十九条第一項に規定する給与所得者等再生における再生計画が遂行されたこと 当該再生計画認可の決定の確定の日
ハ 民事再生法第二百三十五条第一項(破産法第二百四十四条において準用する場合を含む。)に規定する免責の決定が確定したこと 当該免責の決定に係る再生計画認可の決定の確定の日

これは過去に破産及び免責許可の申し立てがあった場合が該当します。

山本氏は今回が初めての破産なのでこれは該当しません。


●十一 第四十条第一項第一号、第四十一条又は第二百五十条第二項に規定する義務その他この法律に定める義務に反したこと。

第四十条 (破産者等の説明義務)
次に掲げる者は、破産管財人若しくは第百四十四条第二項に規定する債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。ただし、第五号に掲げる者については、裁判所の許可がある場合に限る。
一 破産者

第四十一条 (破産者の重要財産開示義務)
破産者は、破産手続開始の決定後遅滞なく、その所有する不動産、現金、有価証券、預貯金その他裁判所が指定する財産の内容を記載した書面を裁判所に提出しなければならない。

第二百五十条 (免責についての調査及び報告)
裁判所は、破産管財人に、第二百五十二条第一項各号に掲げる事由の有無又は同条第二項の規定による免責許可の決定をするかどうかの判断に当たって考慮すべき事情についての調査をさせ、その結果を書面で報告させることができる。
2 破産者は、前項に規定する事項について裁判所が行う調査又は同項の規定により破産管財人が行う調査に協力しなければならない。

上記の通り破産者は破産についての説明、所有する全財産の報告、免責に関する管財人への協力が義務となり、これに反した場合が該当します。


以上、一通り破産法の免責について記載できたかと思います。

「どれか該当する可能性があるのか」という点については、ブログやSNSで断片的な情報はありますが、憶測の域を出ませんので割愛させていただきます。

あえて一つ挙げるとすれば、一億以上の借金がありながらトワイライトコインを立ち上げたことによる五項抵触の可能性でしょうか。
仮想通貨(ICOトークン)立ち上げが破産法内での信用取引と見做されるのか、結果的に破綻したため未遂なのでそこがどう判断されるかという点が焦点となります。

私個人の見解として、トワイライトコインは現物が存在せず、これから制作するコンテンツやシステムに対する信用をもってお金を集めた以上、信用取引にあたると思います。
また、破綻により未遂になったため「財産を取得」という事由には直接触れていませんが、結果的にそうなっただけであり、お金が集まって成立していれば間違いなく山本氏はその報酬(財産)を取得していたであろうことから、未遂であっても悪質性が高いと評価され、この項に該当する可能性はあるのではないかと考えます。


そして今回、参考にさせていただいた各法律事務所のサイト様において、免責について下記の一貫した意見でまとまっていました。

・破産手続においてもっとも大事なことは、「正直に事情を話して真摯に反省すること」
・逆に、嘘を吐いて反省もしていないということこそが、最も免責不許可となってしまう可能性が高い

とのことですが、山本氏の場合はどうでしょうか?

それでは大口債権者であるUSP対して、債務者である山本氏はどういった言動や態度なのか詳しく見ていきましょう。


■USPに対する動向について

・USPと交わした念書の約束を破る
 念書はWUG声優並びに制作関係者、及びその作品に今後一切関わらないとされる内容とされています。
 山本氏はそれを無断で破り、一方的な詭弁と上記声優や関係者に対する誹謗中傷文をネットに掲載しました。
 1億円以上を借りている相手に対して約束を破って攻撃する姿勢を果たして反省と呼ぶのは非常に難しいでしょう。
 ※ここでは一方的な詭弁と記載しますが、これはUSPの債権者破産申し立てにおいて異議の申し立てを行わずに、出廷すらせず説明を拒否したことから、USP側の申し立てが100%正しいと認められたことにより破産が決定したため、逆説的に山本氏の言い分が正しくないということになりますのでこのように記載しています。


・ブログやSNSで誹謗中傷を行う
 LINEブログ、Facebook、noteのネット媒体に上記に関する誹謗中傷文を掲載しています(LINEブログは運営により削除済)。
 中傷文の中では、社名イニシャル+人物名イニシャル+役職で各人物が記載されており、彼らを極悪人と称してその陰謀や企てによって借金を背負ってしまったと自己弁護するもので、事実と異なる内容であれば社会的信用を大きく損なわせる内容となっています。
 また、関係者でなくとも事情をそれなりに知る人であれば特定可能な内容となっているため名誉棄損に該当すると考えられます。

WUG』はこうして壊れた】
https://anond.hatelabo.jp/20190311205041

 山本氏の言い分は、せめて『薄暮』を延期せず、一定のクオリティで公開できていれば多少の信憑性があったかもしれません。
 しかしながら、蓋を開けてみると何度も延期を繰り返して、CFの条件を都合よく変更した挙句に、試写会では全
52分中14分程度しか出来ていない未完成版を公開。
 そして遂には下記通りアニメ業界からの廃業を宣言しました。

「『自分はそもそもアニメが作れなかったんだ』、その事に業界21年もいてようやく気付いた次第であります。自分の未熟さと無能さを痛感しております。これを機に、今後はアニメーションに関係する一切の業務を担当しないことをここに誓います」

 『フラクタル
や『WUGでの失敗について「アニメ業界のしがらみのせいだ」と大声で断じて、自らそのしがらみの無いスタジオを作って挑んだ『薄暮』なのに、結果が「実はアニメを作れませんでした」では、上記「WUG』はこうして壊れた」の言い分に全く説得力がありません。

 また、名誉棄損においては、「人物が特定できるか」という点が重要になりますが、その証明として関係者ではない山本氏のファンの一人が各人物を特定した内容を実名でツイッターに投稿しています。

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 なお、noteではその中傷内容に若干の加筆を行い1記事500円を計5記事(計2,500円)で販売しています。
 不服申し立てすらしなかったのに誹謗中傷文を書いて販売するということ自体、常軌を逸しているとしか言いようがありません。


・バズプラスニュースの記事について
 この項については私「ふたば+」管理人独自の一推測であることを申し上げておきます。
 まず、破産決定から数日後、「バズプラスニュース」に山本氏債権者破産に関する記事が4点掲載されました。


 ※「バズプラスニュース」は情報拡散目的で、クラウドソーシングサイトのクラウドワークスやランサーズなどで一記事100円~500円程度の低単価でコピペ記事執筆を発注しているバイラルメディアサイトです。
 ※このサイトはデマが多く、検索にかけようとすると「バズプラス デマ」と出るほど信憑性が低く、グーグルのサジェストからも除外されています。

 私はこれらの記事を読んだとき内容が非常に恣意的だと感じ、下記の根拠から何者かが意図的に記事投稿を依頼したのではないかと推測しました。

 ★根拠
 1.計4記事に対し3人のライターが別々に執筆している
 2.「極悪人」など一貫した悪意を含むキーワードが使用されている
 3.恣意的かつ一方的な視点での内容に終始している
 4.記事内容や文脈と関連性のない『薄暮』ティザーが挿入されている
 5.山本氏や制作スタジオは掲載当時はCF再募集期間であり情報拡散のメリットがある
 6.公開期間が不自然に集中しており以降の情報が存在していない

 1は、そもそもこんなニッチな話題を3人ものライターが個別に対応するのか、と強く疑問に思いました。
 私自身は書きたいからこそ自発的に本記事を書いていますが、上記4点ははっきり申し上げて自発性を感じない、誰かに指示されて書かれた内容にしか見えません。

 2と3は、山本氏の発信する中傷文のみを基に書いたとしか思えない非常に偏った情報で、何度も執拗に「極悪人」と称している点は何者かの悪意を感じずにはいられません。
 正直なところ、山本氏の説明において「国内外で絶大な支持を得ているカリスマ的人物」、「アニメファンの間では神的存在」、「ハイパーアニメクリエイター」という肩書きにも大きな違和感があります。

 4は、これらの記事が掲載依頼によって書かれたものだと推測する一番大きな要素です。
 「薄暮」の話題が一切出ていない記事内容なのになぜか最後にティザー動画のリンクがありますが、これは普通におかしいです。
 「薄暮」に関してアピールするのであれば現在制作中であるなどの記載があるはずなのに、本当に一言もそういった記載がない。
 それなのに文的に繋がりのない動画リンクが貼られているのはどういうことなんでしょうか?
 はっきり言わせてもらうと依頼した人間が「最後にYoutubeティザー動画リンク貼付」と指示しない限りこうはならないでしょう。

 5は、掲載当時クラウドファンディングで500万円の再募集をしていたタイミングです。
 当時、金の集まり方は乏しかったのですが、3月11日の破産決定発表からまとめサイトなどで取り上げられてから金額が伸びていきました。
 募集期間は2/13~3/21で、「薄暮」の記事が掲載された3/15は正に追い込みの真っ最中です。
 これらのことから、この記事はその目的と効果を狙って掲載されてモノではないかと推測しました。

 6は、それ以降に「薄暮」のプロモビデオ公開や試写会など様々なイベントがあったにも関わらず一切取り上げられていません。
 前に記事を書いたけれどもPVが伸びなかったからという理由で話題にするのを止めたのでしょうか?

 推測は以上となりますが、万が一これが金銭を支払って掲載依頼されたモノであれば、非常に大きな免責不許可事由になるでしょう。

 単純にバズプラスニュースが破産に着目して記事を書いたケースや、山本氏のファンなど第三者が依頼したというケースも十分あり得ますが、
「国内外で絶大な支持を得ているカリスマ的人物」、「アニメファンの間では神的存在」、「ハイパーアニメクリエイター」という今までに見たことのない山本氏に対する肩書きの違和感がどうしても拭えません。


■まとめ

それでは、こういった山本氏の動向は前述の免責許可の決定の要件に関係するのでしょうか。

一般的に考えて、念書にサインした約束を一方的に破るということは非常に不誠実な行為です。

ですが、この行為が免責の要件に引っ掛かるのかと照らし合わせるとそうでもありません

誹謗中傷行為についても直接該当する要件はありませんが、山本氏が管財人に対してこの内容を一方的に説明しているのであれば、虚偽や隠蔽として判断されることも考えられます。

また、バズニュースについては推測の域を出ないものの、もしそうであれば、債務者が金銭を支払って誹謗中傷文の喧伝を行ったとして非常に悪質と判断され、浪費などに該当する可能性があります。


また、他の債権者である院長についてですが、山本氏が院長の債権について「当方(山本氏)の弁護士と管財人先生との間で虚偽であることを確認してある」と事実と異なることを書きこみましたが、それを受けて院長が管財人に確認した際は「事実ではありません(即答)」との返答 。

院長 「こういった話を公表したり嘘をついたりということは何らかの法律に抵触しますか?」 

管財人「それについてはお答えしかねますが、誠意を欠く行為であるとは言わざるを得ません」 

というやり取りがあったとのことで、USPの件と含めて山本氏への心象は著しく悪いと思われます。


結局のところ、山本氏が破産の経緯や実状についてどう説明したのか、提出した財産や帳簿に虚偽はなかったか、不当な偏頗行為や債務者として非常識な浪費はなかったか、等々の詳細は債権者集会まで分かりません。

1億円余という大きな額で個人の債権者破産が決定するということ自体が珍しいのですが、その後に全く反省せず債務者が債権者に対して誹謗中傷等を行うといった事態は間違いなく前代未聞と言えるでしょう。

債権者、そして司法がどのような今回の事例についてどのような判断を下すのか、今後もしっかりと見守っていく所存です。


※前々記事:【ヤマカン】山本寛氏に関する債権者破産まとめ
※前記事:【ヤマカン】未完成版『薄暮』試写会&アニメ業界廃業宣言