酒井恵理子のワンストップコンサルティング☆ : 農地関連

農地関連

February 06, 201713:01

生産緑地解除と相続税の納税猶予

カテゴリ: 相続; 農地関連

このところ、生産緑地がらみの案件が
同時多発。
解除に関して、行政によってもかなり温度差がある
ことは日頃実感しています。

みんなが等しくわかりにくっ

と思っていると思う
タイトルのテーマについて整理してみたいと思います。

生産緑地の解除（買取の申し出）条件の１つに、
指定から３０年経過したとき、というのがありますが、
指定以来、世の中で初めて３０年を迎える２０２２年
（この年については、いつ話にでても必ず、
あと何年でしたっけ？みたいにあいまいですが、
東京オリンピックの２年後と
言われている方がいて、これならもう忘れないですね）
に向けて、立地のよい農地だったりすると、
日頃不動産に直接関わっていない人からも
結構鼻息の荒さを感じます。

解除できれば（一定のプロセスを経て）
土地が自由に使えるようになりますが、
忘れてならないのが、「相続税の納税猶予」。
土地に、相続を原因とする財務省の抵当権が設定されていたら
（その相続人＝現当事者が）営農を条件に相続税の納税猶予を
受けているケース。通常その額も尋常ではありません。
生産緑地を解除すると、その猶予されていた
相続税が利子税と共に一気に実現。
となると、せっかく自由にできるようになった
土地を売却して相続税を支払う、ということになりかねません。

そのことを理解していないと、いざとなったときに
かなり慌てることになります。

それとは別に、現在直面している悩ましいケースが、
営農をして人生を全うした場合、その方が背負ってきた
先代の納税猶予は晴れて免除
となっても、
その方の相続税が新たに発生
するということ。（これは農地関係なく普通の土地として）
その相続人が「終生農業を続ける前提で」
また納税猶予を選択すれば、その時点での相続税の支払いは発生
しませんが、「農業を続けない場合」（後継者がいない場合）
生産緑地維持の選択肢はありませんから、必然的に解除となり
そこで結局相続税が発生する。
営農してきた当事者が亡くなった時点で
生産緑地は解除できる（こと自体が朗報だった）としても、
後継者がいなければ結局相続税問題を
避けて通れません。
そのために、どの土地を売って、どれを残すか
前もってしっかりと計画をたてなければなりません。
一足飛びに土地活用の検討ができるものではない、
ということなんです。

ケースごとに状況が異なるので、
生産緑地解除、を一口には到底語れませんね。

、
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May 21, 201518:22

相続税の納税猶予を受けたとして、将来・・・。

カテゴリ: 相続; 農地関連

会社支給のガラケーが先月ナントなんとiＰhone6に変わり、
期せずしてiＰhoneデビューという展開になりました

。
どうも慣れない。スマホ＋ガラケーがちょうどよかったのに、
ダブルスマホとなってしまった。（私用はgalaｘy）

さて、「農地の相続」は相続に関わる仕事をする者にとって
奥が深いテーマの一つです。
実にややこしい。
生産緑地、市街化区域内の生産緑地以外の農地、
市街化調整区域の農地とあって、
生産緑地解除と納税猶予は別物なのにどうもこんがらがるし。。。

これまで、代々農家の大地主さんがお持ちの土地に
提案を手がけたことは幾度となくありますが、現地に赴くと、
８０代のおじいちゃんが元気に農作業していたり、
軽トラを運転していたり、という光景をよく見てきました。
本当にお達者

。農作業を続けることは生きがいなのでしょう。

ただ、実際問題、「納税猶予」は、その次の世代に関係する
話です。
一般的には納税猶予を受けられる対象の
農地をお持ちの場合、それを、農業を継ぐ子供に
相続させて、（相続した子供は）とりあえず猶予を受けておく
という感覚があるかもしれません。
当座（当該農地に対してかかるべく）相続税は
かからないわけですから、相続税を試算して
事前対策を考える税理士の方も、当然猶予を受けた
前提で計算していることが多いかと思います。
しかも、いずれ免除になるわけですから。
しかしその「いずれ」というのがいつか。

私がかつて勉強したときは、市街化調整区域の農地は
相続した者が２０年農業を続ければ、免除とされていました。
（生産緑地は営農）
相続が発生したとき５０代の息子ががんばって２０年農業を
続ければ、税金は免除。これならなんとか現実的です。

しかし、今、生産緑地も市街化調整区域農地も
納税猶予を選んだ場合、相続人が終身継続して農業を行う、
ということが免除の条件になっています。
本当に自分の子供が死ぬまで農業するのか。
孫は手伝えるのか。
広い畑を手入れするのはいくら好きでも大変だと聞きます。
しかも農地が点在していたりすると、移動も大変。
トラックがあるといっても、やっぱり積み下ろしなど
高齢になれば大変な作業だと思います。
農業を実際に知らない者には想像ができない世界。
相続した子供もその次の世代も生涯農業をすると
決めていれば、迷わず納税猶予でよいですが、
そのあたりの計画なく、当座の相続税回避のために
納税猶予の適用を受けてしまうと、
農業に縛られることになり、途中で力尽きて耕作放棄した場合、
（貸付をすれば猶予は継続される）
猶予されていた相続税に利子税までやってくる・・・。
でも、そんなことに直面するのは、（相続人の年齢にも
よりますが）２０年、３０年先

なのです。

であれば、
相続のタイミングで生産緑地の解除をするなり（税金を払う）
納税猶予の適用を受けず税金を払い、
売るなり、別の形で活かすという検討もありかと思います。
そんなプランニングもセットになるはずですが、あまりそこまでの
検討は聞いたことがないんですよね。
プランニングできる我々のような立場の者がもっと
声に出していったほうがいいのでしょうか。
当座の相続税のことを考えたら余計なお世話ですかねー

。

農地は実に奥が深いです。

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October 16, 201213:07

神社本庁統理の承認

カテゴリ: 税金、法律、制度; 農地関連

今携わっている仕事のほとんどが借地がらみですが、
唯一からんでないのが、土地（所有権同士）の交換の仕事です。
交換することで無道路地を解消する案件です。
コンサルティングの仕事の延長で、
仲介業者ではなく立会人という立場で関わっております。

ちなみに、土地の評価が㎡あたり５０円

の世界。
世の中には㎡あたり２千万円台の土地もありますが、
土地は土地です。
無道路地の所有者が神社さんなので、
宗教法人との初めての取引です。
（言うまでもなく借地・貸地での関わりは多々ありますが）

交換対象の一方が農地だったので、農転手続きを終わらせ、
（停止条件付きで先に契約をしてもよかったのですが、
契約と引き渡しをあける理由が特にない案件なので、
農転許可が下りるのを待ってからの同日決済とすることにしたのでした。）
知事の許可がようやくおりて、いよいよ契約・引き渡しに進むはずが・・・、
司法書士の方から電話があり、登記事項に、
「境内建物、境内地の処分等に関する定め」として、
「役員会の議決を経て（中略）神社本庁統理の承認を受ける」
とあるんですけど・・・承認受けたんですか？

・・・寝耳に水の話です。

処分って言われても、交換して移転するだけなので、
なくなるわけでもないし、等価交換なのでお金が
動くわけでもないし、処分に当たらないはずです！！
先生のほうからそれを法務局に言ってみてくださいよ

、
相手の都合でしかたなく話にのった結果と言って
もらってもいいし・・・、
とかなり強引なへ理屈を言ってみたのですが、
まあ一応法務局に確認しますけど・・・、と
言ってもらえたものの・・・、やはり現にある土地の
所有権がなくなるので、処分にあたるのだそうです。
イマイチ納得してないですが。

神社本庁というものの存在をよく知らないですし、
にわかにネットで調べたところ、
なにやらとにかくスケールの大きい話なのです。
（手続きはすべて神社さんでするので、こちらは
ノータッチですが）
実は神社の中のことだってよくはわかっていません。
登記は登記として、そもそも契約を成立させなければならないので、
神社の代表役員の方と話したところ、承認は必須で、
（それでも、処分に当たらないのではないか、とは言って
みましたけど、当たる、とのことなのです。）
それを見落としていたことについてお詫びをいただきましたが、
なんでも、全国から承認の申請がくるので、（事務所は
明治神宮付近とのこと）２年くらいかかるケースもある、とのこと。

マジ、っすか

。この案件はいつになれば契約にたどりつくのか。
では停止条件いれて、とりあえず契約だけでもしておきますか、
ということにして、契約書の訂正する部分のやりとりをしていると、
（今年の）11月中には承認が下りるようです、との
情報が入ったので、では当初決めたとおりシンプルな契約書で
同日決済で行きましょうとなりました。
いよいよまもなくです。

こんなのんびり案件もあります。

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March 16, 201212:49

一難去ってまた・・・。

カテゴリ: 農地関連; 日々の仕事

なんだかんだで軽く３週間ブログを
放置しておりました。
季節は移ろい・・・、とはいうものの
相変わらず寒い毎日ですね。

コンサルティング業務は、無料相談を経て
業務委託契約という形をとって、
仕事に取りかかりますが、
（ありがたいことに）今月更に契約が二つ増え、
一方で既契約案件は継続しているので、
（まもなく４年目に突入するものもありますし）
結局手持ちの案件が膨らむ一方です。
ただ、３月末で引き渡しして完了という
案件もあるので、無事履行できるよう
綿密に打ちあわせを行っており、
なんとか一つ手離れができそうです

。

そんなことで、お客様のメールも、
即座に返信できることはあまりなく、
（急を要する場合はもちろん別ですが）
適度な間を勘弁いただきつつ、万遍なく対応しているつもり
ですが、お客様はブログをみてくださっている方も多く、
ブログ更新する時間があったら返信しろよ～と
突っ込まれそう

で、
そんなことを気にしつつの更新です。

そんな中、先日は、農転５条許可申請（今回は
畑を畑以外の用途にする目的で所有権を移転するための申請）で、
こちらは譲り渡し人（の代理）として、
譲り受け人である宗教法人と打ちあわせ、書類を万端揃えて
農業委員会に提出しに行く予定にしていた日の二日前、
法人の代表者が突然亡くなったという電話がありました。
（農業委員会の申請締め切りは基本月１回、
それを逃すとまた１ヶ月後になります。）
ここまで来たのだから、そしらぬ顔をして
提出することはできないものか、と尋ねられ、
そしらぬ顔はできないけれど、事情を話してなんとか
泣きつくだけ泣きついてみようと、翌日農業委員会に電話しました。

結果は想像どおり、「ムリ」との回答。
たとえば、本当に（代表の死亡を）私が知らなくて
そのまま提出してしまっていたらどうなっていたのか、
法人だから相続もなく、存続しているものなので、
（登記はまだですが、新代表は決まっているし）
書類は後付けではダメなのか、など食い下がりましたが、
農業委員会で受け付けたとしても、その後の市の審査が
重箱の隅をつつく細かさで、
その際に必ず判明し、はじかれるから、ということで、
農業委員会ではどうにもできないとのことでした。

市街化農地の場合は「届け出」ですが、
今回のような市街化調整区域では、
基本的には、農地を農地として残すことを推奨しており、
一定の要件を完全に満たしたら（しぶしぶ）転用を許可する
というスタンスなので、なにかマイナス要素があれば、
これ見よがしに却下される、という説明はたしかに理解できます。

そういうことで、まずは代表の変更の登記を大急ぎでやって頂き、
通帳の名義変更など終えてから改めて申請、ということになりまして、
本来次へ進めたはずの業務がまた一つペンディングとなりました。
この案件は明治時代の抵当権がようやく外れて、はれて申請が可能に
なったという曰く付きの土地ですが、なかなか進みませんねぇ。
（タイトルの一難ってほどの話ではありませんけど。）

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December 09, 201100:15

土地整理の仕事の進捗

カテゴリ: 日々の仕事; 農地関連

先日、久しぶりに千葉まで足を運びました。
土地整理の業務委託をいただいて、3年越しの
案件の対応です。

まずは、市に売却する用地に関する売買契約に
ついて、お客様宅で市の職員の方と打ち合わせでした。
市と交渉し、話は2年前にまとまっていますが、
予算の関係で、ここまで待ちに待ちました。
境界確認に立ち合ったのが昨年夏。
ようやく予算がつき、鑑定結果の買い取り金額が
決まったので、その契約内容の確認でした。
（決まっているとのことなので、金額交渉の余地なし。）
先週、民民の売買契約を締結したばかりなので、
それに比べると、実に実にシンプル。
契約締結の時点で所有権が買い主に移転する条項など、
完全に買い主（行政）主導です。
お客様が異議無しとのことなので、これでこの土地の整理は
来年頭にはようやくクローズです。
３０年近く放置していた土地が公園用地になります。

次に向かったのが、神社さん。
昨年土地を交換することで話がまとまり、
そのための準備に双方かかったのですが、
こちらが売却する土地に
明治時代の抵当権がついたままだったので、
それをまず抹消しないと農転ができない、
農転ができないと売買（交換）ができない、ため、
抵当権抹消が済んだら、話し合いを再開しましょうと
していて、それからナント1年

。
抵当権抹消を司法書士に丸投げしていたのが敗因でした。
これはまた別の機会に書きたいと思いますが、
（それだけ、古い抵当権を抹消するのは大変

）
司法書士がお手上げになり、そのあと、再度方法を考え、
別の司法書士に依頼し、
そしてようやく、抹消の申請ができる段階にこぎつけたため、
神社さんにその状況を報告し、
これからの手順を打ち合わせました。

「あの土地だけどサ、○○さんがなにか植え始めてたよ。」
そう言われて、あわてて現地へ直行。
○○さんは小作人さんです。（農業委員会で把握している
正式な小作人ではないですが、）
みると、わざわざ杭を打って区切っている中にも、
きれいに葉物が植えられています。
偶然その小作人さんが農作業中だったので、
声をかけました。（すでに面識があります。）
「話は聞いてたけど、なんだか全然動きがないんで、
土地がもったいないから、それまで使ってたんだ

。」とおっしゃいます。
まったく悪びれることなく。
もちろん、撤収することは了解頂きましたが。

でも、そう言われても、ずうずうしいと怒るとか、
あきれるという気持ちになりませんでした。
結局、仕事を通じてこのエリアの方々と接して感じたのは、
土地は使ってなんぼ、使ってないなら
土地がかわいそうだから使ってあげよう、純粋にそう思って
いるのだということ。
他人の土地なのですから、
普通に考えたら、ありえないちゃっかりな行動ですけどね。

放置してきた土地を守ってくれてありがとうございました、
と感謝して、年明けに（小作料の精算など）
協議することになりました。

きれいに植えてある作物をみて、
なんだろう、大根かな？？？？　
聞いたら枝豆でした～

。

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