私、股関節が硬いかも?

ヨガクラスに参加すると、「私、股関節が硬いのかも?」と気付く人は結構いるのではないでしょうか。そのような自分の身体に対する気付きがヨガでは大切で、その気付きがヨガの目的でもあるので、股関節の硬さに気付いたことは、まずとても素晴らしいことです。

股関節は、「屈曲・伸展・外転・内転・外旋・内旋」の6つの方向に動かすことが可能な関節です。6方向のうちどの方向に動かすことが苦手と感じるのか、またはどのヨガポーズの時に辛さやできないと感じるのかを明確にすることで、股関節の硬さの原因がある程度分かります。

しかし、自分自身の股関節の硬さについてそこまで分析することは、なかなか難しいかもしれません。

そこで今回は、股関節の柔軟性をUPさせるためのタオルを使ったストレッチを、5つ紹介したいと思います。股関節の柔軟性を高めるためには、とりあえずこの5つのストレッチだけでOKです。この5つのストレッチのうち、一番「辛い」「硬い」といった刺激を感じるものが、自分にとって最も課題となるストレッチのはずです。

ストレッチすべき筋肉は?

股関節は、骨盤と太ももの付け根が接する部分です。骨盤のくぼみ(寛骨臼:かんこつきゅう)に、太ももの骨の球状になった部分(大腿骨頭:だいたいこっとう)が、スッポリとはまる形になっています。股関節は身体の中で最も大きな関節です。その股関節を、たくさんの筋肉が何層にもなって覆っています。そして、それらの筋肉が股関節の動きを生み出すのです。

股関節の柔軟性UP!理学療法士が教えるヨガ前のタオルストレッチ
引用:川島敏生「ぜんぶわかる筋肉・関節の動きとしくみ事典」

複数ある股関節周囲筋のうち、今回は次の5つの主要な筋肉をターゲットにストレッチを行います。

・ハムストリングス(太ももの裏側の筋肉)
・内転筋群(太ももの内側の筋肉)
・大殿筋(お尻の筋肉)
・腸腰筋(股関節の奥にある筋肉)
・大腿四頭筋(太ももの正面の筋肉)

また、股関節のストレッチを行うことで、股関節の柔軟性が上がるだけではなく、

・脚の上げ下げがスムーズになる
・腰痛や下肢痛、しびれの改善
・運動パフォーマンスの向上
・下肢の筋力がつきやすくなる
・怪我をしにくくなる
・疲れにくくなる
・代謝が良くなる
・冷えやむくみの改善

などが期待できます。では次に5つのストレッチを紹介していきます。



5つのストレッチを紹介

フェイスタオルを1枚用意します。あればヨガベルトでもOKです。ストレッチには様々な種類がありますが、今回は反動をつけずにゆっくり伸ばしていく「スタティック(静的)ストレッチ」で行います。ストレッチを行う際のポイントは、

・20〜30秒間キープする
・ターゲットの筋肉が痛気持ちいいと感じる強度で伸ばす
・深呼吸を続ける

この3つです。

1.ハムストリングス

ハムストリングスは、太ももの裏側の筋肉です。タオルの両端をそれぞれ片手で持ち、右足の裏にタオルを引っかけて脚を天井に伸ばしてキープします。この時、膝は伸ばし切らずに少し緩めるのがポイントです。そうすればターゲットのハムストリングスにしっかりストレッチがかかります。

股関節の柔軟性UP!理学療法士が教えるヨガ前のタオルストレッチ
Photo by Yuki Horikawa

2.内転筋群

内転筋群は、太ももの内側の筋肉の総称です。タオルの両端を右手でまとめて持ち、タオルを足裏に引っかけたまま右外側に倒してキープします。

股関節の柔軟性UP!理学療法士が教えるヨガ前のタオルストレッチ
Photo by Yuki Horikawa

3.大殿筋

大殿筋は、お尻の筋肉です。タオルの両端を左手でまとめて持ち、タオルを足裏に引っかけたまま左内側に倒してキープします。その脚をさらに床に近づけるか、つま先を顔に近づける方向に持ち上げると更に伸びます。

股関節の柔軟性UP!理学療法士が教えるヨガ前のタオルストレッチ
Photo by Yuki Horikawa








4.腸腰筋

腸腰筋は、股関節の奥にあるインナーマッスルです。両脚を前後に開脚して、深くしゃがみます。前の膝がつま先より手前に収まるように脚幅を調整します。この時に腰が反り過ぎないように、骨盤は真っ直ぐ立てましょう。

股関節の柔軟性UP!理学療法士が教えるヨガ前のタオルストレッチ
Photo by Yuki Horikawa

5.大腿四頭筋

大腿四頭筋は、太ももの正面にある筋肉です。④の状態から後ろ脚のつま先を片手でつかみ、お尻に近づけるように引き寄せます。バランスを崩しやすいので、手は椅子や壁など支えを持って行ってOKです。

股関節の柔軟性UP!理学療法士が教えるヨガ前のタオルストレッチ
Photo by Yuki Horikawa

④と⑤は、写真のように椅子などの台を使うとやりやすいですし、ローランジのように床の上で行うこともできます。この時に、折り畳んだタオルを後ろ脚の膝下に置いて、膝を保護しましょう。ストレッチの順は、

右脚にタオルをかけて①②③→左脚にタオルをかけて①②③→右脚の膝にタオルを置いて④⑤→左脚の膝にタオルを置いて④⑤

このように行うとスムーズです。

①〜⑤のストレッチは、片脚各20〜30秒ずつ必ずキープしましょう。10秒経つごとに筋肉に余裕が出てくるので、更に1cm、1cmと遠くに伸ばしていくようにストレッチを深めましょう。そして伸ばす強度は、「痛気持ちいい」と感じるところです。痛過ぎるところまで伸ばすと伸長反射が起こり、伸ばしたい筋肉が逆に縮まろうとする反応が起こってしまいます。また、気持ちいいだけの強度だと、筋肉に刺激が入らずに柔軟性の向上が見込めません。

そして、余計な緊張をとくために深呼吸も大切です。5秒間で吸って5秒間で吐く、これを3回繰り返すと、目標の30秒が経過します。

最後に

股関節を柔らかくするためには、とりあえず5つのストレッチだけでOKです。この5つのストレッチのうち、最も硬さや刺激を感じるものが、今の自分の課題となるストレッチのはずです。それを特に重点的に行ってみてください。

5つ全部行ったとしてもトータルたったの5分間弱です。ヨガクラスが始まる前や終わった後の5分間や、毎日のお風呂上がりの5分間など、コツコツ続けてみてください。続ければ必ず変化が現れるはずです。