酒井恵理子のワンストップコンサルティング☆ : 建物賃貸関連

建物賃貸関連

May 16, 201412:43

近況

カテゴリ: 建物賃貸関連; 日々の仕事

ほんとうに気持ちのいい季節になりました

。
一番好きなのは真夏ですが、夏を待つ
この季節、新緑や草花の香りが心地よく、
青空と白い雲が美しく、歩くのが楽しいです。

さて、アップをさぼっている間にも
いろいろなことが起きています。

3月に竣工したサ高住は、さっそくマスコミに
取り上げていただき、（もちろん、こちらから
取材依頼をしたからですが）
再来月はある雑誌のグラビア特集の木造建築最新事例にも
載せていただくことで打ち合わせが進んでいます。
まる二日かけてカメラマンに撮影していただいた写真も、
フォトアルバムの出来上がり待ちです。
先にいただいたサムネールを見るだけでわかりますが、
天気を選びに選んだ甲斐があるできばえです

。（一部紹介）

このブログのタイトルの背景画像も
冬の背景で放置しており、データをいただいたら差し替えよう・・・。

1年半かけて立ち退きが完了した借地権付
建物(（築５０年超の古家）の売却は、
かの建売業者Ｏ社が一番乗りで、
そのまま契約に進むところですが、
ここにきて、急に地主が底地を
売りたい意向が見え隠れし、
であればちょっと待った

、
契約の前にこの話をＯ社とまとめれば、
借地権譲渡の承諾料（名変料）が不要になりそうです。
Ｏ社の懐事情はともかく、借地人（←今回の依頼人）
にとっては、承諾料として地主に
ウン百万円支払う前提での売却でしたから、
売買金額はそのままで、支払うべきものが不要になって、
万々歳

となります。
Ｏ社にとっても、建売に仕上げる際に土地が
借地権なのか所有権なのかは大きく違います。
そんなことで、にわかにＯ社がその底地を買うことに
なりました。
ただ、この一連の取引、進め方の順番が違うと・・・、
地主は承諾料をもらって、新借地人Ｏ社に
対して底地の買い取り打診をすれば、
依頼人の負担がまったく違っていたわけですから、
同じ仲介でも、コンサル会社の仲介ならではの
仕事になったと思います。

さて、テナントが退去した社員寮の活用案件は
ようやく見つけた借り手の候補の方と工事部のものと
一緒に内覧に行ってきました。
それはそれは豪華

。
大手ハウスメーカーの施工だけに
洗練された無駄のないつくり。内装には相当
お金をかけたとわかります。
時はバブルの終盤、「これだけ立派な寮が
完備されてます

」ということを売りに
優秀な新入社員獲得に勤しんでいたという話なのです。
それが・・・、２０年たって更新なしで一斉撤去。
建物はまだ十分使えるのですが、軽量鉄骨で
１５㎡くらいの居室間は耐力壁になっており、
壁を取っ払うことが構造上不可能。
要するに、寮以外に汎用性が一切ない建物なのです。
それだけに、次のテナントを探すのは一苦労。
そんな困り果てたオーナー様に対して、
同じハウスメーカーが積極的にアパートの新築提案を
してきていて

、私からしたらどう考えても乗れない話です。
建ててもらってナンボの会社ですからしょうがないですけど。

同じような話、前もありましたネ。
あのときはオーナー側の仲介業者が機能していなかったので、
やるせない結果となりました。今回は昔からの仲間。
建物を同じ運命にしないよう、なんとか話をまとめたいものです。

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December 09, 201315:55

建物の数奇な運命

カテゴリ: ビル・建物; 建物賃貸関連

年末のご挨拶をする時期になり、
今年もカレンダーを社員で巻きまき。
20131125_110323

本当に必要な部数のみ申告制で自分の担当分を確保。（すでに一部は
渡し済です、念のため） 20131204_190636

心をこめて手渡しますので、目立つところに貼って1年間愛用していただきたいです。

さて、残債がたっぷり残っている建物（寮）を
改修して老人ホームにする話で、
建設協力金を出してでも借り上げる

という
運営事業者も見つけて、あとは
諸々金融機関との調整次第、
（この状況下では、オーナー様の意向云々より
銀行がどういう動きをとるかが問題で）
という段階なのに、
元付業者の動きがどうも鈍い

・・・、
という案件の結末は。。。

このようなケースでつくづく思うのが、
弊社の場合、コンサルでも建築でも
オーナー様から直でご相談いただくのが
日常であるため、今回のように、
オーナー様と直接コンタクトとれない立場の
客付け業者としてテナントを見つける
（そして仲介手数料をいただく）業務に
専念するだけでは、到底気持ちが
収まらない

ということです。
黙っていても月ウン百万円の返済が発生している
オーナー様の状況を考えただけで
いてもたってもいられません

。
一刻を争うはずだから、オーナーと直で話をして
銀行と直談判したい！！
とはいえ、案件に関わる上で
業界での役割分担があり、それに則って仕事を
するのが大前提。役割以上の余計なことは
できず、そのために元付業者がいるのですが。。。
連絡がつかない！！
この際、元付業者の顔をつぶさないような方法で
この見込み客をなんとかオーナー様と結びつけたい、
と考え・・・、ある手をうち、

この詳細は書けませんが・・・。

そしてわかったことは・・・、
この土地建物、ナント

銀行主導ですでに
売契済みとなっていたということです。
マンションに建て替えることになり、デベ対象に
入札が行われたそうです。
それなりの金額で落とされたのでしょう。
引き渡しはまだなので、もちろん登記記録には
反映されておらず、関係者しか知らない情報。

この情報を元付業者から聞いたのではない、
ということがなんとも皮肉で、
既に（解体前提で）売却済みの物件の客付けにこちらは
必死に動いていた、というわけですから

、笑える。
いや笑いごとではないですが、
もしかしたら、元付業者も聞かされて
いなかったかもしれません。
（いちおう、大手仲介業者なんですケド）

数年前に数千万円かけて外壁の張り替えを
したというのに、取り壊して建替え・・・。
建物がもったいなさすぎて泣けてきます

。
オーナー様は相続した土地建物を手放す
ことになってしまったわけで・・・、
でも、先の相続対策にとって有効だった、
お荷物が整理できた、と、
（売却価格＞ローン残高であれば、手残りもあり）
銀行に感謝しているかもしれません

。
本心は知る由もありませんね。

なんだか第三者たちにこねくり回されて
数奇な運命をたどってしまった建物。
スクラップ＆ビルドのむなしい現状を
また一つ見てしまいました。

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November 26, 201314:21

建物の抵当権と賃借権の優劣

カテゴリ: 建物賃貸関連; 土地活用・建物再生

父の3回忌を終えて、納骨、1周忌、３回忌と毎年
続く一連の法事も、次回の７回忌まで一段落。
一つの使命を果たした気持ちです。

そんな法事の旅から戻った途端、
超豪華海外オケ４連夜だった先週。
初日の東京文化会館のロイヤル・コンセルトヘボウでは、
ナント

二つ前の席に皇太子ご夫妻。
約２時間、一般庶民がこれだけの至近距離で
一緒の時間を過ごせるなんて

、またとない経験をしました。
２夜続けてのベルリンフィル（サントリーとミューザ）では、
圧倒的なオケの技術の高さにしびれました。
圧巻だったのは、弦楽器の厚み。奏者一人一人
体をゆさゆさ揺らして満身の演奏。
管楽器にまったく負けていなくて、
バランスが非常によくとれていました。
「春祭」は、私は正直どうもなじめませんが、主人は
ガーーーンと打ちのめされたそうです。凄すぎる、と。
ミューザのほどよい残響度合いがあちこちの音を存分に、
引き出し、本当に贅沢な時間でした。
さすがにベルリンフィルを２夜聴いてしまったあとなので・・・、
おまけのようになってしまったバーミンガム

の演奏は
ネルソンス氏の若さを感じましたが、
人柄がが伝わるアットホームな雰囲気で
なんだかほろっときてしまいました。

以上、超簡単な報告でした。
この週末はある試験の受験もあったので、
いやー、慌ただしかった～。

ここからが本題です。
平成のはじめに、相続税対策もかねて
全額借入で立派な建物を建てて、社員寮として
一部上場企業に貸していて安泰だったのが、
２０年後、契約当初想像だにしていなかった、
賃貸借契約満了による退去。
残債はまだたっぷりあるのに、
現況で借り上げる事業者が見つからず、
大規模な改修のために、
さらに融資を受けなければならない・・・。
そのような状況で手を上げた介護事業者からの
当ビルダーへの依頼で、
いかに少ない費用で改修できるか、が
テーマだった案件の結末ですが・・・、
法律に則った最低限の設備を整えるだけでも
相当費用がかかることは前回書いたとおりですが、
どれだけ工夫しても限度があり、
完全な予算オーバーで、介護事業者も
トーンダウン。この話は残念ながら流れました

。

しかし、状況を知ってしまった以上、
なにかお手伝いをしたい、そこで
元付業者に直接コンタクトをとり、仲介に立場を変えて
テナント探しに入り込むことになりました。

介護事業者のニーズはあるのに、
オーナーの予算がなければ改修できず、
どう考えても話が成り立たない。
銀行がうなる事業者を連れてこられれば・・・。
なんであれ、銀行の判断（銀行との交渉）ひとつなのですが、
客付業者の立場では話が遠く、元付業者はなんだか諦めモード。
介護事業者は一銭もださずに借り上げるだけ？
介護事業者にお金を入れてもらうこともできるはず、
と考え、資金力がある心当たりに声をかけたところ、
諸条件が整えば検討可能とのこと

。
建設協力金を入れた場合、その回収に
借り上げ賃料と一部相殺するとすれば、
相殺後の賃料が、オーナーの借り入れの返済額を
上回らなければならず、
それなりの髙い賃料設定が必要ですが、
改修プラン、見積もりを一度弊社で（他社向けに）
出しているので、話が早く、
そこから見当つけた借り上げ想定賃料は
オーナーの期待賃料をクリアできる感触です。

で、次のハードルは抵当権。

厚労省の有料老人ホーム設置運営指針では、
土地が借地権の場合や、土地・建物に抵当権が
設定されている場合などの（入居の継続性
確保のための）細かい規定がありますが、
今回のようにバリバリに残債がある建物を
借り上げる場合、運営事業者側からしても、
万一、抵当権が行使されて競売になった場合、
「抵当権設定登記後に建物の引き渡しを受けた
建物賃借人は（競売で建物を
買い受けた者に）賃借権を対抗できない」
となる以上、今のままでは、
多くの高齢者を預かる身として不安定で賃借できない。
これは日常、アパート建築の際に、早く入居者が
決まったとしても、オーナー様の建物への
抵当権設定登記より前倒しで賃貸借契約を
交わさないという理屈と（オーナー様から見た
逆バージョンで）同じことですが、現実問題、
高齢者を多く預かるとなるとそこはよりシビアになる
ということを私もあまり深く考えていませんでした。

で、そのためには、現在設定されている抵当権を
一旦解除して、賃貸借の引き渡しを受け、
そして抵当権を再度設定する、というプロセスが
必要になります。もちろん、お金が動くわけではなく、
手続き上の問題ですが、
一瞬無担保状態になるわけですから、ここまで
やるかは銀行の理解・協力次第。銀行マンの
友人に確認したら、（借り上げる事業者の
与信は重要ですが）、物理的には問題ないとのこと。
また運営事業者側の事業計画もあるので、
賃料発生の時期的なことも含めて、
結局はあれもこれも銀行次第。

元付業者がどこまで話をつないでくれるか、
そもそも、まずは内見したいという事業者さんとの
日程調整を依頼したのですが、連絡待てど来ず・・・。

話の矛先がブレてしまいましたが、
残債がある既存建物を老人ホームに改修する案件は、
一筋縄ではいかないと改めて実感

。
しかし、ポイントは大変よくわかりました。

そして、なんとなんと結末は。。。
続きは次回以降。

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November 22, 201315:24

継続賃料

カテゴリ: 建物賃貸関連

法事、怒涛の4夜連続コンサートと
プライベートも目まぐるしい

1週間で
すっかりブログから遠のいていました。

話が中途半端に終わっていた
定期借家契約について、長くなりましたので
３回目のこれで〆たいと思います。

私自分が借家人の立場で、
強気なオーナーから、賃料増額での
再契約打診を受けた件です。
幸い、増額を見込んで、
最初の契約時に、新賃料の増減幅を
特約にいれてもらっていたので、
青天井の増額提示は避けられましたが、
契約をいいことに、
その上限目一杯を言われたのでした。

契約書にハンコついている以上、
その範囲内であれば反論もできませんが、
いきなりその上限を提示されると
すんなりＯＫとは言い難く、電話先の
不穏な空気を感じながら、条件
調整の面談となりました。

仕事柄、交渉・お願い事をする機会は多く、
一応不動産を仕事にしているわけですから、
どれだけの交渉ができるものか見もの、のはずですが、
自分でも笑ってしまうほど圧倒的に不利

。
切返しのカードは一通り用意してみても、
明らかに全部弱いと自覚してしまいます

。

要するに、どれだけ踏ん張ってみても、
貸主には「同意いただけなければ、期間満了で契約は
終了です（出ていってください）。」と言える権利があり、
そう言われて出ていけるかということに尽きるのです。
最初から決定的な立場の差があります。
法定更新というひらきなおりができる普通借家とは異なる、
定期借家ならではの部分です。

賃料には、「継続賃料」という概念があります。
現在の賃料というのは、既存の契約で貸主・借主
が合意した額のはずですから、その
「最終合意賃料」と比較してどうか、ということで、
賃料が決まります。いきなり相場を持ち出せる
ものではありません。
たとえば、今相場の賃料が１００が妥当だとして、
新規で探している人は１００を基準で判断しますが、
これまで８０で借りている人にとっては、
いきなり相場が１００だから１００払え、と言われても
受け入れられないでしょう。
最終合意賃料が８０なのですから、
その合意が形成されたときと今の相場との比較でしか
新賃料の設定をできないというものです。

定期借家の場合、契約はリセットになりますが、
継続賃料を持ち出して抵抗しようにも、それを
前提として、前の契約で「幅」を自分で認めていたわけで、
その幅内なので、文句も言えず
（言ったら「いちゃもん」でしかないですし

）・・・、
都内のマンション賃料が底を打ったこともわかっていますし、
ネットで明朗にみられる当マンションの同じ
間取りの募集賃料は我が家の今の賃料より明らかに
髙いし、どう見たって、先方の増額請求は正当、と
言え（てしまい）ます

。
新規入居募集時と打って変わって、築3年超たった今
空室は明らかに少なくなっていて貸主は強気でしょうし、
第一、夫婦で忙しさにかまけて、契約満了まで
1か月を切っていまして、今さらほかに引っ越すつもりは
毛頭なし、という弱みがあれば（今だから書けますが）
争う余地なしですね

。
主人は致し方ない、と最初から受け入れる気ですし。

それでも、こちらの言い分を伝えながら、
増額を半分にする案を持ち出してはみましたが、
自分でだんだん「いやらしい」人になりそうで、
言いたいだけ言ってバーン

と机たたいて退去するならともかく
言うだけ言って結局相手の言いなりになるのでは
非常にバツが悪いので、
話し合いはさっさと終わらせて、貸主の要望を受け入れ
再契約となりました。

「契約期間満了をもって必ず契約が終了する」定期借家契約は
あえてそれをメリットにできる、建て替え前提の建物や
シェアハウスの賃貸などは別にして、
普通の入居者にはどうも不安なものです。
そこで、一定の条件のもとで再契約を保証する
「再契約保証型」定期借家契約が提唱されてきています。
それでも、条件交渉の不安は残るので、やはり
定期借家契約を結ぶにあたっては、そのあたりのデメリットを
十分にわかったうえでの判断が必要になると思います。

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November 13, 201323:54

解約合意

カテゴリ: 建物賃貸関連; 税金、法律、制度

なんだか急に寒くなってきました。
これから３月まで寒さが続くと思うと気が重い

。。。
寒いのはホント苦手なのです。

今月は、現在関わっているお客様との
業務委託契約（たいてい１年契約ですが、
５年

というものもあります。）の
更新時期が立て続けに到来し、
契約に関わる作業、業務が重なり
このところ結構大変でした。

不動産コンサルティングの報酬は大きくわけて
顧問料的な位置づけのものと
成功報酬的な位置づけのものとがありますが、
前者の場合、契約期間満了前には
事案の進捗を鑑み、業務内容の変更、追加がないか
報酬は継続でよいか等を踏まえ、更新するかどうか
お客様と協議をして、新しい契約書を交わし、
報酬をご請求させていただく、という流れになります。
これが３件重なったのでした・・・。

。

契約書を数回も交わしてきた根気のいる案件もありますし、
終わりが見えないものもありますが、
（結局ただ働きになることもあります）
解決に向けて動いている以上、ソフトであれハードであれ
いつかはランディングします。

そんな中、先週、１年半ほど根気強く話し合いをしてきた案件が
ようやくまとまり、解約の合意書を無事交わすことができました。
読み合わせて、署名いただきハンコつかれた瞬間は、
ふーーーっ

でした。
あとは合意書に基づき完全明け渡しを見届ければ
業務の１段階は完了です。

この案件は、築５０年超の木造住宅に住まわれている方に
耐震性を理由に退去いただくというもので、
オーナーさまと二人三脚で粘り強く交渉をしてきました。
外から見ても基礎にひびが入り、建物が
傾いていますし、２階にあがると廊下が傾いているので
目がまわりそうになるのですが、
（耐震補強をしてしのぐより建て替えたほうがよいことは
調べるまでもなく明らかですが）それでも
入居者さんはまだ十分住めると言い張り、
長年住み慣れた場所を離れたくないと言われます。
現に３.１１の際も問題なかった、と。
気持ちはよくわかります。

しかし一方では、地震や台風のたびに怖い、とも
言われるのです。それはおそらく本音であり、
年齢的にも、できればもっと状態のいい建物に移りたいという
思いも持ちながら、長年住んできた家を
ちょっとやそっとでは明け渡さないぞ、という執念の
ようなものも感じました。
ただ、そうであれば話し合いによる解決の余地は
十分あると確信しました。
もちろん、それでも「出ていけ」というなら
いくらいくらを用立ててもらわないと・・・、という話です。
耐震性が問題である場合、
頭が痛いのは工作物責任を問われるオーナー様のほうで、
決して無下に「出ていけ」ということではないのですが、
結果としてはそういうことになり、立退き料についても
一般的な範疇の金額であればもっともな話なのですが、
それが・・・。

しかも「追い出す」のではない以上、このような交渉では、
転居先をこちらで見つけなければ話が進みません。
長年賃料の値上げをしていなかったため、
通常ではありえない安い賃料で貸されていて、
同じエリアで同じくらいの広さで同じくらいの家賃の物件を
見つけるのは至難の業で

、
それでも色々動きましたヨ。
（適正賃料に合わせる努力を怠った貸主側のツケはこういう
ところにまわってきます。適正賃料に合わせるための
建物の維持管理は手を抜いてはいけないのです。
借主の「借り得分」は立退き料を吊り上げる結果になります。）
他の事案で偶然浮上したワケありで売却希望の物件を
うまく結び付けられないか、スキームを散々考えた末、
気がむかない入居者さんを連れ出して
見ていただいたのですが、気に入ってもらえず・・・

、
なんてこともありました。

春先にＵＲの建物の耐震性不足が借地借家法での
正当事由にあたるという判決がでて、
貸主側が勝訴し注目されましたが、
まだ一審ですし、だからといって実際問題、耐震性を理由に
入居者に退去を強制することはこのように現実難しいです。
個々の事案毎の事情、背景もあるため、これからも
深刻な問題であることに変わりありません。

で、この案件の顛末は、転居先が見つかり、
立退き料も合意し、合意による解約に至ったのです。
（本当はそのプロセスを書ければいいのですが。）
一つ言えるのは、１年以上の話し合いの間に、入居者さんの
考えが少しずつ変わっていき、最後は観念されたようにも
見えましたが、転居先の話が流れないうちに、話を
まとめたほうが得策と思われたのかもしれません。
心の中まではわかりませんが。

しかし、今どう思われようとも、
（少なくとも今より）安心して暮らせる新しい家に
転居できることになったことは、これでよかったと
あとからきっと感じてもらえることでしょう。

で、これは前段で、空き家になったこの建物を
売却するのがこの案件のゴール。
そう、これは借地権物件なのです。

とにかく、なぜか借地権がらみの仕事が多いです。

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October 27, 201323:38

時限管理がやはりネックな定期借家契約

カテゴリ: 建物賃貸関連

エイシンフラッシュは、やはり強かったけど
完敗でした

。
今日の天皇賞の話。
（ダービー以来応援しているお馬です）

さて、入社まもない頃の懐かしい話ですが、
神奈川県のとある新築の建物の
契約業務を担当させていただくことになり、
店舗と５年間の定期借家契約を締結しました。

なぜ定期だったかというと、
ある程度まとまった額のこのテナントの賃料を、
返済原資として安定させたいという
オーナー側の金融機関の思惑があって、
少し長めの定期にとの要請があったらしいのです。

担当を任された私にとって初めての
定期借家契約でしたので、
気合が入り

、
かなり時間をかけて、いまいち定期借家を
わかっていないと思われた契約の両当事者に
じっくり説明し、契約は滞りなく終了しました。

で、問題はそのあと。
オーナー様は建物を自主管理される
とのことだったので、
定期借家契約は、契約終了前の一定期間
（*契約満了日の１年から６か月前まで）に、
貸主から借主へ書面による通知が必要であり、
自主管理される以上、時限管理して、
必ず忘れないようにしてくださいね、
更新はなくて、再契約ですよ、
と念を押しました。

そしてあれからあっというまに５年程がたち・・・、
なんとなくこの件はずっと頭にひっかかっていましたが、
ふと確認してみると契約満了の６か月前を切っています

。
無事に通知したのだろうか。

「１年から６か月前の通知」を忘れたら
法律上どうなるかというと、
気づいて通知してから６か月後に期間が満了する
ことになるので、厳密にいうと、この時点で、原契約の
期間満了日より期間が延長していることになります。
そんな対応わかるだろうか。
心配なら連絡してあげたら親切なのに、と
思われるかもしれませんが、それはちょっと違いますし、
正直、自分からわざわざ
関わりたいものではありません。（そういうケース、あるんです）

そんな折、ナント当該テナントさんから電話が。
（御社に連絡するのは違うと思うが、と断わりの上で）
確か契約の時に、契約満了前の通知のことを
言われたと思うが、通知がない、終了が近付いてきた。
こちらは継続したいのに、急に終わりと言われても
困るが大丈夫だろうか、と。

やっぱり通知してないかぁ。

弊社は以来全くかかわっていないので、オーナーに確認し
当事者同士で決めるべきものであること、
オーナー側の不手際であり、法律上、今の時点では
原契約どおりの期限で完了ということには
ならないことなどを伝えました。

と、しばらくしてまた電話が。
「オーナーに聞いたら、、ＨＡＣさん（弊社）が手続きを
やってくれてるはず、と言っている」と。
はぁ？

なんとまあちゃっかりオーナー様。
なんの契約関係もないのに、弊社が時限管理を
していると思われていたのでしょうか。

しょうがなくオーナー様に確認したところ、
まったく事態を認識されておらず、
再契約の意思はあるそうなので、
今から通知を出して半年後に期間満了である旨と
再契約の意思確認をすればよいので、
私のほうで代行してもよいが、この際、管理も含めて
地元の不動産業者に頼まれたらどうですか？と言って
みたところ、そのようにしたい、とのことでした。

やれやれ

と思っていたある日、
今度はそのオーナー様から依頼を受けたという
不動産業者を名乗る方から電話がかかってきて、
定期借家契約は携わったことがなく、
御社の契約書のひな形をデータでいただけないですよね～、と
言われるのです。
これはさすがに丁寧にお断りしましたヨ。
全日や全宅のＨＰからひな形手に入りますから。

その後どうなったでしょうか。

私の予想ですが、新たな普通借家契約書を
作成して契約を取り交わされたような気がします。
言ってしまえば、（極端な言い方ですが）
当事者同士がそれで異義なければ、
それが通ってしまうのが実務の世界です。
「定期借家の終了対抗要件」が法的にどうか、なんて
ぶっ飛ぶのです。（争いにさえならなければ）

定期借家契約はこの時限管理があるから、
まだまだ不動産業者から敬遠されるんだよなー

、
と思いつつ、自宅のポストを開けると・・・、
建物オーナーである不動産会社から
封印されたＡ４の封筒がはいっていました。ムム。
日常のお知らせなら、封してませんから。
来たーーーーー

。
そうそう確かに１年前から６か月前だわ。

今度は自分が借家人の立場です。

この続きは明日以降。

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October 18, 201316:20

賃貸リフォーム補助金

カテゴリ: 建物賃貸関連; 税金、法律、制度

急に寒くなって、着るものに困る。
先週の流れでは、まだ夏服＋αで行きたいところでしたが、
だんだん苦しくなってきました。

さて、前々回の続きです。
ぎゃーー

状態で放置された空室を
抱えたアパートをどうするか。

しかし、それよりなによりこの案件のネックは・・・。

今回の建物は位置指定道路に面した
奥まったところにありますが、
手前の建物がごみ屋敷

になっているのです。
ストリートビューでみたところ？？？？

でしたが、
実際に現地を見てさらにびっくり。輪をかけた状態。
普通の感覚でこの状態を放置できるはずが
ありません。それを放置しているのは・・・、
これまでの経験から、理由は３つほどしかありません

。
（ここには書かないですけどね）

現状維持か建て替えか、その検討よりなにより
まずはこの問題の解決が先決です。このままでは
当該建物をピカピカにしたところで、資産価値半減、
内覧希望者のドン引き間違いなし

。
アパート以外に活用するとしても、結局同じことですね。

で、解決と言っても、片付けてくださいとストレートに
言って済む問題では到底ないので、
根本的な解決が必要です。
そのためのメニューをいくつか用意して、
あとは実行のみ。

と、いうことでその作戦会議をすることに
なっていたのですが・・・、その前に、
ご家族で結論を出されてしまって、
ごみ屋敷問題には目をつむって、
一番こじんまりした方法でいくことにした、
とのことなのです。
つまり、現空室のリフォームをしてまた貸す、と。
問題先送りになりますが、
前回書いたように、本人の年齢、家族構成、
その他の財産、借り入れ残高等、個々の
事情は異なるので、選択肢を示した上での
当事者の決断を尊重しないわけにはいきません。
で、私の関与はここまで。

リフォームしても、ほんとに入居付できるのか？
ずっと頭にひっかかっていた時に、ふと
「民間住宅活用型住宅セーフティネット整備推進事業」
という長ったらしい名前と、空き家アパートにリフォーム補助金

という文字が目に飛び込んできました。

簡単にいうと、民間に国が補助金を出すから公営住宅の
補完をしてください、というものです。
つまり募集から３か月空室になっているアパートを
リフォームして（１戸２５㎡以上でバストイレを要するものが対象）、
「住宅確保要配慮者」に賃貸するなら、
リフォーム代の１／３（上限１００万円）を国が補てんすると
いうものです。東京都ではさらに（条件付きで）都の上乗せがあり、
リフォーム代の２／３（上限２００万円）まで補てん！
部屋の中だけでなく、屋根や外壁の工事だってＯＫ。
（耐震改修、バリアフリー改修、省エネ改修のどれか１つは必須）
その代り「高齢者世帯等の入居を拒まない民間住宅」として
ネットに載り、１０年間要配慮者の入居を拒めない、という
ことですが、本当に入居つくかな、と悩ましい今回の
案件にはちょうどいい話のようにも思います。
それで建て替えの踏ん切りがつく築年数までほそぼそと貸す、と。

もちろん、要配慮者だって選ぶ権利はあるでしょうが、
リフォームすれば、建物は時代遅れでも、設備は
そろっているし生活は確保できる。
ごみ屋敷さえ我慢すれば

、
そもそも耐震補強をしてない旧耐震アパートと違って
安全（平成築）だし。

２０１３年度の募集期日は12月末とのこと。
さっそく例の友人の銀行支店長さんには促してみましたが、
かなり使える話に思います。　

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October 08, 201311:04

現状維持か建て替えか

カテゴリ: 建物賃貸関連

休暇から戻って、怒涛の一週間があっという間に
過ぎました。Back to realityです

。
長期休暇、といっても土日祝日をいれてなので、
実質は会社を４日休んだということになりますが、
これは長い？
改めて、恐縮するほどでもなさそうですね。

さて、銀行の支店長をしている友人から
相談がありました。
お客様が平成の最初に建てたアパート（都下）の空室が目立ち、
どうしたものか、という、よくある話です。
銀行からの持込み話は心強い。提案をするにも
どぎまぎしながらいくつも融資をあたる、という作業が不要なので
道筋さえたてられれば、即実行に運べる公算大だからです。

（念のため申し添えますが、銀行が進んでお金を貸したい！と
思えるような案件であれば、お客様が弊社にたどりつく前に
解決しているものです。）

で、その支店長さんと一緒にオーナー様を訪問。
結論がでないままアパートは放置されているので、
退去した部屋は原状回復せずそのままで、募集をしておらず、
その極めつけが、あるお部屋。入居者に事情があり、
ひどい状態のまま退去されてしまったそうで、
（管理会社を入れておらず、引き渡しの際、
お金がないと押し切られた）
室内の状態を見たオーナー様のショックは相当で、
これをリフォームするくらいなら、これを機会に
いっそ建て替えてはどうか、と考えるも
判断がつかないということなのです。
年齢的なこと、家族構成、その他の資産や借入状況等、
アパート単体でなく総合的な判断が必要です。

で、まずは現調。
駅からの距離や近隣チェック。
道路付、建物の全体の状態を見て、
預かった鍵で例の部屋に入ったのですが・・・
ぎゃーーーー

。
玄関ドアの明りとりからの光だけがたよりでしたが、
なにかでそう

。一人には怖すぎる。
20130918_145009

平成築ですよ。
入居者の故意過失以外なにものでもないので、
個人に対して今からでもできる手立てをとるとして、
典型的な平成の最初のアパートらしく、
明らかに時代遅れの２点セットと一口コンロ。
建物自体は築２０数年ですから、
建て替えに踏ん切るには少し早いけれど、
立地を考えても、
新たに募集するには、バスもトイレもキッチンも
総とっかえしないと入居付が厳しいと予想されます。

現状維持か建て替えか。
現状維持の場合は、リフォーム費用をかける上、
新たな賃料設定、残り半分の入居者が
退去した後の対応等、先まで問題は残ります。
現入居者が自然に退去するまで、現空室は
簡易なリフォームをして定期借家契約で安く貸す、という
方法もなくはありません。
しかしなにかと気苦労が続きそうです。
ご相談者様の年齢的にも。
一方、建て替えの場合は建築費用のことはもちろん、
現入居者の立ち退き対応が必要になります。
予定される費用を算出して数値で比較検討できる部分と
それ以外の要素との総合判断です。
そもそも将来に向けて新たに建てるものがアパート、
これが最有効活用か？という根本的な検討も必要になりそうですし。

しかしなによりこの案件のネックは他にありました

。

続きは明日以降。

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June 28, 201318:22

企業が撤退する「寮」の行く末

カテゴリ: 建物賃貸関連

日差しは強くても、カラッとしていて、朝晩は涼しい。
気持ちいいですね～

。
夏がずっとこんな感じだったら熱中症も少ないと思いますが、
やっぱり夏は、汗だくになって、言ってもしょうがないけどアヂーー

と言うのが結構好きかも。

前回の続き、企業が撤退することになった寮の話です。

今回のケースは、テナントのペナルティーにあたるわけでもなく、
でも借り入れの残債が半分もある状況。
結局、空になる「寮」仕様の建物をどうするか、
建物オーナー自身で考えるしかありません。

選択肢としては、
①社員寮として借り上げる企業を必死に探す
②仕様変更を極力抑えて、寮以外での借り手を探す
③大規模改修をして仕様を変更する
④思い切って建替える

費用は①＜②＜③＜④でかかりますが、
①は今日日かなり厳しいですね。まず見つかりそうにありません。
資金がふんだんにあれば、③も④も可能でしょう。
築年数が経過していればなおさらですが、
相続対策で、あえて債務を残しておきたいケースも
あるでしょうから、収支があう計画で金融機関がＯＫであれば、
④もありでしょう。
（ただ、現実問題、「建設費を惜しみなく使った建物

」を
２０年では建替えないですよね。）
寮の個室部分には水回りが一切ないので、
たとえば二部屋を合体させて、トイレ、洗面、キッチン、ユニットバスを
新たに取り付けるような③の大規模改修をすれば、
単体で貸せるようになるかもしれません。建替えより現実的ですが、
なんだか中途半端なわりには相当な改修費用がかかります。

しかし、今回のケースでは、建築費のほぼ全額を借り入れており、
２０年たっても、残債が約半分。
金融機関が積極的に新たな融資をするはずありません。
でもなんとかしなければならないので、
限られた予算の範囲で、②を選択するしかなく、
知恵と工夫が必要になります。

そんなときの救世主になっているのが「シェアハウス」です。
現に、大規模なシェアハウスを運営している大手事業者は
寮だった建物を狙いうちして活用しているケースが多いです。
寮の形態がバッチリそのまま活かせるからです。
「脱法ハウス」のように、本来居室の要件を満たしていないものを
勝手にシェアハウスにしているようなケースが最近取り沙汰されていますが、
寮からの変更であれば、同じ「寄宿舎」なので、
法律上なんの問題もありません。

しかし、シェアハウスも利便性が大切。今回のケースは
車通勤を前提とした（駐車場完備！）立地なので

、
シェアハウス運営事業者として飛びつく物件ではなさそうです。

その検討があったのかはわかりませんが、結局のところ今回、
老人ホームとしての改修案が浮上し、ある介護事業者に
話が持ち込まれ、その事業者から弊社ビルダーに工事の相談があったのです。
（前置きが大変長くなりましたが

、弊社が登場するのはここから。）
多少むりくり感がありますが、着眼点としては悪くないですよね。

このところ弊社も、サ高住、デイサービス、住宅型有料老人ホーム、
グループホームと設計提案が続いており、研究を重ねているので
このような依頼は来るべくしてきたって感じです。
予算内で、運営事業者の採算が取れる部屋数、必要設備を設置できるか、
かなりチャレンジングですが、やれるだけやってみるしかありません。

それにしても、「相続対策」として、バブルの頃、借り入れをして
やたらに建物を建てたアレは、一体なんだったのでしょう。
木造の場合などは、とうに完済しても本人はぴんぴんしていて、
これから保有に手がかかる建物が残る・・・。で、また借入して建替える。
今回のケースも、今振り返ると、寮を建てる必要はあったのか。
建設会社と金融機関がおいしい仕事をしただけでは・・・、
とふと思ってしまいます。

さて、会社のカレンダーをめくって、と。一年も折り返しですね～～。
今日はこれから山梨です。

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December 05, 201216:12

小手ビルダーの現実問題と８年物の空家

カテゴリ: 建物賃貸関連; 土地活用・建物再生

先週の大安、弊社ビルダーは地鎮祭のダブルヘッダーでした。
午前と午後。ちなみにその一週間前も。
地鎮祭続きは、おめでたく、有り難い話です。
今回はどちらも個人所有のアパートですが、規模的に
建築に３～４ヶ月かかりますので、
異動の時期に間に合う入居者募集をするには、
この時期の着工でぎりぎりです。
しかし、皆が皆１～３月竣工を目指しては、
この時期、アパートのビルダーは多くの現場を同時に抱え、
そして４月以降はヒマになってしまう

、ということになります。
年間を通じて平均的に受注するには、閑散期に如何に現場を
作るかが課題で、そのためには、やはり一括借り上げ（サブリース）
の活用は大きいと実感します。

弊社は元々一括借り上げには消極的です。
一番収益力のある新築時に、
オーナー様に賃料を満額受け取ってほしいと思うからです。
また、一括借り上げありきで提案する建築会社の
建築単価は相対的に高い。借り上げの空室リスクを
建築費で吸収する、両者はセットになっていますからね。
でも、将来的な空室が不安だから・・・、
そのための借り上げ、と考える方も必ずいらっしゃり、
その考えを否定する理由はありませんが、
将来的な賃料保証と勘違いされているケースもあり・・・、
そして、サブリースは損か得かという、
答えがない永遠のテーマが繰り返されます。

弊社の根本の考えは変わりませんが、営業で、
「何月に竣工しても、一括借り上げですから収入は確約されますよ」
といえる体制かどうかは大きい。
それなら、お客様はどのタイミングでも発注できますので、
会社としても、秋着工、年明け引き渡しに
偏ってしまうこともなくなるのです。
であれば、建築とは切り離し、必要に応じて
借り上げ専門の業者をかませるのが理想で、
今後そのスキームを構築していく必要があると思います。
現にその第一弾の試みは始まっています。
テレビや新聞で大規模に広告を打たれているような
大手さんとはまったく違う、
小手のビルダーの現実問題です。

さて、私はその地鎮祭には参加せず、
午前中の現場から目と鼻の先にある、
長年放置された建物の中の残置物整理に参加していました。
あとからうがいどころか、鼻の穴も洗わなければいられないような

現場はこれまでたくさん見てきていますが、
今回は少々特殊で、色々な事情で少なくとも８年間、
前入居者が鍵をかけて外出したきり、
そのままの状態で放置されていたものです。
弊社が持ち分の１／２を買い取ったので、
中の状態を確認するために、（しかしながら、譲渡人は鍵を
持っておらず、中に入れなかったので）
弊社で鍵を壊し、
（正確には、ガラスを割って錠を開けて中に入り、内側からドアをあけて）
立ち入りました。
雨漏りをしていて、壁が一部腐っているのが
外から見えますので、修繕工事が必須であり、
これは「保存行為」にあたるので、それが共有物の場合、
各共有者ができる（民法２５２条）
とされているので、それに基づく対応です。

カビだらけで、虫がわいていたりするのだろうなぁ～と
想像していましたが、開けてみてびっくり

。
つい先ほどまで住んでいたような感じです。
なんというか、持つ物持たず夜逃げしたあとのような。
中の写真をアップできないのは残念ですが、
カビも虫も蜘蛛の巣も特別な埃もなし

。
摩訶不思議です。
日当たりがよく適度に通風もあったからでしょうか。

膨大な残置物をどう処理し、共有者とどう話をつけ、
この建物を活用するか、その検討が社内で続いています

。
大体シナリオはできましたけどね。

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