木と山林の話

目先でなく経年を考えて

超久しぶりの投稿になってしまいました。

4年ぶりの・・・、各地の様々なイベントの再開。
身近では、リアル開催の勉強会や交流会、そして
OB会、同窓会的なプライベートの集まりもにわかに再開、
何より海外オーケストラの来日がぞくぞくと。
7月以来3つ聴いてきました〜
平日夜、週末と以前の過密なスケジュールが戻ってきました。

私の住む新宿は、今年に入ってから外国人観光客でもんのすごい賑わい。
普通の居酒屋や回転ずしのお店でもお客の半分以上を占めている感じ
4年前のラグビーワールドカップ以来です。
外国人旅行客数がコロナ前の何割に回復した、とか都度数字が発表されていますが、
この肌感覚って重要だと思う。

さて、このところの木造ブームは改めて触れる必要はないほどですが、
最近特に、外から見て木を使っていることがわかることに
主眼が置かれているように思います。
内装に木を使う木質化は極めて一般的になってきましたが、外壁材にも木を使うことも。
特に、天然木をあしらう、なんて、SDG‘S的にもいい響きの試みです。
香りだっていいですよね〜。癒される。

しかし、特性として、天然木は必ず経年で変色します。
シルバーグレー化するんです。
外にさらされた状態で放置していたら顕著に。ある意味経年劣化です。
グレーに変色することこそ「天然木ならではの味」と理解されているなら
いいのですが、そうでないと、なんだかひなびた感じになって、
こんなはずでは、と思われてしまってはなんとも残念。
最初の風合いを維持するためには、定期的に塗装をし直すとか、
手間暇かけなくてはならないのが実際です。
光触媒を使ったメンテナンスフリーのサイディングを使うのとは全く違います。
もちろん、その手間暇も木を使う楽しみの一つ

で、そのメンテナンスですが、脚立で手が届く高さまでなら、まだなんとかなっても、
足場を組まないと届かないような位置まで天然木を施していては、メンテに
手間とお金がかかってしょうがない
木のプロならわかっていることなので、お客様が了解している場合を除き、
こういった提案は極力避けたほうがよさそうです。
縦長ルーバー、見栄えしますけどね。
建物は、とにかく建ててからが長いのです。

でも、どうしても見た目を木にしたい、なら一部人工木を使う
これはとても理にかなっていると思います。
私も当初は人工木なんて、なんちゃって木材でしょ、と否定的でしたが、
実に合理的な素材ですし、今は天然木の木粉を〇%使っているというような商品もあります。
うまく使わない手はないです。安くはないのですけど💦。

国が木材利用促進に力を入れていますが、
何がなんでも木造にする必要もなく、天然木をつかう必要もない。
素材の特性やLCC(ライフサイクルコスト* 9/12表記訂正)を考慮し、バランスのとれた選択が
重要ですね。

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脱炭素社会と木

急に寒くなり、近年、
秋をすっ飛ばして冬になっている気がする
「秋服」っていらなくなりましたよね。

先週は進行中の現場の「建て方」を見てきました。
クレーン作業を見るのは1年以上ぶり。
2x4工法なので、工場で製作したパネルを1枚1枚
クレーンで吊って、大工さんがその場で組み立てていく
根気のいる作業ですが、みるみる出来上がっていきます。
パネルがパズルのようにバシッと収まるのを見るのは
実に気持ちいいものです

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さて、このところ、脱炭素社会に向けての、各企業の具体的な
動きが顕著で、GXという言葉もかなり目にするようになりました。
その取り組みや実績が企業の評価を大きく左右する時代です。
脱炭素に「木」は切っても切り離せないので、
かなり前からこの動きには注目していました。

振り返れば、2015年のパリ協定を経て、日本では2019年4月に
政府の有識者懇談会が、「脱炭素社会の実現を目指す」
と提言しています。(手元資料による)
で、安倍元首相の戦略構築を経て、2020年10月、菅前首相が、
2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする
(カーボンニュートラル)宣言をし、それ以降
(安倍政権時は、2050までに80%削減、今世紀後半までに
実質ゼロとしていた)、各企業が具体的に
動きだした、動きをスピードアップしたという流れになると思います。

地球温暖化の原因となっている様々なガスの中でも
CO2の量がずばぬけて多いので、ざっくりCO2削減という表現を使いますが、
例えば、最近興味深かったのは、
住友林業がオーストラリアで木造15階建てオフィスビルを建設
(実際木造は6〜15階部分)というニュース。

日本より建築基準の緩い豪州でまずは試して、
将来的には日本でも、という試みとのこと。報道によると
脱炭素社会の実現のためで、建物全体をRC造で建設した場合と
建設時のCO2排出量が4割減
の効果があるとの試算だそう。

Co2の量は実際に測定するわけではなく、決められた計算式により
算出するもので、どこまでを含んでいるかその計算の根拠を見ないと
なんとも数字のマジック的な要素があるのですが、
建築の材料である鉄やコンクリートは「製造」されるもので、
その際に大量のCo2が大気に排出されることは事実であり、
空気中のCo2を吸収しO2(酸素)を排出、製材されてもCを貯留する性質を
もつ「木」とは明らかに違うのです。
(このテーマは論文が書けるほど深いものですが。)
木造にこだわっている我々もその一端を

でも木が高齢化すると、Co2を吸収する力が少なくなっていくので、
木を適切な時期に伐採し、新たに植えて、切った木を使わなければならない。
このサイクルの正常化という課題は、頭でわかっても、
簡単に実現できることではなく、色々構造的な問題も。。。
ただ、より多く「木を使う」という部分は、取り組みやすいので、現在
日本は、欧米に遅れつつも、国が率先して誘引するために、
改正木促法がこの10月から施行となりました。
字のごとく「木材利用を促進する法律」です。
もともと「公共建築物等木材利用促進法」といって、(まず公共建築物から)
率先して木造とし、低層のものは(可能な限り)木造を義務化したものです。
これが、この10月から一般建築物にも適用となったわけです。

思えば、ビルを木造化する、といった取り組みは、ほぼ毎日どこかで
行われているような気がする。それを可能とする法律も技術開発も
整いつつあるのです。

「木造は燃えるし、地震に弱いでしょ」などと言っている人がいるとしたら、
いつの時代の人ですか?と言われますね。


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山林問題。問題意識の共有化はできてもその先は…。

誕生日を迎える9月前半は、ヒグラシ、ツクツクボウシが
切なく晩夏を知らせるのですが、
今年は梅雨明けが遅かったせいか、ズレこんだようで
9月半ばまでミンミンゼミがけたたましくないていた。
ほんのちょっとだけ真夏の余韻を長く感じることができた
でも、もうさすがにないていない。。。

暑くも寒くもないちょうどよい気候は心地いいけど、
ここからまた夏がくればいいのに、、、と本気で思っている。
毎度しつこいようですが、春→夏→秋→夏がいい私。

さて、誕生日月は台風の被害が多い月でもあります。
何年か前の誕生日当日は鬼怒川が氾濫した。
あの歴史に残る伊勢湾台風はちょうど60年前の9月
今年の台風15号。その爪痕は本当に深い。
聞くところによると伊勢湾台風と勢力は変わらなかったとか。

木造建築の歴史を語る上で、ターニングポイントになるのが、
この伊勢湾台風。犠牲者5千人強。このときの被害を教訓に
しばらく木造建築離れ(エリアによっては木造禁止)の時代が続いたのは
紛れもない事実です。
当時の国土強靭化において、木造は個人住宅どまり。
そうして建てられた鉄骨造や鉄筋コンクリート造の大型建物が、
日本の高度成長を支え、今、次々建て替えの時期を迎えていますが、
それに木造が推奨されているという、不思議な一巡が実に興味深いです。
今や、環境・日本の山林保護への意識(アピール?)も相まって、国産材を使った
木造高層化や大型化は競われるように次々と

さて、その台風で今回も倒木が問題になりました。
なぎ倒された木を見ると、樹病で中がスカスカ。
それでは倒れるのは必然です。
でも、所有者が管理していなければ対応もできない。
そんな、管理をしたくてもできない、またはその気もない山林を
所有してしまった個人の方の相談対応を始めて3年。
最近は、顧客から相談を受けたという士業、不動産業者様からの
話もまわってきて、相談数は増える一方。

そのうちの1件は、今回の台風で特に被害が大きかったと
報道されている千葉県の某市。
台風のあと、山の様子はどうか、おそらく誰も見にいっていない模様。
これが現実
今年の初めに相談を受けた山林では、松が木材に使えるか見にいったら
ほとんどがまつくい虫にやられて、松が赤くなっていた。
所有者様は見にいったことがなく、全く知らなかったそう。

地域産材指定という木造が増える中、木材を必要とする事業者は
確実にいるのですが、個人所有の山林においては
マッチングは完全な需要と供給のアンバランス。。。

ここ数年のブログのテーマでもあるけれど、個人所有で
放置されている山をなんとかしなければ、という
問題意識は共有できつつある、これだけでも大きな一歩。
でも、共有化することで盛り上がって、「どうするか」、についてはほとんど答えがない。
それでも、山林を山林のまま活かす、という粋な事業を手掛けている事業者を
最近知って、今実現に向けて動いているのですが、
お金がかかるのです。。。

解決できるのはほんのほんの一握り。

経営管理ができない山林を地方自治体が受託、という制度ができ、
その財源として今後森林環境税も課されます。
仕組みは出来つつあるのはわかる。といっても、
今周りにあまたある、個人所有の山林にまで
行き届くのはいつになるのか。というか、行きつかないのでは。
なので、個人が動いてどうかなる問題ではないとわかりつつ、
小さなマッチング成立に向けて手さぐりを続けていきます。

ふぅ、また重い話になったぁ〜。


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山林という不動産の現実問題

スルガ銀行ネタをずっとさらしたままになっていました
が、まんざら賞味期限切れでもない。
今朝も日経一面を飾っていましたし。不適切融資1兆円!

そこまでしてでも貸したい側、借りたい側の気持ちは
わかる。そうまでして取引された不動産が、将来にわたり順調に
働いてくれて、返済も一切滞りなかったら、結果オーライ、
実に画期的な投資話だったということで、
特に問題にならなかったといえばそうかもしれませんが・・・。
サラリーマン不動産投資のターゲットになった「あれ」は
実質シェアハウスではないですから。そのあたりは前回書いたとおり。
誰も泣かないおいしい投資話なんてあるわけなくて、結果がこれ。。。

さて、話はがらりと変わって・・・。
前にいた会社で、
地上げ(という名の土地をまとめる権利調整)案件に関わるとき、
社長がよく使っていた手法に、
一緒にがんばりましょう」というのがありました
どういうことかというと…
地上げをしたいエリアでタネ地をほしいとき、
いきなりそれを買い取る交渉をしたところで、
まとまる可能性は極めて低い。
買う側はいかに安く買うかが重要だし、
売る側は(まとまって)いくらに化けるかわからないものを
今言い値で売るつもりはさらさらない。
どうやったら少しでも高く売れるかと考える。

だったら、売手・買手の関係になるのでなく、
両者ともに売手となって、共通の利益のためにがんばる、、
つまり、我々が交渉対象の土地の持ち分を買い取り、
当事者になり、買主(デベなどのプロ)との価格交渉を
一緒にがんばって、少しでも高く売りましょう、というものです。
それであれば、地主も乗れる話になります。

最近、そんなことをふと思い出す場面がありました。
ある企業が手放したい森林
その昔、ゴルフ場に化けると踏んで買ったもの。かなりの面積です。
その中には個人所有の山林も点在していたので、
それらも1つ1つ買い取ったらしいのですが、所有者としてみれば、
もしかしたらゴルフ場に化けて高値で売れるかも
しれない山林をその手前でみすみす売るのはシャク。
でも個人で持っていてもどうにもならないし、できればこの話に便乗したい。
そこで、持ち分で買い取った経緯があったらしいのです。

が、いつまで待ってもゴルフ場の話は現実にならず、以来40年ほど放置

そんな折、その山林を手放したい、という話が回ってきました。
調べるとその企業(A社とすると)所有の山林の中には、
共有名義の山林が多数
持ち分個人1/10、A社9/10とか。個人1/2、A社1/2とか。
40年たっているので、その「個人」の部分の権利関係が
一体どうなっているのか・・・・調べる気もおこりません。
(その昔共有の私道が数十年たって、権利者100名ほどになっていたことがあった
当然、その状態で買手が見つかるわけもない。。。 結局そのまま放置

ほとんど知られていませんが、これも現実です。
この権利調整は誰がやるのか。物理的にやれる人はいるかもしれませんが、
費用をもらわなければ仕事ではできない。でも誰が出すのか。

所有者不明土地も大きな社会問題ですが、こんなところにも、
山林保全という命題に潜む、山林という不動産が抱える問題が。


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山林の権利問題

日中は真夏のようでも朝はひんやりさわやか
梅雨入りの前の、夏本番を待つこの季節が本当に好き。
日本ダービー前後の
ブログを始めて14年、毎年必ずそう書いてますよね。

そして気づけば今日で5月も終わり。
またまたしばらくさぼってしまいましたが、
森林整理の現実問題について書いておきたいと思います。

戦後に植林した木が70年ほどの年月を経て
今伐採時期にある、という話は聞いたことあるはず。
木が持つCo2吸収機能も老木になると低下するので、
やはり適切な時期に伐採して、若返りを図らなければならないのです。
なので、どんどん伐採して、木造建築などにバンバン使って、
新たに植林すればいい、とわかっていても、現実は
そう簡単にはいかない、色々な問題があります。
立木自体の価格(安すぎる)問題、人手不足や搬出経路確保の困難、
植林の費用の問題、つまり、相当条件のよいケースを除き、
採算があわない、という根本的な問題なのです。
採算性でない利用目的があれば別ですが、
これはここで熱く語っても、個人や一企業が頑張って解決できる
ことではなく、国が動かなければならない問題です。
(→森林経営管理法が先週成立しました、これについてはまた後日)
しかし、「山林という不動産」の権利調整も現実問題

今、携わっているのは・・・。

先週は、宮城県某所の山林の所有者様を訪ねてきました。
案件は、東京在住のお客様が相続して
放置したままの山林を子供の代に残さないように整理したい、
とのことで業務委託を受けたところから始まります。

場所の特定のために、(地番はわかるので)まずは公図で調べると、
(1−1+1−2) となっています。
お客様の土地が仮に1−1として、「+」って何??
1−1、1−2それぞれ登記されているので、面積、所有者はわかる。
法務局に確かめたら、それぞれ面積はわかっているが
どこからどこまでか不明のまま、なぜか赤の他人の2名が
一緒に所有していることになっている、そこまでしかわからないとのこと。
全体を持ち分で持つ共有とも異なるし、
お互いにエラく迷惑な話のはずだけれど、ずーーーっとその状態で50年近く。

その状態のまま公簿売買はできなくはなさそうですが、
木を伐採したい買手にしてみればわざわざそんなややこしいものを買おうとはしない。
(不動産業者であれば、あえてややこしいものを安く買う、という
こともありますケド)
なので整理するにはその解消は不可避です。
そこで、登記情報から1−2の所有者の住所を調べて(それだけが手がかり)
状況説明と意向伺いの手紙を書いて資料ととともに郵送したものの、音沙汰なし。
(戻ってきていないので、届いたはず)
2か月ほど待って、改めて葉書でお尋ねをしたものの、音沙汰なし。。。
これまでの経験から、手紙作戦は2回目には何らかのリアクションがあるものですが、
そうならず。
結局、今回別件で仙台出張のついでに住所をたどって現地に行ってみることにしました。

で、表札はないけれどそれらしき家を見つけて、ごめんくださーいと叫ぶと、
農作業中の奥様が怪訝そうな顔で出ていらして、事情を話すと
ご主人を携帯で呼び出してくださり、ご主人様軽トラで登場。

私が2回出した手紙をしっかりファイルして保管されていた!
ただ、意味がわからなかった、とのことで放置されていたので
再度丁寧に状況を説明して…、なんなら引き取ってもらってもよいと打診したり
(中略、笑)
「いらない」「半端に持っててもしょうがない」「お宅らにまかせる」「誰もいらないよ」
ということで話はつきました。思い切ってお訪ねしてみて、よかった。

近所ならともかく、遠方こんな調整をして権利関係を紐解く、
というプロセスを踏むだけでも、息切れしてしまいます。
不動産の権利調整はあれこれ経験してきているので、感覚は
同じではありますが、こんな地道な作業をしたところで、
引き受け手が見つかる保証もないのが現実。

現実、といえば、放置、というより人間の業(ごう)を垣間見る
あきれるほど複雑な権利関係となってしまって、
手が付けられない、という山林もあります。

続きは次回以降。


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森林調査☆

誕生日月の9月はあっという間に過ぎ去り、
また一つ無事歳を重ねました
毎年、夏が終わったと観念するのもこの頃、と
書くまでもなく、なんだか一気に気温が下がり、
日も短くなり冬へまっしぐら。
はぁー、好きな季節は短く、待っているのは長い冬

さて、前回の投稿から、森林の調査に2回、
足を運んできました。
1回目は雨のぬかるみに
(お借りしたサイズが合わない)長靴がとられまくり、、
2回目はカメラ(スマホ)を構える一瞬に
蚊が手に群がる、という山の洗礼を受けましたが、
それでも、森林の香りが気持ちいい。

森林整理の試みには、実はかなりの反響があります。
「生産緑地」と同じように気になるテーマでありながら、
(なにかビジネスにできないかという摸索と
森林育成・林業振興という社会的テーマへの関心と)
実際は手をつける(つけられる)人が多くない、ということなのでしょう。

管理できない山をどうにかしたいと思っている一般消費者が
たくさんいる一方、山を活かしている人たちもたくさんいる現実。
良質な木を切り出したい事業者さんはもちろんですが、
社会貢献の一環で植樹活動をしている企業、学校等は多く、
個人向けのボランティアとしても植樹ツアーは大人気

でも、植えるためには植える場所が必要であり、そのためには
適宜木を伐採しなければならない。
そして何のために植えるのか、の理解が必要。
「植える→育てる→収穫する」という森林のサイクル
うまく循環して初めて、良質な木が育ち、森林の機能が
発揮されるのです。収穫して使う、今、国が推進している
ことであり、それで木造の建築物をもっと増やしましょう、という
流れになっているのはいつも書いているとおり。
今、日本の森林は木を「使わなさすぎでダメ」な状態なのです。
(林野庁による)

とまあ、大きな話はともかく、私はまずは、所有者が
はっきりしていて、所有者の自覚はあっても、見たことも
行ったこともない、長年放置しているので気がかりな、
次の代にそのまま引き継がせたくない、不良資産化した山
の整理を手伝っています。
なんとかしなければ、と思い立ったその勢いで
まずは場所の特定、山の状態を知るところから始める必要があるでしょう。

なんとかする、とは、管理して保有していくのか、手放すのか。
先祖代々の山であれば、なんとなく手放してはいけないような
気になっているケースもあるでしょうが、土地建物と同じで、
「状態」でなく「面積」をひたすら維持する意味がどこまであるか
を是非考えていただきたいです。
不動産は活用されてナンボのもの
活かしてくれる誰かに託す(or譲る)べき、そう思うのです。

譲るにも貰い手がいなければ成り立たないので、いずれにしても
場所の特定、山の状態確認が必要。
これは足を運ばなくてもできます。

固定資産税を払っているなら、地番はわかるはずなので、
不動産と同じく、公図をとって、全体像を確認。
(都心で見慣れた公図の縮尺は通常1/600ですが、
縮尺が全く違います。)
そして航空地図(グーグルマップ)でも確認。この際
宅地でないと検索してもでてこないことがあるので、
近くの宅地を探って、そこから公図の形状と一致する山を
見つけ出す感じ。
ついでにその山に接する道の状況も確認します。

そして、「森林簿」をとります。

ちなみに、各市町村ごとに森林組合が存在するので、
(組合員になってないケースが多いでしょうが)連絡をとって、
事情を伝えて相談するのは有効な方法です。
森林組合が買い取ってくれることはありませんけど。


続きはまた次回☆

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田舎の山、どうにかならない?

8月に入ったら涼しい

日々色々な方とお話しますが、
仕事が木に絡んでいることから、
結構な高い確率で、
田舎に山もってるんだけど、どうにかならないかな?」
と話を振られます。

とはいえ、その場の話題で終わってしまうことがほとんどで、
真剣に今どうにかしようと考えているわけではない、
ということなんだと思いますが。

日本の森林は国土面積の3分の2。
その3割が国有林なので、それ以外のすごい面積の森林が
我々の周りの誰かの所有になっているのです。
そこここの人が山持っていても不思議ではありません。

で、相続して、固定資産税は払っているものの、
一度も行ったことないまま放置していて、
処分できるならしたいけど、場所も境界もわからないし、
何から手をつけていいかわからない。
やること多そうだし、動いてかえって
持ち出しになってはいやだなぁ
とはいえ、子や孫の代に同じ思いをさせたくないから、
自分の代でなんとかしなくては・・・、と
もやもやしつつ、結局先送りしている。。。
こういう方は多いと思います。

でも、どこかでアクションを起こさければ、ずっとそのまま。
管理(適切な間伐など)がされない山林は、
時間がたてばたつほど、状態が悪くなって、
手をつけるのがますます大変になりますから
今気がかりなら、今動いたほうがいいですよね。

いつも書いていますが、
今、世の中で木造建築が注目されている背景には
日本の森林資源を有効に活用し(適宜間伐して、伐採して(使って)
植林する)森林を育てるという意図があります。
つまり、森林には本来資源がたくさんあるのに、
管理されていないことで、
木がぎゅうぎゅう詰めで細かったり曲がってたり、
病気になっていたりと、使えない状態になっている可能性が高く、
非常にもったいないことになっているのですね。

なので、所有者は重い腰を上げて、
まずは自分の山林の状態を知るところから始める必要があります。
山林も立派な不動産。不良資産を財産に変えないと。

でもそもそも、現地の特定からして大変。地番がわかっても
Googleではまず検索できません。Googleは宅地しかでてこないんです。

そんなことで、現在お手伝いしている案件をご紹介しながら
引き続きこの問題を考えていこうと思います。

と本題を先送り

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