2月18日にアップされた山本氏のブログにおいて、著作権法違反が予告されました。

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著作権法違反は犯罪です。

窓口がもはやどこか解らないので、ここにて一応謹告。”の一文から始まり、驚くべきことにアニメ『Wake Up,Girls!』の映像コンテンツ無料使用を一方的に宣言するという社会的常識が欠落した内容になっています。

依頼とは言い難い、あまりにも異常な物言いに衝撃を受けたため、内容について所見を述べたいと思います。


■一方的な使用についての判断

この動画には『Wake Up,Girls!』の過去の映像が含まれておりますが、すべて御委員会が現在もYouTubeで公開中のPVカットから引用させていただいたものであり、不用意な映像流出にはならないと考えます。

公開中のPVに使われているカットであれば無断使用しても不用意な映像流出にはならない?

山本氏は一体何を言っているんでしょうか?

不用意とはいったい何を指しているのか意味が分かりませんし、そもそも窓口が分からないからとブログで一方的に報告しようとする姿勢そのものが不用意です。

メールや電話で窓口を確認して、対応する部署に連絡を取るのが筋です。

映像流出という言葉選びもはっきり言って酷い。

(細かいところですが、委員会については「御委員会」よりも「貴委員会」が適切)


■一企業のコンテンツとして公開しようとしておいて営利目的ではないという矛盾の押し付け

かつ、あくまで『Wake Up,Girls!』を含む「東北三部作」の上映の宣伝であり、動画そのものに営利目的はなく、御委員会にとっても利益をもたらすものだと考えます。

会社即ち企業とは、利益を得ることを目的とする組織です。

NPO法人などの非営利団体であれば少し話は変わってきますが、登記を確認する限り株式会社トワイライトスタジオは普通の企業です。

その企業のアカウントで公開する映像なのに「営利目的ではない」と言っても通じるわけがありません。

しかも「東北三部作の上映の宣伝」と言っていますが、この上映はチャリティーイベントでも何でもなく、普通に千円以上の金を取る上映であり、その上映の宣伝用であれば完全に営利目的です。

あまりに一方的すぎる、極めて非常識な誤認識であると断言させてもらいます。

その後の「御委員会にとっても利益をもたらすものだと考えます」というのは何をもって利益をもたらすのでしょうか?

有料での使用ではなく無料使用と言っているので矛盾していますし、「How(どうやって)」についての記述がありません。

上から目線で勝手気ままに無断使用しようとして、ありもしない利益を捏造しているようにしか見えません。


■返事が無ければ許可だと主張する自分勝手で非常識な主張

各位の利益を尊重する上で、何卒この動画の公開を許可していただきたくご依頼します。
もし異論やご注文がございましたら、以下のメールアドレスにてご連絡いただけましたら幸いです。
内容的には基本問題ないと思いますので、ご返事がないようであれば公開にてご確認ください。

窓口が分からないからとブログで一方的に報告しようとしておいて相手方を「尊重」というのは言葉が軽すぎて、非常に無礼であり馬鹿にしているとしか思えません。

許可を頂く相手に対して「異論やご注文」などという物言いも本当に非常識です。

自分の言うことが正しいと自分勝手に決めつけているからこそ、「異論」という言葉を無意識に選んだのでしょう。

山本氏の性格が大変顕著に表れている一文です。

更には内容を先方に確認すらせず、これもまた高慢に「内容的には基本問題ないと思いますので」というのは、もはや開いた口が塞がらないとしか表現しようがありません。

未成年の同人活動レベル未満です。中学生でもそれくらいは判るのではないのでしょうか。

「ご返事がないようであれば公開にてご確認ください」に至ってはもう日本語からおかしい。

ビジネスとして肝心な「When(いつまで・期限)」がありませんし、そもそも「返事が無かったら許可」という判断が狂っています。

他社の著作物を使用させていただくにあたって基礎的な部分が欠落しているからこそ、このような非常識な物言いができるのでしょう。


■Youtubeチャンネルの社名と名乗っている社名の齟齬について

つきましては、2月22日12時にYouTubeの弊社チャンネルにての公開を予定しております。
(中略)
山本寛事務所 山本寛

Youtubeでアップしようとしているチャンネルは「株式会社トワイライトスタジオ」チャンネルであり、「株式会社山本寛事務所」ではありません。

「山本寛事務所の山本寛」を名乗っておきながら、実際は取締役を退任しているトワイライトスタジオのチャンネルでアップしようとしており、ビジネスとして非常識極まりないことです。

意図的であれば詐称とも受け取められかねない常識知らずな行いなので、絶対に止めるべきです。


■まとめ

ブログ以外ではフェイスブックにもアップしたそうですが、先方がそれらを確認している前提で話を進めたり、返事が無かったら許可だと勝手に決めつけるのは異常者の行いです。

本気で映像使用を依頼したいのであれば、直ちに今回の非常識についてのお詫びを兼ねたメールを送り、部署を確認してから正しい日本語で、都合のいい存在しない利益を振りかざさず、完成版PVも送付して判断を仰ぎ、使用に必要な対価を事前に調べた上で提示して(その上で本当に非営利であれば理由を細かく説明して)、誠心誠意を込めてお願いしましょう。

正直に申し上げて、この度のブログ内容はビジネス云々のレベルではなく、根本的に人間性が幼稚であることがこれらの内容から伝わりますので、人品骨柄が醸成される子供時代の教育にまで遡って自身を見つめ直すなり、ご両親に相談されたほうがよいでしょう。

依頼の書き方については、まずはビジネスメールの基本となる尊敬語、謙譲語、丁寧語の習得からお勧めします。

社会人一年生が習う内容を45歳の方に勧めるのは気が引けますが、何かを始めるにあたって遅すぎるということはありません。

以上です。


■もしこのまま無断で使用したらどうなるの?

著作権法違反は犯罪です(二回目)。

しかも会社ぐるみでの営利目的となり著作権侵害なので、規模は違えどやっていることは逮捕された漫画村の運営者とほとんど同じということになってしまいます。

漫画村の主導者であった星野被告の罪状は、ネットニュースで下記のように記載されています。

逮捕容疑は2017年5月、集英社が出版権を持つ『ワンピース 866話』の画像を掲載し、不特定多数が閲覧できる状態にし、同社の出版権を侵害した疑い。

あれだけ多数の漫画を無断アップロードしておいて、逮捕される際の容疑は『ワンピース』1話分の画像にかかっているのです。

今回の件に差し替えるとこうなります。

容疑は2020年2月、〇〇社が著作権を持つアニメ『Wake Up,Girls!』の映像を無断使用し、不特定多数が閲覧できる状態にし、同社の著作権を侵害した疑い。

当然、規模や被害額が違うので逮捕されたあとの処遇はことなりますが、著作権を持つ会社が告訴状を出して受理されようものならすぐに捕まるでしょう。

この度の山本氏の行動は、権利や法律を軽視した、あまりにもリスキーで馬鹿馬鹿しい行いだと思います。


■最後に

どうやらYoutubeにアップ予定のPVは、ブログで非営利を謳っておきながら、スパチャ(投げ銭)が可能なプレミア設定になっているらしいのです。

もし1円でも投げ銭が入ったら、「金銭を得る目的で他社が権利を有するコンテンツを無断使用した」という事実が残り、刑事事件化の可能性がより濃厚になるでしょう。

「間違って設定しちゃった」で済めば警察はいりません。

また、私は確認していませんが、本日の昼頃に一時的に公開されていたという話もありますが、確認したところ予約状態になっていました。

公開予定の2月22日12時に公開するのか、それ以前に撤回するのか、それとも権利者がアプローチをかけるのか、残り2日をきっていますが状況を見守りたいと思います。

いい歳した大人に「悪いことしちゃダメだよ」と諭すつもりはありません。

やりたいなら自己責任で、自分勝手にやればいいと思います。

悪いことをすれば、必ず自分に帰ってくるからね。


■追記(2月22日21時)

山本氏曰く
「許可を取っていない、というのはアンチを騙すための釣りでしたー」とのこと。

案の定、炎上させてチャンネル登録者数を稼ぐための暴挙でした。

この小学生のような工作のせいでエイベックス社などに多数の問い合わせが寄せられたと思うのですが、この行いが偽計業務妨害罪に該当することを理解していないようで、なんだか可哀想になりました。

また、許可を得ているということですが、公開されてからスパチャ(投げ銭)が
実際に幾らか入っているようです。

これをエイベックス社が許可したというのがとても不思議に感じました。

スパチャ設定有りということは、今回の映像使用は宣伝目的ではなく、完全に営利目的だったということになります(宣伝であっても営利目的ですが)。

一応私自身エンターテイメント業界にいたのですが、こういった場合の許可は結構時間がかかるものだと思います。

普通なら金銭面での折り合いをみながら相談し、ドラフトを交わしてから確認後に本契約とか、そういうものだと思うのですが……。

しかしながら今回は、突発的に山本氏がPVを作ると宣言して1週間も経たずに公開されています。

実は前々から計画していて、あくまで突発的に見せかけたという仕掛けなら問題ないのですが、もしそうでなければ、本当に許可を取ったのか、取っていたとしても投げ銭といった営利に直結する使用まで許可を取っていたのか、という点は疑問が残ります。

しかも山本氏は、公開前の午前11時にツイッターでPVを指して「なんかめんどくさくなったら消そう。」と投稿しているのです。

めんどくさくなったら消せるほど簡単に営利使用の許可をあのエイベックス社が出した?

使用料に関する締結がない可能性がないということは、営利目的での使用なのに非営利目的での使用だと虚偽内容で申請して、しかもそれが通った?

いやいやいや、それはないでしょう。

バーターで出せるものを出したにしてもエイベックスが欲しがるものなんて無さそうですし、一体全体これはどういうことなのでしょうか?

もし、本日公開されたPV動画が近日中に削除されたら、山本氏の言う許可は嘘、または誤り。

削除されずに残るのであれば正しいプロセスでエイベックス社が許可を与えた、ということになるでしょう。

しばらくは様子を見たいと思います。

以上。



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