不便益

不便益のシステム論に関連して思うこと

パースの言葉を借りる

不便なモノやコトの方によく観察されるのは,パースの記号分類の言葉で語るとiconやindexであり,
便利なモノやコトにはsymbolが多様されると言っても良いのではないでしょうか。
壁のスイッチは部屋を明るくするsymbolで,炎は部屋を明るくするindexと考えるのです。

不便益の本

不便益の話、まとめてみました。

Dojin 選書 042,
不便から生まれるデザイン -工学に生かす常識を超えた発想-,
ISBN978-4-7598-1342-5, 2011年9月30日、1,700円+消費税。

そろそろ書店に並ぶ頃だと思います。

第2章 不便の益コレクション
第3章 不便益の整理
第4章 不便を工学的に考えてみる
第5章 不便益からシステムを見直す
第6章 不便益から見た社会
第7章 不便益のシステム論に向けて

無駄と手間

無駄と手間は、ともに不便に関連しそうな用語である。ところが、手間を省く道具や方式は「便利」と呼ばれるが、無駄は省いて当然として敢えて「便利」とは言わない。「無駄が省けて便利」と言うときの無駄は、実は結果を得るために必要な「手間」である。日常では、無駄と手間を混同しているようである。「無駄な手間」という事さえある。
手間:結果に反映されるプロセス
無駄:結果が変らないプロセス(ピストンを磨くプロセスは10^{-3}オーダーの仕上げにするためには必要な手間である。しかし、シリンダとの填め合いが10^{-1}オーダーならばピストン─シリンダ系としては無駄である)
無駄:同じ結果を得るのにもっと効率的な手段がある場合。

結果にもいくつかのレベルがある。
1. 苦労を重ねた者の顔だけに刻まれるシワ、貧困国の子供達の輝く瞳
2. 属人的な益(自己肯定感、オレだけ感、スキル獲得、達成感、安心など)
3. 外部世界に属する益(製品の仕上がり、安全性など)
1と2を結果と見なさない場合、それを得るためのプロセスは無駄とみなされる。日和見不便益は 2 こそ重要な結果とみなす。純粋不便益は 1 を重視する。

不便益は園庭を凸凹にすること

道具や方式が張る空間を x、労力の高さを y とする。便利とは dy/dx < 0、不便とは dy/dx > 0、慣れとは dy/dx = 0 とする。ここで x を地平、y を高度とすると、幾種類かの地形が想定される。もちろん、そのランドスケープは人依存である。
山岳地帯に住む人は、自分が動く(x の値を変える)ことで崖を登ったり谷に下りたりして y を変えることができる(活きてる)。便利に慣れた人(山を下り平地に降りた人)は、自分が動いても相変わらず平地である(活きていない)。自分がしたことの結果(yの値)は全く動いていない時と同じである。不便益は、登ったり降りたりできること(あるいはその軌跡)であり、不便益のシステム論とは、平地を凸凹にすることである。
園庭を凸凹にして子供達が生き生きした幼稚園が、あると聞く。

分かりにくい不便

「分かりにくい不便」の益:バス停に半分隠された「飛び出し坊や」。ドキっとする。
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