建築関連

何が定着するか

長かった暑い夏がついに終わったら、
もうダウン羽織っている人を見かけて
全く秋服の出番がない。


さて、純木造〇階建て、日本初耐火木造〇階建て…
木造をより高く、より大きく、飽くなき挑戦は後をたちません。
これ自体悪くない流れです、
大手さんが取り組めば、木造を推進する立場として
一般消費者への説得力がぐっとアップしますから。

ただ、これらは、たぶん採算度外視の、
「木造でここまでできる」という各社の技術力や環境への意識の
広告塔のようなものですから、大手企業や公共施設だからできる、という印象です。

そこを、
手の届くところでなんとかしたいと日々頑張っていますが、
それと全く同じ動機から、中小ビルでも木造にチャレンジ、
そして建物の上層階に木の箱が乗ったような、ツリーハウスビル高木ビルを
建てた高木社長のインタビュー記事を偶然見つけて感動し
(少し前のことですが)、早速見学に行ってきました。

20230913_08580520230913_0852566






















おぉぉぉぉぉ。
竣工済みと聞いていたものの、現場は朝イチから工事進行中。
現場の責任者のような方に、中を見せてもらえないかとお願いすると、
プレスの方ですか?と聞かれ
全然違います、偶然記事を読んだもので…と伝えたところ、
内装はこれからで、まだ案内できる状態ではないとのこと。



対応くださったその方こそ、インタビュー記事に載っていた社長本人だったのです!
引渡しを受け、あとは自社で内装の手配をして現場に立ち会っている、
ということでした。
少しの時間でしたが、木造化を進めていきたい互いの熱い思いを
語りあう機会を頂きました。かなり興奮した一件でした。

このように、もっと一般的に大型木造を増やして、
一過性でなくこの流れを定着させていくことが必要、
と東大の腰原先生が投稿されているのをたまたま見つけた。
うんうん、その通り

そういう意味でも、「収支は別にして木造でここまでできた!」、
というすごい事例を見せつけられてるだけでなく、
一般の地主様に提案できる、十分採算のあうもの、
例えば弊社が持っているような、汎用材を使いリーズナブルに
大開口を作れる技術などを、もっと多くの方の目に触れるようにしないと
引き渡したあとも、地場の大工さんが駆けつけて
対応できるようなものでないとならないんですよね。

腰原先生の言葉を借りると、
木造でどんなことができるかの競い合いは終わりで、
その中で何が定着するかを見極めることが大事、のようです。


ブログランキングに参加中です。
応援してくださる方はこちらをクリックしてください。
過去の投稿をジャンル別にしていますので、そちらも是非ご覧ください。

目先でなく経年を考えて

超久しぶりの投稿になってしまいました。

4年ぶりの・・・、各地の様々なイベントの再開。
身近では、リアル開催の勉強会や交流会、そして
OB会、同窓会的なプライベートの集まりもにわかに再開、
何より海外オーケストラの来日がぞくぞくと。
7月以来3つ聴いてきました〜
平日夜、週末と以前の過密なスケジュールが戻ってきました。

私の住む新宿は、今年に入ってから外国人観光客でもんのすごい賑わい。
普通の居酒屋や回転ずしのお店でもお客の半分以上を占めている感じ
4年前のラグビーワールドカップ以来です。
外国人旅行客数がコロナ前の何割に回復した、とか都度数字が発表されていますが、
この肌感覚って重要だと思う。

さて、このところの木造ブームは改めて触れる必要はないほどですが、
最近特に、外から見て木を使っていることがわかることに
主眼が置かれているように思います。
内装に木を使う木質化は極めて一般的になってきましたが、外壁材にも木を使うことも。
特に、天然木をあしらう、なんて、SDG‘S的にもいい響きの試みです。
香りだっていいですよね〜。癒される。

しかし、特性として、天然木は必ず経年で変色します。
シルバーグレー化するんです。
外にさらされた状態で放置していたら顕著に。ある意味経年劣化です。
グレーに変色することこそ「天然木ならではの味」と理解されているなら
いいのですが、そうでないと、なんだかひなびた感じになって、
こんなはずでは、と思われてしまってはなんとも残念。
最初の風合いを維持するためには、定期的に塗装をし直すとか、
手間暇かけなくてはならないのが実際です。
光触媒を使ったメンテナンスフリーのサイディングを使うのとは全く違います。
もちろん、その手間暇も木を使う楽しみの一つ

で、そのメンテナンスですが、脚立で手が届く高さまでなら、まだなんとかなっても、
足場を組まないと届かないような位置まで天然木を施していては、メンテに
手間とお金がかかってしょうがない
木のプロならわかっていることなので、お客様が了解している場合を除き、
こういった提案は極力避けたほうがよさそうです。
縦長ルーバー、見栄えしますけどね。
建物は、とにかく建ててからが長いのです。

でも、どうしても見た目を木にしたい、なら一部人工木を使う
これはとても理にかなっていると思います。
私も当初は人工木なんて、なんちゃって木材でしょ、と否定的でしたが、
実に合理的な素材ですし、今は天然木の木粉を〇%使っているというような商品もあります。
うまく使わない手はないです。安くはないのですけど💦。

国が木材利用促進に力を入れていますが、
何がなんでも木造にする必要もなく、天然木をつかう必要もない。
素材の特性やLCC(ライフサイクルコスト* 9/12表記訂正)を考慮し、バランスのとれた選択が
重要ですね。

ブログランキングに参加中です。
応援してくださる方はこちらをクリックしてください。
過去の投稿をジャンル別にしていますので、そちらも是非ご覧ください。



木造ガレージの開口幅

前回写真をアップしたインナーガレージ付きテラスハウス、
今月無事お引渡ししました
「住宅新報」にも取り上げてもらった。

工事中、現場監督が通りがかりの方から、いつから販売するの?と
よく聞かれたそうで、
一見、建売住宅に思われるようなグレード感に仕上がりましたが、
もちろん賃貸です。
土地活用として、かなりよい利回り物件になったと思います。

さて、前回、続きは明日以降、と書いたのだけど、間をあけすぎて、
続きって何を書こうと思ってたか、すっかり忘れてしまった

多分、過去手掛けかけた際に、「ガレージハウスをもっと知る」
とタイトルで書いたのが2007年だったから、実に15年という
時の流れに思いを馳せる、ようなことを書こうと思ったのかな。
当時参考にして、しっかりとってあった
「ガレージライフ」という雑誌(2007年夏号:当時2,200円!)は
今なお健在らしく、
当時のものを改めて読んでも、内容はまったく古くない!
ガレージングは男の夢だ! というサブタイトル、これは
男女の区別をしなくなった現代でも貫いているらしい。
やっぱり「車」に絞るとまだ、男のロマン、の世界なんですね。

それで超久しぶりにその投稿を読んでいたら、コメント欄に、
 (一部抜粋)
 >ガレージタイプは耐震の面で弱点がありますよ。大きな地震で
 >グシャリいけばオーナーの責任ですよ。そんな建物おすすめできません。

と書きこまれた方がいて、もちろん、そのことも全く覚えてませんが、
それに対して
 (一部抜粋)
 >一定以上の開口部を確保するには袖壁の設置が義務付けられている
 >建築基準法の基準をクリアして現に建っている建物が
 >地震に弱いと言われる根拠を是非伺いたいです。
 >ガレージハウスの開口部は確かに広いですが、それでもグシャリといかないよう
 >技術革新は進んでいますよ。

と返していた、ということも全く覚えていない。

で、そのあとに東日本大震災があったわけですが、(東京でも震度5強)
そこでガレージハウスが軒並み潰れた、といった話は聞かなかったはず。

話は今になりますが、
木造でも(構造計算の上)自由に開口幅をつくれるため、
大型車2台入れても余裕、というガレージを作ることも可能です。
今手掛けている木造倉庫の開口は8mです。
都心ではそもそもそれだけの開口とれる間口がない土地も多いですが、
自分時間の充実に、天候に関係なく使える贅沢なスペースがある家、
これからの時代のニーズとなるはず。
注文住宅では普通にあっても、賃貸ではなかなかできないですからね。

ちなみに、開口の話ではありませんが、
5月から工事着工する工場のスパンは12m。
その材料の(継手のない12mの)梁62本を、
現在、会社の工場で大工さん達が鋭意製作中です。
20220418_142023
この梁を使って、様々な木造建築物で大空間を実現させていきますヨ。


ブログランキングに参加中です。
応援してくださる方はこちらをクリックしてください。
過去の投稿をジャンル別にしていますので、そちらも是非ご覧ください。

ガッツリ建てると・・・

最近のカレンダーは、各社工夫を凝らしてあり、
途切れなく1か月先まで(2か月先のものも)同時に見られる
造りになっているものが多いですね。
2月に入る際に、改めて感心。

さて、最近の会話で、建物の解体が大変だったという話を聞いて、
ふと、「ガッツリ建てた建物で身動きがとれない」 という
過去の投稿を思い出し読み返してみて、
改めて、そうだよねーと思うので、一部をまた載せてみます。

〜〜〜
60年以上メンテナンス不要、という大手ハウスメーカーが建てた豪邸が
築20年超で売りにでていました。駅から10分少し。
築20年といえど、まだまだ新築同様、のよう。
閑静な高級住宅地なので、当然に価格も高額。
マイソクには誇らしげ(?)に施工会社名が大きく記載されています。
さすがブランド。
そのまま自宅として購入するお金持ちが現れたら素敵ですが、
そうはいかないようで、かなり苦戦している模様。
少し高めの広い住宅の場合、シェアハウスに改修、という
手段はよくありますが、図面からざっと見積もって
10室とるのがせいぜい。賃料は1室6万円くらいが一般的なので、
年間賃料収入は720万円。
改修費にざっと1000万円かかるとしたら
6200万円で買えたとして利回りは10%。
シェアハウスであれば、これくらいの利回りは最低でもほしいところです。

しかし希望売却価格はこの2倍を遥かに超える額です
なので、シェアハウス目的の購入者もいない。
思うに、更地にして、2棟(3棟!?)現場に
するのがこの土地には一番よさそうですが、
なにせ60年以上もつ住宅なので
20年そこそこで解体する前提(ましてや解体費用を自分持ちで
更地にする)では売るに売れないのでしょう。
土地だけで売れば買手はすぐみつかりそうですが、
立派な建物が乗っていることで、売れない物件となってしまっている。
木造だったら、解体は(リサイクルもできるので)エイヤーですが。

実際、堅牢な建物は解体費用もばかになりません。
建物を建てるときに頭に入れておくべきことは、
ライフサイクルコスト。
〜〜〜
以上、引用終わり。

建てることだけでなく、維持管理・解体まで含めた
ライフサイクルコストをよく考えて、と話することが多いです。
が、あるとき逆襲?が…。

相続されたアパートの建て替え相談で
木造にどうも気乗りされていなかったので、
前記の話をして、木造なら法定耐用年数は22年、
例えば20年くらいたったときに
お子様がその土地で別のことをしたくなっても、
気兼ねなく壊せますよ、
と伝えたことが仇になってしまったみたいで。。。

その後、なかなか煮え切らないご様子で連絡が途切れ、
なんとその間に偶然にも前出のブランドハウスメーカーで
決めてしまわれたと後から知った。明らかに予算オーバーなのに。。。
おそらく、営業の方は、
「60年メンテナンスフリーです。え、木造ですか?
話になりません」ぐらいにトークされたのだろうなぁ。
そんな言葉をすりこまれたら、
「木造は20年ちょっとと言われてたのに60年も!
だったら高くて当然」、っと(誤解なのに)わざわざ高いものに
決めてしまった、そんなところでしょう。

本当にお子様が20年後ぐらいに、この土地で別のことをやりたいと
思われたときに、冒頭のようなジレンマを繰り返すのかもしれません。

この一件以来、「耐用年数が建物の耐久性」
のような誤解を決して与えないよう、
木造はリーズナブルに壊せるけど、
法隆寺は築1300年、
現存する最古の2x4住宅は大正元年頃建築なのですよー

実際これだけもつものなんです、と強調しています。

ブログランキングに参加中です。
応援してくださる方はこちらをクリックしてください。
過去の投稿をジャンル別にしていますので、そちらも是非ご覧ください。

建てたい方がいる限り

このところ寒暖の差が激しいですが、
着々と近づく春の空気を感じる
もう2月も最終週。こうやって2月は逃げて
3月は去るんだなー。

懇意にしていただいている地場ゼネコンの方から電話があって、
めちゃくちゃ施工性(?)が悪い土地だが、
木造ならなんとかなるかもしれないので、
御社でやってもらえそうか、
会社でも新宿(←私の自宅付近という意味)まででも出ていくので、
話聞いてもらいたい、とのこと。
これこれ、この感じ。こういうときに、
ZOOMで打ち合わせませんか?ってならないですよね。

こんなご時世でも、複数で集まって打ち合わせをする
機会が日常少なくありませんが、必ず話に出るのは、
こういった打ち合わせがリモートでできないわけではない、
やろうと思えばできる、きっと8割くらいは。
でもやっぱり会って話さないとね、ということ。

決してアナログ人間のひがみでも、暇なわけでもない。
前置きの話や雑談も含めて「情報」で、
リモートではそこはたいていすっ飛ばすところなので、
だから会う意味がある、ということなんです。


で、話を戻して…、その施工性が悪い土地の話は、
敷地内の超奥まったところの増築で、
通路は90センチ!そこを通せば、スペースがあるので、
ミニタワークレーンを置いて、(2x4の)壁パネルは
4階建てビル越えさせて搬入すればなんとかなりそう。

まぁ、過去に似たような立地でやったことがあるので、
なんとかなりそうということはわかる。
確かに、ここにRCでの施工は考えられませんね。
建物を建てていい土地に、条件が悪いだけであきらめるのは
実にもったいない。
そもそも建物が建てられない土地もあるのですから。
法令遵守でいかに知恵をしぼり実現させられるか。
建てる意欲がある方がいる限り、できる限りのお手伝いを
していきたいです。

さて、先日こんな実験してきましたよ。
2.5t天秤吊りIMG00433


















床構面の剛性を確認する実験です、積んでいる合板の山は
重り代わり。完成したものを移動する際に吊り上げるので、
規定の重量に床が耐えられるか、
たわみが基準値(平12建告第1459号)を超えないか、の実験です。
無事成功

これが…。

続きは次回。

そうそう、先日ほんの一瞬見れた虹の写真を残しておこう
20210215_163629  A


ブログランキングに参加中です。
応援してくださる方はこちらをクリックしてください。
過去の投稿をジャンル別にしていますので、そちらも是非ご覧ください

どうしたらできるか、だけを考える

「どんなに困難でも
できる、できないの話はしない。
どうしたらできるか、だけを考える」

かっこいいですよねぇ,日通のCM。

でも、実際どうだろ。
日通さんは置いておいて、少なくとも周りでは、
困難そうだったら断る」というのが
現実ではないか。
やれない理由を見つけるのは簡単。
無難に考えたら手を出さない、一般的に企業判断はそうなりがち。

少なくともこの10年超、そうやって他で断られた仕事を
いくつもやってきた。
困難な仕事、というか、それで困っている人・会社がいるのだから
なんとか解決させたい、誰もができるわけではないことに取り組むことこそ
意味がある、と、建築と不動産それぞれのメンバーの知恵を結集して
臨んできた。自分が直接かかわるか否かにかかわらず、常に
そういった環境の中で仕事をしてきた気がします。
もちろん、利益がでない、とか
引き受けてかえって迷惑をかける、ことがない、という判断を
した上で、の話です。

今もそう。
街中の、大通りから車一台がやっとの通り(しかも通学路)
を入って、さらにそこを曲がった2.3mの幅員の私道の
奥にその現場はある。
そこに木造3階建てビルを建てるのですが、鉄骨の建築会社が
断って、声がかかった仕事。
私道は勾配があるし、電線は低く張り巡らされている。
私道沿いには住居、事務所があるので、近隣対策も必要で
資材を運ぶだけで一苦労。

でも、それこそ冒頭のセリフじゃないけど、
どうやってやってやるか、それだけを考え、
引き受け、十二分段取り・手配をして、工事は現在進行中です。

最大の難関はその現場まで9mの梁材(1本400キロ)を
運びいれる荷揚げ工程。

大通りは常に車も人もひっきりなし。そこに
横付けしたトラックから、1本1本手運びするしかないわけで。。
通勤通学時間帯には到底できない。

そこで、その日を世間一般の仕事納めの翌日と決め、
人と車が始動する前の時間を使って決行しました。
朝4時スタート。(この日だけ特別な時間帯なので、
もちろん事前に近隣挨拶済み)
時間が時間だけに音に気をつけ、台車・重機一切利用なし。
荷揚げ屋さん、と呼ばれる専門職の若いパワーを
大量投入して、警備員さん3人たてて、ひたすら人海戦術
他ではまず見ることのないこんな無謀なまでの作業
しかと見届けるために
早起きして、立ち会ってきました。
結構感動した

20191228_054019














ムカデみたいに、ひたすら人が順番に入り込んでトラックから下し

20191228_053226














うまく旋回して、細い道を入り、

20191228_053319














一旦中継地点に仮置き。1本1本、約20往復
通常の作業開始時間まで待機して、それ以降は台車も使って現場まで。
こんな血と汗の結晶も、建築が進むと、石膏ボードで隠れて
目には見えなくなってしまうんですよね。。

年明け作業再開、そこから一気に3月末竣工です。
大型部材の搬入という1つの課題はクリアしたものの、
現場の環境が厳しいのは変わりないので、困難は続く。
事故なく、無事に引き渡せるよう、引き続き頑張ってもらうしかない、
自分の立場ではそう願うばかりです。


ブログランキングに参加中です。
応援してくださる方はこちらをクリックしてください。
過去の投稿をジャンル別にしていますので、そちらも是非ご覧ください。

商機はここに

ブログ再開!

って別にやめていたわけではないのですが。
今日こそ書こう、今日こそ、と思いつつ
後回しにした結果、8か月がたっていて、
むしろ月日の経つ早さのほうに驚く

その間に元号は令和に。
令和に変わった瞬間はマカオの屋台で
ラーメン食べてました〜。

久しぶり、となると、会心の内容にしなくては、
とプレッシャー感じるとまた後回しにしそうなので、
とりあえず足跡だけ残しておこう。
お盆休みのこの機会にアップできないと、このまま
年末に突入しそうでヤバいヤバい

このお盆は5日間の会社の夏季休暇と土日と谷間2日間の
有給取得奨励日で9連休になるのですが、
結局谷間2日は会社に出てました。
このところ、期限のある案件が重複し、かなり忙しい。
これまでの「しこみ」が功を奏したこともありますが、
「木造で」という案件がにわかに増えているのです。

今年流行った言葉、これまでの候補として
「働き方改革」、「闇営業」、「タピる」は当確? 「SDG’s」も。
「平成最後」、「2000万円」、いろいろ浮かびますが、
建築業界では確実に「ハイテンションボルト」があげられます。
木造建築には登場しないので関係ないですが、
ボルト不足は深刻な問題でした。
(不足し始めたのは昨年から?)
そのため鉄骨で計画していた物件は工期が読めず、
あわや計画頓挫(もしくは大幅な遅れ)。
そこであわてて同じものを木造で再検討、という話は
日本中至るところであったようですが、
大型のものなど特に、そう誰にでもできることではない。

これまで木造の可能性を広めてきた我々にとって、
このタイミングで
本当に木造でできるの?と思われるものをやる、

というところに商機あり。

そんな流れで受注に至った大型木造倉庫。
20m×70mの柱のない大空間
という初めての試みが
来月から着工します。楽しみです

今回はこれにて。


ブログランキングに参加中です。
応援してくださる方はこちらをクリックしてください。
過去の投稿をジャンル別にしていますので、そちらも是非ご覧ください。

ガッツリ建てた建物で身動きとれない

8月が終わっていく・・・
日中のうだるような暑さは続いていても、
日没は着々と早くなり、夕方の空はやはりどこか秋。。
暑さ寒さも彼岸まで、まだミンミンゼミもないてるし、
夏のCMも流れている、まだ夏だと言い聞かせても、
季節は確実に移っていく・・・。

考えてみると、夏の終わりというフレーズは歌の歌詞にも
よくでてくるけど、春の終わりとか秋の終わりとはあまり言わない。
夏が終わるって、独特の寂寥の感というものを誰しも持つものなのだろうな、
まあ、早く暑いの終わってくれーと願っている人も
周りに沢山いますが。

さて、銀行の話題が続いたついでに・・・、
建物の耐用年数について少し。

「法定耐用年数」、アパートの場合、
木造22年、鉄骨34年、RC47年ですね。
もはやこの区分自体ナンセンスだということを
実務レベルはわかっているものの、
見直される動きは全くと言っていいほどない。
融資もこれを基準にしている金融機関はやはり多いですね。
このことは、財務省の偉い方に直談判したことが
ありますが、意外に木造業界が声を上げていないので
特に問題とされていないようです。
というのも、「短期償却」は木造のセールストークの一つで、
アパートの建築提案などでは、他工法より減価償却費が大きくなる分、
所得税の節税になる、というのは常套句だからです。

まあ、キャッシュフロー表を作れば一目瞭然、
(途中資本的支出をしていないとすると)
23年目から、ドンと所得があがります。

まあ、23年後というと、現在の建築主が50代だったら
70代、もしくは世代交代になって、
立地によっては入居率も下がる(賃料が下がる)のに、
建物の修繕、設備交換の負担はかさむ時期。
私は、木造であれば、エイヤーで
建て替えもしやすい、という話をします。
もちろん、20年少しで解体する前提で
アパート経営を始める人はいないでしょうが、
代が変わったり、周辺の環境や時代が変わって、
別の活用のほうがふさわしくなっているかもしれないときに、
既存建物に縛られて身動きとれないのはもったいない
と思うのです。
投資費用は十分回収できているし、
20年や22年で借入していれば、完済している。
もちろん、そのまま賃貸経営を継続するのもよし、ですが、
解体費用もかさまず、木材のリサイクルも可能な
木造
であれば、気兼ねなく「建て替え」という選択肢も
選べると思うのです。

ガッツリ建てた建物で身動きがとれない、といえば、
先日興味深い事例をみました。

70年は平気でもつ、という大手ハウスメーカーさんが建てた、
豪邸が築20年強で売りにでていました。駅から10分少し。
築20年といえど、まだまだ新築同様、らしい。
閑静な高級住宅地なので、当然に価格も高額。
マイソクには誇らしげ(?)にハウスメーカー名が記載されています。
そのまま自宅として購入するお金持ちが現れたら素敵ですが、
そうはいかないようで、かなり苦戦している模様。
少し高めの広い住宅の場合、シェアハウスに改修、という
手段はよくありますが、図面からざっと見積もって
10室がせいぜい。賃料は1室6万円くらいが一般的なので、
年間賃料収入は720万円。
改修費にざっと1000万円かかるとしたら
6200万円で買えたとして利回りは10%。
シェアハウスであれば、これくらいの利回りは最低でもほしいところです。

しかし希望売却価格はこの2倍を遥かに超える額です。
なので、シェアハウス目的の購入者もいない。
思うに、更地にして、建売2棟現場(場合によっては3棟!?)
するのがこの土地の場合一番よさそうですが、
なにせ70年はもつ住宅なので
まだ20年そこそこで解体する前提では売るに売れない
のでしょう。土地だけで売れば買手はすぐみつかりそうですが、
建物が乗っていることで、売れない物件となってしまっている。
木造だったら、エイヤーですが。

現実、このように堅牢な建物がネックとなることがあります。
解体費用が莫大になり採算が合わないケースもそうですね。
建物を建てるときに頭に入れておくべきことだと思います。


ブログランキングに参加中です。
応援してくださる方はこちらをクリックしてください。
過去の投稿をジャンル別にしていますので、そちらも是非ご覧ください。

サステナブル先導事業 地鎮祭

1年も折り返し、ですね。

これまで何度も話題にしてきた、
国交省サステナブル建築物等先導事業
(木造先導型)
平成28年度前期に採択された、仙台の
「荒井西タウンプロジェクト」がいよいよ始まります

2x4工法にCLT床版を採用した
RC造との立面混構造5階建てマンション。
今年の4月に告示が出て、CLTが構造躯体に
使えるようになって、まだほとんど事例がない
このCLTの使い方を高く評価いただきました。

これに先駆け、先月宮城県CLT等普及推進
協議会の定期総会で、事例発表の
機会をいただきました

国をあげてCLTの普及促進を掲げていることから
各地方自治体は当然その使命を負っています。
そこで、我々民間の事例を参考にすべく、
今回のプロジェクトを宮城県自体が着目
してくださっているのです。
CLTパネルはもちろ東北産スギを使います。

ちなみに事例発表はもう1件あり、
三菱地所さんが竹中工務店さんと組んで
手掛ける10階建てマンション。
同じくS造の建物の床にCLTを活用する事例です。
(未知数の建材ゆえ、竹中さんの実証実験を通した試み)
大手デベ、ゼネコンさんも木材を避けてとおれない
時代になっているのですね。

そして、ついに今月3日に地鎮祭を迎えました。

IMG_1769IMG_1761












宮城県庁の方も参加くださり、
仙台の全ての放送局が取材にこられたことからも
この物件の注目度がわかります。

施主様である、仙台のハウスメーカーの社長と、
このプロジェクトを企画して、先導事業応募を提案した
弊社、の社長と二人で鍬入れ
施主様のありがたいご配慮です。いい光景でした。

盛大な地鎮祭も滞りなく終わり、
1700坪の土地に5棟が順次着工します。
(先導事業の対象は1棟のみ)
出来上がればまさに一つのタウン(街)です。
楽しみだな〜。

CLTの施工の際は是非多くの方々に
見学していただきたいものです。

ブログランキングに参加中です。
応援してくださる方はこちらをクリックしてください。
過去の投稿をジャンル別にしていますので、そちらも是非ご覧ください。

道路幅員は重要

先週は、先導事業がらみで仙台に行ってきました。
20170607_165603














その報告は次回に。

さて、建物のボリュームを左右する
建ぺい率、容積率ですが、
建築の専門家でなくてもご存知のとおり、
それらの指定が低いエリアにあれば
土地一杯に建物を建てることはできません。

でも、住宅地では、本当は庭が広くて
お隣との間がたっぷりあれば理想的、
土地を目一杯活かす必要はまったくないわけで、
いわゆる住居専用地では
40/80や50/100(%略)くらいに
指定されていることがほとんどです。
軽井沢のある特定のエリアなどは
建ぺい率がナント20%
敷地面積の2割の中に
建物を収めるということですが、
まあなんの支障もないでしょう。

一方で、商業性の高い坪単価の高いエリアなどでは、
いかに土地を目一杯(上も含めて)使うかが重要で、
(建ぺい率は当然に100%がMAXですが)、
容積率は600だったり800だったり、
1000を越える場所もあります。それだけ
高い建物が建てられる余地があるわけです。

とはいっても、容積率は、単純に指定容積率を
使えるわけではなくて、前面道路の幅員に4/10または6/10
をかけた数値と比べて小さいほうを使う、となっているので、
例えば容積率がせっかく600%あるエリアでも
敷地が面している道路が4mだったら、
(商業地域を例にとると)その土地には
4m×6/10で240%までの容積の建物しか建てられない。

そこで、救済として、地域特性に応じて特定行政庁(例えば区長)が
特定したエリアでは、緩和があり、例えば4m×8/10=320%まで
OKとなったりします。ならば、1層分高く建てられるかな、と思いきや、
前面道路が狭いと、「道路斜線制限」にひっかかり
結局建てられる建物の高さは限られてしまうのが実際です。

要するに前面道路が狭いと、建築という面では
全く土地のポテンシャルが活かされない、という
ことなのです。

道路幅員は大事。

現在関わっている都心商業地域の狭小地の建替え案件では、
既存の建物の下に鋼管杭が28m埋設されていて、
前面道路が現況3m(2項道路)なので、
解体の際、どうやって抜いてどうやって運ぶんですか、ということに
なってしまいます。(どうやって打ったのでしょう・・。)
1本撤去に1千万がかかるとの見積り。
金銭的にも物理的にも撤去は現実的でありません。

解体して調査しないと確約できませんが、
ある程度杭を削ってそのまま活かすしかない。
その上に、自重が重いRCや鉄骨の建物は
建てられないので、結局木造がベストという
結論になります。
木造はそういうケースでも使い勝手いいですねぇ
話はついそっちの方向に行ってしまいますが

前面道路幅員がもう少し広かったら、
建築プランにもバリエーションがあったでしょうが、
残念ながら建物の大きさ、形状は誰が設計してもほぼ同じに。
工事車両が入らないので手間がかかる分、どうしても
工事は割高になってしまいますし。

しみじみ、道路幅員は大事ですね。

ブログランキングに参加中です。
応援してくださる方はこちらをクリックしてください。
過去の投稿をジャンル別にしていますので、そちらも是非ご覧ください。
Archives
livedoor プロフィール

fudousanfp_e

Recent Comments
お薦め書籍
著書コレクション

41OTRik9oZL__SL500_AA300_



  • ライブドアブログ